106 / 227
箱庭スローライフ編
第106話 11日目⑤おっさんは癒し癒される
しおりを挟む
昼食後に少し休憩してから、午後からも食材集めを再開する。これまでは貝や魚を長期間保存する手段がなかったので、数日以内に消費できる分だけを捕っていたが、これからは熱風乾燥や燻蒸により、ただの天日干しの干物よりもずっと長く食料を保存できるようになるから今回は加工することを前提にかなり多めに捕ることにする。
塩漬けや天日干しだけの場合、食材に付着している腐敗の原因となる菌は、活性が下がっているだけで死滅していないのであまり長くは保存できないが、熱風乾燥の場合は熱殺菌ができるし、燻す場合は煙に含まれる殺菌成分が食材の内部まで浸透して防腐効果を発揮するので腐りにくくなる。加工後にきちんと管理すれば数ヵ月単位で保つようになり、すでに火が通っているのでそのまま食べれるというのも大きなメリットだ。
今は料理にかなりの時間を割いているが、加工保存食があれば作業に集中したい時に食事を簡単に済ませることもできるようになる。また、食事の度に拠点に戻らなくても加工保存食を携行すれば行動範囲を広げることもできる。加工保存食の開発は箱庭の奥地にまで探索の手を広げるにあたって必要なことと言えるだろう。
今日は小潮で昼間の干潮のピークが午後の4時前ぐらいになるので、俺と美岬は潮が引いているうちにまずは潮干狩りをすることにした。乾物に加工して保存する前提なので、アサリなどの小物はとりあえず無視して、身の大きいハマグリ、赤貝、岩牡蠣などを採集することにする。
「貝掘りのついでに掘った穴を利用して楯干しのトラップも仕掛けておこうか」
「たてぼしっすか? でもあれは漁網がいるんじゃないっすか?」
「そこはまあ工夫次第ってとこだな。貝を掘って出来た潮溜まりの周囲を葦で囲んで、プールに獲物が留まりやすくすることができればそれで十分だと思うんだ。そんなわけで、ちょっと材料の葦を取ってくるから美岬はこのまま貝掘りを続けててくれるか?」
「あい。了解っす」
拠点に一度戻り、今朝俺が刈り取ってきた葦を一束抱えて美岬のところに戻れば、美岬もよく心得たもので、干上がった砂地を直径1㍍ぐらいの円形に掘り、出た砂を穴の周囲に積み上げてカルデラのような形にしてくれていた。
潮干狩りの方も疎かにはしておらず、そばに置かれた篭には大きいハマグリがすでに何個か入っている。
「……はー……あれだけの説明でよくここまで察してくれたな」
「んふふ♪ 阿吽の呼吸ってやつっすね。言葉足らずなダーリンの意図を汲み取ってこそのいい嫁っすよね」
「いい嫁だな。……ふむ。これだけ察しが良いなら、これからは言葉でわざわざ愛情表現しなくてもよさそうだな」
「は? なに言ってんすか! そんなん駄目に決まってるじゃないすか! ダーリンがあたしのことをだぁい好きなのは重々承知してるっすけど、だからと言って愛情表現を怠っていい理由にはならないっす!」
冗談のつもりだったが地雷を踏み抜いてしまったようでガチで怒られてしまった。
「すまん。本気じゃないからそう怒るな。可愛い顔が台無し……でもないか。怒った顔も普通に可愛いな。しかも怒ってる理由が可愛すぎてつい顔がにやけてしまうな」
「……んもう! なんすかそれ!」
怒るに怒れなくなった美岬が顔を赤らめつつも、それでもポーズとして頬を膨らませる。そんな美岬の頭に手を伸ばして撫でてやる。
「俺も作った料理を、美岬がいつも美味しいって誉めてくれるのが嬉しいからな。感謝とか愛情表現とか誉める言葉っていうのは言わなくても伝わる部分もあるけど、やっぱりちゃんと口に出して相手に伝えるのが大事だよな」
「……むぅ。それを分かってて、あたしをからかったんすね」
頭を撫でていた手を背中に滑らせて軽く抱き寄せる。
「ごめんて。……俺は本当に美岬のことが大好きだし、一緒にいられて本当に嬉しいし、心から信頼してるし、これからもずっと一緒にいたいと思ってる。毎日美岬の新たな一面を知って日々惚れ直してるんだ。こんな最高に可愛い彼女を持てて俺は本当に果報者だと思ってるよ」
「…………っ!」
詫びの気持ちも込めて本心を打ち明けると、美岬が俺の背中に両手を回し、グリグリと頭を押し付けてきた。
「……もう、好きすぎて辛いっす。好きって気持ちが大きくなりすぎて、この気持ちを伝える言葉を持ってなくて、どうしようもなくもどかしいっす! まるで子供みたいっすけど、大大大大大だいっ好きっす!」
「大丈夫、大丈夫。美岬のその言葉にできない部分も態度でちゃんと伝わってるから。俺も美岬への想いは言葉と態度でちゃんと伝えるように努力するからな」
「んふ♪ じゃあ、次にすることは分かるっすよね?」
美岬が顔を上げて目を閉じて唇をんっと付き出してきたので、俺も黙って唇を重ね、美岬の頭を優しく撫でてやった。
やがて、どちらともなく自然に離れ、美岬が照れくさそうにはにかむ。
「……へへ。なんかうまく言えないっすけど、幸せで満たされてるっていうか、愛されてる感がすごくて……お腹一杯食べた後みたいに満ち足りてしまったっす」
「心の必要が満たされた感じ?」
「そう、それっす!」
「それを、癒された状態っていうんじゃないか?」
「それだっ! めっちゃ癒されてしまったっす。これで午後からも頑張れるっす」
お互いに癒し癒された後で、美岬が円形のカルデラ状に掘ってくれた穴を利用して楯干しトラップを作っていく。
ちなみに楯干しというのは潮の干満差を利用して、満潮時には海に沈むが干潮時には干上がる場所に『コ』の字や『く』の字型に網を仕掛けて、満潮時に網の内側に入り込んだ魚が干潮時にそこに取り残されているのを捕まえる漁法のひとつだ。
俺たちがやる楯干しトラップは、カルデラ状に掘った穴の陸地に向いた側を開けてΩ型にして、開口部以外に30㌢ぐらいに切った葦を2、3㌢の等間隔で地面に刺して柵で囲むというものだ。
潮が引く時、海水と小さな魚は柵の隙間から出て行くが、大きな魚は柵の内側のプールに留められる。潮が完全に引く前に入った場所から出ていけば問題ないが、うっかりプールに留まってしまった間抜けな奴は干潮の間ずっとそこに閉じ込められるというわけだ。
この内湾は波が穏やかで貝掘りのために掘った穴が数日間は埋まらずに残っているからこそできる方法だな。
通常の波のある海岸でやる場合は美岬が言っていたように、支柱となる太い柱を海中に立て、その間に網を張って魚が逃げられないようにする。
何ヵ所か場所を移動しながら貝掘りをして、貝掘り跡の潮溜まりを利用した楯干しトラップをさらに仕掛けておく。このトラップのいいところは魚を弱らせず、放っておいても自然消滅するので環境に優しいところだ。
ロストしたり放置されたりした釣具や漁具による環境破壊は大きな問題になっているが、こういうトラップはメンテナンスをすれば使い続けることができるが放置すればすぐに自然に還るから環境破壊の心配はしなくていい。
「こういう罠を仕掛けるのって何が捕れるかワクワクするっすよね」
「そうだな。ヒラメとかカレイみたいな平たい砂地の魚が捕れたらいいなとは思ってるけどな」
「なるほど~。ヒラメ美味しいっすもんね。捕れたらいいっすね」
干潮が終わるまでに砂地でハマグリと赤貝、岩場で岩牡蠣を集めて一度拠点に戻ってきた。日が暮れる頃のマズメ時を狙って岩場で釣りをしようと思っているが、それまでにはまだ数時間あるので今のうちに捕ってきた貝類の下処理を終わらせ、主食のジュズダマやスダジイのドングリ集めをしておこう。
塩漬けや天日干しだけの場合、食材に付着している腐敗の原因となる菌は、活性が下がっているだけで死滅していないのであまり長くは保存できないが、熱風乾燥の場合は熱殺菌ができるし、燻す場合は煙に含まれる殺菌成分が食材の内部まで浸透して防腐効果を発揮するので腐りにくくなる。加工後にきちんと管理すれば数ヵ月単位で保つようになり、すでに火が通っているのでそのまま食べれるというのも大きなメリットだ。
今は料理にかなりの時間を割いているが、加工保存食があれば作業に集中したい時に食事を簡単に済ませることもできるようになる。また、食事の度に拠点に戻らなくても加工保存食を携行すれば行動範囲を広げることもできる。加工保存食の開発は箱庭の奥地にまで探索の手を広げるにあたって必要なことと言えるだろう。
今日は小潮で昼間の干潮のピークが午後の4時前ぐらいになるので、俺と美岬は潮が引いているうちにまずは潮干狩りをすることにした。乾物に加工して保存する前提なので、アサリなどの小物はとりあえず無視して、身の大きいハマグリ、赤貝、岩牡蠣などを採集することにする。
「貝掘りのついでに掘った穴を利用して楯干しのトラップも仕掛けておこうか」
「たてぼしっすか? でもあれは漁網がいるんじゃないっすか?」
「そこはまあ工夫次第ってとこだな。貝を掘って出来た潮溜まりの周囲を葦で囲んで、プールに獲物が留まりやすくすることができればそれで十分だと思うんだ。そんなわけで、ちょっと材料の葦を取ってくるから美岬はこのまま貝掘りを続けててくれるか?」
「あい。了解っす」
拠点に一度戻り、今朝俺が刈り取ってきた葦を一束抱えて美岬のところに戻れば、美岬もよく心得たもので、干上がった砂地を直径1㍍ぐらいの円形に掘り、出た砂を穴の周囲に積み上げてカルデラのような形にしてくれていた。
潮干狩りの方も疎かにはしておらず、そばに置かれた篭には大きいハマグリがすでに何個か入っている。
「……はー……あれだけの説明でよくここまで察してくれたな」
「んふふ♪ 阿吽の呼吸ってやつっすね。言葉足らずなダーリンの意図を汲み取ってこそのいい嫁っすよね」
「いい嫁だな。……ふむ。これだけ察しが良いなら、これからは言葉でわざわざ愛情表現しなくてもよさそうだな」
「は? なに言ってんすか! そんなん駄目に決まってるじゃないすか! ダーリンがあたしのことをだぁい好きなのは重々承知してるっすけど、だからと言って愛情表現を怠っていい理由にはならないっす!」
冗談のつもりだったが地雷を踏み抜いてしまったようでガチで怒られてしまった。
「すまん。本気じゃないからそう怒るな。可愛い顔が台無し……でもないか。怒った顔も普通に可愛いな。しかも怒ってる理由が可愛すぎてつい顔がにやけてしまうな」
「……んもう! なんすかそれ!」
怒るに怒れなくなった美岬が顔を赤らめつつも、それでもポーズとして頬を膨らませる。そんな美岬の頭に手を伸ばして撫でてやる。
「俺も作った料理を、美岬がいつも美味しいって誉めてくれるのが嬉しいからな。感謝とか愛情表現とか誉める言葉っていうのは言わなくても伝わる部分もあるけど、やっぱりちゃんと口に出して相手に伝えるのが大事だよな」
「……むぅ。それを分かってて、あたしをからかったんすね」
頭を撫でていた手を背中に滑らせて軽く抱き寄せる。
「ごめんて。……俺は本当に美岬のことが大好きだし、一緒にいられて本当に嬉しいし、心から信頼してるし、これからもずっと一緒にいたいと思ってる。毎日美岬の新たな一面を知って日々惚れ直してるんだ。こんな最高に可愛い彼女を持てて俺は本当に果報者だと思ってるよ」
「…………っ!」
詫びの気持ちも込めて本心を打ち明けると、美岬が俺の背中に両手を回し、グリグリと頭を押し付けてきた。
「……もう、好きすぎて辛いっす。好きって気持ちが大きくなりすぎて、この気持ちを伝える言葉を持ってなくて、どうしようもなくもどかしいっす! まるで子供みたいっすけど、大大大大大だいっ好きっす!」
「大丈夫、大丈夫。美岬のその言葉にできない部分も態度でちゃんと伝わってるから。俺も美岬への想いは言葉と態度でちゃんと伝えるように努力するからな」
「んふ♪ じゃあ、次にすることは分かるっすよね?」
美岬が顔を上げて目を閉じて唇をんっと付き出してきたので、俺も黙って唇を重ね、美岬の頭を優しく撫でてやった。
やがて、どちらともなく自然に離れ、美岬が照れくさそうにはにかむ。
「……へへ。なんかうまく言えないっすけど、幸せで満たされてるっていうか、愛されてる感がすごくて……お腹一杯食べた後みたいに満ち足りてしまったっす」
「心の必要が満たされた感じ?」
「そう、それっす!」
「それを、癒された状態っていうんじゃないか?」
「それだっ! めっちゃ癒されてしまったっす。これで午後からも頑張れるっす」
お互いに癒し癒された後で、美岬が円形のカルデラ状に掘ってくれた穴を利用して楯干しトラップを作っていく。
ちなみに楯干しというのは潮の干満差を利用して、満潮時には海に沈むが干潮時には干上がる場所に『コ』の字や『く』の字型に網を仕掛けて、満潮時に網の内側に入り込んだ魚が干潮時にそこに取り残されているのを捕まえる漁法のひとつだ。
俺たちがやる楯干しトラップは、カルデラ状に掘った穴の陸地に向いた側を開けてΩ型にして、開口部以外に30㌢ぐらいに切った葦を2、3㌢の等間隔で地面に刺して柵で囲むというものだ。
潮が引く時、海水と小さな魚は柵の隙間から出て行くが、大きな魚は柵の内側のプールに留められる。潮が完全に引く前に入った場所から出ていけば問題ないが、うっかりプールに留まってしまった間抜けな奴は干潮の間ずっとそこに閉じ込められるというわけだ。
この内湾は波が穏やかで貝掘りのために掘った穴が数日間は埋まらずに残っているからこそできる方法だな。
通常の波のある海岸でやる場合は美岬が言っていたように、支柱となる太い柱を海中に立て、その間に網を張って魚が逃げられないようにする。
何ヵ所か場所を移動しながら貝掘りをして、貝掘り跡の潮溜まりを利用した楯干しトラップをさらに仕掛けておく。このトラップのいいところは魚を弱らせず、放っておいても自然消滅するので環境に優しいところだ。
ロストしたり放置されたりした釣具や漁具による環境破壊は大きな問題になっているが、こういうトラップはメンテナンスをすれば使い続けることができるが放置すればすぐに自然に還るから環境破壊の心配はしなくていい。
「こういう罠を仕掛けるのって何が捕れるかワクワクするっすよね」
「そうだな。ヒラメとかカレイみたいな平たい砂地の魚が捕れたらいいなとは思ってるけどな」
「なるほど~。ヒラメ美味しいっすもんね。捕れたらいいっすね」
干潮が終わるまでに砂地でハマグリと赤貝、岩場で岩牡蠣を集めて一度拠点に戻ってきた。日が暮れる頃のマズメ時を狙って岩場で釣りをしようと思っているが、それまでにはまだ数時間あるので今のうちに捕ってきた貝類の下処理を終わらせ、主食のジュズダマやスダジイのドングリ集めをしておこう。
55
お気に入りに追加
565
あなたにおすすめの小説
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない
亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。
不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。
そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。
帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。
そして邂逅する謎の組織。
萌の物語が始まる。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。

俺しか使えない『アイテムボックス』がバグってる
十本スイ
ファンタジー
俗にいう神様転生とやらを経験することになった主人公――札月沖長。ただしよくあるような最強でチートな能力をもらい、異世界ではしゃぐつもりなど到底なかった沖長は、丈夫な身体と便利なアイテムボックスだけを望んだ。しかしこの二つ、神がどういう解釈をしていたのか、特にアイテムボックスについてはバグっているのではと思うほどの能力を有していた。これはこれで便利に使えばいいかと思っていたが、どうも自分だけが転生者ではなく、一緒に同世界へ転生した者たちがいるようで……。しかもそいつらは自分が主人公で、沖長をイレギュラーだの踏み台だなどと言ってくる。これは異世界ではなく現代ファンタジーの世界に転生することになった男が、その世界の真実を知りながらもマイペースに生きる物語である。

Hしてレベルアップ ~可愛い女の子とHして強くなれるなんて、この世は最高じゃないか~
トモ治太郎
ファンタジー
孤児院で育った少年ユキャール、この孤児院では15歳になると1人立ちしなければいけない。
旅立ちの朝に初めて夢精したユキャール。それが原因なのか『異性性交』と言うスキルを得る。『相手に精子を与えることでより多くの経験値を得る。』女性経験のないユキャールはまだこのスキルのすごさを知らなかった。
この日の為に準備してきたユキャール。しかし旅立つ直前、一緒に育った少女スピカが一緒にいくと言い出す。本来ならおいしい場面だが、スピカは何も準備していないので俺の負担は最初から2倍増だ。
こんな感じで2人で旅立ち、共に戦い、時にはHして強くなっていくお話しです。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
月が導く異世界道中
あずみ 圭
ファンタジー
月読尊とある女神の手によって癖のある異世界に送られた高校生、深澄真。
真は商売をしながら少しずつ世界を見聞していく。
彼の他に召喚された二人の勇者、竜や亜人、そしてヒューマンと魔族の戦争、次々に真は事件に関わっていく。
これはそんな真と、彼を慕う(基本人外の)者達の異世界道中物語。
漫遊編始めました。
外伝的何かとして「月が導く異世界道中extra」も投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる