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元カレには負けない
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「えー、今日スノウ先生、休みなんだ」
「そうなんです……! どうしよう、薬の手配とか私だけじゃ……」
月曜の朝出勤すると、西棟当番の新人助手がバタバタ忙しそうにしていたので、イリスは少し手伝ってあげた。
「ここの薬はロディくんに。ちょっと飲み渋りするけど、励ませば飲んでくれるよ。それから176号室のゴーティアさんは……」
「ありがとうございます、先輩……!」
「いいのよ。困った時はお互い様。また何かあったら、伝言メモとばしてね」
イリスも時間がまずかったが、一緒に薬の仕分けなどを行い、ギリギリで彼女が朝の患者さん回りにいくのを見送ってから、西棟へ走った。
「遅いぞ! ラシエル!!」
レミングス先生にぶうぶう言われて、イリスは平謝りした。
「すみません、ちょっとトラブルがありまして」
するとレミングスの隣に立っていたゴディが、皮肉に笑ってイリスを見下ろした。
「おやおや、助手の分際で、レミングス先生に口ごたえですか」
イリスは内心、ケっと彼に対して中指を立てた。
(また来てるのか、レミングス先生の腰ぎんちゃく――)
彼は、ゼス財団傘下の魔術薬会社の営業で、よくこの研究室に出入りし、御曹司であるレミングスにゴマを擦っているのだった。
(はぁ、こっちは無視しよ!)
まだ朝なのだ。体力気力を無駄遣いしたくない。イリスはレミングスに向かって説明をした。
「時間外なのですが、西棟の手伝いに少し入っていて」
するとレミングスの顔つきが変わった。
「ははん。迷惑な話だねぇ。今日スノウのやつ、無断欠勤だそうだよ」
「そ、そうなんですか……?」
「まったくいい身分だよ。そんな身勝手が許されてもいいと思う? 患者が待っているのに。院長のお気に入りで許されてるんだ……」
すかさずゴディが合いの手を入れる。
「ええ、ええ、そうですとも。先生の言うとおりです」
ヤニさがるレミングスを見て、イリスはちょっと苦笑いになった。
(普段平気で待たせたり、患者さんを怒鳴ったりしてるのに……こんな時だけ『患者がまってるのに?』だって)
しかし、イリスはサイラスのことが気にかかった。
(先生大丈夫かな。まさかまた発情期関連で、体調を崩してる、とか……?)
心配だったので、イリスはこっそり伝言メモを飛ばした。
すると、すぐに返事が帰ってきた。
「迷惑をかけてすみません。事務所には欠勤の連絡をしました。ところで、8月の1週目の金曜日はあいていますか」
イリスはドキッとした。
(……「次」のお誘いだ……)
早々に予定を入れてくれるのはありがたい、と思いつつ、イリスはOKの返事を出したのだった。
◆
灼けそうな月曜日の昼下がり。ざわわっと魔動車営業所の受付内が沸き立っていた。
「ただいま戻りました……って、なーに騒いでるんだ?」
外回りの営業から戻ってきたフィズは、受付の内側で騒いでいる女の子たちに声をかけた。フィズよりも数歳年下のフレッシュな受付嬢たちは、興奮気味にささやいた。
「すっっごいイケメンが来たんですよっ! 見てくださいッ」
受付嬢が指さした先、顧客用のラウンジのソファに、青年が一人、座っていた。ちょうど受付嬢の一人にお茶を出されているところだった。フィズは興味なさげにうなずいた。
「ふ~ん」
受付嬢たちは悔しそうに歯噛みした。
「あぁ悔しい、リタめっ。私がお茶もっていきたかったのにぃ」
「下げるのは私がやるわっ」
「待って、平等にじゃんけんよ!」
かしまし雀たちのおしゃべりに内心ちょっと辟易としていると、お茶を出していたリタが戻ってきてフィズに声をかけた。
「あちらのお客様、ドライブ用の車をご所望だそうです。今あいているのはランカストさんだけなので、お願いします」
「わかった」
あーんいいなぁ、とすずめたちの声に、内心へッと思いながらも営業用の笑顔を浮かべ、フィズはお客の元へと向かった。
「お待たせいたしました。私、営業のフィジー・ランカストと申します」
すっと名刺を差し出して相手を見て、フィズは思わず気圧された。
(な、なんだ⁉ めちゃくちゃ睨まれてる⁉ でも……)
目の前の顧客の容姿に、さすがのフィズも圧倒された。
