60 / 65
最後に見る夢
しおりを挟む
「待て、」
グレアムが必死で止めようとする。アレックスはじっとこらえるように低く言った。
「――お前の言ってることはわかったよ。イヴが戦ってくれなきゃ、俺たちが死ぬことも。でも……お前が行かなくても、俺だけは、イヴの味方でいてやりたい」
「ダメだ、行ったら死ぬぞ」
「――加勢する。イヴを手助けする。それで、連れて帰る。お前がなんといおうと、そうしてやる」
アレックスはグレアムをにらみつけた。
「そこをどけ」
ココはふぅとため息をついて、背中に背負っていたバックパックを下ろしてアレックスに渡した。
「これ、いざというときの種。私の全部よ――。使えるからもってって」
覚悟を決めたように言うココに、アレックスはうなずいた。
「おう。ありがと」
「待て、ココ、アレックスを止めてくれ、」
ココは首を振った。
「こうなったら、アレクは聞かないわ。それに、私もイヴに戻ってきてほしい」
「仮に戻ってきたとして、エヴァンジェリンは禁じられた存在だ。本来、この世界にいていいものじゃない……処分される」
「だからって、ここで見殺しになんてできないわ……! たしかに私たち、罰されるかもしれない。でも時間がかかっても、事情を説明して、存在を認めてもらえるようにすればいいじゃない……!」
「そんな簡単に認められるわけない……! 古代魔術文明が、どうやって滅びたか知っているだろう……!」
「あーごちゃごちゃうるせぇ! どいてくれ、グレアム!」
アレックスは腕力にモノを言わせて、グレアムを押しのけた。
「好きな女なら、命がけで助けるのが男ってもんだろ。お前だって、ココのためにはそうするんだろ。俺だってそうだ」
グレアムの制止をさえぎって、アレックスは扉を開けた。
「人造人間とか禁じられた存在とか……俺には関係ない。それでイヴが処分されるっていうなら、俺も一緒に処分されてやる」
「何を無茶を……!」
「イヴは、俺たちのために命を張ってくれてんだろ――だったら俺も、同じことをする。当たり前だろ。
一人くらい、俺みたいなやつがいなきゃ…………そうじゃなきゃ……今までひとりで頑張ってきたイヴが、かわいそうすぎるだろ」
そう言って、アレックスは遺跡の中へと消えた。
◆◆◆
パラモデアを砕くのは、簡単な事ではなかった。
一撃必殺では、とうてい砕けるものではなかったのだ。無駄うちして魔力を無駄にしてしまったエヴァンジェリンは短期戦をあきらめた。
この世のどんな物質よりも固い、想像を絶する魔力が秘められたその石を、ひとかけ、ひとかけずつ、削っていく。これだけでも、相当に魔力を使う。エヴァンジェリンの額には血と汗がにじんでいた。
作業を始めてから小一時間。光る屑が、暗い玄室一面に散らばって、まるで宇宙空間のような様相を呈してした。
エヴァンジェリンは、砂粒のようにちらばるパラモデアをちらと見た。
(がっちりとくみ上げられていた結合が緩んで……魔力があふれて、消えていく。地道な作業だけど……続けていけば、どうにかパラモデアを消滅できそう)
砂粒から、煙のように赤い光が立ち上り、たゆたう。
(しばらくは、パラモデアの魔力はここに停滞するけれど――)
魔力は、入れ物がなければ保てない。石しかり、人間の身体しかり。
依り代を失ったパラモデアの魔力は、石の消滅とともにやがて空気中に消えるだろう。
「オ、ネエチャ……大丈夫?」
じっ、と子どもがエヴァンジェリンを見上げる。
エヴァンジェリンも、だいぶ限界が来ている。けど、はぁはぁと荒い息をしながら、にっこり笑ってみせる。
「ごめんね。時間がかかって……でも、あとちょっとで、ちゃんと砕くからね」
小さく小さくなった石に、最後のひびを入れる。その瞬間、パリ、と小さな音をたて、パラモデアは砂となってさらさら散った。
「あぁ……終わった……」
