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もう戻れない※
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「今日をどんなに……待っていたか……ッ」
抱き合って交わりながら、耳元でささやかれる。
「はぁ、あなたの中、も……私を待っていて、くれましたか?」
普段あんなすました態度でいるのに、最中の彼はよくしゃべり、そして、よく動いた。
(いつも、絶対ッ……お愛想なんて言わないのに……っ。それに、体力……ッ)
もう数十分は、こうして睦言をささやきながら、ゆすぶられている。
最初はゆっくりとした動きで、そして今は――激しく。
(まずい……ぁ、やだ、また……ッ)
ごりゅっ、と先端で奥をえぐられて、身体に痙攣が走る。
丁寧に時間をかけてほぐされたせいで、イリスの中は蜜を流し蕩けきっていた。
もう何度イッたかわからない。
「ふっ……ん、イリス、またイきましたね?」
悪魔的な笑顔で見下ろされて、イリスはぐうの音も出なかった。
「うっ……せん、せ……も、止め……休憩、させ、て……ッ」
するとサイラスは、ぱん! と小気味よい音を立てて、イリスの奥に自らを突き立てた。
「~~~ッ!」
目を閉じて、衝撃に耐えるイリスに覆いかぶさり、耳元でサイラスは微笑んだ。
「だめです……私はまだ、イッていないので」
(どっ、どうしてこれだけやってて、まだイかないの……⁉)
もうこれ以上イかされるのは嫌だ。イリスは身体をよじって逃げようとした。
「お、ねがい、しますっ……い、いったん、抜いて……ッ」
「んっ……もう、仕方ないですね」
サイラスはわらって、じらすように杭を引き抜いた。するとその場所にぽっかり穴があいて、じくじく求めている感触がし、イリスは自分ながら恐ろしくなった。
(なんで⁉ もう、疲れてるのに……イかされちゃうの、嫌、なのに……ッ)
イリスはその衝動をやり過ごすために、からだを横にしてエビのように丸まった。
しかしサイラスは、丸まったイリスの片足をぐっと持ち上げて、そのまま太ももを抱きしめるように抱え、蜜口に再び己をあてがった。
「ほら、わかるでしょう? あなたのココは、まだ欲しがっていますよ」
「な……なにっ……!?」
流れるような一連の動作を止める間もなく、再び中に彼のものが押し込まれた。
「ね、もう一度しましょう? ずっと、夜が明けるまで……いいえ、明けても」
な、何を言うんだ……!? イリスはさすがに抗議をしようとしたが、ぐっ、と特殊な体勢で突かれて、文句を言う余裕は消え失せた。
「ひぃッ……⁉」
足をあげられているせいか、彼のモノがより深く、ずっぷりと根本まで挿入される。
「だめっ……ぇ、うぁ、あッ」
イリスがたまらず訴えると、サイラスは首をかしげてささやいた。
「ダメ、ですか? でも、イリスの中はこんなに濡れて、私を締め付けていますよ」
「だっ、だから、ダメっ……」
足を抱えられて、こんな風に入れられて、中の深い場所を擦られるのは、イリスにとって未知の快感だった。
「ここが、弱いんですね。わかりました。優しくしますから……」
その言葉とは裏腹に、サイラスは片方の手でイリスの腰をガッチリ掴んだ。
「逃げちゃダメですよ」
ぬぷ、と彼のものがゆっくりと抜けていく。太ももと腰をつかまれて、自分の好きに身動きできない。彼がイリスの動きまでコントロールしている。
「あ、ぁ……まっ、て」
来る。来る。やっちゃダメな場所に、思い切り彼のものが入ってくる――。イリスは衝撃に身構えた。
怖い。怖いのに、イリスの心とは裏腹に、その入口からはとぷん、と蜜が零れ落ちた。
(やだ、なんで、怖い、のに、私……ッ)
恥ずかしさと怯えで、思わず身体が震える。すると彼は、腰をつかんでいる片手を離して、そっ、とイリスのお尻を撫ぜた。
「ふふ……かわいいお尻が震えています。怖いですか? それとも、期待?」
彼の手が、お尻からくっとイリスの蜜口を開く。
つっ、と愛液が太ももを滴っていくのが自分でもわかって、イリスは唇をかんで肩を震わせた。
「みっ……見ない、で……ッ」
顔を隠して訴えるが、サイラスはいたわるように言った。
「そんな声を出さないでください……かわいそうな貴女をいじめているようで……」
くっ、と彼の先端が再び入ってくる。
「興奮してしまいます……ッ」
ごりゅっ、と彼のものが、イリスの内側をえぐい角度で擦り上げた。
「……~~ッ!」
イリスは目を見開いて、声にならない声を上げた。
(やっ、優しくするって、言った、のに……ッ!)
目の前がチカチカする。表情筋を制御できなくて、生理的な涙と涎が、点々と飛び散る。
「や、め……ッ」
必死に叫ぶも、サイラスは容赦なくイリスの体を揺さぶって、出し入れを繰り返した。
「うっ、~~~ッ!」
えぐられるたびに、自分の中身のすべてが引きずりだされてしまうような快感を打ち込まれる。
「あッ……イリス、今、イきましたね……? 中がきゅっ、て、締まりました……」
彼が恍惚とした声で言う。けれどイリスは、それに答えるどころではなかった。
「っ、ぁ、うぐッ……!」
奥を突かれるたびに、自分が自分でなくなってしまうようだ。
麻薬をキメているかのような――強烈な一瞬が、数秒ごとに訪れる。
「っ……また、ですね? イリス……気持ちいいですか? ココ、好きなんですね」
まるで宝物を見つけたような、わくわくしてしょうがない、嬉し気な声でサイラスは言った。
「ほら、ここ……っ、はぁ、突くたびに締まって、あぁ、なんていじらしいんでしょう」
容赦なくイかせられて、イリスは生理的でなく本気で泣きたくなってきた。
「やっ、だぁ……っ、おかしく、なッ……」
怖いのに、止めてくれないどころか、喜んでガンガン突かれる。
(き、基本的人権がっ……ない! 人権、侵害……!)
イリスが少しでもその快感から逃げようと身体をよじると、がしっと再び腰をつかまれる。
「あぁ……ごめんなさい、イリス……辛いですか?」
行為の力強さとは裏腹に、その声はとろけそうにやさしく甘かった。
「でも、あなたのそんな姿は――たまらなく興奮します」
その響きは、とても優しいのに。
「いい子ですから、もう少しだけ我慢して? ね?」
ぐっ、と再びおくに挿入される。
(行動がっ……ぜっ……ぜん、優しく、ない……ッ!)
でも、逃げられない。逃げようがないし、そもそも、彼の欲望を受け止めると決めたのは、自分なのだった。
「ぅぅ、くっ……~~!」
だからイリスは、ベッドのシーツをぎゅっと握って耐えた。
けれど、だんだん手足も力が入らなくなってくる。くたりと身体から力が抜けて、彼が腰をつかむままに、思い切り打ち込まれるだけになる。
(こ、これじゃ、こんなの……ッ)
本当に、ただ使われている穴みたいだ。
(でも、もう、手、足、も、力、入らない……)
後ろから響く彼の声は、熱がこもってとろけていく。
「イリス……っは、そろそろ、私もッ……」
それを聞きながら、ふっと脳内に霞がかかる。
(も、う、だめ……)
彼が精液を放つ前に、イリスはふっとその意識を途切れさせたのだった。
◆
「はぁ、はぁ……イリス」
くたっとしてしまった彼女の足の間から自身を引き抜くと、彼女の花弁からたらり、と白い白濁液が一筋あふれだした。
ずっと掴んでいたもも裏のやわらかい部分には、くっきりとサイラスの赤い手跡がついていた。
それを見て、サイラスは息を上げながら満足のほほえみを浮かべた。
「すみません……無理をさせました」
どこか夢見るような気持ちで、その手跡の部分――自分が触れることなどないと思っていた、柔い部分に唇を寄せたあと――サイラスはこの上なく満ち足りた気持ちで、彼女の横に身を横たえて、その表情をうかがった。
「イリス……イリス?」
返事がない。イリスは目を閉じて、すでに疲れ切って眠ってしまっているようだった。
「ごめんなさい、とても疲れさせてしまいましたね」
乱れて頬にかかった髪を撫でながら、サイラスは彼女に話しかけた。
返事はなくとも、こうして行為の後、声をかけてみたかった。
恋人みたいに。
一緒に横になって、彼女の体温を感じながら、サイラスは深く息を吸った。彼女自身の、甘く湿った香りを、胸いっぱいに吸い込む。
すると、深い充足感が、サイラスの体を満たした。
(あぁ……なんだろう、生まれて初めてだ、こんな感覚)
お腹がいっぱいで、しあわせで。
心の底から、身体のすみずみまで、幸福でいっぱいになった感じがした。
(これが、番〈つがい〉のいる発情期――)
好きな相手と発情期を過ごすことが、こんなに幸福をもたらすなんて。
それまでのサイラスは、知らなかった。
(この幸福を知らなかったなんて……人生の半分も知らないようなものだ)
薬で無理やりやり過ごしてきた今までの発情期は、常に終わった時は苦しかった。
満たされない熱。ぞっとするような寂しさ。そして、激しい飢餓感。
気を強くもたないと、希死念慮に押しつぶされてしまいそうな、辛い時間だった。
(それなのに、今日はどうだろう)
彼女に掛布をかけてやり、自分も同じ布団にくるまりながら、サイラスはその幸せと、それを手にしてしまったことの恐ろしさをかみしめた。
(ああ……こんな事を知ってしまったら)
もう、知る前には戻れないじゃないか。
抱き合って交わりながら、耳元でささやかれる。
「はぁ、あなたの中、も……私を待っていて、くれましたか?」
普段あんなすました態度でいるのに、最中の彼はよくしゃべり、そして、よく動いた。
(いつも、絶対ッ……お愛想なんて言わないのに……っ。それに、体力……ッ)
もう数十分は、こうして睦言をささやきながら、ゆすぶられている。
最初はゆっくりとした動きで、そして今は――激しく。
(まずい……ぁ、やだ、また……ッ)
ごりゅっ、と先端で奥をえぐられて、身体に痙攣が走る。
丁寧に時間をかけてほぐされたせいで、イリスの中は蜜を流し蕩けきっていた。
もう何度イッたかわからない。
「ふっ……ん、イリス、またイきましたね?」
悪魔的な笑顔で見下ろされて、イリスはぐうの音も出なかった。
「うっ……せん、せ……も、止め……休憩、させ、て……ッ」
するとサイラスは、ぱん! と小気味よい音を立てて、イリスの奥に自らを突き立てた。
「~~~ッ!」
目を閉じて、衝撃に耐えるイリスに覆いかぶさり、耳元でサイラスは微笑んだ。
「だめです……私はまだ、イッていないので」
(どっ、どうしてこれだけやってて、まだイかないの……⁉)
もうこれ以上イかされるのは嫌だ。イリスは身体をよじって逃げようとした。
「お、ねがい、しますっ……い、いったん、抜いて……ッ」
「んっ……もう、仕方ないですね」
サイラスはわらって、じらすように杭を引き抜いた。するとその場所にぽっかり穴があいて、じくじく求めている感触がし、イリスは自分ながら恐ろしくなった。
(なんで⁉ もう、疲れてるのに……イかされちゃうの、嫌、なのに……ッ)
イリスはその衝動をやり過ごすために、からだを横にしてエビのように丸まった。
しかしサイラスは、丸まったイリスの片足をぐっと持ち上げて、そのまま太ももを抱きしめるように抱え、蜜口に再び己をあてがった。
「ほら、わかるでしょう? あなたのココは、まだ欲しがっていますよ」
「な……なにっ……!?」
流れるような一連の動作を止める間もなく、再び中に彼のものが押し込まれた。
「ね、もう一度しましょう? ずっと、夜が明けるまで……いいえ、明けても」
な、何を言うんだ……!? イリスはさすがに抗議をしようとしたが、ぐっ、と特殊な体勢で突かれて、文句を言う余裕は消え失せた。
「ひぃッ……⁉」
足をあげられているせいか、彼のモノがより深く、ずっぷりと根本まで挿入される。
「だめっ……ぇ、うぁ、あッ」
イリスがたまらず訴えると、サイラスは首をかしげてささやいた。
「ダメ、ですか? でも、イリスの中はこんなに濡れて、私を締め付けていますよ」
「だっ、だから、ダメっ……」
足を抱えられて、こんな風に入れられて、中の深い場所を擦られるのは、イリスにとって未知の快感だった。
「ここが、弱いんですね。わかりました。優しくしますから……」
その言葉とは裏腹に、サイラスは片方の手でイリスの腰をガッチリ掴んだ。
「逃げちゃダメですよ」
ぬぷ、と彼のものがゆっくりと抜けていく。太ももと腰をつかまれて、自分の好きに身動きできない。彼がイリスの動きまでコントロールしている。
「あ、ぁ……まっ、て」
来る。来る。やっちゃダメな場所に、思い切り彼のものが入ってくる――。イリスは衝撃に身構えた。
怖い。怖いのに、イリスの心とは裏腹に、その入口からはとぷん、と蜜が零れ落ちた。
(やだ、なんで、怖い、のに、私……ッ)
恥ずかしさと怯えで、思わず身体が震える。すると彼は、腰をつかんでいる片手を離して、そっ、とイリスのお尻を撫ぜた。
「ふふ……かわいいお尻が震えています。怖いですか? それとも、期待?」
彼の手が、お尻からくっとイリスの蜜口を開く。
つっ、と愛液が太ももを滴っていくのが自分でもわかって、イリスは唇をかんで肩を震わせた。
「みっ……見ない、で……ッ」
顔を隠して訴えるが、サイラスはいたわるように言った。
「そんな声を出さないでください……かわいそうな貴女をいじめているようで……」
くっ、と彼の先端が再び入ってくる。
「興奮してしまいます……ッ」
ごりゅっ、と彼のものが、イリスの内側をえぐい角度で擦り上げた。
「……~~ッ!」
イリスは目を見開いて、声にならない声を上げた。
(やっ、優しくするって、言った、のに……ッ!)
目の前がチカチカする。表情筋を制御できなくて、生理的な涙と涎が、点々と飛び散る。
「や、め……ッ」
必死に叫ぶも、サイラスは容赦なくイリスの体を揺さぶって、出し入れを繰り返した。
「うっ、~~~ッ!」
えぐられるたびに、自分の中身のすべてが引きずりだされてしまうような快感を打ち込まれる。
「あッ……イリス、今、イきましたね……? 中がきゅっ、て、締まりました……」
彼が恍惚とした声で言う。けれどイリスは、それに答えるどころではなかった。
「っ、ぁ、うぐッ……!」
奥を突かれるたびに、自分が自分でなくなってしまうようだ。
麻薬をキメているかのような――強烈な一瞬が、数秒ごとに訪れる。
「っ……また、ですね? イリス……気持ちいいですか? ココ、好きなんですね」
まるで宝物を見つけたような、わくわくしてしょうがない、嬉し気な声でサイラスは言った。
「ほら、ここ……っ、はぁ、突くたびに締まって、あぁ、なんていじらしいんでしょう」
容赦なくイかせられて、イリスは生理的でなく本気で泣きたくなってきた。
「やっ、だぁ……っ、おかしく、なッ……」
怖いのに、止めてくれないどころか、喜んでガンガン突かれる。
(き、基本的人権がっ……ない! 人権、侵害……!)
イリスが少しでもその快感から逃げようと身体をよじると、がしっと再び腰をつかまれる。
「あぁ……ごめんなさい、イリス……辛いですか?」
行為の力強さとは裏腹に、その声はとろけそうにやさしく甘かった。
「でも、あなたのそんな姿は――たまらなく興奮します」
その響きは、とても優しいのに。
「いい子ですから、もう少しだけ我慢して? ね?」
ぐっ、と再びおくに挿入される。
(行動がっ……ぜっ……ぜん、優しく、ない……ッ!)
でも、逃げられない。逃げようがないし、そもそも、彼の欲望を受け止めると決めたのは、自分なのだった。
「ぅぅ、くっ……~~!」
だからイリスは、ベッドのシーツをぎゅっと握って耐えた。
けれど、だんだん手足も力が入らなくなってくる。くたりと身体から力が抜けて、彼が腰をつかむままに、思い切り打ち込まれるだけになる。
(こ、これじゃ、こんなの……ッ)
本当に、ただ使われている穴みたいだ。
(でも、もう、手、足、も、力、入らない……)
後ろから響く彼の声は、熱がこもってとろけていく。
「イリス……っは、そろそろ、私もッ……」
それを聞きながら、ふっと脳内に霞がかかる。
(も、う、だめ……)
彼が精液を放つ前に、イリスはふっとその意識を途切れさせたのだった。
◆
「はぁ、はぁ……イリス」
くたっとしてしまった彼女の足の間から自身を引き抜くと、彼女の花弁からたらり、と白い白濁液が一筋あふれだした。
ずっと掴んでいたもも裏のやわらかい部分には、くっきりとサイラスの赤い手跡がついていた。
それを見て、サイラスは息を上げながら満足のほほえみを浮かべた。
「すみません……無理をさせました」
どこか夢見るような気持ちで、その手跡の部分――自分が触れることなどないと思っていた、柔い部分に唇を寄せたあと――サイラスはこの上なく満ち足りた気持ちで、彼女の横に身を横たえて、その表情をうかがった。
「イリス……イリス?」
返事がない。イリスは目を閉じて、すでに疲れ切って眠ってしまっているようだった。
「ごめんなさい、とても疲れさせてしまいましたね」
乱れて頬にかかった髪を撫でながら、サイラスは彼女に話しかけた。
返事はなくとも、こうして行為の後、声をかけてみたかった。
恋人みたいに。
一緒に横になって、彼女の体温を感じながら、サイラスは深く息を吸った。彼女自身の、甘く湿った香りを、胸いっぱいに吸い込む。
すると、深い充足感が、サイラスの体を満たした。
(あぁ……なんだろう、生まれて初めてだ、こんな感覚)
お腹がいっぱいで、しあわせで。
心の底から、身体のすみずみまで、幸福でいっぱいになった感じがした。
(これが、番〈つがい〉のいる発情期――)
好きな相手と発情期を過ごすことが、こんなに幸福をもたらすなんて。
それまでのサイラスは、知らなかった。
(この幸福を知らなかったなんて……人生の半分も知らないようなものだ)
薬で無理やりやり過ごしてきた今までの発情期は、常に終わった時は苦しかった。
満たされない熱。ぞっとするような寂しさ。そして、激しい飢餓感。
気を強くもたないと、希死念慮に押しつぶされてしまいそうな、辛い時間だった。
(それなのに、今日はどうだろう)
彼女に掛布をかけてやり、自分も同じ布団にくるまりながら、サイラスはその幸せと、それを手にしてしまったことの恐ろしさをかみしめた。
(ああ……こんな事を知ってしまったら)
もう、知る前には戻れないじゃないか。
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