さらさらの、亜麻色の髪が、夏の日差しを受けてきらきら輝いている。長いまつ毛に、神秘的な紫色の目。女性と見紛うような端正な顔だち。
フィズより少し年上に見えるが、近寄りがたいくらいの美貌だ。
(これは……たしかに)
めったにお目にかかれないような美男子だ。受付娘たちが騒ぐのもわかるかもしれない。
しかしもうフィズも、営業ウン年目。客の顔がどうであれ、きつく睨まれたとて、仕事をするだけだ。驚きを押し隠して、いつものトークに入る。
「ドライブ用の車をご所望と伺いましたが、具体的なご希望などはおありですか?」
「特に……詳しくないのですが、乗っていて快適なものだとありがたいです」
ずいぶん抽象的な希望だ。あまり車には詳しくないタイプとみた。何か必要に迫られて車を買いにきたのだろう。
(服装――は、地味だけど、上等そうだ。いかにも金持ちには見えないけど、きっとタダものじゃない。ここは――)
とりあえず、高級車を薦めよう。営業のカンでそう判断し、フィズは彼の前にカタログを広げた。
「でしたらこちらはいかがでしょうか。わが社が誇るフォルティエチュードの最新型で、今年一番の人気でして、運転も座り心地も快適と評判です」
男はちらりとカタログを見た。
「では、それにします」
さすがのフィズの度肝を抜かれた。
(そ、即決すぎないか⁉ 値段見たか⁉)
フィズがこの間、イリスに力説した新型フォルティエチュードは、ゆうにフィズの年収3年分を超える。
しかし様子をうかがうと、相手は真面目に言っているようだった。
(ま、まぁ、金持ちのボンボンかなんかかもしれないし!)
フィズは気を取り直して、段取りを説明した。
「誠にありがとうございます。では、まずお色とオプションをお決めいただきまして、納車日が……」
書類を指さしながら段階を踏んで説明するフィズだったが、お客の男はなぜか手元の書類ではなく、フィズの顔をじ――ーっとみていた。
なんだか、探るような、睨まれているような、そんな目だった。
(また、なんだ⁉ 俺なんかしちゃったか⁉)
こんな顔が整った男に熱烈に見つめられることなど、そうそうない。フィズは冷や汗が出てきた。
(い、いや、おちつけ。平常心。平常心)
「以上が、納車の流れになります。お支払いは、ローンでよろしいでしょうか」
ローンの説明書を出しながら聞くと、男はじーっとフィズを見つめていた目をそらして、ソファの脇においておいた鞄を差しだした。
「一括で支払いたいのですが、足りますか?」
鞄を開けるとそこには――ぎっしりと札束が詰まっていた。
(えええっ!?!?!?)
普段お目にかかることのない大量の現金にさすがのフィズも驚いて、彼に聞き返した。
そんな風には見えないが、もしかしたら反社かもしれない。
「こ、こちらかなり大量の現金となりますが、一体どちらから……?」
「先ほど銀行で私の口座からおろしてきました」
そう言って彼は、懐から身分証明書と取引明細書を出した。
フィズは指の震えを抑えながら、その文字を確認した。
出された身分証明書には、金の五芒星のマークがあった。それでフィズは合点がいった。
(なるほど、治療院の魔術師か。それなら高給取りのはずだ)
フィズはいったん納得して、鞄を受け取った。
「確認させていただきました。ありがとうございます。それではこちら、受付にて数えてまいりますね」
フィズが受付の女の子たちに札束の確認を頼むと、彼女らはますますキャッキャと黄色い声を上げた。
「イケメンの上にお金もちなんて……!」
「職業はなんて⁉ 社長⁉ 御曹司⁉ それともアーティスト⁉」
みんなの目がハートになっているのを、フィズはこら、とたしなめた。
「ちょっと。浮かれてないでちゃんと数えて」
「やだ、ちゃんとやりますよぉ」
「嫉妬しないでくださぁい♡」
「してねぇよ! ったく……」
ふうやれうやれ、とフィズは彼の待つ席へと戻った。
「すみません、ただいま勘定書きをお作りいたしますので、少々お待ちください」
フィズがにっこりすると、ふと彼は受付を振り向いて、フィズに視線を戻した。
「ランカスト……さんは、皆さんと仲が良いのですか」
意外過ぎる質問に、フィズは「?」となりつつも笑顔で答えた。
「いえ、そうでもありませんが……何しろ受付嬢はおしゃべりなので」
話が途切れて、フィズはいつも通りの営業トークで時間を埋めることにした。
「それにしても、お客様、即決なさいましたね。なにか車を使うご予定があるのですか」
「そうなんです……! どうしよう、薬の手配とか私だけじゃ……」
月曜の朝出勤すると、西棟当番の新人助手がバタバタ忙しそうにしていたので、イリスは少し手伝ってあげた。
「ここの薬はロディくんに。ちょっと飲み渋りするけど、励ませば飲んでくれるよ。それから176号室のゴーティアさんは……」
「ありがとうございます、先輩……!」
「いいのよ。困った時はお互い様。また何かあったら、伝言メモとばしてね」
イリスも時間がまずかったが、一緒に薬の仕分けなどを行い、ギリギリで彼女が朝の患者さん回りにいくのを見送ってから、西棟へ走った。
「遅いぞ! ラシエル!!」
レミングス先生にぶうぶう言われて、イリスは平謝りした。
「すみません、ちょっとトラブルがありまして」
するとレミングスの隣に立っていたゴディが、皮肉に笑ってイリスを見下ろした。
「おやおや、助手の分際で、レミングス先生に口ごたえですか」
イリスは内心、ケっと彼に対して中指を立てた。
(また来てるのか、レミングス先生の腰ぎんちゃく――)
彼は、ゼス財団傘下の魔術薬会社の営業で、よくこの研究室に出入りし、御曹司であるレミングスにゴマを擦っているのだった。
(はぁ、こっちは無視しよ!)
まだ朝なのだ。体力気力を無駄遣いしたくない。イリスはレミングスに向かって説明をした。
「時間外なのですが、西棟の手伝いに少し入っていて」
するとレミングスの顔つきが変わった。
「ははん。迷惑な話だねぇ。今日スノウのやつ、無断欠勤だそうだよ」
「そ、そうなんですか……?」
「まったくいい身分だよ。そんな身勝手が許されてもいいと思う? 患者が待っているのに。院長のお気に入りで許されてるんだ……」
すかさずゴディが合いの手を入れる。
「ええ、ええ、そうですとも。先生の言うとおりです」
ヤニさがるレミングスを見て、イリスはちょっと苦笑いになった。
(普段平気で待たせたり、患者さんを怒鳴ったりしてるのに……こんな時だけ『患者がまってるのに?』だって)
しかし、イリスはサイラスのことが気にかかった。
(先生大丈夫かな。まさかまた発情期関連で、体調を崩してる、とか……?)
心配だったので、イリスはこっそり伝言メモを飛ばした。
すると、すぐに返事が帰ってきた。
「迷惑をかけてすみません。事務所には欠勤の連絡をしました。ところで、8月の1週目の金曜日はあいていますか」
イリスはドキッとした。
(……「次」のお誘いだ……)
早々に予定を入れてくれるのはありがたい、と思いつつ、イリスはOKの返事を出したのだった。
◆
灼けそうな月曜日の昼下がり。ざわわっと魔動車営業所の受付内が沸き立っていた。
「ただいま戻りました……って、なーに騒いでるんだ?」
外回りの営業から戻ってきたフィズは、受付の内側で騒いでいる女の子たちに声をかけた。フィズよりも数歳年下のフレッシュな受付嬢たちは、興奮気味にささやいた。
「すっっごいイケメンが来たんですよっ! 見てくださいッ」
受付嬢が指さした先、顧客用のラウンジのソファに、青年が一人、座っていた。ちょうど受付嬢の一人にお茶を出されているところだった。フィズは興味なさげにうなずいた。
「ふ~ん」
受付嬢たちは悔しそうに歯噛みした。
「あぁ悔しい、リタめっ。私がお茶もっていきたかったのにぃ」
「下げるのは私がやるわっ」
「待って、平等にじゃんけんよ!」
かしまし雀たちのおしゃべりに内心ちょっと辟易としていると、お茶を出していたリタが戻ってきてフィズに声をかけた。
「あちらのお客様、ドライブ用の車をご所望だそうです。今あいているのはランカストさんだけなので、お願いします」
「わかった」
あーんいいなぁ、とすずめたちの声に、内心へッと思いながらも営業用の笑顔を浮かべ、フィズはお客の元へと向かった。
「お待たせいたしました。私、営業のフィジー・ランカストと申します」
すっと名刺を差し出して相手を見て、フィズは思わず気圧された。
(な、なんだ⁉ めちゃくちゃ睨まれてる⁉ でも……)
目の前の顧客の容姿に、さすがのフィズも圧倒された。
さらさらの、亜麻色の髪が、夏の日差しを受けてきらきら輝いている。長いまつ毛に、神秘的な紫色の目。女性と見紛うような端正な顔だち。
フィズより少し年上に見えるが、近寄りがたいくらいの美貌だ。
(これは……たしかに)
めったにお目にかかれないような美男子だ。受付娘たちが騒ぐのもわかるかもしれない。
しかしもうフィズも、営業ウン年目。客の顔がどうであれ、きつく睨まれたとて、仕事をするだけだ。驚きを押し隠して、いつものトークに入る。
「ドライブ用の車をご所望と伺いましたが、具体的なご希望などはおありですか?」
「特に……詳しくないのですが、乗っていて快適なものだとありがたいです」
ずいぶん抽象的な希望だ。あまり車には詳しくないタイプとみた。何か必要に迫られて車を買いにきたのだろう。
(服装――は、地味だけど、上等そうだ。いかにも金持ちには見えないけど、きっとタダものじゃない。ここは――)
とりあえず、高級車を薦めよう。営業のカンでそう判断し、フィズは彼の前にカタログを広げた。
「でしたらこちらはいかがでしょうか。わが社が誇るフォルティエチュードの最新型で、今年一番の人気でして、運転も座り心地も快適と評判です」
男はちらりとカタログを見た。
「では、それにします」
さすがのフィズの度肝を抜かれた。
(そ、即決すぎないか⁉ 値段見たか⁉)
フィズがこの間、イリスに力説した新型フォルティエチュードは、ゆうにフィズの年収3年分を超える。
しかし様子をうかがうと、相手は真面目に言っているようだった。
(ま、まぁ、金持ちのボンボンかなんかかもしれないし!)
フィズは気を取り直して、段取りを説明した。
「誠にありがとうございます。では、まずお色とオプションをお決めいただきまして、納車日が……」
書類を指さしながら段階を踏んで説明するフィズだったが、お客の男はなぜか手元の書類ではなく、フィズの顔をじ――ーっとみていた。
なんだか、探るような、睨まれているような、そんな目だった。
(また、なんだ⁉ 俺なんかしちゃったか⁉)
こんな顔が整った男に熱烈に見つめられることなど、そうそうない。フィズは冷や汗が出てきた。
(い、いや、おちつけ。平常心。平常心)
「以上が、納車の流れになります。お支払いは、ローンでよろしいでしょうか」
ローンの説明書を出しながら聞くと、男はじーっとフィズを見つめていた目をそらして、ソファの脇においておいた鞄を差しだした。
「一括で支払いたいのですが、足りますか?」
鞄を開けるとそこには――ぎっしりと札束が詰まっていた。
(えええっ!?!?!?)
普段お目にかかることのない大量の現金にさすがのフィズも驚いて、彼に聞き返した。
そんな風には見えないが、もしかしたら反社かもしれない。
「こ、こちらかなり大量の現金となりますが、一体どちらから……?」
「先ほど銀行で私の口座からおろしてきました」
そう言って彼は、懐から身分証明書と取引明細書を出した。
フィズは指の震えを抑えながら、その文字を確認した。
出された身分証明書には、金の五芒星のマークがあった。それでフィズは合点がいった。
(なるほど、治療院の魔術師か。それなら高給取りのはずだ)
フィズはいったん納得して、鞄を受け取った。
「確認させていただきました。ありがとうございます。それではこちら、受付にて数えてまいりますね」
フィズが受付の女の子たちに札束の確認を頼むと、彼女らはますますキャッキャと黄色い声を上げた。
「イケメンの上にお金もちなんて……!」
「職業はなんて⁉ 社長⁉ 御曹司⁉ それともアーティスト⁉」
みんなの目がハートになっているのを、フィズはこら、とたしなめた。
「ちょっと。浮かれてないでちゃんと数えて」
「やだ、ちゃんとやりますよぉ」
「嫉妬しないでくださぁい♡」
「してねぇよ! ったく……」
ふうやれうやれ、とフィズは彼の待つ席へと戻った。
「すみません、ただいま勘定書きをお作りいたしますので、少々お待ちください」
フィズがにっこりすると、ふと彼は受付を振り向いて、フィズに視線を戻した。
「ランカスト……さんは、皆さんと仲が良いのですか」
意外過ぎる質問に、フィズは「?」となりつつも笑顔で答えた。
「いえ、そうでもありませんが……何しろ受付嬢はおしゃべりなので」
話が途切れて、フィズはいつも通りの営業トークで時間を埋めることにした。
「それにしても、お客様、即決なさいましたね。なにか車を使うご予定があるのですか」
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