133 / 227
箱庭スローライフ編
第133話 13日目⑪おっさんは贅沢をする
しおりを挟む
大コッヘルにはムラソイの骨とアラの出汁が入っているが、小篭で濾して中コッヘルに移して大コッヘルを空ける。
それから蒸し調理の準備として大コッヘルの半分ぐらいまで小石を敷き詰め、その石に被らない程度まで水を入れて火に掛けて沸かしていく。
湯が沸くまでの間に、大きめの葛の葉を何枚か準備して、下味をつけたムラソイの身とスライスしたトリュフを一緒に包む。
またアワビの残りもスライスして、こちらはハマボウフウの葉と一緒に葛の葉で包む。
この包みを蒸し上げることで、ムラソイにはトリュフの風味が、アワビにはハマボウフウの風味が移っていい感じに仕上がるはずだ。
湯が沸騰してきて敷き詰めた小石の間から蒸気が勢いよく上がり始めたところで、食材の包みを小篭に入れてそのままスッポリと大コッヘルに嵌め込み、蓋をして蒸していく。
同時進行で、中コッヘルのムラソイ出汁に焼いた小石を入れて沸騰させ、シンプルに塩だけで味をつけ、水溶き葛粉でトロミをつけ、刻んだ三つ葉を散らしてスープにする。
10分ぐらい蒸してからムラソイとアワビの包み蒸しが完成する。
「待たせたな。さあ食べよう」
「わぁい! もうお腹ぺっこぺこっすよぅ」
食卓代わりのクーラーボックスの上に料理を並べて向かい合い、手を合わせる。
「「いただきます」」
美岬がさっそくスープに口をつけるが、俺は食べるより先にムラソイの包み蒸しの包みをほどく。包んでいた葛の葉を開けば、籠っていた水蒸気が一気に立ち上ると同時にトリュフ独特の風味が溢れ出す。やはり匂いを閉じ込める包み蒸しだとトリュフの匂いが生より強く出るな。
続いてアワビの包み蒸しを開けば、磯の香りと混じるハマボウフウのセリ科ならではの爽やかな風味の水蒸気が溢れ出る。これも食欲をそそる旨そうな匂いだ。
美岬は早くもスープをすすってほっこりしている。
「はふぅ。このスープ、三つ葉の香りがめっちゃいいっすね。優しい味で染み渡るっす」
「今回の料理には味の濃いものはないからな。スープもバランスを考えてあえてあっさりにしてあるんだ」
「なるほど。……さて、包み蒸しを開いた時の匂いが気になってしょうがないので、さっそくソレ食べてみていいっすか?」
「いいとも。俺も気になってるから食べてみるぞ」
ムラソイの白い身は箸で簡単にほぐれるので、その一切れとトリュフのスライスを一緒に摘まんで口に運ぶ。
「あ、うま」
「んん~!」
釣ったばかりで熟成が進んでいないので魚の身そのものはかなり淡白だが、その分トリュフがいい仕事をしてくれていて上品かつ味わい深い風味になっている。魚本来の味を引き立てつつ、自らの個性も失わないトリュフはやはり白身魚と相性抜群だな。
「すごいっすね。トリュフが高く評価される理由が分かったっす」
「トリュフはそれ単体で食べるより、相性のいい食材と組み合わせて初めて価値を発揮するタイプの食材だからな」
「スープに入れたらどうっすかね?」
「やってみたらどうだ? 元々ムラソイの出汁なんだから合わないはずないと思うが」
美岬が包みの内側から、蒸されてくたっとなったトリュフのスライスを摘まんで自分のスープの器に入れ、包みの底に溜まったトリュフの風味がたっぷり混ざっている魚肉汁もスプーンで掬ってスープに入れ、一口味見して満足げに笑う。
「やば! たったこれだけでこんなに変わるんすね。なんか味が複雑になったっすけど、これはこれで美味しいっすよ。……はい、あーん」
そう言いながらスープを掬ったスプーンを差し出してくるので味見させてもらう。
「……ん。相乗効果で旨みが強くなったな。こういう工夫が料理の醍醐味だからこれからもどんどん試してみたらいいと思うぞ」
「……むぅ。なんか思ってた反応と違うっす。もっとこう照れたりとかないっすか?」
と、なにやら面白くなさそうな美岬は、どうやら俺にあーんとか間接キスに対する初々しい反応を期待してたようだが毎日普通にキスしてるのに今さらそんなのを期待されてもな。それに調理の現場だと手を離せない相手に味見させるのに同僚があーんをするのは普通だし。
「…………今さら嫁さんと間接キスぐらいでは照れたりせんだろ」
「あぅ。確かに……」
軽くスルーして次に蒸しアワビを一切れ食べてみれば、ぐりぐりとしっかりした歯ごたえと濃厚な貝の味が口の中いっぱいに広がり、身に移ったハマボウフウの香りもいいアクセントになっている。今の時期のハマボウフウは旬を過ぎて固くなっているが、こんな風に食材の風味付けに使うなら十分アリだな。
「あ、旨い」
「じゃあ、あたしは次は貝のお刺身を食べてみるっす」
「ん。はいこれ肝醤油」
「あざっす」
肝醤油の入った蛤の殻を美岬の近くに置いてやれば、さっそくタイラギ貝の刺身をちょんと付けて口に運ぶ。
「おぉ! なにこれめっちゃ甘いっすね! 甘さとほろ苦さがあってまるで甘エビみたいっす」
「その甘さとちょっとの苦味がタイラギ貝の味の特徴だからな。……うん。これも旨いな」
「肝醤油も全然臭みが無くてめっちゃまろやかっすね」
「活きてる貝から取ってすぐに加工した鮮度抜群の肝だからそりゃ旨いさ。それにオスだから苦味もないしな」
続いてアワビの刺身を齟しゃくしながら美岬がうんうんと頷く。
「アワビの刺身と肝醤油の相性はもはや言うまでもないっすね。文句なしに美味しいっす」
「元々同じ個体だからな。そりゃ間違いないよな」
一通り食べてみたがどれも甲乙つけがたく本当に旨い。本当にここで手に入る食材は最高だな。
美岬と二人、舌鼓を打ちながら食事を終える頃には日没後の残照もかなり弱くなり、闇色を深めつつある空には、まだ僅かに色を残した雲が散らばり、そのすき間から垣間見える星が瞬き始めていた。
雲は少しずつ増えているようだが、まだすぐに崩れそうな感じではない。明日は土器の試し焼きをしたいからそれまでは保ってほしいところだな。
【作者コメント】
蒸し調理の利点は、素材の旨みが閉じ込められるところにあります。茹でると茹で汁に旨みが逃げてしまいますから。
鍋と小篭で蒸し調理をするには、作中で岳人がやっているように鍋に小石を詰めてその上に篭に入れた食材を置き、少しの湯を沸騰させて蒸すのがいいでしょう。
ちなみに同じ食材でも時期によって蒸しと茹でを使い分ける方がいい場合もあります。その最たるものがカニです。
カニの旬は冬ですが、冬のカニは旨みが強すぎるので、茹でて適度に旨みを抜くぐらいでちょうど良く、逆に旨みの少ない夏のカニは蒸して旨みを閉じ込めるのがおすすめです。冬のカニ鍋はまさに理にかなった正しい食べ方と言えるでしょう。
それから蒸し調理の準備として大コッヘルの半分ぐらいまで小石を敷き詰め、その石に被らない程度まで水を入れて火に掛けて沸かしていく。
湯が沸くまでの間に、大きめの葛の葉を何枚か準備して、下味をつけたムラソイの身とスライスしたトリュフを一緒に包む。
またアワビの残りもスライスして、こちらはハマボウフウの葉と一緒に葛の葉で包む。
この包みを蒸し上げることで、ムラソイにはトリュフの風味が、アワビにはハマボウフウの風味が移っていい感じに仕上がるはずだ。
湯が沸騰してきて敷き詰めた小石の間から蒸気が勢いよく上がり始めたところで、食材の包みを小篭に入れてそのままスッポリと大コッヘルに嵌め込み、蓋をして蒸していく。
同時進行で、中コッヘルのムラソイ出汁に焼いた小石を入れて沸騰させ、シンプルに塩だけで味をつけ、水溶き葛粉でトロミをつけ、刻んだ三つ葉を散らしてスープにする。
10分ぐらい蒸してからムラソイとアワビの包み蒸しが完成する。
「待たせたな。さあ食べよう」
「わぁい! もうお腹ぺっこぺこっすよぅ」
食卓代わりのクーラーボックスの上に料理を並べて向かい合い、手を合わせる。
「「いただきます」」
美岬がさっそくスープに口をつけるが、俺は食べるより先にムラソイの包み蒸しの包みをほどく。包んでいた葛の葉を開けば、籠っていた水蒸気が一気に立ち上ると同時にトリュフ独特の風味が溢れ出す。やはり匂いを閉じ込める包み蒸しだとトリュフの匂いが生より強く出るな。
続いてアワビの包み蒸しを開けば、磯の香りと混じるハマボウフウのセリ科ならではの爽やかな風味の水蒸気が溢れ出る。これも食欲をそそる旨そうな匂いだ。
美岬は早くもスープをすすってほっこりしている。
「はふぅ。このスープ、三つ葉の香りがめっちゃいいっすね。優しい味で染み渡るっす」
「今回の料理には味の濃いものはないからな。スープもバランスを考えてあえてあっさりにしてあるんだ」
「なるほど。……さて、包み蒸しを開いた時の匂いが気になってしょうがないので、さっそくソレ食べてみていいっすか?」
「いいとも。俺も気になってるから食べてみるぞ」
ムラソイの白い身は箸で簡単にほぐれるので、その一切れとトリュフのスライスを一緒に摘まんで口に運ぶ。
「あ、うま」
「んん~!」
釣ったばかりで熟成が進んでいないので魚の身そのものはかなり淡白だが、その分トリュフがいい仕事をしてくれていて上品かつ味わい深い風味になっている。魚本来の味を引き立てつつ、自らの個性も失わないトリュフはやはり白身魚と相性抜群だな。
「すごいっすね。トリュフが高く評価される理由が分かったっす」
「トリュフはそれ単体で食べるより、相性のいい食材と組み合わせて初めて価値を発揮するタイプの食材だからな」
「スープに入れたらどうっすかね?」
「やってみたらどうだ? 元々ムラソイの出汁なんだから合わないはずないと思うが」
美岬が包みの内側から、蒸されてくたっとなったトリュフのスライスを摘まんで自分のスープの器に入れ、包みの底に溜まったトリュフの風味がたっぷり混ざっている魚肉汁もスプーンで掬ってスープに入れ、一口味見して満足げに笑う。
「やば! たったこれだけでこんなに変わるんすね。なんか味が複雑になったっすけど、これはこれで美味しいっすよ。……はい、あーん」
そう言いながらスープを掬ったスプーンを差し出してくるので味見させてもらう。
「……ん。相乗効果で旨みが強くなったな。こういう工夫が料理の醍醐味だからこれからもどんどん試してみたらいいと思うぞ」
「……むぅ。なんか思ってた反応と違うっす。もっとこう照れたりとかないっすか?」
と、なにやら面白くなさそうな美岬は、どうやら俺にあーんとか間接キスに対する初々しい反応を期待してたようだが毎日普通にキスしてるのに今さらそんなのを期待されてもな。それに調理の現場だと手を離せない相手に味見させるのに同僚があーんをするのは普通だし。
「…………今さら嫁さんと間接キスぐらいでは照れたりせんだろ」
「あぅ。確かに……」
軽くスルーして次に蒸しアワビを一切れ食べてみれば、ぐりぐりとしっかりした歯ごたえと濃厚な貝の味が口の中いっぱいに広がり、身に移ったハマボウフウの香りもいいアクセントになっている。今の時期のハマボウフウは旬を過ぎて固くなっているが、こんな風に食材の風味付けに使うなら十分アリだな。
「あ、旨い」
「じゃあ、あたしは次は貝のお刺身を食べてみるっす」
「ん。はいこれ肝醤油」
「あざっす」
肝醤油の入った蛤の殻を美岬の近くに置いてやれば、さっそくタイラギ貝の刺身をちょんと付けて口に運ぶ。
「おぉ! なにこれめっちゃ甘いっすね! 甘さとほろ苦さがあってまるで甘エビみたいっす」
「その甘さとちょっとの苦味がタイラギ貝の味の特徴だからな。……うん。これも旨いな」
「肝醤油も全然臭みが無くてめっちゃまろやかっすね」
「活きてる貝から取ってすぐに加工した鮮度抜群の肝だからそりゃ旨いさ。それにオスだから苦味もないしな」
続いてアワビの刺身を齟しゃくしながら美岬がうんうんと頷く。
「アワビの刺身と肝醤油の相性はもはや言うまでもないっすね。文句なしに美味しいっす」
「元々同じ個体だからな。そりゃ間違いないよな」
一通り食べてみたがどれも甲乙つけがたく本当に旨い。本当にここで手に入る食材は最高だな。
美岬と二人、舌鼓を打ちながら食事を終える頃には日没後の残照もかなり弱くなり、闇色を深めつつある空には、まだ僅かに色を残した雲が散らばり、そのすき間から垣間見える星が瞬き始めていた。
雲は少しずつ増えているようだが、まだすぐに崩れそうな感じではない。明日は土器の試し焼きをしたいからそれまでは保ってほしいところだな。
【作者コメント】
蒸し調理の利点は、素材の旨みが閉じ込められるところにあります。茹でると茹で汁に旨みが逃げてしまいますから。
鍋と小篭で蒸し調理をするには、作中で岳人がやっているように鍋に小石を詰めてその上に篭に入れた食材を置き、少しの湯を沸騰させて蒸すのがいいでしょう。
ちなみに同じ食材でも時期によって蒸しと茹でを使い分ける方がいい場合もあります。その最たるものがカニです。
カニの旬は冬ですが、冬のカニは旨みが強すぎるので、茹でて適度に旨みを抜くぐらいでちょうど良く、逆に旨みの少ない夏のカニは蒸して旨みを閉じ込めるのがおすすめです。冬のカニ鍋はまさに理にかなった正しい食べ方と言えるでしょう。
42
お気に入りに追加
566
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。
役立たずと言われダンジョンで殺されかけたが、実は最強で万能スキルでした !
本条蒼依
ファンタジー
地球とは違う異世界シンアースでの物語。
主人公マルクは神聖の儀で何にも反応しないスキルを貰い、絶望の淵へと叩き込まれる。
その役に立たないスキルで冒険者になるが、役立たずと言われダンジョンで殺されかけるが、そのスキルは唯一無二の万能スキルだった。
そのスキルで成り上がり、ダンジョンで裏切った人間は落ちぶれざまあ展開。
主人公マルクは、そのスキルで色んなことを解決し幸せになる。
ハーレム要素はしばらくありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる