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箱庭スローライフ編
第78話 8日目⑥おっさんは釣りをする
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今の時刻は午後6時頃で、干潮のピークから4時間ぐらい過ぎているのでかなり潮が満ちてきている。干満のピークは潮止まりで魚が釣れにくくなるが、今みたいに満ちている途中で潮が動いている時というのは一番魚が釣れやすくなる。箱庭はすでに陰っているが、日が沈んで本格的に暗くなるまではまだ1時間ぐらいあるな。
釣りをするなら岩場での穴釣りがいいだろう。岩の隙間の暗がりに潜む根魚なら、今回作ったような大きな釣り針で、かつ透明でない釣糸でも普通に釣れるはずだ。
茹で上がった葛蔓を美岬と一緒に小川のそばの蒸らして発酵させる為の穴──発酵槽に運び入れ、昨日と同じく上から葦の葉を被せて蒸らし、その足で林に入り、釣竿用に長さが2㍍ぐらいで根本の太さが3㌢ぐらいの枝を1本切り出してきて一度拠点に戻る。
釣竿は曲がっても簡単には折れない『しなり』が重要なので、乾いた枯れ枝ではなく生木から直接採ってきた。
その枝にはまだ青葉や小枝が付いているので、ナイフで余分な物を切り落とし、削って釣竿の形を整えていく。
それから裁縫セットに入れてあるPEラインを釣竿より少し長めで切り、片方を釣竿の先端に、反対側を釣り針に直接結ぶ。錘は付けていないが、あくまでテストなので今回はいいだろう。
「餌はどうするっすか?」
「そうだなー……カメノテの生の剥き身でやってみるか」
「あ、それは良さそうっすね。エビやカニの仲間っすもんね」
釣竿を美岬に持たせ、俺はスコップとクーラーボックスを持って岩場に向かう。まだ満潮のピークではないので、満潮ピーク時には海中に沈む岩が今はまだ剥き出しになっている。そういう場所にカメノテのコロニーはよくあるので、そんな岩の1つから手頃なコロニーをスコップで引き剥がしてクーラーボックスに入れて岩場に上がり、根魚が潜んでいそうな岩の隙間を探す。
「この辺りとかどうっすか?」
「いい感じだな。ちょっと試してみるか」
岩と岩の隙間に海面があり、海中にも暗礁が立ち並んでいていかにも根魚が好みそうな場所を見つけたのでちょっと釣ってみることにする。
カメノテの皮を手で剥いてピンク色の剥き身にして釣り針に刺す。針が大きいのでとりあえず2個つけて、これで釣りの準備は完了だが……。
「……美岬、やりたい?」
「やりたいっすっ!」
ワクワクを隠しきれない美岬に初手は譲ることにする。
「おけおけ。じゃあやってみてくれ」
「あいあいっ!」
美岬が竿を操って針を海面に落とす。錘が付いてないので自然落下でゆらゆらとゆっくり沈んでいくのを目で追う。水の透明度が高いのでピンク色の餌がよく見えている。
餌を沈ませながら、美岬が時々竿先をチョイチョイとしゃくり、餌を水中で踊らせて魚を誘う。
そしてそのまま餌が岩陰の近くに沈んだ瞬間、岩陰から黒い魚影が飛び出してきて餌をくわえ、すぐに元の岩陰に戻ろうと身を翻した。
「お、食った!」
「おわっ! いきなりでかいのきたっすよ!」
グイーンと竿が大きくしなり、美岬がその場に踏ん張って魚が岩陰に潜らないように引きとどめる。カサゴやソイなどの根魚は一度岩陰に逃げ込まれてしまうと狭い隙間でヒレを大きく広げて引きずり出されないように力一杯抵抗してくるので、いかに根に潜らせないかが重要だ。
根に潜るのに失敗したその魚は抵抗しつつも引っ張り上げられてきてついに海面にその姿を見せる。全体的なシルエットはカサゴにも似ているがカサゴほど頭が大きくなく、色も灰色と黒のまだら模様で全体的に黒っぽい。サイズは30㌢は越えているが40㌢まではないぐらいか。
「クロソイか! なかなかでかいぞ。そのまま上げれるか?」
「たぶん! でもクーラーボックスは開けといてほしいっす」
「おっけ! よしこい!」
「お、重い。よいしょおっ!」
俺がクーラーボックスの蓋を開けて中からカメノテの塊を取り出し、美岬の方に向けたところで、美岬がクロソイを一気に釣り上げて、クレーン車のようにそのまま体を回転させてクーラーボックス内にクロソイを降ろす。その瞬間、バタバタバタと大暴れするがクーラーボックスからは逃げ出せない。
俺が釣り糸を持って吊り上げるとかぱっと大きな口を開けたので、すかさず口の中に親指を入れて下顎をしっかり掴んでホールドし、まだ刺さったままの針を取り外す。その時に針の状態をチェックしてみたがこれだけの大物を釣り上げたのにまったく変形もしていない。これなら大丈夫だな。
「いきなりクロソイの大物とは幸先がいいな」
「まったく無警戒でいきなり食いついてきたっすからね。さすが縄文の海っすね。ぜんぜんスレてないっす」
「ある程度成長した根魚は磯の生態系の頂点だからな。この感じならこれからは魚にも困らないな。自作の針もいい感じだから戻ったら量産しておこう」
「貝やタコも美味しいっすけど、魚が食べれるのは嬉しいっすねー。クロソイ食べるなんて久しぶりっす」
「そうだな。本土じゃクロソイは高級魚だからな。刺身も旨いがいい出汁が出るから煮付けが最高なんだよな」
ナイフをクロソイの頭の付け根、えらぶたから差し込んで背骨の腹側にある太い血管を切って〆る。クーラーボックスに海水を少し入れておけばバチャバチャと暴れ、たちまちのうちに海水が流れ出した血で染まっていく。
カサゴもそうだが、生が強い根魚は頸動脈を切られてもなかなか死なない。この状態でも1時間ぐらいは暴れるので、こうして〆て海水に入れておけば結果的に綺麗に血抜きが出来て、臭みがまったく無い最高の白身に仕上がるのだ。
「さて、晩飯用としてはこの1匹だけでも十分なんだが、一応は釣り針の耐久テストも兼ねてるからもうちょっと釣ってみるか」
「そっすね。多い分は干物にしてもいいっすし」
「そうだな。じゃあ次は俺がやらせてもらおうか」
「はい。じゃあ今度はあたしが餌をつけるっす」
釣竿を受け取り、美岬に餌をつけてもらってから別の穴を探す。クロソイを釣った時にだいぶ暴れていたから、同じ場所で釣るより場所を変えた方がいいだろう。
別の岩の隙間の穴に仕掛けを落とすと、こっちも入れ食いですぐにアタリがきたが、食いが浅かったようで合わせに失敗して逃げられる。針をチェックしてみれば、2個つけてあった餌のうちの1個が食いちぎられていた。
「ドンマイっすよ。餌をもう1個つけるんでもう一度この穴でチャレンジしてみてほしいっす。あと、次はすぐに合わせないでちょっと待ってから合わせてみてほしいっす。今のアタリ方からして、あたしの予想が当たってたらそれで釣れると思うっす」
「ふむ。いきなり合わすんじゃなくてワンテンポ遅らせるんだな? やってみよう」
再び仕掛けを落とし、そのままゆっくりと沈めていくと……コン、コン、コン、とノックするようなアタリがくる。さっきと同じだ。そこであえて合わさずにあえて一度手を緩めると、コン、コン、としたアタリの後でグイッと竿先が引き込まれたので、そこでグッと引いて合わせる。
今度はしっかりフッキングしたようでズッシリとした重さが竿越しに感じられ、ビビビビッと竿先を振動させるようなアタリがくる。
引き上げようとすると、竿先を激しく振動させるようなアタリは続いているものの、魚自身が泳いで逃げようとする『走り』はほとんどなく、ソイに比べるとやや長めの魚影が体をうねらせながらも水面に近づいてくる。なんだろう? ギンポかゴンズイかな?
予想に反してついに海面から顔を出したのはスマートな顔立ちにおちょぼ口の明るい茶色の魚。
「あ、アイナメか!」
「あは。やっぱりこの引きはアイナメだったっすね。尺越えのいいサイズっすよ! クーラーボックス開けるっす」
「おう。頼む」
美岬が開けてくれたクーラーボックスに竿をしならせながら釣り上げたアイナメを降ろしてようやくひと安心する。なんとかバレずに上げれたが、これだけの大物根魚が次々に釣れるとなるとやり方を考え直さないといけないな。
根魚は泳ぐ能力があまり高くないから針に掛かった時の抵抗がさほど大きくないのでこのサイズでもなんとか竿だけで釣り上げられるが、これ以上大きくなると魚の重さで糸が切れるか、竿が先に折れる。
タモ網があれば一番だがすぐには準備できないから、せめて棒の先にフックを付けた手鉤ぐらいは準備しといた方が良さそうだ。手鉤があれば竿だけで海面から上げれない魚の顎にフックを引っ掛けて引き上げることができるからな。
その後もアイナメの入れ食いが続き、同じぐらいのサイズのアイナメが追加で2匹釣れ、最後の奴を釣り上げる途中でついに竿が折れそうになったのでそこで納竿にした。
とりあえず見えた課題としては、竿そのものをもっと強いものに改良することと、大物の魚を海面から引き上げるための手鉤を準備することだな。
【作者コメント】
アイナメ、クロソイは塩分があまり濃くない川の河口近くの岩礁帯によくいる根魚です。箱庭の海は外海に比べて塩分濃度低めなのでこの2種にご登場いただきました。アイナメは餌をくわえては吐き出し、またくわえるというのを繰り返す習性があるので最初はコンコンとノックするようなアタリがありますがしっかり呑み込むとグイッと引きが強くなるのでその時が合わせ時です。針が掛かると外そうとして大きく頭を振るのでブルブルとした強い引きがあります。クロソイなどのソイの仲間は一気に餌を呑み込んですぐに根に潜ろうとするのですぐに引っ張りあげるのが大事です。根に潜られさえしなければ抵抗はさほど強くないのですぐに上がります。作者はソイはブラクリ仕掛けに塩サバの切り身を餌にして釣ります。
釣りをするなら岩場での穴釣りがいいだろう。岩の隙間の暗がりに潜む根魚なら、今回作ったような大きな釣り針で、かつ透明でない釣糸でも普通に釣れるはずだ。
茹で上がった葛蔓を美岬と一緒に小川のそばの蒸らして発酵させる為の穴──発酵槽に運び入れ、昨日と同じく上から葦の葉を被せて蒸らし、その足で林に入り、釣竿用に長さが2㍍ぐらいで根本の太さが3㌢ぐらいの枝を1本切り出してきて一度拠点に戻る。
釣竿は曲がっても簡単には折れない『しなり』が重要なので、乾いた枯れ枝ではなく生木から直接採ってきた。
その枝にはまだ青葉や小枝が付いているので、ナイフで余分な物を切り落とし、削って釣竿の形を整えていく。
それから裁縫セットに入れてあるPEラインを釣竿より少し長めで切り、片方を釣竿の先端に、反対側を釣り針に直接結ぶ。錘は付けていないが、あくまでテストなので今回はいいだろう。
「餌はどうするっすか?」
「そうだなー……カメノテの生の剥き身でやってみるか」
「あ、それは良さそうっすね。エビやカニの仲間っすもんね」
釣竿を美岬に持たせ、俺はスコップとクーラーボックスを持って岩場に向かう。まだ満潮のピークではないので、満潮ピーク時には海中に沈む岩が今はまだ剥き出しになっている。そういう場所にカメノテのコロニーはよくあるので、そんな岩の1つから手頃なコロニーをスコップで引き剥がしてクーラーボックスに入れて岩場に上がり、根魚が潜んでいそうな岩の隙間を探す。
「この辺りとかどうっすか?」
「いい感じだな。ちょっと試してみるか」
岩と岩の隙間に海面があり、海中にも暗礁が立ち並んでいていかにも根魚が好みそうな場所を見つけたのでちょっと釣ってみることにする。
カメノテの皮を手で剥いてピンク色の剥き身にして釣り針に刺す。針が大きいのでとりあえず2個つけて、これで釣りの準備は完了だが……。
「……美岬、やりたい?」
「やりたいっすっ!」
ワクワクを隠しきれない美岬に初手は譲ることにする。
「おけおけ。じゃあやってみてくれ」
「あいあいっ!」
美岬が竿を操って針を海面に落とす。錘が付いてないので自然落下でゆらゆらとゆっくり沈んでいくのを目で追う。水の透明度が高いのでピンク色の餌がよく見えている。
餌を沈ませながら、美岬が時々竿先をチョイチョイとしゃくり、餌を水中で踊らせて魚を誘う。
そしてそのまま餌が岩陰の近くに沈んだ瞬間、岩陰から黒い魚影が飛び出してきて餌をくわえ、すぐに元の岩陰に戻ろうと身を翻した。
「お、食った!」
「おわっ! いきなりでかいのきたっすよ!」
グイーンと竿が大きくしなり、美岬がその場に踏ん張って魚が岩陰に潜らないように引きとどめる。カサゴやソイなどの根魚は一度岩陰に逃げ込まれてしまうと狭い隙間でヒレを大きく広げて引きずり出されないように力一杯抵抗してくるので、いかに根に潜らせないかが重要だ。
根に潜るのに失敗したその魚は抵抗しつつも引っ張り上げられてきてついに海面にその姿を見せる。全体的なシルエットはカサゴにも似ているがカサゴほど頭が大きくなく、色も灰色と黒のまだら模様で全体的に黒っぽい。サイズは30㌢は越えているが40㌢まではないぐらいか。
「クロソイか! なかなかでかいぞ。そのまま上げれるか?」
「たぶん! でもクーラーボックスは開けといてほしいっす」
「おっけ! よしこい!」
「お、重い。よいしょおっ!」
俺がクーラーボックスの蓋を開けて中からカメノテの塊を取り出し、美岬の方に向けたところで、美岬がクロソイを一気に釣り上げて、クレーン車のようにそのまま体を回転させてクーラーボックス内にクロソイを降ろす。その瞬間、バタバタバタと大暴れするがクーラーボックスからは逃げ出せない。
俺が釣り糸を持って吊り上げるとかぱっと大きな口を開けたので、すかさず口の中に親指を入れて下顎をしっかり掴んでホールドし、まだ刺さったままの針を取り外す。その時に針の状態をチェックしてみたがこれだけの大物を釣り上げたのにまったく変形もしていない。これなら大丈夫だな。
「いきなりクロソイの大物とは幸先がいいな」
「まったく無警戒でいきなり食いついてきたっすからね。さすが縄文の海っすね。ぜんぜんスレてないっす」
「ある程度成長した根魚は磯の生態系の頂点だからな。この感じならこれからは魚にも困らないな。自作の針もいい感じだから戻ったら量産しておこう」
「貝やタコも美味しいっすけど、魚が食べれるのは嬉しいっすねー。クロソイ食べるなんて久しぶりっす」
「そうだな。本土じゃクロソイは高級魚だからな。刺身も旨いがいい出汁が出るから煮付けが最高なんだよな」
ナイフをクロソイの頭の付け根、えらぶたから差し込んで背骨の腹側にある太い血管を切って〆る。クーラーボックスに海水を少し入れておけばバチャバチャと暴れ、たちまちのうちに海水が流れ出した血で染まっていく。
カサゴもそうだが、生が強い根魚は頸動脈を切られてもなかなか死なない。この状態でも1時間ぐらいは暴れるので、こうして〆て海水に入れておけば結果的に綺麗に血抜きが出来て、臭みがまったく無い最高の白身に仕上がるのだ。
「さて、晩飯用としてはこの1匹だけでも十分なんだが、一応は釣り針の耐久テストも兼ねてるからもうちょっと釣ってみるか」
「そっすね。多い分は干物にしてもいいっすし」
「そうだな。じゃあ次は俺がやらせてもらおうか」
「はい。じゃあ今度はあたしが餌をつけるっす」
釣竿を受け取り、美岬に餌をつけてもらってから別の穴を探す。クロソイを釣った時にだいぶ暴れていたから、同じ場所で釣るより場所を変えた方がいいだろう。
別の岩の隙間の穴に仕掛けを落とすと、こっちも入れ食いですぐにアタリがきたが、食いが浅かったようで合わせに失敗して逃げられる。針をチェックしてみれば、2個つけてあった餌のうちの1個が食いちぎられていた。
「ドンマイっすよ。餌をもう1個つけるんでもう一度この穴でチャレンジしてみてほしいっす。あと、次はすぐに合わせないでちょっと待ってから合わせてみてほしいっす。今のアタリ方からして、あたしの予想が当たってたらそれで釣れると思うっす」
「ふむ。いきなり合わすんじゃなくてワンテンポ遅らせるんだな? やってみよう」
再び仕掛けを落とし、そのままゆっくりと沈めていくと……コン、コン、コン、とノックするようなアタリがくる。さっきと同じだ。そこであえて合わさずにあえて一度手を緩めると、コン、コン、としたアタリの後でグイッと竿先が引き込まれたので、そこでグッと引いて合わせる。
今度はしっかりフッキングしたようでズッシリとした重さが竿越しに感じられ、ビビビビッと竿先を振動させるようなアタリがくる。
引き上げようとすると、竿先を激しく振動させるようなアタリは続いているものの、魚自身が泳いで逃げようとする『走り』はほとんどなく、ソイに比べるとやや長めの魚影が体をうねらせながらも水面に近づいてくる。なんだろう? ギンポかゴンズイかな?
予想に反してついに海面から顔を出したのはスマートな顔立ちにおちょぼ口の明るい茶色の魚。
「あ、アイナメか!」
「あは。やっぱりこの引きはアイナメだったっすね。尺越えのいいサイズっすよ! クーラーボックス開けるっす」
「おう。頼む」
美岬が開けてくれたクーラーボックスに竿をしならせながら釣り上げたアイナメを降ろしてようやくひと安心する。なんとかバレずに上げれたが、これだけの大物根魚が次々に釣れるとなるとやり方を考え直さないといけないな。
根魚は泳ぐ能力があまり高くないから針に掛かった時の抵抗がさほど大きくないのでこのサイズでもなんとか竿だけで釣り上げられるが、これ以上大きくなると魚の重さで糸が切れるか、竿が先に折れる。
タモ網があれば一番だがすぐには準備できないから、せめて棒の先にフックを付けた手鉤ぐらいは準備しといた方が良さそうだ。手鉤があれば竿だけで海面から上げれない魚の顎にフックを引っ掛けて引き上げることができるからな。
その後もアイナメの入れ食いが続き、同じぐらいのサイズのアイナメが追加で2匹釣れ、最後の奴を釣り上げる途中でついに竿が折れそうになったのでそこで納竿にした。
とりあえず見えた課題としては、竿そのものをもっと強いものに改良することと、大物の魚を海面から引き上げるための手鉤を準備することだな。
【作者コメント】
アイナメ、クロソイは塩分があまり濃くない川の河口近くの岩礁帯によくいる根魚です。箱庭の海は外海に比べて塩分濃度低めなのでこの2種にご登場いただきました。アイナメは餌をくわえては吐き出し、またくわえるというのを繰り返す習性があるので最初はコンコンとノックするようなアタリがありますがしっかり呑み込むとグイッと引きが強くなるのでその時が合わせ時です。針が掛かると外そうとして大きく頭を振るのでブルブルとした強い引きがあります。クロソイなどのソイの仲間は一気に餌を呑み込んですぐに根に潜ろうとするのですぐに引っ張りあげるのが大事です。根に潜られさえしなければ抵抗はさほど強くないのですぐに上がります。作者はソイはブラクリ仕掛けに塩サバの切り身を餌にして釣ります。
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