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強烈な熱量が体を席巻する。

これは『幻想級』と言うのもあながち嘘ではないのかもしれない。
期待と同時に若干の不安が襲ってくるものの、王女様の急かす声に後押しされ、俺は能力を使った。

「げ、…………げるっしゅ!」



ドピュンっ!


気持ちの悪い音と共に、全身の穴と言う穴から命の源のような白濁液が零れ出す。

その時の快感たるや――――
全身を甘い痺れが襲い、意識が飛びそうになってしまった。
いや、飛ばしてる場合ではなかった。


眼下を見やる。


そこには「へ?」と間の抜けた声を出しながら、口の中にまで入ってしまった白濁液を、「うっ」と吐き出す王女の姿。

王女様はゲホゲホと何度か咳き込んだ後、自分の顔に、いや全身に同じ白い液体が掛かっていることに漸く気付き、

「何これ?」

うわ言のように声を震わす。

それが何なのか自覚し、受け入れ、涙目になり、さらに悲鳴を上げるまでに数秒の時をようした。

「ぃいやあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
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