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最後に見る夢
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「待て、」
グレアムが必死で止めようとする。アレックスはじっとこらえるように低く言った。
「――お前の言ってることはわかったよ。イヴが戦ってくれなきゃ、俺たちが死ぬことも。でも……お前が行かなくても、俺だけは、イヴの味方でいてやりたい」
「ダメだ、行ったら死ぬぞ」
「――加勢する。イヴを手助けする。それで、連れて帰る。お前がなんといおうと、そうしてやる」
アレックスはグレアムをにらみつけた。
「そこをどけ」
ココはふぅとため息をついて、背中に背負っていたバックパックを下ろしてアレックスに渡した。
「これ、いざというときの種。私の全部よ――。使えるからもってって」
覚悟を決めたように言うココに、アレックスはうなずいた。
「おう。ありがと」
「待て、ココ、アレックスを止めてくれ、」
ココは首を振った。
「こうなったら、アレクは聞かないわ。それに、私もイヴに戻ってきてほしい」
「仮に戻ってきたとして、エヴァンジェリンは禁じられた存在だ。本来、この世界にいていいものじゃない……処分される」
「だからって、ここで見殺しになんてできないわ……! たしかに私たち、罰されるかもしれない。でも時間がかかっても、事情を説明して、存在を認めてもらえるようにすればいいじゃない……!」
「そんな簡単に認められるわけない……! 古代魔術文明が、どうやって滅びたか知っているだろう……!」
「あーごちゃごちゃうるせぇ! どいてくれ、グレアム!」
アレックスは腕力にモノを言わせて、グレアムを押しのけた。
「好きな女なら、命がけで助けるのが男ってもんだろ。お前だって、ココのためにはそうするんだろ。俺だってそうだ」
グレアムの制止をさえぎって、アレックスは扉を開けた。
「人造人間とか禁じられた存在とか……俺には関係ない。それでイヴが処分されるっていうなら、俺も一緒に処分されてやる」
「何を無茶を……!」
「イヴは、俺たちのために命を張ってくれてんだろ――だったら俺も、同じことをする。当たり前だろ。
一人くらい、俺みたいなやつがいなきゃ…………そうじゃなきゃ……今までひとりで頑張ってきたイヴが、かわいそうすぎるだろ」
そう言って、アレックスは遺跡の中へと消えた。
◆◆◆
パラモデアを砕くのは、簡単な事ではなかった。
一撃必殺では、とうてい砕けるものではなかったのだ。無駄うちして魔力を無駄にしてしまったエヴァンジェリンは短期戦をあきらめた。
この世のどんな物質よりも固い、想像を絶する魔力が秘められたその石を、ひとかけ、ひとかけずつ、削っていく。これだけでも、相当に魔力を使う。エヴァンジェリンの額には血と汗がにじんでいた。
作業を始めてから小一時間。光る屑が、暗い玄室一面に散らばって、まるで宇宙空間のような様相を呈してした。
エヴァンジェリンは、砂粒のようにちらばるパラモデアをちらと見た。
(がっちりとくみ上げられていた結合が緩んで……魔力があふれて、消えていく。地道な作業だけど……続けていけば、どうにかパラモデアを消滅できそう)
砂粒から、煙のように赤い光が立ち上り、たゆたう。
(しばらくは、パラモデアの魔力はここに停滞するけれど――)
魔力は、入れ物がなければ保てない。石しかり、人間の身体しかり。
依り代を失ったパラモデアの魔力は、石の消滅とともにやがて空気中に消えるだろう。
「オ、ネエチャ……大丈夫?」
じっ、と子どもがエヴァンジェリンを見上げる。
エヴァンジェリンも、だいぶ限界が来ている。けど、はぁはぁと荒い息をしながら、にっこり笑ってみせる。
「ごめんね。時間がかかって……でも、あとちょっとで、ちゃんと砕くからね」
小さく小さくなった石に、最後のひびを入れる。その瞬間、パリ、と小さな音をたて、パラモデアは砂となってさらさら散った。
「あぁ……終わった……」
目がかすむ。血を失い、グレアムにもらった魔力も使い果たし、エヴァンジェリンはどさっと子どもの横に倒れた。
「一緒……一緒ニ、ゴ主人様ノトコロ……」
「うん。一緒に行こう……」
石の床の上で、エヴァンジェリンは子どもの冷たい手を握ってやった。空気中に溶けだした魔力の赤い光が、キラキラ光っていた。
「きれい……」
「ウン……」
死――停止するまでのわずかな時間、二人はその光景を眺めた。
(あの世――どんなところかな。私も、行けるかな)
もし、たどり着けなかったとしたら、ごめんね。でも、私が一緒だから。内心でひそかにそう謝って、エヴァンジェリンは目を閉じた。
(よかった。この子を外に出さないで済んだ。これで皆、傷つかない。死ぬこともない)
自分にしては上出来ではないだろうか。エヴァンジェリンは自分で自分をほめてやった。
(ああ、グレアム様。私やりました。ココさん、お元気で。あと――)
最後、瞼の裏に、あの屈託ない笑顔が浮かぶ。燃えるように赤い髪。はつらつとした緑の目。まぶしく明るい、その笑顔。
(――アレク、さん)
エヴァンジェリンの身体は暗い場所に横たわっているが、その瞼の裏は、まばゆい太陽の光でいっぱいだった。
(さよなら、アレクさん。私の、太陽……)
ふっ、とエヴァンジェリンが最後の呼吸をした、その時。
「イヴ――!」
大きな声が、エヴァンジェリンの鼓膜を震わせた。
(え……?)
体が持ちあげられるような感触がした。
もう、魔力の残量はほぼゼロだ。けれどエヴァンジェリンは、重たい瞼を開けた。
「アレク……さん……? なん、で」
「イヴ! よかった……! 体は平気か? 古代の呪いはどうなった!?」
なぜ、ここにアレックスがいるんだろう。
なぜ、呪いの事を知っているんだろう。
もしかして、死ぬ前に、自分に都合のいい夢でも見ているのだろうか。
(そっか……そういうこと、ね)
それなら、最後くらい、好きな人の夢を見たって、いいだろう。
彼によくやったな、ってほめてもらう夢くらい、見たってゆるされるはずだ。
そう思ったエヴァンジェリンは微笑んだ。
「私、やりました。パラモデアは砕きました。みなさんは安全、です」
「イヴ、それなら帰ろう。かえって治そう。イヴも一緒に卒業するんだ。そしたら――俺と一緒にいてくれる? 何があっても、俺が君を守るから」
そう言って、アレックスはエヴァンジェリンを抱えて持ち上げようとした。
(ああ、自分に都合のいい夢とはいえ――こんなこと、言ってくれるなんて)
「はい……アレクさんと、卒業して……一緒に、いたい……です」
アレクの目が、ぱっと見開いて輝く。
「っしゃ! イヴは今まで頑張ったから――なんでも好きな事、しよう! 言ってよ、何がしたい?」
なんだろう。もうろうとする頭に、きれぎれに今までの思い出が浮かぶ。
エヴァンジェリンは、一番最初のお出かけの事を思い出した。
――なんて素敵なデートだったんだろう。今となっては、そう思える。
「ええと……ええと、また、一緒に、バノフィーパイ、たべたいです……」
「よし、じゃあ治ったら行こう、さぁ」
アレックスが立ち上がろうとする。そこでエヴァンジェリンは気が付いた。
お迎えがきたのだ。彼はアレックスの姿を取っているが、実際は――。
「ふふ……ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか。あの……」
「なに?」
エヴァンジェリンは、子どもとつないだ手をゆっくりもちあげた。
「この子も一緒に、連れて行ってください。一緒に行くって、約束したんです」
エヴァンジェリンは目を閉じた。
「行きましょう……アレクさんが案内してくれるなら、私たちもきっと、天国に……」
天国で、この子と一緒に、バノフィーパイでも食べよう。そう思って体の力を抜いたエヴァンジェリンだったが――
「弱気な事、言うなよ! ほら、行くぞ。帰るんだよ、学園に」
アレックスが立ち上がる。持ち上げられたエヴァンジェリンの手から、子どもの手が滑り落ちる。
そのリアルな感触に、エヴァンジェリンははっとした。
「え……待ってください……アレクさんは……ほ、本当の、アレクさん!?」
グレアムが必死で止めようとする。アレックスはじっとこらえるように低く言った。
「――お前の言ってることはわかったよ。イヴが戦ってくれなきゃ、俺たちが死ぬことも。でも……お前が行かなくても、俺だけは、イヴの味方でいてやりたい」
「ダメだ、行ったら死ぬぞ」
「――加勢する。イヴを手助けする。それで、連れて帰る。お前がなんといおうと、そうしてやる」
アレックスはグレアムをにらみつけた。
「そこをどけ」
ココはふぅとため息をついて、背中に背負っていたバックパックを下ろしてアレックスに渡した。
「これ、いざというときの種。私の全部よ――。使えるからもってって」
覚悟を決めたように言うココに、アレックスはうなずいた。
「おう。ありがと」
「待て、ココ、アレックスを止めてくれ、」
ココは首を振った。
「こうなったら、アレクは聞かないわ。それに、私もイヴに戻ってきてほしい」
「仮に戻ってきたとして、エヴァンジェリンは禁じられた存在だ。本来、この世界にいていいものじゃない……処分される」
「だからって、ここで見殺しになんてできないわ……! たしかに私たち、罰されるかもしれない。でも時間がかかっても、事情を説明して、存在を認めてもらえるようにすればいいじゃない……!」
「そんな簡単に認められるわけない……! 古代魔術文明が、どうやって滅びたか知っているだろう……!」
「あーごちゃごちゃうるせぇ! どいてくれ、グレアム!」
アレックスは腕力にモノを言わせて、グレアムを押しのけた。
「好きな女なら、命がけで助けるのが男ってもんだろ。お前だって、ココのためにはそうするんだろ。俺だってそうだ」
グレアムの制止をさえぎって、アレックスは扉を開けた。
「人造人間とか禁じられた存在とか……俺には関係ない。それでイヴが処分されるっていうなら、俺も一緒に処分されてやる」
「何を無茶を……!」
「イヴは、俺たちのために命を張ってくれてんだろ――だったら俺も、同じことをする。当たり前だろ。
一人くらい、俺みたいなやつがいなきゃ…………そうじゃなきゃ……今までひとりで頑張ってきたイヴが、かわいそうすぎるだろ」
そう言って、アレックスは遺跡の中へと消えた。
◆◆◆
パラモデアを砕くのは、簡単な事ではなかった。
一撃必殺では、とうてい砕けるものではなかったのだ。無駄うちして魔力を無駄にしてしまったエヴァンジェリンは短期戦をあきらめた。
この世のどんな物質よりも固い、想像を絶する魔力が秘められたその石を、ひとかけ、ひとかけずつ、削っていく。これだけでも、相当に魔力を使う。エヴァンジェリンの額には血と汗がにじんでいた。
作業を始めてから小一時間。光る屑が、暗い玄室一面に散らばって、まるで宇宙空間のような様相を呈してした。
エヴァンジェリンは、砂粒のようにちらばるパラモデアをちらと見た。
(がっちりとくみ上げられていた結合が緩んで……魔力があふれて、消えていく。地道な作業だけど……続けていけば、どうにかパラモデアを消滅できそう)
砂粒から、煙のように赤い光が立ち上り、たゆたう。
(しばらくは、パラモデアの魔力はここに停滞するけれど――)
魔力は、入れ物がなければ保てない。石しかり、人間の身体しかり。
依り代を失ったパラモデアの魔力は、石の消滅とともにやがて空気中に消えるだろう。
「オ、ネエチャ……大丈夫?」
じっ、と子どもがエヴァンジェリンを見上げる。
エヴァンジェリンも、だいぶ限界が来ている。けど、はぁはぁと荒い息をしながら、にっこり笑ってみせる。
「ごめんね。時間がかかって……でも、あとちょっとで、ちゃんと砕くからね」
小さく小さくなった石に、最後のひびを入れる。その瞬間、パリ、と小さな音をたて、パラモデアは砂となってさらさら散った。
「あぁ……終わった……」
目がかすむ。血を失い、グレアムにもらった魔力も使い果たし、エヴァンジェリンはどさっと子どもの横に倒れた。
「一緒……一緒ニ、ゴ主人様ノトコロ……」
「うん。一緒に行こう……」
石の床の上で、エヴァンジェリンは子どもの冷たい手を握ってやった。空気中に溶けだした魔力の赤い光が、キラキラ光っていた。
「きれい……」
「ウン……」
死――停止するまでのわずかな時間、二人はその光景を眺めた。
(あの世――どんなところかな。私も、行けるかな)
もし、たどり着けなかったとしたら、ごめんね。でも、私が一緒だから。内心でひそかにそう謝って、エヴァンジェリンは目を閉じた。
(よかった。この子を外に出さないで済んだ。これで皆、傷つかない。死ぬこともない)
自分にしては上出来ではないだろうか。エヴァンジェリンは自分で自分をほめてやった。
(ああ、グレアム様。私やりました。ココさん、お元気で。あと――)
最後、瞼の裏に、あの屈託ない笑顔が浮かぶ。燃えるように赤い髪。はつらつとした緑の目。まぶしく明るい、その笑顔。
(――アレク、さん)
エヴァンジェリンの身体は暗い場所に横たわっているが、その瞼の裏は、まばゆい太陽の光でいっぱいだった。
(さよなら、アレクさん。私の、太陽……)
ふっ、とエヴァンジェリンが最後の呼吸をした、その時。
「イヴ――!」
大きな声が、エヴァンジェリンの鼓膜を震わせた。
(え……?)
体が持ちあげられるような感触がした。
もう、魔力の残量はほぼゼロだ。けれどエヴァンジェリンは、重たい瞼を開けた。
「アレク……さん……? なん、で」
「イヴ! よかった……! 体は平気か? 古代の呪いはどうなった!?」
なぜ、ここにアレックスがいるんだろう。
なぜ、呪いの事を知っているんだろう。
もしかして、死ぬ前に、自分に都合のいい夢でも見ているのだろうか。
(そっか……そういうこと、ね)
それなら、最後くらい、好きな人の夢を見たって、いいだろう。
彼によくやったな、ってほめてもらう夢くらい、見たってゆるされるはずだ。
そう思ったエヴァンジェリンは微笑んだ。
「私、やりました。パラモデアは砕きました。みなさんは安全、です」
「イヴ、それなら帰ろう。かえって治そう。イヴも一緒に卒業するんだ。そしたら――俺と一緒にいてくれる? 何があっても、俺が君を守るから」
そう言って、アレックスはエヴァンジェリンを抱えて持ち上げようとした。
(ああ、自分に都合のいい夢とはいえ――こんなこと、言ってくれるなんて)
「はい……アレクさんと、卒業して……一緒に、いたい……です」
アレクの目が、ぱっと見開いて輝く。
「っしゃ! イヴは今まで頑張ったから――なんでも好きな事、しよう! 言ってよ、何がしたい?」
なんだろう。もうろうとする頭に、きれぎれに今までの思い出が浮かぶ。
エヴァンジェリンは、一番最初のお出かけの事を思い出した。
――なんて素敵なデートだったんだろう。今となっては、そう思える。
「ええと……ええと、また、一緒に、バノフィーパイ、たべたいです……」
「よし、じゃあ治ったら行こう、さぁ」
アレックスが立ち上がろうとする。そこでエヴァンジェリンは気が付いた。
お迎えがきたのだ。彼はアレックスの姿を取っているが、実際は――。
「ふふ……ありがとうございます。じゃあ、行きましょうか。あの……」
「なに?」
エヴァンジェリンは、子どもとつないだ手をゆっくりもちあげた。
「この子も一緒に、連れて行ってください。一緒に行くって、約束したんです」
エヴァンジェリンは目を閉じた。
「行きましょう……アレクさんが案内してくれるなら、私たちもきっと、天国に……」
天国で、この子と一緒に、バノフィーパイでも食べよう。そう思って体の力を抜いたエヴァンジェリンだったが――
「弱気な事、言うなよ! ほら、行くぞ。帰るんだよ、学園に」
アレックスが立ち上がる。持ち上げられたエヴァンジェリンの手から、子どもの手が滑り落ちる。
そのリアルな感触に、エヴァンジェリンははっとした。
「え……待ってください……アレクさんは……ほ、本当の、アレクさん!?」
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