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ロディくん退院
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その紫の目は潤んでいてどこか切なげで――イリスの胸の中が、にわかに騒がしくなった。
(えっ……どういうこと)
イリスが固まっていると、サイラスはぱっとイリスの腕をはなして、カルテに向き直った。
「今日はロディさんが退院する日ですので、その準備等おねがいします」
そう言われて、イリスは嬉しいような、ちょっと拍子抜けしたような気持ちになった。
(な、なるほど。待ってたってそういうことね)
内心を押し隠し、イリスは明るく言った。
「ロディくん、やっと退院できるまでに回復したんですね! よかった……」
彼が治ったと聞くと、しみじみと嬉しかった。
(先生の薬のおかげ! 私が頑張って引き止めたかいがあるってものね!)
一組の親子を、死の別離から救うことができたのだ。イリスは間接的ながらも、自分もその助けになれたと思うとうれしかった。
きっと彼も、彼の母も喜ぶだろう。イリスはうなずいた。
「いますぐ行って、退院準備を手伝ってきてあげますね!」
ドアを開けて、嬉しい気持ちでロディの元に向かう。
その背中を、サイラスはただ、じっと見つめていた。
◆
「先生、それに皆さん、うちの子が大変お世話になりました」
たくさんの荷物が入ったリュックを嬉し気に背負ったロディの横には、母が立っていた。
「悪魔の蔓に嚙まれたというのに、まさかこんなに早く、こうして健康に戻ってこれるなんて……」
母の声に鼻声が混じる。
「思ってもいませんでした……」
彼女の涙を見て、イリスもじーんと目頭が熱くなる。
これからロディは、家族の元に戻って再び一緒に暮らせるのだ。
――こんな幸せなことって、ない。
「よかった……私たちも本当にうれしいです」
母親の隣で嬉し気にしていたロディが、ふとサイラスに歩みよった。
「ありがとう、先生のおかげで、僕……病気が治った」
イリスはちらりと彼を見上げた。最後くらい、笑顔で見送ってくれるだろうか――と思ったが、しかしサイラスはいつも通りの冷静な表情で言った。
「私は仕事をしただけです。病気が治ったのは、私の力というより、あなたの頑張りによるところが大きいでしょう」
(おお、そっけなく見えるけど……遠まわしにロディをほめている!)
イリスはなんだかわがことのように嬉しくなったが、ロディは目を丸くしていた。彼には褒められているということがわかっていないのかもしれない。
「そうよ、ロディもよく頑張ったわ。苦い薬をちゃんと飲んで、ひとりの病院生活にも耐えて。病気が治ったのは、薬だけでなく、ロディ自身ががんばったから、ってスノウ先生は言っているのよ」
イリスがそう補足すると、母親もロディもうれしそうに、もう一度皆に礼を言った。
「さようなら、元気でね……!」
ロディのことを見ていた助手たちと、サイラス、そして院長も総出で見送るなか、ロディは母に連れられて、病室をあとにした。
研究室に戻って、イリスは深呼吸をした。まだちょっと感極まっていたのだ。
「ロディが治って、本当によかったですねぇ……」
「そうですね」
言葉すくなに答える彼に、イリスはにっこりした。
「優しいんですね。ロディにあんな言葉をかけるなんて」
「……本当のことを言っただけです。彼は弱音も吐いていましたが、よく耐えていたと思います」
――サイラスはけっこう、よく人のことを見ているんだな。
(私の好きなものとか、ロディの頑張りとか、全部、言わないけど知っていたもの)
イリスは改めて、そう気が付いた。
「先生って、すごいですねぇ」
するとサイラスは、ぐっと言葉に詰まったような顔をした。
「ど……こが」
その声が否定的だったので、イリスは素直に言った。
「薬を作れるだけですごいのに、患者さんの気持ちや行動も、ちゃんと見て理解していて。えらいなぁって思います」
魔術師としての立場をかさに着て、周りに横柄に接する誰かとは大違いだ。
(……誰とは、言わないけどっ!)
するとサイラスは、なぜかイリスから顔をそらしてつぶやいた。
「べ、別に……当たり前の、ことです。わざわざあなたに言われる間でもなく」
その声は、少しそっけなかったが、早口で動揺を表してもいた。
もしかして――ほめられて照れているんだろうか。
ふふ、とイリスは笑いたくなった。
(スノウ先生は、律儀で誠実で――本当はすごく、優しいひと)
たった2度寝ただけだが、イリスもそのことがなんとなくわかるようになってきた。
たとえ子供相手でも、嘘やごまかしを言わずに接している。時に不愛想に思えるかもしれないが、笑顔で嘘をつくよりも、ずっと誠実な対応ではないだろうか。
(きっとロディのような子どもでも、接してくるうちに、先生の本性がわかってくるのね)
午後の分の薬をチェックするサイラスの横顔を見て――イリスの胸の中に、なんだか今までになかった気持ちが湧き上がってくる。
(いい人……だな)
それは、淡い好意。そして、尊敬する気持ち。その二つが合わさって、イリスの胸の中をかきまわす。
いけない、このままじゃ、もっと大きな、別の気持ちになってしまいそう。
(好き……なのは、先生が、魔術師として尊敬できるから。別に、恋愛的な意味じゃない)
イリスが必死に自分に言い訳をしていると、がらりとドアがあいて、サザフィールドが入ってきた。
「やあやあ、お疲れさま、二人とも」
「わ、院長。どうしたんですか」
イリスが駆け寄ると、サイラスはちょっと嫌そうな顔をした。
サザフィールドは苦笑しながら、持っていたテイクアウトの紙袋をドサドサと机に置いた。
「なに、差し入れだよ。そろそろランチタイムだろう。二人で食べておくれ」
「あっ、これ、街角ドーナツだ! いいんですかぁ!」
思わず笑顔になってしまったイリスだったが、サイラスは冷徹に言った。
「私は行きませんので」
ン? ドーナツいらないってこと? とイリスはサイラスを見たが、サザフィールドはやれやれと頭をかいた。
「まだ何も言っていないじゃないか」
「院長の考えはわかりますが……私は辞退すべきです」
イリスは交互に二人を見た。
(なに? なんかもめてる……?)
キョロついているイリスを見て、サザフィールドは首を振った。
「実は、ロディ君のためにサイラスが作った薬が、学会に認められて、賞をもらえることになったんだよ」
イリスは素直にお祝いを言った。
「えっ、そうなんですか! たしかに、すごい薬ですものね。おめでとうございます先生」
「そう。サイラスが薬のマニュアルを作って送付したおかげで、すでにロディ君以外にもこの薬は使われていて、効果が出ているんだ」
しかしサザフィールドはおよよ、とイリスに向かって溜息をついてみせた。
「けれどサイラスは、賞を辞退するというんだ。学会にも出ない、と……イリスくん、君からも彼を説得しておくれよ」
あらまぁ、とイリスがサイラスを見上げると、サイラスはとても嫌そうな顔でハァ、と溜息をついた。
「な、なんですか。まだ何も言ってないじゃないですか」
サザフィールドと同じことを口走ったイリスに、サイラスは淡々と言った。
「何を言うか想像はつきます。私は賞などという光栄に浴するような者ではありません。それは院長もご存じでしょう」
その表情は硬く、院長はあえてそれ以上何も言わなかった。
「ランチタイムにお邪魔して悪かったね、それじゃあ」
心なしか寂しそうに彼が出て行ってしまって、研究室はちょっと気まずい沈黙に包まれた。
(あ~……スノウ先生、怒ってるかな……?)
(えっ……どういうこと)
イリスが固まっていると、サイラスはぱっとイリスの腕をはなして、カルテに向き直った。
「今日はロディさんが退院する日ですので、その準備等おねがいします」
そう言われて、イリスは嬉しいような、ちょっと拍子抜けしたような気持ちになった。
(な、なるほど。待ってたってそういうことね)
内心を押し隠し、イリスは明るく言った。
「ロディくん、やっと退院できるまでに回復したんですね! よかった……」
彼が治ったと聞くと、しみじみと嬉しかった。
(先生の薬のおかげ! 私が頑張って引き止めたかいがあるってものね!)
一組の親子を、死の別離から救うことができたのだ。イリスは間接的ながらも、自分もその助けになれたと思うとうれしかった。
きっと彼も、彼の母も喜ぶだろう。イリスはうなずいた。
「いますぐ行って、退院準備を手伝ってきてあげますね!」
ドアを開けて、嬉しい気持ちでロディの元に向かう。
その背中を、サイラスはただ、じっと見つめていた。
◆
「先生、それに皆さん、うちの子が大変お世話になりました」
たくさんの荷物が入ったリュックを嬉し気に背負ったロディの横には、母が立っていた。
「悪魔の蔓に嚙まれたというのに、まさかこんなに早く、こうして健康に戻ってこれるなんて……」
母の声に鼻声が混じる。
「思ってもいませんでした……」
彼女の涙を見て、イリスもじーんと目頭が熱くなる。
これからロディは、家族の元に戻って再び一緒に暮らせるのだ。
――こんな幸せなことって、ない。
「よかった……私たちも本当にうれしいです」
母親の隣で嬉し気にしていたロディが、ふとサイラスに歩みよった。
「ありがとう、先生のおかげで、僕……病気が治った」
イリスはちらりと彼を見上げた。最後くらい、笑顔で見送ってくれるだろうか――と思ったが、しかしサイラスはいつも通りの冷静な表情で言った。
「私は仕事をしただけです。病気が治ったのは、私の力というより、あなたの頑張りによるところが大きいでしょう」
(おお、そっけなく見えるけど……遠まわしにロディをほめている!)
イリスはなんだかわがことのように嬉しくなったが、ロディは目を丸くしていた。彼には褒められているということがわかっていないのかもしれない。
「そうよ、ロディもよく頑張ったわ。苦い薬をちゃんと飲んで、ひとりの病院生活にも耐えて。病気が治ったのは、薬だけでなく、ロディ自身ががんばったから、ってスノウ先生は言っているのよ」
イリスがそう補足すると、母親もロディもうれしそうに、もう一度皆に礼を言った。
「さようなら、元気でね……!」
ロディのことを見ていた助手たちと、サイラス、そして院長も総出で見送るなか、ロディは母に連れられて、病室をあとにした。
研究室に戻って、イリスは深呼吸をした。まだちょっと感極まっていたのだ。
「ロディが治って、本当によかったですねぇ……」
「そうですね」
言葉すくなに答える彼に、イリスはにっこりした。
「優しいんですね。ロディにあんな言葉をかけるなんて」
「……本当のことを言っただけです。彼は弱音も吐いていましたが、よく耐えていたと思います」
――サイラスはけっこう、よく人のことを見ているんだな。
(私の好きなものとか、ロディの頑張りとか、全部、言わないけど知っていたもの)
イリスは改めて、そう気が付いた。
「先生って、すごいですねぇ」
するとサイラスは、ぐっと言葉に詰まったような顔をした。
「ど……こが」
その声が否定的だったので、イリスは素直に言った。
「薬を作れるだけですごいのに、患者さんの気持ちや行動も、ちゃんと見て理解していて。えらいなぁって思います」
魔術師としての立場をかさに着て、周りに横柄に接する誰かとは大違いだ。
(……誰とは、言わないけどっ!)
するとサイラスは、なぜかイリスから顔をそらしてつぶやいた。
「べ、別に……当たり前の、ことです。わざわざあなたに言われる間でもなく」
その声は、少しそっけなかったが、早口で動揺を表してもいた。
もしかして――ほめられて照れているんだろうか。
ふふ、とイリスは笑いたくなった。
(スノウ先生は、律儀で誠実で――本当はすごく、優しいひと)
たった2度寝ただけだが、イリスもそのことがなんとなくわかるようになってきた。
たとえ子供相手でも、嘘やごまかしを言わずに接している。時に不愛想に思えるかもしれないが、笑顔で嘘をつくよりも、ずっと誠実な対応ではないだろうか。
(きっとロディのような子どもでも、接してくるうちに、先生の本性がわかってくるのね)
午後の分の薬をチェックするサイラスの横顔を見て――イリスの胸の中に、なんだか今までになかった気持ちが湧き上がってくる。
(いい人……だな)
それは、淡い好意。そして、尊敬する気持ち。その二つが合わさって、イリスの胸の中をかきまわす。
いけない、このままじゃ、もっと大きな、別の気持ちになってしまいそう。
(好き……なのは、先生が、魔術師として尊敬できるから。別に、恋愛的な意味じゃない)
イリスが必死に自分に言い訳をしていると、がらりとドアがあいて、サザフィールドが入ってきた。
「やあやあ、お疲れさま、二人とも」
「わ、院長。どうしたんですか」
イリスが駆け寄ると、サイラスはちょっと嫌そうな顔をした。
サザフィールドは苦笑しながら、持っていたテイクアウトの紙袋をドサドサと机に置いた。
「なに、差し入れだよ。そろそろランチタイムだろう。二人で食べておくれ」
「あっ、これ、街角ドーナツだ! いいんですかぁ!」
思わず笑顔になってしまったイリスだったが、サイラスは冷徹に言った。
「私は行きませんので」
ン? ドーナツいらないってこと? とイリスはサイラスを見たが、サザフィールドはやれやれと頭をかいた。
「まだ何も言っていないじゃないか」
「院長の考えはわかりますが……私は辞退すべきです」
イリスは交互に二人を見た。
(なに? なんかもめてる……?)
キョロついているイリスを見て、サザフィールドは首を振った。
「実は、ロディ君のためにサイラスが作った薬が、学会に認められて、賞をもらえることになったんだよ」
イリスは素直にお祝いを言った。
「えっ、そうなんですか! たしかに、すごい薬ですものね。おめでとうございます先生」
「そう。サイラスが薬のマニュアルを作って送付したおかげで、すでにロディ君以外にもこの薬は使われていて、効果が出ているんだ」
しかしサザフィールドはおよよ、とイリスに向かって溜息をついてみせた。
「けれどサイラスは、賞を辞退するというんだ。学会にも出ない、と……イリスくん、君からも彼を説得しておくれよ」
あらまぁ、とイリスがサイラスを見上げると、サイラスはとても嫌そうな顔でハァ、と溜息をついた。
「な、なんですか。まだ何も言ってないじゃないですか」
サザフィールドと同じことを口走ったイリスに、サイラスは淡々と言った。
「何を言うか想像はつきます。私は賞などという光栄に浴するような者ではありません。それは院長もご存じでしょう」
その表情は硬く、院長はあえてそれ以上何も言わなかった。
「ランチタイムにお邪魔して悪かったね、それじゃあ」
心なしか寂しそうに彼が出て行ってしまって、研究室はちょっと気まずい沈黙に包まれた。
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