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第二部 王様の牢屋

出会えてよかった(2)R18

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 ハヤトが玲奈を抱きしめた。ハヤトの肌は玲奈の肌に吸い付くように密着した。抱き着くハヤトの息遣いが、耳のそばで感じられた。


「っ…!」


 ハヤトの手がいきなり玲奈の足の間に入ってきたので、玲奈はおどろいてびくりと震えた。


「すべすべ…玲奈の足も、お腹も…」


 今度は玲奈のお腹に、ハヤトのものが当たっていた。その先から何かが滴って、玲奈のお腹を濡らしていた。


「ハヤト…大丈夫?」


 玲奈が触れると、ハヤトはびくっとして玲奈の手をつかんだ。


「きょ、今日は、だめっ、触らないでっ」


「え、でも」


 ハヤトはまた玲奈を睨んだ。頬が赤くて、上気している。


「いつも…先いっちゃうから、今日はだめ…触ったら、怒るよっ」


 必死に言っているのがわかったので、さすがに玲奈もうなずいた。


「…わかったよ」


「むかつくっ、なんでそんな余裕って顔なんだよ」


 ハヤトは起き上がってぐいっと玲奈の足を開いた。


「うわっ、やめ」


 玲奈はあわてて足を閉じようとした。


「なんだよ、そっちはさんざんやっといて俺がしたらダメなのかよ」


 また恨みがましい目で見られて、玲奈は仕方なく足の力を抜いた。


「わ、わかったよ…」


 はぁとため息をついたが、その声はハヤトの声にかき消された。


「わぁ…これが、玲奈の…」


「もう…やめてよ」


「だって初めてちゃんと見る…さ、触るね」


 ハヤトの人差し指が、玲奈の入り口をそっと撫でた。


「っ…」


「痛かったら、言ってね…」


 ハヤトが両手をそこにあてがい、中をくぱぁと開いたのがわかった。


「すご…こんななってんだ…ピンク色で…少し濡れてる…」


「いっ、言わなくていいからっ」


 玲奈がそういうと、ハヤトはにやっと笑った。


「玲奈も恥ずかしいとか思うんだ…」


 ハヤトの顔がそこに近づいたので、玲奈は思わず足を閉じた。


「なんでよ、開いてよ」


「それは…やめとこ?」


「恥ずかしいの?」


 玲奈はやけになって言った。


「そうだよ、悪い?!」


「だって俺が初めてじゃないんだろ?どうせせんせーが」


「み、見たの?!」


 玲奈がそういうと、ハヤトが口をへの字に歪ませて玲奈を睨んだ。


「へぇ~、そうなんだ。先生にはそういう事させたんだ?で俺はダメなわけ?」


「だってお、同い年だし…っ」


「なにそれ理由になってない。そんなに嫌…?」


「嫌っていうか…」


 ハヤトの下になることすら恥ずかしいのに、そんなことをしたらなけなしのプライドが崩壊してしまうかもしれない。


「なんだよ…ど、どうせ俺は…」


 ハヤトの目がうるうるしてきたので、玲奈はまた叫んだ。


「ちっ、違うよっ。本当に恥ずかしいの、だって、ハヤトの前では、私も…かっこつけてた、から」


 ハヤトはあっけにとられたように玲奈を見たあと、気が抜けたように笑った。


「なんだ、そうだったの?…もう、かっこつけないくて、いいから」


「いいとかじゃなくて、こう…!」


「そんなに恥ずかしいんだ?」


「そうだよ!」


「うーん」


 ハヤトはちょっと考えた後、提案した。


「じゃあ、69しよ?」


「はい?」


「お互い舐めるやつ」


「うえぇ!?」


 玲奈はぎょっとした。


「でもそれなら、おあいこでしょ?まだ恥ずかしくないんじゃない」


「そ、そうか…?」


「じゃあ俺が上ね」


 ハヤトが玲奈とは逆方向に上にまたがったので、玲奈もどういう事か理解した。


(なるほど、お互いってそういう事か…)


 玲奈は目の前にあるハヤトのそれをじっと見た。築城のよりも少し色がうすくて、先の方は桃色だ。威圧感がないせいか、不思議と口に入れるのに抵抗はなかった。玲奈は手を添えて、それをくわえた。


「んっ…玲奈、」


 ハヤトのお尻がぴくっと震えた。さきほどよりも少し柔らかくなっていたので、玲奈は唇でそこを揉むように動かした。


「ひゃっ、ん、ああっ…」


 ハヤトの先端から、少ししょっぱい液体が滴った。また固くなったな、と思っていると、ハヤトがぐっと玲奈の足を開いたのがわかった。


「っ…!」


 こっちも目の前にそれがあるという事は、ハヤトも同じという事だ。目の前でこうして見られてると思うと、かあっと腹のあたりが熱くなった。


「ん…と、ここ、かな」


 そう言うハヤトの吐息がそこにかかるのを感じて、玲奈はびくっとなった。


「感じてるの?ふふ、ん…っ」


 くちゅっと音がして、ハヤトの濡れた舌が触れたのがわかった。


「っ…!」


 思ったよりも恥ずかしい。頬が赤くなるのがわかった。玲奈は仕返しとばかりに舌をハヤトの先端にからませた。あったかい円状のそこが、口の中でぴちぴちと動いているように感じた。


「あっ…れ、れい、にゃ、っ…んむっ…」


 ハヤトも意地になってそこを舌で貪った。


「くっ…んんっ…」


 今度は玲奈の動きが鈍った。ハヤトの舌が熱い。今までずっと自分が啼かせていたハヤトが、と思うと悔しさと、恥ずかしさと、別の感情がごっちゃになっておかしくなりそうだった。


「はぁ、んんっ…あ、玲奈のここ…とろとろしてきたぁ…」


 かっと顔が熱くなった玲奈は、口にそれを含んで奥まで入れた。


「あぁっ…だ、だめっ…ひゃああっ…」


 そこでお互い動きを止めた。


「れ、玲奈…、俺もうだめ」


「そ、そうだね…このへんに、しといたら?」


「うん…」


 少し残念そうに、ハヤトは玲奈の上から降りた。ハヤトも玲奈も、息が上がっていた。


「れ、玲奈…」


 ハヤトがちらりと玲奈を見た。玲奈はごくりと唾をのんでうなずいた。


「う、うん…入れて?」


「わ、わかっ…た…!」


 がばっとハヤトが玲奈に覆いかぶさった。


「はぁ、はぁ…こ、ここかな、入れる、ね」


 ハヤトはゆっくり腰を進めた。入り口に少し抵抗を感じたが、にゅるっと彼のものが押入ってきたのがわかった。その瞬間、なかがきゅんっと熱くなった。今までにない感覚で、玲奈はとまどった。


「ああっ…な、に、いま、のっ…」


「わ、わかんないっ…」


「なかが、なかが、うごいたよ、きゅって…」


 ハヤトは玲奈の腰をつかんで、そのままゆっくり腰を進めた。


「はぁ…あ、ああっ、き、気持ち、いい…っ」


 ずるずるとハヤトが中に入ってくるのがわかる。少しずつ奥が開かれていくたびに、中がくるしいほどきゅんきゅんと熱くなった。


「はぁ…ハヤト…っ」


「な、なに…?」


「もっと、う、ごい、て…」


 ハヤトははっと目を見開いて玲奈を見たが、うんうんとうなずいた。


「わ、わかったっ…が、がんばるっ…」


 がん、とハヤトは一突きした。不器用な動きだったが、玲奈の身体は快感に撓しなった。


「くっ…ああっ…」


「はぁぁぁっ…玲奈の中、熱い…っ。前よりも、前よりも熱いよぉっ…」


 ハヤトが潤んだ目で玲奈を見た。


「玲奈…俺の、気持ちいい…っ?」


「うん、気持ちいいよ、ハヤト…っ」


「ほ、ほんと?ほんとに…?」


 ハヤトはぎゅっと目を閉じた。その手は少し震えている。


「う、うれし…俺ので、れいな、が、」


「ハヤト…」


「も、もう離れたく…ないよぉ…ずっとこうしてたい」


 ハヤトはぎゅっと玲奈を抱きしめた。重みがかかって、一番深くそれが刺さって玲奈は声をあげた。


「あっ…ハヤトっ…」


「あっあっ、だめっ、なか、なかぎゅってしないで」


「し、してない、ハヤトが抱き着くから」


 ハヤトの目が笑顔の形に細くなった。


「わかった、この体制でやるねっ…」


  玲奈の上に伏せたまま、ハヤトが腰をうごかした。


「はっ…あああっ…」


 深く突き刺さったまま動かれて、玲奈の顔が快感に歪んだ。


「あっ…れ、れいなの、こんな、顔、っ…こんな、ちかくでっ…」


 はぁはぁ言いながら、ハヤトは動きを速めた。


「んんっ…れ、れいにゃっ…も、もう俺っ…」


「くっ…、あ、いいよっ、いっ…て…」


「だ、だめっ…今日は、今日はっ…」


「わ、わたしも、い、いく、からっ…だいじょう、ぶ…っ」


「わ、わかっ…で、でも俺、も、もうっ…あああっ」


 玲奈の身体にぎゅっと力が入った。中がうねって、ハヤトはたまらなくなって動きを止めた。


「れいなっ、れいなっ…!」


 はぁはぁと息切れしながら、ハヤトはぱたんと玲奈の上に倒れた。


「あああ…俺また先にいっちゃったよぉ…」


 泣きそうな声だったので、仕方なく玲奈は言った。


「…私が先だったよ」


「えっ」


「最後いったよ。わかんなかった?」


 ハヤトは少し考えて言った。


「あ、あれ?あれがそうだったの?」


「そうだよ」


 ハヤトは泣き笑いのようになった。


「あはっ、そ、そうだったんだ、言えよもう…玲奈は恥ずかしがりなんだから…」


 そういってぎゅっと玲奈を抱きしめた。


「すっげぇ、気持ちよかった…今までで一番…」


 ハヤトの熱視線を感じたので、玲奈は目を閉じて伝えた。


「私も…よかった、よ。…ハヤトと…ちゃんと、できてよかった」


 ハヤトの腕の力が緩んだ。彼が驚いてこちらを見てるのがわかった。


「お、俺も…よかっ…た…う、嬉しかった…」


 ハヤトの目から、みるみるうちに涙が零れ落ちた。


「玲奈…俺、やっぱり玲奈に会えてよかった」


 彼の涙が玲奈の頬を濡らす。だけど玲奈は、それをもう嫌とは思わなかった。


「玲奈に会ってなければ、こんな気持ち、一生知らなかったんだ…」


 その顔は、泣いているのに笑っていて、笑っているのに悲しそうだった。玲奈は両手でハヤトを抱きしめた。


「ごめんね、ハヤト…」









 よほど体力を消耗したのか、玲奈はぐっすり眠っている。最初の寝顔とは違う、心から安心して眠っている玲奈の顔。その睫毛や、頬の感触を覚えていようと、ハヤトはじっと見つめていた。写真に撮るよりも、自分の目で見て覚えておきたいと思った。


(玲奈…)


 部屋の隅には、参考書が山と積まれてある。自分と違って、玲奈は頭の出来がいい。恵まれた立場でないけれど、それをハンデにするまいと必死に頑張っているのは、ハヤトにももうわかっていた。


(偉いよな、玲奈は。俺にはとうていできっこない)


 自分はなにもかも中途半端だ。そして玲奈にひどいことをしたのに、玲奈は言ってくれたのだ。何か夢中になれることをみつけなよ、と。


 教師や親に言われたとしても、何も響かない言葉だろうが、玲奈に言われたのなら違った。玲奈の強さとやさしさが、ハヤトの心の奥底まで届いて、今までになかった気持ちを呼び起こした。


(俺、ちゃんと頑張って、一人前の男になりたい。玲奈の前にたっても、正々堂々していられるような)


 そうして胸を張って玲奈と対等になれば、その時こそ彼女は本当に自分を愛してくれるかもしれない。


 だけど、そのためには。


(玲奈を、解放してやらなきゃ)


 寝顔を見ながら、ハヤトはとうとうこの決心に至った。彼女を放せば、もう二度と会えないかもしれない。けど。


(また会える可能性も、恋人になれる可能性も…限りなく低いけど、ゼロではない)


 そう思えば、彼女のいない日々もなんとか頑張れそうだった。むしろ自分を強くするために、必要な期間かもしれない。


 ハヤトは鞄からスマホを取り出した。この決心を、ある人物に告げるのだ。
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