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ノアズアーク編
第205話 51日目⑤海竜をO・MO・TE・NA・SHI (前編)
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害意がないことを示すために、陸に上がるだけでなく、俺の前で五体投地までしてみせたノアの願いが、おそらく群れ全員で安全に子育てができるこの場所に移住したいということらしいと思い至った俺たちはノアの望み通りにすることに決めたが、問題はその決定をノアたちにどうやって伝えるかだ。
そもそもノアの望みに気づけたのだって、あくまで美岬の観察眼と洞察力によるところが大きく、現時点でのノアとのやり取りはフィーリング頼りなので正確な意思の疎通が出来ているとは到底言えない。
そんな中、俺たちの考えをどのようにノアと群れに伝えたらいいだろうと俺は内心頭を抱えていたのだが、その課題は美岬のおかげであっさり解決することとなった。曰く、昨晩シーバスをノアと分け合ったのと同じく、群れの全員に魚を振る舞えばいいんじゃないか、と。
「…………天才かよ。確かにあれなら手っ取り早くてこの上なく分かりやすい信頼の証になるな。先にゴマフとノア相手にデモンストレーションしてみせれば他の連中にもこちらの意図はちゃんと伝わるだろうし。いや、よく思い付いたな」
「うへへへ。誉められちった」
正直、目から鱗だった。意志疎通を図るとか移住の許可を出すとか出さないとか、そんな面倒くさいことはそもそも考えなくてよかったんだ。
もっとシンプルに、ただ俺たちはノアの群れを歓迎し、ここから追い出す素振りを見せなければそれだけでよかったんだと気づかされた。俺たちが追い出そうとしないなら、ここに棲むも棲まないもノアたちの自由なんだから。
本来、野生動物にとって自分たちの縄張りは死守すべきもので、そこに別のグループがやってきたら追い出すのが普通だ。ノアにしてみればこの場所は俺たちの縄張りで、あとからやってきた自分たちは排除されるのが当然という認識なのだろう。だが、身重のメスが群れにいるので早急に安全な場所を確保する必要があり、俺たちの縄張りを侵すというタブーを自覚した上で、なんとか平和的に受け入れてもらえないかとあのような捨て身の交渉に臨んだということだろう。
そうと分かればやるべきことははっきりと見えてくる。
「お・も・て・な・し。だね?」
俺の顔を下から覗きこんで、にへらっと笑う美岬に頷く。
「そうだな。おもてなしだ。とっておきの根魚でもてなしてやろう」
岩場に棲む根魚は基本的に生命力が強いので、篭の中が過密状態でも海水に浸けてさえいればそうそう死ぬことはない。むしろしばらく絶食させて海水だけで活かしておくことで身が引き締まり、胃腸が空っぽになって内臓の味が良くなるメリットもある。
そんなわけで、俺たちが必要な時に食べるため、そしてゴマフのエサ用として活かしたままストックしてあった根魚たちをノアの群れに友好の証として振る舞うことになった。
わざわざ取り分けてあっただけあってゴマフ用以外はサイズも形も最高級の魚揃いだが、ここでならこれぐらいのレベルの魚はまた釣れるし、俺たちには昨晩釣った分の魚もあるからここは惜しまずに気前良くご馳走してやるとしよう。
大きめの蓋つきの篭に漁網用のフロートを取り付け、潮の干満に合わせて常に水面下ギリギリを浮遊するようにしてある魚活かし用の篭──浮き篭を回収して砂浜に引き上げれば、20匹近い大きめの根魚が入っているのでかなり重く、まだまだ元気いっぱいなので篭の中でビチビチと跳ね回り、周囲に飛沫が飛びまくる。
「ゴマフ~、出ておいで。怖くないよ。ご飯だよ」
「キュウゥ……キュイ」
巨大なノアの群れを警戒して囲いの中で身を潜めていたゴマフだったが、美岬の呼びかけるとオズオズと這い出してきた。しかし、ゴマフの姿を見るなり群れがざわつきだしたので驚いて硬直してしまい、結局美岬に抱っこされて運ばれることになった。
砂浜で俺たちを待っていたノアの前に戻り、美岬がゴマフをノアの前に降ろすと、ゴマフはビビりながらも興味津々でノアを見上げ、ノアも頭を下げてゴマフと同じ高さで向き合い、ちょっと俺の声では再現できない謎の鳴き声で歌うようにゴマフに話し掛け始めた。しいて言えばアルペンホルンみたいな音だ。
ゴマフもなにやら返事をするように鳴いているのでどうやら意志疎通はできてるっぽい。産まれてここまで俺たちの話す日本語に晒されてきたとはいえ、胎生だから生まれる前からプレシオサウルス独自のコミュニケーション方法は身に付いているのかもしれないな。
ひとしきりノアとやり取りをして気が済んだらしいゴマフは美岬の方に寄ってきてキュイキュイと餌をねだって鳴き始めた。
「みさち、このままゴマを波打ち際まで誘導してくれ。そうすればノアも海に戻るだろ。そこでもてなすとしよう」
「あい。おまかせられ。ゴマフ~、ご飯だよ! こっちおいで」
「キュイキュイッ!」
砂の坂を小走りに降りていく美岬を追いかけてゴマフが転がるように波打ち際に駆け降りていく。
「さあ、ノアも海に戻ろうか」
俺が魚の入った篭を抱えて美岬とゴマフに続いて波打ち際に向かって歩き出せば、ノアものっそりと方向転換をして着いてきた。
俺が波打ち際で足を止めれば、その横を通り過ぎてノアが水に入り、数㍍先で停止して、少し先で固まってこちらの様子を窺っていた群れに対して例のアルペンホルンみたいな声でなにやら呼びかけ始めた。
すると群れが一斉にこちらに向かって動き出して近づいてきた。うん。もう安心だとは分かっていてもなかなかの迫力だな。美岬が無言でそばに寄り添ってきたのでその手を握ってまっすぐに群れを見据えて立つ。
「クアッ!」
ノアのすぐ後ろまで近づいてきた群れがノアの一声で一斉に停止する。そして、ノアがもたげていた鎌首を下げて俺たちと目線の高さを合わせれば、残りのプレシオサウルスたちも同様に鎌首を下げて頭の高さを俺たちに合わせてくる。
さっきから何度も見ているこの仕草、相手と目線の高さを合わせるのがプレシオサウルス流の相手を尊重していることを示す動作なんだろう。実際、群れの全員が頭を下げてくれたおかげで確かに圧迫感は小さくなり、俺たちの緊張も緩んだ。
「……まずは見本だな。ゴマ、エサだぞ」
「キュイ! キュイキュイ!」
篭の中からゴマフ用に取り分けてあった小さめのアイナメを1匹、下顎を掴んで取り出し、群れからもよく見えるように大袈裟な仕草で掲げて見せる。待ちきれない様子で俺の足に首をスリスリしているゴマフの頭を撫で、鼻先にアイナメを近づけてやればパクンとくわえ、何度かガブガブと噛んで弱らせてから、頭から丸呑みにしていく。ちなみに魚を丸呑みにする場合、頭からじゃないと喉に背鰭の棘が引っ掛かって呑み込めなくなるらしいが、ゴマフはそれを本能的に理解しているのか教えていないのにちゃんと必ず頭から呑み込む。うちの子賢い。
1匹食べ終えておかわりをねだるのでもう1匹同じように与える。とりあえずこのサイズのアイナメならゴマフは2匹も食べれば満足する。
「次はノアだな」
篭の中から、一番大物の40㌢オーバーのタケノコメバルを出し、びったんびったんと大暴れするのを押さえつけてナイフを手早くエラの隙間に差し入れて首の付け根の動脈を切って〆、ややグッタリとなったそれを高く掲げてノアを呼ぶ。
「ノア! これはお前の分だ!」
「クルルル」
ノアが喉を鳴らしながらいそいそと近づいてきて、俺が下顎を掴んで提げているタケノコメバルを首を伸ばしてがぶりとくわえて受け取り、ばりばりと何度か噛んで骨を砕いてから頭から丸呑みにする。
ノアの巨体を維持するにはこれ1匹では足りないだろうが、これはあくまで一種の儀式というか通過儀礼みたいなものだからな。ノアもそれが分かっているようでそのまま横にずれて俺の前のスペースを空ける。
俺は次の魚を出して〆、ノアの時と同じように高く掲げて群れに向かって声をかける。
「さあ、次に欲しいのは誰だ?」
「クアックルル」
ノアが声をかけると、群れの中から4㍍級の中でも大きい黒と赤の2頭が進み出て近づいてきて、俺の前で横並びになって頭を俺の顔の高さまで下げた。
「おっと、2頭同時か。ちょっと待ってくれよ。あ、みさち、ちょっとこれ持っててくれ」
「あいあい」
持っていた魚を美岬に預け、魚をもう1匹手早く〆てから、両手に1匹ずつ持ち、2頭の鼻先に差し出せば、少々戸惑いつつも魚をくわえて受け取り、その場でバリモシャと食べ、そのままノアの方に移動してその後ろに控えた。この2頭はどうやらノアの番っぽいな。
「ねえガクちゃん、今の2頭ってたぶんノアの番だよね?」
「たぶんな。もっと身体が大きい奴はいるのにノアが先にこの2頭を呼んだのも、群れのボスとその番が率先することで他のみんなを安心させようとしたんだと思う」
「やっぱりそうだよね。あとね、プレシオサウルスのオスとメスの見分け方が分かったかも」
「マジか。俺はまだ分からないから教えてくれ」
「尻尾の長さが違うね。ゴマフの母親もそうだったけどメスは尻尾が短くて雄は長いよ」
「……そうなのか。まったく気にしてなかったけど、この後はそのあたりも注意して見ておくよ。ありがとな」
言われてみればカメもオスの方が尻尾が長いから、そういう雌雄の特徴の違いは十分にありうる話だな。
【作者コメント】
物語的に大事なシーンなので丁寧に書いているうちに気づけば普段の2話分に相当する文字数になってきてしまったので分割します。元々が1話だったものなので次回も引き続き岳人視点です。
そもそもノアの望みに気づけたのだって、あくまで美岬の観察眼と洞察力によるところが大きく、現時点でのノアとのやり取りはフィーリング頼りなので正確な意思の疎通が出来ているとは到底言えない。
そんな中、俺たちの考えをどのようにノアと群れに伝えたらいいだろうと俺は内心頭を抱えていたのだが、その課題は美岬のおかげであっさり解決することとなった。曰く、昨晩シーバスをノアと分け合ったのと同じく、群れの全員に魚を振る舞えばいいんじゃないか、と。
「…………天才かよ。確かにあれなら手っ取り早くてこの上なく分かりやすい信頼の証になるな。先にゴマフとノア相手にデモンストレーションしてみせれば他の連中にもこちらの意図はちゃんと伝わるだろうし。いや、よく思い付いたな」
「うへへへ。誉められちった」
正直、目から鱗だった。意志疎通を図るとか移住の許可を出すとか出さないとか、そんな面倒くさいことはそもそも考えなくてよかったんだ。
もっとシンプルに、ただ俺たちはノアの群れを歓迎し、ここから追い出す素振りを見せなければそれだけでよかったんだと気づかされた。俺たちが追い出そうとしないなら、ここに棲むも棲まないもノアたちの自由なんだから。
本来、野生動物にとって自分たちの縄張りは死守すべきもので、そこに別のグループがやってきたら追い出すのが普通だ。ノアにしてみればこの場所は俺たちの縄張りで、あとからやってきた自分たちは排除されるのが当然という認識なのだろう。だが、身重のメスが群れにいるので早急に安全な場所を確保する必要があり、俺たちの縄張りを侵すというタブーを自覚した上で、なんとか平和的に受け入れてもらえないかとあのような捨て身の交渉に臨んだということだろう。
そうと分かればやるべきことははっきりと見えてくる。
「お・も・て・な・し。だね?」
俺の顔を下から覗きこんで、にへらっと笑う美岬に頷く。
「そうだな。おもてなしだ。とっておきの根魚でもてなしてやろう」
岩場に棲む根魚は基本的に生命力が強いので、篭の中が過密状態でも海水に浸けてさえいればそうそう死ぬことはない。むしろしばらく絶食させて海水だけで活かしておくことで身が引き締まり、胃腸が空っぽになって内臓の味が良くなるメリットもある。
そんなわけで、俺たちが必要な時に食べるため、そしてゴマフのエサ用として活かしたままストックしてあった根魚たちをノアの群れに友好の証として振る舞うことになった。
わざわざ取り分けてあっただけあってゴマフ用以外はサイズも形も最高級の魚揃いだが、ここでならこれぐらいのレベルの魚はまた釣れるし、俺たちには昨晩釣った分の魚もあるからここは惜しまずに気前良くご馳走してやるとしよう。
大きめの蓋つきの篭に漁網用のフロートを取り付け、潮の干満に合わせて常に水面下ギリギリを浮遊するようにしてある魚活かし用の篭──浮き篭を回収して砂浜に引き上げれば、20匹近い大きめの根魚が入っているのでかなり重く、まだまだ元気いっぱいなので篭の中でビチビチと跳ね回り、周囲に飛沫が飛びまくる。
「ゴマフ~、出ておいで。怖くないよ。ご飯だよ」
「キュウゥ……キュイ」
巨大なノアの群れを警戒して囲いの中で身を潜めていたゴマフだったが、美岬の呼びかけるとオズオズと這い出してきた。しかし、ゴマフの姿を見るなり群れがざわつきだしたので驚いて硬直してしまい、結局美岬に抱っこされて運ばれることになった。
砂浜で俺たちを待っていたノアの前に戻り、美岬がゴマフをノアの前に降ろすと、ゴマフはビビりながらも興味津々でノアを見上げ、ノアも頭を下げてゴマフと同じ高さで向き合い、ちょっと俺の声では再現できない謎の鳴き声で歌うようにゴマフに話し掛け始めた。しいて言えばアルペンホルンみたいな音だ。
ゴマフもなにやら返事をするように鳴いているのでどうやら意志疎通はできてるっぽい。産まれてここまで俺たちの話す日本語に晒されてきたとはいえ、胎生だから生まれる前からプレシオサウルス独自のコミュニケーション方法は身に付いているのかもしれないな。
ひとしきりノアとやり取りをして気が済んだらしいゴマフは美岬の方に寄ってきてキュイキュイと餌をねだって鳴き始めた。
「みさち、このままゴマを波打ち際まで誘導してくれ。そうすればノアも海に戻るだろ。そこでもてなすとしよう」
「あい。おまかせられ。ゴマフ~、ご飯だよ! こっちおいで」
「キュイキュイッ!」
砂の坂を小走りに降りていく美岬を追いかけてゴマフが転がるように波打ち際に駆け降りていく。
「さあ、ノアも海に戻ろうか」
俺が魚の入った篭を抱えて美岬とゴマフに続いて波打ち際に向かって歩き出せば、ノアものっそりと方向転換をして着いてきた。
俺が波打ち際で足を止めれば、その横を通り過ぎてノアが水に入り、数㍍先で停止して、少し先で固まってこちらの様子を窺っていた群れに対して例のアルペンホルンみたいな声でなにやら呼びかけ始めた。
すると群れが一斉にこちらに向かって動き出して近づいてきた。うん。もう安心だとは分かっていてもなかなかの迫力だな。美岬が無言でそばに寄り添ってきたのでその手を握ってまっすぐに群れを見据えて立つ。
「クアッ!」
ノアのすぐ後ろまで近づいてきた群れがノアの一声で一斉に停止する。そして、ノアがもたげていた鎌首を下げて俺たちと目線の高さを合わせれば、残りのプレシオサウルスたちも同様に鎌首を下げて頭の高さを俺たちに合わせてくる。
