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隣の席
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無表情で、どういう意図かよくわからない。
「え……わ、私のですか?」
まさか自分にかけられた声とは思わなかったので、エヴァンジェリンは動揺した。
(今まで私の隣に進んで座る人なんて――いなかったし)
しかし彼は、慌てるエヴァンジェリンを見て屈託ない笑みを浮かべた。
「そうだよ。他に誰がいるのさ」
「え、と……」
もしかして、席があまりあいていないから仕方なく、だろうか。エヴァンジェリンは机の上に広げていた教科書をいったん閉じて詰め、スペースを作った。
「気が利かなくてすみません。どうぞ」
そう言うと、彼はエヴァンジェリンの隣に座った。
エヴァンジェリンは教科書に目を戻した。が、なぜか視線を感じる。
(な、なんだろう……)
おそるおそる、チラリと隣を見ると、アレックスとバッチリ目が合ってしまった。
「あ……す、すみません」
謎に謝罪をし、エヴァンジェリンは慌てて前を向きなおした。前の席では相変わらず、グレアムがココの気を引こうとがんばっている。
「あのさ」
するとアレックスが話しかけてきたので、エヴァンジェリンは緊張しつつ答えた。
「なんでしょう?」
「こういうの嫌じゃないの?」
「え?」
するとアレックスは前の二人を顎でしゃくった。言わんとする事がわかったエヴァンジェリンは首を振った。
「いいえ。私とは関わりのない事なので」
「でも……婚約者、なんだろ。腹が立たないのか」
「ぜんぜんです」
きっぱりとそう言い切ったエヴァンジェリンは、アレックスは釈然としないように言った。
「……あんま、自分の気持ちとか言わないタイプ?」
「そんな事は、ないと思いますが……」
言わないというより、言う事を許される立場ではないのだ。目の前のアレックスには知る由もないが。
すると、アレックスはなぜかエヴァンジェリンを責めるように言った。
「あの時だって――怒ってよかったのに。なんで自分は犯人じゃないって、もっと強く俺たちに言わなかったんだ」
エヴァンジェリンは答えられず、身をすくめた。彼は何が言いたいのだろう?
「もっと怒ってくれれば……あんなこと、しなかったのに」
彼は口ごもった。エヴァンジェリンはなんだかもやもやした気持ちになった。
(いや……私、やってないって何度も言ったんだけど……)
「言ったけれど、怒って聞いてくれなかったじゃないですか」
ぼそりと小さな声でそう言うと、アレックスは盛大に肩を下げた。
「それもそうか……」
この人は何が言いたいんだろう。まだ何か蒸し返すつもりだろうか――。
アレックスの仕打ちがまだ忘れられないエヴァンジェリンは心持ち警戒を強めて首を振った。
できれば、もう関わりたくない。
「いえ、お気になさらず」
前へと向き直ったエヴァンジェリンを見て、アレックスは目じりを下げてしゅんとした。
――なんだか、傷ついたような顔。
責められて怖かったのは、私の方なのに。とエヴァンジェリンは釈然としない気持ちになった。
「嫌? 俺がこうして、話しかけてるの」
あまりにストレートな質問に、エヴァンジェリンはとっさに首を振った。
「いえ、そんな事は……」
「あのさ……」
アレックスがエヴァンジェリンに向き合う。
「俺……ごめん。君のこと、あんなふうに言って。やんなきゃよかったって思ってる」
アレックスはためらいながらも、つづけた。
「詫びじゃないけど……なんか俺にできそうなこととか、ある?」
そう聞かれて、エヴァンジェリンは濃い既視感を感じた。
「サンディさんも、サンディさ……ええと……ココ・サンディさんに、そうするように言われているのですか?」
二人は苗字が同じなのだ。ややこしい。
「いや違うよ。俺がそう思ってるだけ」
「そ、そうですか……」
前の席に座っているグレアムは、きっと良い顔をしないだろう。
「なんでもいいよ、使い走りでも、代返でも、なにか力仕事にでも……俺にできる事ならなんでもするから」
「いえ、そんな、結構ですので……」
「じゃあ、何か考えといてよ」
「ええ、そんな……」
彼と話していると、なんだかまた面倒ごとにまきこまれそうだ。もう席を移動したいくらいだ。だけど先生が入ってきて授業がはじまって、それは叶わなくなった。
(ああ、もう……)
「お前最近、ココの幼馴染とよく一緒だな。何を話しているんだ」
ある日のベッドの中でとうとうグレアムにそう突っ込まれて、エヴァンジェリンはしどろもどろに説明した。
「わ、私がしたくてしているんじゃありません。サンディさんが……」
あれ以来、授業が同じ日は必ず隣に座ってくるのだ。
エヴァンジェリンは困惑しているのだが、それを正直に伝える事も怖く、結果授業中一緒に居ることになっている。
「まさかとは思うが、言い寄られているのか?」
「そういうのではありません。たぶんサンディさんは、私を普通の女子だと思っているので――責めたを、後悔しているようです」
「ふうん」
気のなさそうにグレアムはそう言った。
「ま、ココの友人だし……止めはしないが、必要以上にはかかわるな。お前の正体がばれたらことだ。わかるな?」
「はい……」
「そうだ……明日、お前の欲しがっていた木が到着するようだ。受け取っておけ。代金は引き出しに入れてある」
そう言ってグレアムが目を閉じたので、エヴァンジェリンも同じように瞼を閉じた。
グレアムの手に触れているエヴァンジェリンの腕から、ゆっくりと、しかし確実に魔力が流れている。
ここの所、心労が減ったせいか、エヴァンジェリンの魔術の鍛錬は上手くいっていた。守護の壁を作れるようになったので、次は攻撃の実技を身に付けていく予定だ。
しかしそれには、今までより多い魔力を消費する。よって、夜の間にたくさんグレアムに魔力を補給してもらわないといけない。
あまりにエヴァンジェリンに魔力を与えているせいで、グレアムは少しやつれ始めていた。その目の下には、うっすら隈がある。
(すみません、グレアム様……)
無駄なことにかかずらっていないで、より一層魔術の腕を磨くことに専念しなければ。彼の魔力がじんわりと体に蓄えられていくのを感じながら、エヴァンジェリンはそう決心した。
「え……わ、私のですか?」
まさか自分にかけられた声とは思わなかったので、エヴァンジェリンは動揺した。
(今まで私の隣に進んで座る人なんて――いなかったし)
しかし彼は、慌てるエヴァンジェリンを見て屈託ない笑みを浮かべた。
「そうだよ。他に誰がいるのさ」
「え、と……」
もしかして、席があまりあいていないから仕方なく、だろうか。エヴァンジェリンは机の上に広げていた教科書をいったん閉じて詰め、スペースを作った。
「気が利かなくてすみません。どうぞ」
そう言うと、彼はエヴァンジェリンの隣に座った。
エヴァンジェリンは教科書に目を戻した。が、なぜか視線を感じる。
(な、なんだろう……)
おそるおそる、チラリと隣を見ると、アレックスとバッチリ目が合ってしまった。
「あ……す、すみません」
謎に謝罪をし、エヴァンジェリンは慌てて前を向きなおした。前の席では相変わらず、グレアムがココの気を引こうとがんばっている。
「あのさ」
するとアレックスが話しかけてきたので、エヴァンジェリンは緊張しつつ答えた。
「なんでしょう?」
「こういうの嫌じゃないの?」
「え?」
するとアレックスは前の二人を顎でしゃくった。言わんとする事がわかったエヴァンジェリンは首を振った。
「いいえ。私とは関わりのない事なので」
「でも……婚約者、なんだろ。腹が立たないのか」
「ぜんぜんです」
きっぱりとそう言い切ったエヴァンジェリンは、アレックスは釈然としないように言った。
「……あんま、自分の気持ちとか言わないタイプ?」
「そんな事は、ないと思いますが……」
言わないというより、言う事を許される立場ではないのだ。目の前のアレックスには知る由もないが。
すると、アレックスはなぜかエヴァンジェリンを責めるように言った。
「あの時だって――怒ってよかったのに。なんで自分は犯人じゃないって、もっと強く俺たちに言わなかったんだ」
エヴァンジェリンは答えられず、身をすくめた。彼は何が言いたいのだろう?
「もっと怒ってくれれば……あんなこと、しなかったのに」
彼は口ごもった。エヴァンジェリンはなんだかもやもやした気持ちになった。
(いや……私、やってないって何度も言ったんだけど……)
「言ったけれど、怒って聞いてくれなかったじゃないですか」
ぼそりと小さな声でそう言うと、アレックスは盛大に肩を下げた。
「それもそうか……」
この人は何が言いたいんだろう。まだ何か蒸し返すつもりだろうか――。
アレックスの仕打ちがまだ忘れられないエヴァンジェリンは心持ち警戒を強めて首を振った。
できれば、もう関わりたくない。
「いえ、お気になさらず」
前へと向き直ったエヴァンジェリンを見て、アレックスは目じりを下げてしゅんとした。
――なんだか、傷ついたような顔。
責められて怖かったのは、私の方なのに。とエヴァンジェリンは釈然としない気持ちになった。
「嫌? 俺がこうして、話しかけてるの」
あまりにストレートな質問に、エヴァンジェリンはとっさに首を振った。
「いえ、そんな事は……」
「あのさ……」
アレックスがエヴァンジェリンに向き合う。
「俺……ごめん。君のこと、あんなふうに言って。やんなきゃよかったって思ってる」
アレックスはためらいながらも、つづけた。
「詫びじゃないけど……なんか俺にできそうなこととか、ある?」
そう聞かれて、エヴァンジェリンは濃い既視感を感じた。
「サンディさんも、サンディさ……ええと……ココ・サンディさんに、そうするように言われているのですか?」
二人は苗字が同じなのだ。ややこしい。
「いや違うよ。俺がそう思ってるだけ」
「そ、そうですか……」
前の席に座っているグレアムは、きっと良い顔をしないだろう。
「なんでもいいよ、使い走りでも、代返でも、なにか力仕事にでも……俺にできる事ならなんでもするから」
「いえ、そんな、結構ですので……」
「じゃあ、何か考えといてよ」
「ええ、そんな……」
彼と話していると、なんだかまた面倒ごとにまきこまれそうだ。もう席を移動したいくらいだ。だけど先生が入ってきて授業がはじまって、それは叶わなくなった。
(ああ、もう……)
「お前最近、ココの幼馴染とよく一緒だな。何を話しているんだ」
ある日のベッドの中でとうとうグレアムにそう突っ込まれて、エヴァンジェリンはしどろもどろに説明した。
「わ、私がしたくてしているんじゃありません。サンディさんが……」
あれ以来、授業が同じ日は必ず隣に座ってくるのだ。
エヴァンジェリンは困惑しているのだが、それを正直に伝える事も怖く、結果授業中一緒に居ることになっている。
「まさかとは思うが、言い寄られているのか?」
「そういうのではありません。たぶんサンディさんは、私を普通の女子だと思っているので――責めたを、後悔しているようです」
「ふうん」
気のなさそうにグレアムはそう言った。
「ま、ココの友人だし……止めはしないが、必要以上にはかかわるな。お前の正体がばれたらことだ。わかるな?」
「はい……」
「そうだ……明日、お前の欲しがっていた木が到着するようだ。受け取っておけ。代金は引き出しに入れてある」
そう言ってグレアムが目を閉じたので、エヴァンジェリンも同じように瞼を閉じた。
グレアムの手に触れているエヴァンジェリンの腕から、ゆっくりと、しかし確実に魔力が流れている。
ここの所、心労が減ったせいか、エヴァンジェリンの魔術の鍛錬は上手くいっていた。守護の壁を作れるようになったので、次は攻撃の実技を身に付けていく予定だ。
しかしそれには、今までより多い魔力を消費する。よって、夜の間にたくさんグレアムに魔力を補給してもらわないといけない。
あまりにエヴァンジェリンに魔力を与えているせいで、グレアムは少しやつれ始めていた。その目の下には、うっすら隈がある。
(すみません、グレアム様……)
無駄なことにかかずらっていないで、より一層魔術の腕を磨くことに専念しなければ。彼の魔力がじんわりと体に蓄えられていくのを感じながら、エヴァンジェリンはそう決心した。
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