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第二章:ユリアの兄であるジンに会いに行く二人
2-4 ライバルの登場?
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ラキスという青年は、文武両道でありながら…それに驕らず、日々鍛練を欠かさずに行なっていた。
しかし、我が道を行く―――つまり、ゴーイング-マイ-ウェイという性格だったために周りの人々を疲れさせてはいたが…。
***
ラキスが修行から帰ってきて、団長室に向かう途中に何人かの騎士にすれ違った。
そして、耳を疑うような話を騎士たちは話し始めたのだ。
「…なぁ、お前知ってるか? あの騎士団のマドンナ、ユリアちゃんがあの災いの皇子に食われちゃったらしいぞ。」
「マジか!? 俺が狙ってたのに~」
(―――何だって…? あの、無垢で愛らしいユリアちゃんが…嘘でしょ?)
信じたくはなかった、けれど………そんなことを冗談で言うとは思えない。
だから…ラキスは彼らに勢いよく近づいた。真相を聞くために―――。
「その話、もっと詳しく聞かせてくれ!」
とにかく―――ラキスは必死で叫んだ。
***
ラキスは目の前にいる皇子を睨んでいた。今朝、同僚の騎士たちに聞いた話が本当なら…この皇子がユリアちゃんを犯したことになる。
「とにかく…勝負しろ、皇子!」
「おい、何でいきなり俺につッかかるんだ?」
ロイドは話の流れが分からず、眉をつり上げて突然に現れたラキスを睨む。
「アンタが、ユリアちゃんを汚したからに決まってる!」
「―――っな、何で見知らぬ奴まで知ってるんだよッ!」
たまらずうめいてしまう。
「私が言いふらしたの。」
当然のようにリンは返事を返した。その笑みはエア並に寒気がする…。
「………何で言うんだよ…俺らにプライバシーはないのか?」
「ないわ」
リンは、にこやかに即答する。
そして、ジンは迷ったあげく止めに入ることに決めた。……とてもシャクだったが。
「とりあえず、落ち着け。オレも皇子を殴りたいところだが…ここで、やることじゃないだろ?」
さらりと、過激なことをいかにも当然のように言った。
ロイドがジンを一瞥したが――そんなことは、ジンにとってどうでもいいことだった。
今はラキスをなだめることが先決だ。
ユリアは心配そうに…その成り行きを見守っている。
「……軽はずみでした、すみません」
渋々…ラキスはジンに頭を下げる。しかし、決してロイドには謝らない。
「ま、いいさ。ラキスは次の任務があるまで待機しててくれ」
「……はい」
仕方なく…ラキスは部屋を出た。去り際に、ロイドに敵視丸出しの視線を送ってはいたが…何事もなくおわった。
(――――参ったな…)
と思ってみたものの、ロイドはそれ以上の感情は持たない。
ただ今は―――ジンさんにどうやって許してもらうか、を考えるのが重要だから。ロイドは再び、考えるのに没頭していた。
***
「さて、ユリア。オレの言いつけを見事に破ってくれたな? 待機してろなんて…誰にでもできるだろ?」
言いつけを守らなかった妹を、ジンは眉をつりあげて見た。
「…………兄さん、恐い」
「怒ってるンだから当たり前だ! 覚悟はできてるだろうな。」
(………できてませんっ!)
心の中で否定してみるけれど、無駄なわけで。非情な宣告が言い渡される。
「自室から一歩も出るな。ユリア、いいな?」
「…………はい」
「あ、ちょっと」
(待って―――)
と、ロイドは言おうとしたが遅かった…。考え事をしている間にユリアは、ジンとともに部屋を後にしていた。
「……ユリア…」
「―――あら、心配?」
「リン…さん?」
「大丈夫よ。あの子は、あんなので落ち込まないわ。…て、貴方が落ち込んでるみたいね?」
悪戯っぽく笑う女性にロイドは戸惑う。ロイドは、暖かい包容力に満たされた……俺は、人の温もりなんて知らなかったはずなのに。
「……行ってみたら? ユリアちゃんの部屋に。…ほら、これが案内図よ」
「…え、ありがとう…ございます」
困った顔をしながらも、ロイドは嬉しそうにその案内図を受け取って団長室から出ていく。
「世話が焼けるわ、二人とも…」
リンは、可愛い弟が出来たみたいで…つい恋の手助けをしてしまう。
「…ジンも、そろそろ妹離れしてもいい頃なのに…本当もう、やんなっちゃうわ」
やれやれ、とリンは溜め息をついたのでした。
***
ユリアの自室というのは簡素なもので…必要最低限のものしか置いていなかった。
(…………そういえば、ここでゆっくりするの久しぶりだなぁ)
ユリアはジンとわかれたあと、一人で部屋にいた。ジンはまだ騎士の仕事が残っているらしい…。
そこで、ユリアは今までのことを振り返った。いろいろなことが短い間に起こった、信じられないけれども。
好きな人もできて…。それで、初めてを経験してしまって――――。
あの時の自分を思い出すと身体が熱くなってしまう。
(…………どうしよ、これから私は…)
そう思ったけれど…ユリアは疲れて眠りについたのだった。
ロイドはユリアの部屋の扉を申し訳なさそうにノックをする。しかし、返事はなく―――駄目もとで扉を静かに押した。
ギギギ………幸か不幸か…扉は鈍い音をたてて開いた。
(不用心だぞ…おい)
部屋に入るとユリアが気持ちよさそうな寝顔でベットで寝ていた。ロイドはそれを愛しそうに見つめる。
強く想う、けれどそれに見合う態度を示すことなんてできない。いつも、奪うばかりで。損するのはいつもユリアで…。
「……俺、は…」
彼女に触れようとする。
「……くそ、」
こんなに愛しいのに彼女に触れると滅茶苦茶にしてしまいそうだ。
悔しい、………ああ…どうかせめて彼女の側にいさせてくれ。王家とか貴族とか抜きにして――――
ロイドはそのまま部屋から立ち去ろうとした。しかし…
「…ロイド様?」
ユリアがのそりと起き上がる。
「ユリア……お前は、俺を忘れられるか?」
「え………いきなり何を言って、」
「ジンさんは俺らの関係に反対だ。…尤もな話だが…好きでもない男に何度も体を重ねられるなんて、できないだろ? ……てか、最低だろ…そんなの」
「………好きでもない…?」
ユリアは涙目でロイドを見つめた。
――そんな顔をするな、ユリア……。
ロイドは、ムクムクと湧き上がる性欲を我慢していたのに、…ユリアの煽るような眼差しに負けてしまった。
「違うのか…? だったら、俺は少なくともお前を……」
ロイドの次の言葉はなかった。
なぜなら、ロイドはユリアにキスをして…そのままベットに押し倒したから――。
どうにかして気持ちを抑えようとも溢れてくる。底無し沼のように。
けれど、俺にはどうしようもなくて…。いっそ、お前を忘れられたらいいのに―――そしたら、誰も傷付くことはない。
出来たら良かった、そんなことが。
しかし……無理なんだ。俺には、ユリアを失うことがどれだけ悲しいことか…どれだけ苦しいことか…それは、もう計り知れない。
だから、身体だけじゃなく…お前の心さえも奪ってやる、この手で。
「……ん、…ふぁ」
「………いいか?」
ロイドはユリアのぷっくりとした唇から離れ、愛しいそうに抱きしめて言った。すでに下半身は暴れだしそうなくらい硬くなっていた。
(無理やりではなく…ちゃんとした形でユリアを感じたい…深く深く、俺以外考えられなくなるまで―――)
ユリアは甘い吐息をもらしながら頷いた。
そして、二人は再び…快楽の楽園に落ちていったのだった…。
***
場所変わって…ラキスは、ユリアの自室の前にいた。
誰よりも自分がユリアちゃんを想っているのに………アイツは突然現れて攫ってゆくのか。取り返したい、全てを。
くぐもった、湿った声が部屋から聞こえてくる。
(…あれは…ユリアちゃん?)
ラキスは信じられなかった。
あの純粋な少女があの、腐れ皇子と重なり合っているなんて…。
だから、たまらず部屋の扉を開け放った。
「どーゆうことだよ、皇子!? 君そんなことしていいと思ってんの!?」
「………え、らきす?」
赤く染まった頬。つゆっぽい唇。そして、白い肌…その、すべてが――僕の心を刺激する。
それなのに、僕の愛しいユリアちゃんは…この国の皇子に恍惚な表情を向けていた。
(僕だけが、その顔を見たかったのに…そして、)
皇子の背中に隠れた、ユリアの見惚れるほどの美しい身体をこの目で見たかったのに―――何もかもが奪いとられた、この皇子に。
「違う……私が望んだことなの…っ」
(そんな顔するな、そんな……気持ち良さそうな表情を…しないで)
「……確か、あんた…ラキスさん? 悪いけど――俺はユリアを渡すつもりはない。出ってくれ」
「―――う、」
本気の目だった。僕だって本気なのに…言い返せない。
だって…目の前でユリアちゃんの、とろけるような表情をさせている男に勝てるとでも? 今からユリアちゃんを奪って無理やり身体を重ねろって?
…そんなの、最低な男と同じじゃないか…。
それに、僕には…ユリアちゃんの人生を束縛するなんてできない。キミが僕から離れていくなら仕方ない……でも、僕は…。
「ユリアちゃんと一緒にいたかったよ。」
「…ラキス、ごめんなさい」
「ああー、言われちゃった」
「………?」
「謝れたらフラれたと同じじゃないか。それに、僕はもう邪魔者みたいだし」
我慢できないというように、ロイドは繋がっているままの体勢でユリアの首筋にキスを落とす。
「……あ、あぁ…だめっ」
「見せ付けてくれんねぇ…僕にどうしろと?」
「さっさと消えてくれればいい」
ロイドはラキスへの当て付けのように、ユリアの身体を優しく刺激した。
「はいはい、お幸せに」
ラキスは、すぐに走り出す。見たくはない、乱れたユリアちゃんを…僕以外の男に抱かれているキミを見ると僕は怒りに狂いそうだよ。
だから……ラキスは、そのままの足取りである場所を訪れる。
しかし、我が道を行く―――つまり、ゴーイング-マイ-ウェイという性格だったために周りの人々を疲れさせてはいたが…。
***
ラキスが修行から帰ってきて、団長室に向かう途中に何人かの騎士にすれ違った。
そして、耳を疑うような話を騎士たちは話し始めたのだ。
「…なぁ、お前知ってるか? あの騎士団のマドンナ、ユリアちゃんがあの災いの皇子に食われちゃったらしいぞ。」
「マジか!? 俺が狙ってたのに~」
(―――何だって…? あの、無垢で愛らしいユリアちゃんが…嘘でしょ?)
信じたくはなかった、けれど………そんなことを冗談で言うとは思えない。
だから…ラキスは彼らに勢いよく近づいた。真相を聞くために―――。
「その話、もっと詳しく聞かせてくれ!」
とにかく―――ラキスは必死で叫んだ。
***
ラキスは目の前にいる皇子を睨んでいた。今朝、同僚の騎士たちに聞いた話が本当なら…この皇子がユリアちゃんを犯したことになる。
「とにかく…勝負しろ、皇子!」
「おい、何でいきなり俺につッかかるんだ?」
ロイドは話の流れが分からず、眉をつり上げて突然に現れたラキスを睨む。
「アンタが、ユリアちゃんを汚したからに決まってる!」
「―――っな、何で見知らぬ奴まで知ってるんだよッ!」
たまらずうめいてしまう。
「私が言いふらしたの。」
当然のようにリンは返事を返した。その笑みはエア並に寒気がする…。
「………何で言うんだよ…俺らにプライバシーはないのか?」
「ないわ」
リンは、にこやかに即答する。
そして、ジンは迷ったあげく止めに入ることに決めた。……とてもシャクだったが。
「とりあえず、落ち着け。オレも皇子を殴りたいところだが…ここで、やることじゃないだろ?」
さらりと、過激なことをいかにも当然のように言った。
ロイドがジンを一瞥したが――そんなことは、ジンにとってどうでもいいことだった。
今はラキスをなだめることが先決だ。
ユリアは心配そうに…その成り行きを見守っている。
「……軽はずみでした、すみません」
渋々…ラキスはジンに頭を下げる。しかし、決してロイドには謝らない。
「ま、いいさ。ラキスは次の任務があるまで待機しててくれ」
「……はい」
仕方なく…ラキスは部屋を出た。去り際に、ロイドに敵視丸出しの視線を送ってはいたが…何事もなくおわった。
(――――参ったな…)
と思ってみたものの、ロイドはそれ以上の感情は持たない。
ただ今は―――ジンさんにどうやって許してもらうか、を考えるのが重要だから。ロイドは再び、考えるのに没頭していた。
***
「さて、ユリア。オレの言いつけを見事に破ってくれたな? 待機してろなんて…誰にでもできるだろ?」
言いつけを守らなかった妹を、ジンは眉をつりあげて見た。
「…………兄さん、恐い」
「怒ってるンだから当たり前だ! 覚悟はできてるだろうな。」
(………できてませんっ!)
心の中で否定してみるけれど、無駄なわけで。非情な宣告が言い渡される。
「自室から一歩も出るな。ユリア、いいな?」
「…………はい」
「あ、ちょっと」
(待って―――)
と、ロイドは言おうとしたが遅かった…。考え事をしている間にユリアは、ジンとともに部屋を後にしていた。
「……ユリア…」
「―――あら、心配?」
「リン…さん?」
「大丈夫よ。あの子は、あんなので落ち込まないわ。…て、貴方が落ち込んでるみたいね?」
悪戯っぽく笑う女性にロイドは戸惑う。ロイドは、暖かい包容力に満たされた……俺は、人の温もりなんて知らなかったはずなのに。
「……行ってみたら? ユリアちゃんの部屋に。…ほら、これが案内図よ」
「…え、ありがとう…ございます」
困った顔をしながらも、ロイドは嬉しそうにその案内図を受け取って団長室から出ていく。
「世話が焼けるわ、二人とも…」
リンは、可愛い弟が出来たみたいで…つい恋の手助けをしてしまう。
「…ジンも、そろそろ妹離れしてもいい頃なのに…本当もう、やんなっちゃうわ」
やれやれ、とリンは溜め息をついたのでした。
***
ユリアの自室というのは簡素なもので…必要最低限のものしか置いていなかった。
(…………そういえば、ここでゆっくりするの久しぶりだなぁ)
ユリアはジンとわかれたあと、一人で部屋にいた。ジンはまだ騎士の仕事が残っているらしい…。
そこで、ユリアは今までのことを振り返った。いろいろなことが短い間に起こった、信じられないけれども。
好きな人もできて…。それで、初めてを経験してしまって――――。
あの時の自分を思い出すと身体が熱くなってしまう。
(…………どうしよ、これから私は…)
そう思ったけれど…ユリアは疲れて眠りについたのだった。
ロイドはユリアの部屋の扉を申し訳なさそうにノックをする。しかし、返事はなく―――駄目もとで扉を静かに押した。
ギギギ………幸か不幸か…扉は鈍い音をたてて開いた。
(不用心だぞ…おい)
部屋に入るとユリアが気持ちよさそうな寝顔でベットで寝ていた。ロイドはそれを愛しそうに見つめる。
強く想う、けれどそれに見合う態度を示すことなんてできない。いつも、奪うばかりで。損するのはいつもユリアで…。
「……俺、は…」
彼女に触れようとする。
「……くそ、」
こんなに愛しいのに彼女に触れると滅茶苦茶にしてしまいそうだ。
悔しい、………ああ…どうかせめて彼女の側にいさせてくれ。王家とか貴族とか抜きにして――――
ロイドはそのまま部屋から立ち去ろうとした。しかし…
「…ロイド様?」
ユリアがのそりと起き上がる。
「ユリア……お前は、俺を忘れられるか?」
「え………いきなり何を言って、」
「ジンさんは俺らの関係に反対だ。…尤もな話だが…好きでもない男に何度も体を重ねられるなんて、できないだろ? ……てか、最低だろ…そんなの」
「………好きでもない…?」
ユリアは涙目でロイドを見つめた。
――そんな顔をするな、ユリア……。
ロイドは、ムクムクと湧き上がる性欲を我慢していたのに、…ユリアの煽るような眼差しに負けてしまった。
「違うのか…? だったら、俺は少なくともお前を……」
ロイドの次の言葉はなかった。
なぜなら、ロイドはユリアにキスをして…そのままベットに押し倒したから――。
どうにかして気持ちを抑えようとも溢れてくる。底無し沼のように。
けれど、俺にはどうしようもなくて…。いっそ、お前を忘れられたらいいのに―――そしたら、誰も傷付くことはない。
出来たら良かった、そんなことが。
しかし……無理なんだ。俺には、ユリアを失うことがどれだけ悲しいことか…どれだけ苦しいことか…それは、もう計り知れない。
だから、身体だけじゃなく…お前の心さえも奪ってやる、この手で。
「……ん、…ふぁ」
「………いいか?」
ロイドはユリアのぷっくりとした唇から離れ、愛しいそうに抱きしめて言った。すでに下半身は暴れだしそうなくらい硬くなっていた。
(無理やりではなく…ちゃんとした形でユリアを感じたい…深く深く、俺以外考えられなくなるまで―――)
ユリアは甘い吐息をもらしながら頷いた。
そして、二人は再び…快楽の楽園に落ちていったのだった…。
***
場所変わって…ラキスは、ユリアの自室の前にいた。
誰よりも自分がユリアちゃんを想っているのに………アイツは突然現れて攫ってゆくのか。取り返したい、全てを。
くぐもった、湿った声が部屋から聞こえてくる。
(…あれは…ユリアちゃん?)
ラキスは信じられなかった。
あの純粋な少女があの、腐れ皇子と重なり合っているなんて…。
だから、たまらず部屋の扉を開け放った。
「どーゆうことだよ、皇子!? 君そんなことしていいと思ってんの!?」
「………え、らきす?」
赤く染まった頬。つゆっぽい唇。そして、白い肌…その、すべてが――僕の心を刺激する。
それなのに、僕の愛しいユリアちゃんは…この国の皇子に恍惚な表情を向けていた。
(僕だけが、その顔を見たかったのに…そして、)
皇子の背中に隠れた、ユリアの見惚れるほどの美しい身体をこの目で見たかったのに―――何もかもが奪いとられた、この皇子に。
「違う……私が望んだことなの…っ」
(そんな顔するな、そんな……気持ち良さそうな表情を…しないで)
「……確か、あんた…ラキスさん? 悪いけど――俺はユリアを渡すつもりはない。出ってくれ」
「―――う、」
本気の目だった。僕だって本気なのに…言い返せない。
だって…目の前でユリアちゃんの、とろけるような表情をさせている男に勝てるとでも? 今からユリアちゃんを奪って無理やり身体を重ねろって?
…そんなの、最低な男と同じじゃないか…。
それに、僕には…ユリアちゃんの人生を束縛するなんてできない。キミが僕から離れていくなら仕方ない……でも、僕は…。
「ユリアちゃんと一緒にいたかったよ。」
「…ラキス、ごめんなさい」
「ああー、言われちゃった」
「………?」
「謝れたらフラれたと同じじゃないか。それに、僕はもう邪魔者みたいだし」
我慢できないというように、ロイドは繋がっているままの体勢でユリアの首筋にキスを落とす。
「……あ、あぁ…だめっ」
「見せ付けてくれんねぇ…僕にどうしろと?」
「さっさと消えてくれればいい」
ロイドはラキスへの当て付けのように、ユリアの身体を優しく刺激した。
「はいはい、お幸せに」
ラキスは、すぐに走り出す。見たくはない、乱れたユリアちゃんを…僕以外の男に抱かれているキミを見ると僕は怒りに狂いそうだよ。
だから……ラキスは、そのままの足取りである場所を訪れる。
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