さっきから何度も見ているこの仕草、相手と目線の高さを合わせるのがプレシオサウルス流の相手を尊重していることを示す動作なんだろう。実際、群れの全員が頭を下げてくれたおかげで確かに圧迫感は小さくなり、俺たちの緊張も緩んだ。
「……まずは見本だな。ゴマ、エサだぞ」
「キュイ! キュイキュイ!」
篭の中からゴマフ用に取り分けてあった小さめのアイナメを1匹、下顎を掴んで取り出し、群れからもよく見えるように大袈裟な仕草で掲げて見せる。待ちきれない様子で俺の足に首をスリスリしているゴマフの頭を撫で、鼻先にアイナメを近づけてやればパクンとくわえ、何度かガブガブと噛んで弱らせてから、頭から丸呑みにしていく。ちなみに魚を丸呑みにする場合、頭からじゃないと喉に背鰭の棘が引っ掛かって呑み込めなくなるらしいが、ゴマフはそれを本能的に理解しているのか教えていないのにちゃんと必ず頭から呑み込む。うちの子賢い。
1匹食べ終えておかわりをねだるのでもう1匹同じように与える。とりあえずこのサイズのアイナメならゴマフは2匹も食べれば満足する。
「次はノアだな」
篭の中から、一番大物の40㌢オーバーのタケノコメバルを出し、びったんびったんと大暴れするのを押さえつけてナイフを手早くエラの隙間に差し入れて首の付け根の動脈を切って〆、ややグッタリとなったそれを高く掲げてノアを呼ぶ。
「ノア! これはお前の分だ!」
「クルルル」
ノアが喉を鳴らしながらいそいそと近づいてきて、俺が下顎を掴んで提げているタケノコメバルを首を伸ばしてがぶりとくわえて受け取り、ばりばりと何度か噛んで骨を砕いてから頭から丸呑みにする。
ノアの巨体を維持するにはこれ1匹では足りないだろうが、これはあくまで一種の儀式というか通過儀礼みたいなものだからな。ノアもそれが分かっているようでそのまま横にずれて俺の前のスペースを空ける。
俺は次の魚を出して〆、ノアの時と同じように高く掲げて群れに向かって声をかける。
「さあ、次に欲しいのは誰だ?」
「クアックルル」
ノアが声をかけると、群れの中から4㍍級の中でも大きい黒と赤の2頭が進み出て近づいてきて、俺の前で横並びになって頭を俺の顔の高さまで下げた。
「おっと、2頭同時か。ちょっと待ってくれよ。あ、みさち、ちょっとこれ持っててくれ」
「あいあい」
持っていた魚を美岬に預け、魚をもう1匹手早く〆てから、両手に1匹ずつ持ち、2頭の鼻先に差し出せば、少々戸惑いつつも魚をくわえて受け取り、その場でバリモシャと食べ、そのままノアの方に移動してその後ろに控えた。この2頭はどうやらノアの番っぽいな。
「ねえガクちゃん、今の2頭ってたぶんノアの番だよね?」
「たぶんな。もっと身体が大きい奴はいるのにノアが先にこの2頭を呼んだのも、群れのボスとその番が率先することで他のみんなを安心させようとしたんだと思う」
「やっぱりそうだよね。あとね、プレシオサウルスのオスとメスの見分け方が分かったかも」
「マジか。俺はまだ分からないから教えてくれ」
「尻尾の長さが違うね。ゴマフの母親もそうだったけどメスは尻尾が短くて雄は長いよ」
「……そうなのか。まったく気にしてなかったけど、この後はそのあたりも注意して見ておくよ。ありがとな」
言われてみればカメもオスの方が尻尾が長いから、そういう雌雄の特徴の違いは十分にありうる話だな。
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物語的に大事なシーンなので丁寧に書いているうちに気づけば普段の2話分に相当する文字数になってきてしまったので分割します。元々が1話だったものなので次回も引き続き岳人視点です。
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