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1.三つ目族の頼み

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その日、俺が何時ものように狩った獲物を捕食していると、見慣れない奴等が周りにやって来た。

(何だ…?……この珍妙な生物は?)

外見は人間とよく似ている。肌の色は皆、小麦色から黒茶色で、体格がよく良い筋肉をしている者が多い。だが、やはり一際注意を引くのは額にある三っ目の瞳だ。

(奇っ怪な。)

三つ目族とか言うのだろうか?分からん。こんな特徴を持つ種族は見たことも聞いたこともないからな!(俺の見聞が狭いだけかもしれないが、)王国にいるどんな種族とも違う異質さを感じる。

三つ目の人間達は俺の前で三列になって止まった。
悪意や敵意は感じないが、意図がさっぱり読めない。俺がいぶかしんで彼等を眺めると、集団の代表らしき白髪の老人が一歩前に出て膝をついた。それに習うように他の者も膝をつく。

「常外の強者とお見受けいたします。私は三つ目族の長をしております゛タータン゛と言うものです。」
「俺はグレンと言う者だ。よろしくな。」

何か自己紹介されたので俺も答えておいた。

「で、俺に何か用事があるんだろ?言ってみろ。」

めんどくさいのは嫌いなので、ズバッと聞いた。
長はビクッと体を震わせて、平伏して答えた。
話の内容はこうだ。
こいつらは今まで魔獣除けの結界の中で暮らしてきたらしい。しかし、一週間前一体の悪魔がやって来て村を占拠してしまった。抵抗を試みたものの全く歯が立たず、泣く泣くその地を出たと言う。しかし、この森は凶悪な魔獣が多く、種の滅亡は避けられない状況だった。そんな時、数多の魔獣をゴミのように殺して食らう俺を見て、一縷の望みをと頼みに来たと言う。
長達は悲痛な覚悟を灯した目でそう語った。 

「なるほど……。話は分かった。それで、そいつはどんな悪魔なんだ?どの程度強い?戦ったって言うなら何か知ってるだろ?」
「は、相手は仮面をつけた女騎士風の悪魔でした。奴は高速槍術を使い、男衆二十名程で取り囲んで戦ったのですが、十秒と経たずに全員殺されてしまいました。」
「十秒で二十人か……そこそこやるみたいだな。」

いや、結構強いよ。
一人につき0.5秒掛かってないってことだろ?
まぁ、俺だったらこいつ等程度なら瞬殺出来るだろうが、相手が手を抜いていた可能性もある。勝てるとは思うが、簡単な相手ではないだろう。

「ふぅーーむ。長よ。答えはともかくとして、俺が助けてやたらお前らは何を俺にくれるんだ?」
「は、私どもは古来より脈々と受け継いできた鍛冶技術を持っております。もし助けてくださると言うのなら私どもがあなた様の望む武具防具を作りましょう。」
「一生か?」
「お望みとあらば!」

ンゥーーーン。思ったより魅力的な話だ。俺の愛剣は既にボロボロだし、防具に至っては木っ端微塵だ。この先、武器や防具の消耗を考えなくて良いって言うのはメリットがデカイ。
問題はこいつ等の鍛冶技術がどれ程の者かだが、鑑定で調べてみよう。

(『鑑定』!)

ステータス
____________________
 名前:タータン
 種族:三つ目族
 加護:鍛冶神ヘーパイストスの加護
 称号:天才鍛冶職人
 魔法:なし
 技能:ユニークスキル『超製錬』
    ユニークスキル『‰ΒΠζοБⅢ』
    種族固有スキル『第三の目』
    エクストラスキル『武具作成ex』
    エクストラスキル『防具作成ex』
    獲得スキル…
 耐性:熱変動耐性
    電流耐性
____________________

____________________
名前:マーマン
 種族:三つ目族
 加護:なし
 称号:一流鍛冶職人
 魔法:なし
 技能:種族固有スキル『第三の目』
    エクストラスキル『武具作成ex』
    スキル『防具作成』
    獲得スキル…
 耐性:熱耐性
    痛覚耐性
    電流耐性
____________________

____________________
名前:ラーマン
 種族:三つ目族
 加護:なし
 称号:一流鍛冶職人
 魔法:なし
 技能:種族固有スキル『第三の目』
    エクストラスキル『防具作成ex』
    獲得スキル…
 耐性:熱耐性
    電流耐性
____________________


何か凄いのが出てきた。
特にタータン。あんた何者だよ。『天才』とか『鍛冶神の加護』とか。一個訳わかんねぇスキルも持ってるし。
俺の鑑定スキルも結構上がったはずなんだが、それでも見えないってことは、相当ヤバいスキルだよ。
これは確かにリスクをとっても手元に置きたい人材だ。

俺はゴホンッ、と1つ咳をしてなるべく偉そうに答えた。

「よかろう。そこまでの覚悟があるなら手を貸してやる。」

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