目がかすむ。血を失い、グレアムにもらった魔力も使い果たし、エヴァンジェリンはどさっと子どもの横に倒れた。
「一緒……一緒ニ、ゴ主人様ノトコロ……」
「うん。一緒に行こう……」
石の床の上で、エヴァンジェリンは子どもの冷たい手を握ってやった。空気中に溶けだした魔力の赤い光が、キラキラ光っていた。
「きれい……」
「ウン……」
死――停止するまでのわずかな時間、二人はその光景を眺めた。
(あの世――どんなところかな。私も、行けるかな)
もし、たどり着けなかったとしたら、ごめんね。でも、私が一緒だから。内心でひそかにそう謝って、エヴァンジェリンは目を閉じた。
(よかった。この子を外に出さないで済んだ。これで皆、傷つかない。死ぬこともない)
自分にしては上出来ではないだろうか。エヴァンジェリンは自分で自分をほめてやった。
(ああ、グレアム様。私やりました。ココさん、お元気で。あと――)
最後、瞼の裏に、あの屈託ない笑顔が浮かぶ。燃えるように赤い髪。はつらつとした緑の目。まぶしく明るい、その笑顔。
(――アレク、さん)
エヴァンジェリンの身体は暗い場所に横たわっているが、その瞼の裏は、まばゆい太陽の光でいっぱいだった。
(さよなら、アレクさん。私の、太陽……)
ふっ、とエヴァンジェリンが最後の呼吸をした、その時。
「イヴ――!」
大きな声が、エヴァンジェリンの鼓膜を震わせた。
(え……?)
体が持ちあげられるような感触がした。
もう、魔力の残量はほぼゼロだ。けれどエヴァンジェリンは、重たい瞼を開けた。
「アレク……さん……? なん、で」
「イヴ! よかった……! 体は平気か? 古代の呪いはどうなった!?」
なぜ、ここにアレックスがいるんだろう。
なぜ、呪いの事を知っているんだろう。
もしかして、死ぬ前に、自分に都合のいい夢でも見ているのだろうか。
(そっか……そういうこと、ね)
それなら、最後くらい、好きな人の夢を見たって、いいだろう。
彼によくやったな、ってほめてもらう夢くらい、見たってゆるされるはずだ。
そう思ったエヴァンジェリンは微笑んだ。
「私、やりました。パラモデアは砕きました。みなさんは安全、です」
「イヴ、それなら帰ろう。かえって治そう。イヴも一緒に卒業するんだ。そしたら――俺と一緒にいてくれる? 何があっても、俺が君を守るから」
そう言って、アレックスはエヴァンジェリンを抱えて持ち上げようとした。
(ああ、自分に都合のいい夢とはいえ――こんなこと、言ってくれるなんて)
「はい……アレクさんと、卒業して……一緒に、いたい……です」
アレクの目が、ぱっと見開いて輝く。
「っしゃ! イヴは今まで頑張ったから――なんでも好きな事、しよう! 言ってよ、何がしたい?」
なんだろう。もうろうとする頭に、きれぎれに今までの思い出が浮かぶ。
エヴァンジェリンは、一番最初のお出かけの事を思い出した。
――なんて素敵なデートだったんだろう。今となっては、そう思える。
「ええと……ええと、また、一緒に、バノフィーパイ、たべたいです……」
「よし、じゃあ治ったら行こう、さぁ」
アレックスが立ち上がろうとする。そこでエヴァンジェリンは気が付いた。
お迎えがきたのだ。彼はアレックスの姿を取っているが、実際は――。
「ふふ……ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか。あの……」
「なに?」
エヴァンジェリンは、子どもとつないだ手をゆっくりもちあげた。
「この子も一緒に、連れて行ってください。一緒に行くって、約束したんです」
エヴァンジェリンは目を閉じた。
「行きましょう……アレクさんが案内してくれるなら、私たちもきっと、天国に……」
天国で、この子と一緒に、バノフィーパイでも食べよう。そう思って体の力を抜いたエヴァンジェリンだったが――
「弱気な事、言うなよ! ほら、行くぞ。帰るんだよ、学園に」
アレックスが立ち上がる。持ち上げられたエヴァンジェリンの手から、子どもの手が滑り落ちる。
そのリアルな感触に、エヴァンジェリンははっとした。
「え……待ってください……アレクさんは……ほ、本当の、アレクさん!?」
グレアムが必死で止めようとする。アレックスはじっとこらえるように低く言った。
「――お前の言ってることはわかったよ。イヴが戦ってくれなきゃ、俺たちが死ぬことも。でも……お前が行かなくても、俺だけは、イヴの味方でいてやりたい」
「ダメだ、行ったら死ぬぞ」
「――加勢する。イヴを手助けする。それで、連れて帰る。お前がなんといおうと、そうしてやる」
アレックスはグレアムをにらみつけた。
「そこをどけ」
ココはふぅとため息をついて、背中に背負っていたバックパックを下ろしてアレックスに渡した。
「これ、いざというときの種。私の全部よ――。使えるからもってって」
覚悟を決めたように言うココに、アレックスはうなずいた。
「おう。ありがと」
「待て、ココ、アレックスを止めてくれ、」
ココは首を振った。
「こうなったら、アレクは聞かないわ。それに、私もイヴに戻ってきてほしい」
「仮に戻ってきたとして、エヴァンジェリンは禁じられた存在だ。本来、この世界にいていいものじゃない……処分される」
「だからって、ここで見殺しになんてできないわ……! たしかに私たち、罰されるかもしれない。でも時間がかかっても、事情を説明して、存在を認めてもらえるようにすればいいじゃない……!」
「そんな簡単に認められるわけない……! 古代魔術文明が、どうやって滅びたか知っているだろう……!」
「あーごちゃごちゃうるせぇ! どいてくれ、グレアム!」
アレックスは腕力にモノを言わせて、グレアムを押しのけた。
「好きな女なら、命がけで助けるのが男ってもんだろ。お前だって、ココのためにはそうするんだろ。俺だってそうだ」
グレアムの制止をさえぎって、アレックスは扉を開けた。
「人造人間とか禁じられた存在とか……俺には関係ない。それでイヴが処分されるっていうなら、俺も一緒に処分されてやる」
「何を無茶を……!」
「イヴは、俺たちのために命を張ってくれてんだろ――だったら俺も、同じことをする。当たり前だろ。
一人くらい、俺みたいなやつがいなきゃ…………そうじゃなきゃ……今までひとりで頑張ってきたイヴが、かわいそうすぎるだろ」
そう言って、アレックスは遺跡の中へと消えた。
◆◆◆
パラモデアを砕くのは、簡単な事ではなかった。
一撃必殺では、とうてい砕けるものではなかったのだ。無駄うちして魔力を無駄にしてしまったエヴァンジェリンは短期戦をあきらめた。
この世のどんな物質よりも固い、想像を絶する魔力が秘められたその石を、ひとかけ、ひとかけずつ、削っていく。これだけでも、相当に魔力を使う。エヴァンジェリンの額には血と汗がにじんでいた。
作業を始めてから小一時間。光る屑が、暗い玄室一面に散らばって、まるで宇宙空間のような様相を呈してした。
エヴァンジェリンは、砂粒のようにちらばるパラモデアをちらと見た。
(がっちりとくみ上げられていた結合が緩んで……魔力があふれて、消えていく。地道な作業だけど……続けていけば、どうにかパラモデアを消滅できそう)
砂粒から、煙のように赤い光が立ち上り、たゆたう。
(しばらくは、パラモデアの魔力はここに停滞するけれど――)
魔力は、入れ物がなければ保てない。石しかり、人間の身体しかり。
依り代を失ったパラモデアの魔力は、石の消滅とともにやがて空気中に消えるだろう。
「オ、ネエチャ……大丈夫?」
じっ、と子どもがエヴァンジェリンを見上げる。
エヴァンジェリンも、だいぶ限界が来ている。けど、はぁはぁと荒い息をしながら、にっこり笑ってみせる。
「ごめんね。時間がかかって……でも、あとちょっとで、ちゃんと砕くからね」
小さく小さくなった石に、最後のひびを入れる。その瞬間、パリ、と小さな音をたて、パラモデアは砂となってさらさら散った。
「あぁ……終わった……」
目がかすむ。血を失い、グレアムにもらった魔力も使い果たし、エヴァンジェリンはどさっと子どもの横に倒れた。
「一緒……一緒ニ、ゴ主人様ノトコロ……」
「うん。一緒に行こう……」
石の床の上で、エヴァンジェリンは子どもの冷たい手を握ってやった。空気中に溶けだした魔力の赤い光が、キラキラ光っていた。
「きれい……」
「ウン……」
死――停止するまでのわずかな時間、二人はその光景を眺めた。
(あの世――どんなところかな。私も、行けるかな)
もし、たどり着けなかったとしたら、ごめんね。でも、私が一緒だから。内心でひそかにそう謝って、エヴァンジェリンは目を閉じた。
(よかった。この子を外に出さないで済んだ。これで皆、傷つかない。死ぬこともない)
自分にしては上出来ではないだろうか。エヴァンジェリンは自分で自分をほめてやった。
(ああ、グレアム様。私やりました。ココさん、お元気で。あと――)
最後、瞼の裏に、あの屈託ない笑顔が浮かぶ。燃えるように赤い髪。はつらつとした緑の目。まぶしく明るい、その笑顔。
(――アレク、さん)
エヴァンジェリンの身体は暗い場所に横たわっているが、その瞼の裏は、まばゆい太陽の光でいっぱいだった。
(さよなら、アレクさん。私の、太陽……)
ふっ、とエヴァンジェリンが最後の呼吸をした、その時。
「イヴ――!」
大きな声が、エヴァンジェリンの鼓膜を震わせた。
(え……?)
体が持ちあげられるような感触がした。
もう、魔力の残量はほぼゼロだ。けれどエヴァンジェリンは、重たい瞼を開けた。
「アレク……さん……? なん、で」
「イヴ! よかった……! 体は平気か? 古代の呪いはどうなった!?」
なぜ、ここにアレックスがいるんだろう。
なぜ、呪いの事を知っているんだろう。
もしかして、死ぬ前に、自分に都合のいい夢でも見ているのだろうか。
(そっか……そういうこと、ね)
それなら、最後くらい、好きな人の夢を見たって、いいだろう。
彼によくやったな、ってほめてもらう夢くらい、見たってゆるされるはずだ。
そう思ったエヴァンジェリンは微笑んだ。
「私、やりました。パラモデアは砕きました。みなさんは安全、です」
「イヴ、それなら帰ろう。かえって治そう。イヴも一緒に卒業するんだ。そしたら――俺と一緒にいてくれる? 何があっても、俺が君を守るから」
そう言って、アレックスはエヴァンジェリンを抱えて持ち上げようとした。
(ああ、自分に都合のいい夢とはいえ――こんなこと、言ってくれるなんて)
「はい……アレクさんと、卒業して……一緒に、いたい……です」
アレクの目が、ぱっと見開いて輝く。
「っしゃ! イヴは今まで頑張ったから――なんでも好きな事、しよう! 言ってよ、何がしたい?」
なんだろう。もうろうとする頭に、きれぎれに今までの思い出が浮かぶ。
エヴァンジェリンは、一番最初のお出かけの事を思い出した。
――なんて素敵なデートだったんだろう。今となっては、そう思える。
「ええと……ええと、また、一緒に、バノフィーパイ、たべたいです……」
「よし、じゃあ治ったら行こう、さぁ」
アレックスが立ち上がろうとする。そこでエヴァンジェリンは気が付いた。
お迎えがきたのだ。彼はアレックスの姿を取っているが、実際は――。
「ふふ……ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか。あの……」
「なに?」
エヴァンジェリンは、子どもとつないだ手をゆっくりもちあげた。
「この子も一緒に、連れて行ってください。一緒に行くって、約束したんです」
エヴァンジェリンは目を閉じた。
「行きましょう……アレクさんが案内してくれるなら、私たちもきっと、天国に……」
天国で、この子と一緒に、バノフィーパイでも食べよう。そう思って体の力を抜いたエヴァンジェリンだったが――
「弱気な事、言うなよ! ほら、行くぞ。帰るんだよ、学園に」
アレックスが立ち上がる。持ち上げられたエヴァンジェリンの手から、子どもの手が滑り落ちる。
そのリアルな感触に、エヴァンジェリンははっとした。
「え……待ってください……アレクさんは……ほ、本当の、アレクさん!?」
3
お気に入りに追加
2,081
あなたにおすすめの小説

記憶を失くした悪役令嬢~私に婚約者なんておりましたでしょうか~
Blue
恋愛
マッツォレーラ侯爵の娘、エレオノーラ・マッツォレーラは、第一王子の婚約者。しかし、その婚約者を奪った男爵令嬢を助けようとして今正に、階段から二人まとめて落ちようとしていた。
走馬灯のように、第一王子との思い出を思い出す彼女は、強い衝撃と共に意識を失ったのだった。
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。

幼い頃に魔境に捨てたくせに、今更戻れと言われて戻るはずがないでしょ!
克全
恋愛
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
ニルラル公爵の令嬢カチュアは、僅か3才の時に大魔境に捨てられた。ニルラル公爵を誑かした悪女、ビエンナの仕業だった。普通なら獣に喰われて死にはずなのだが、カチュアは大陸一の強国ミルバル皇国の次期聖女で、聖獣に護られ生きていた。一方の皇国では、次期聖女を見つけることができず、当代の聖女も役目の負担で病み衰え、次期聖女発見に皇国の存亡がかかっていた。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

〘完〙前世を思い出したら悪役皇太子妃に転生してました!皇太子妃なんて罰ゲームでしかないので円満離婚をご所望です
hanakuro
恋愛
物語の始まりは、ガイアール帝国の皇太子と隣国カラマノ王国の王女との結婚式が行われためでたい日。
夫婦となった皇太子マリオンと皇太子妃エルメが初夜を迎えた時、エルメは前世を思い出す。
自著小説『悪役皇太子妃はただ皇太子の愛が欲しかっただけ・・』の悪役皇太子妃エルメに転生していることに気付く。何とか初夜から逃げ出し、混乱する頭を整理するエルメ。
すると皇太子の愛をいずれ現れる癒やしの乙女に奪われた自分が乙女に嫌がらせをして、それを知った皇太子に離婚され、追放されるというバッドエンドが待ち受けていることに気付く。
訪れる自分の未来を悟ったエルメの中にある想いが芽生える。
円満離婚して、示談金いっぱい貰って、市井でのんびり悠々自適に暮らそうと・・
しかし、エルメの思惑とは違い皇太子からは溺愛され、やがて現れた癒やしの乙女からは・・・
はたしてエルメは円満離婚して、のんびりハッピースローライフを送ることができるのか!?

【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

麗しの王子殿下は今日も私を睨みつける。
スズキアカネ
恋愛
「王子殿下の運命の相手を占いで決めるそうだから、レオーネ、あなたが選ばれるかもしれないわよ」
伯母の一声で連れて行かれた王宮広場にはたくさんの若い女の子たちで溢れかえっていた。
そしてバルコニーに立つのは麗しい王子様。
──あの、王子様……何故睨むんですか?
人違いに決まってるからそんなに怒らないでよぉ!
◇◆◇
無断転載・転用禁止。
Do not repost.
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる