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8章.神々の黄昏編
135話.希望の光
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クロムが思い至った可能性――
メテオライトが存在している場所が、この世界を構成するあらゆる次元の外にあるのではないかという疑惑。
そして、それはメテオライトが存在している場所が<並列世界間での事象改変の法則>の枠外にあるということでもあり、その次元への干渉方法が存在しないという意味でもあった。
「まったく別の……
この世界と一切かかわりのない次元に存在している…… ということか」
『ほぉ、その考えに至れるとはな』
「あっさりと認めるんだな」
『認めて困るのはお前だろうしな。
さて、それでどうするつもりなのだ?? 我に干渉できぬお前は自らの消滅を待つしかないと思うのだがな』
「……」
何も反論することができずに苦悩の表情を浮かべるクロムを見たメテオライトは、満足そうな表情を浮かべたのち、再び口を閉ざした。
そして、その間にもこの世界を構成する平行世界は一つまた一つと消え続けていた。
『そんなに焦って何も考えれないなんて君らしくないね!
いつも通り冷静に考えれば気付くはずだよ』
自分の無力感に押しつぶされそうになっているクロムの頭に聞き覚えのある声が響いた。
「カ、カオス!??」
『一人ですべてを背負おうとするのは君の悪いクセだよ』
「……悪かったな。
でもこの状況で声をかけてくるってことは何か案があるってことでいいのか?」
『そういう勘の良さまでは鈍ってないようでよかったよ♪
<次元間での干渉は必ず双方向である>。
この法則を無視した次元は即座に消滅する』
「は?? それが今とどう関係してるんだよ」
『この次元にいない創造神がこの世界に干渉して、消滅させようとしている。
つまり?』
「!!
この次元からメテオライトのいる次元に干渉する方法が存在している…… ということ…… か??」
『そうでなければ、あちらの次元はすでに消滅していなきゃいけないからね』
「!!!!」
『ただし…… どうやって干渉できるのか、それは僕にはわからないんだ。
だから、それを探すのは君の仕事ってことさ♪』
それだけを言い残すとカオスは再び無言となった。
言いたいことだけ言って引きこもったカオスに対してイラっとしつつも、絶望的ではないということを教えてくれたことに苦々しくも感謝するクロムであった。
「とはいえどうすればいいのか……」
カオスからの助言によって前向きになったクロムではあったが、実際にメテオライトに干渉する方法がわからないということに変化はないままであった。
すると、また久しぶりに聞いた声が頭の中に響く。
『今まで散々やりたい放題してきたあんたの魔術ならできるんじゃないの?』
「ナビさんよ……
久しぶりに声をかけてくれたのは嬉しいが、何を言って……」
『あんた言ってたじゃない?
この世界の魔術はイメージだって。
明確なイメージを強く思い描けば、魔術でできないことはないって』
「確かに言ったけど……」
『はぁぁ……
あんたがここで何もしなければみんな消滅するだけよ、めいっぱい足掻いてみたら?』
ナビの突き放すような、でも信頼されているようにも感じれるそんな言葉をかけられたクロムはダメ元で試してみることにする。
過去の自分が言い切ったように……
この世界の魔術というものの万能性と可能性を信じて疑うこともせずに、強く思い描く。
そしてその思いを自らの魔力に込めて、その思いを具現化させるイメージで魔力を自分の右手に圧縮させ始めた。
そして、クロムの右手に圧縮された魔力の塊は時間とともに巨大化しつづけた。
「俺ならできる……、絶対に……
ここに……
メテオライトが存在する次元へとつながる扉を作り上げる!
次元を繋ぐ扉を作るのは俺の得意技だ!!!」
クロムはそう言って右手に圧縮された魔力の塊を自分の前方に放つのだった。
メテオライトが存在している場所が、この世界を構成するあらゆる次元の外にあるのではないかという疑惑。
そして、それはメテオライトが存在している場所が<並列世界間での事象改変の法則>の枠外にあるということでもあり、その次元への干渉方法が存在しないという意味でもあった。
「まったく別の……
この世界と一切かかわりのない次元に存在している…… ということか」
『ほぉ、その考えに至れるとはな』
「あっさりと認めるんだな」
『認めて困るのはお前だろうしな。
さて、それでどうするつもりなのだ?? 我に干渉できぬお前は自らの消滅を待つしかないと思うのだがな』
「……」
何も反論することができずに苦悩の表情を浮かべるクロムを見たメテオライトは、満足そうな表情を浮かべたのち、再び口を閉ざした。
そして、その間にもこの世界を構成する平行世界は一つまた一つと消え続けていた。
『そんなに焦って何も考えれないなんて君らしくないね!
いつも通り冷静に考えれば気付くはずだよ』
自分の無力感に押しつぶされそうになっているクロムの頭に聞き覚えのある声が響いた。
「カ、カオス!??」
『一人ですべてを背負おうとするのは君の悪いクセだよ』
「……悪かったな。
でもこの状況で声をかけてくるってことは何か案があるってことでいいのか?」
『そういう勘の良さまでは鈍ってないようでよかったよ♪
<次元間での干渉は必ず双方向である>。
この法則を無視した次元は即座に消滅する』
「は?? それが今とどう関係してるんだよ」
『この次元にいない創造神がこの世界に干渉して、消滅させようとしている。
つまり?』
「!!
この次元からメテオライトのいる次元に干渉する方法が存在している…… ということ…… か??」
『そうでなければ、あちらの次元はすでに消滅していなきゃいけないからね』
「!!!!」
『ただし…… どうやって干渉できるのか、それは僕にはわからないんだ。
だから、それを探すのは君の仕事ってことさ♪』
それだけを言い残すとカオスは再び無言となった。
言いたいことだけ言って引きこもったカオスに対してイラっとしつつも、絶望的ではないということを教えてくれたことに苦々しくも感謝するクロムであった。
「とはいえどうすればいいのか……」
カオスからの助言によって前向きになったクロムではあったが、実際にメテオライトに干渉する方法がわからないということに変化はないままであった。
すると、また久しぶりに聞いた声が頭の中に響く。
『今まで散々やりたい放題してきたあんたの魔術ならできるんじゃないの?』
「ナビさんよ……
久しぶりに声をかけてくれたのは嬉しいが、何を言って……」
『あんた言ってたじゃない?
この世界の魔術はイメージだって。
明確なイメージを強く思い描けば、魔術でできないことはないって』
「確かに言ったけど……」
『はぁぁ……
あんたがここで何もしなければみんな消滅するだけよ、めいっぱい足掻いてみたら?』
ナビの突き放すような、でも信頼されているようにも感じれるそんな言葉をかけられたクロムはダメ元で試してみることにする。
過去の自分が言い切ったように……
この世界の魔術というものの万能性と可能性を信じて疑うこともせずに、強く思い描く。
そしてその思いを自らの魔力に込めて、その思いを具現化させるイメージで魔力を自分の右手に圧縮させ始めた。
そして、クロムの右手に圧縮された魔力の塊は時間とともに巨大化しつづけた。
「俺ならできる……、絶対に……
ここに……
メテオライトが存在する次元へとつながる扉を作り上げる!
次元を繋ぐ扉を作るのは俺の得意技だ!!!」
クロムはそう言って右手に圧縮された魔力の塊を自分の前方に放つのだった。
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