121 / 147
7章.神々の思惑編
113話.この世界の秘密②
しおりを挟む
カオスが話した内容は十分すぎるほどの衝撃をクロムに与えていた。
この世界のだれもが知らない、知る術すらない、そんな話の連続であったのだから当然といえば当然のことではあった。
さらに、カオスが最後に漏らした言葉がそこに追い打ちをかけていた。
<所詮は不利益に当たらない秘密の入り口>
『さてと、ここからが話の本番になるけど聞く覚悟はできたかな?』
「あぁ、頼む」
『創造神と先ほどの4柱の神。
主従はないけど、この世界への干渉する優先順位は決まっているんだ。
そしてその結果、5柱の神々の間でいくつかのルールが生まれた。
・最初のいくつかのルールは創造神が作ること
・神のルールは互いの存在をかけて絶対順守すること
・他の神が作ったルールに干渉しない限り、5柱とも如何なるルールでも作れること
これが<5柱の盟約>と呼ばれる、この世界の根幹に存在する絶対のルールだよ』
「……」
『そして、創造神が最初に作ったルールが……
・この世界に存在する如何なるものも神を傷つけることができない
・悪魔族、魔族、精霊族、天使族はお互いに干渉してはならない、ロンダルディア大陸には干渉可能だが創造神が許可するまでは禁止である』
「ロンダルディア大陸が狩場……、そしてその狩場は獲物が美味しく育つまでは創造神が庇護する…… ということか。
胸糞悪い話だ……」
『----』
「それを認めるのは<不都合>なのかよ……、基準がマジでわからんな。
そういえば、精霊族の王が精霊王なんだよな?」
『そうだね』
「精霊王が聖王に使役されるのって、精霊族がロンダルディア大陸が干渉した…… とはならないのか?」
『ホントに勘のいい子だね、まさかそこに気づくとは思わなかったよ。
<5柱の盟約>は、互いの存在をかけて絶対順守するものと話したのを覚えてるかな?』
「あぁ、言ってたな。
まさか……」
『精霊王マクスウェルが聖王との使役契約を受諾した瞬間に精霊神オリジンの存在は消え去った、精霊族の違反を守護神が肩代わりする形でね』
「存在が消える? この世界に干渉する権限がなくなったということか?」
『言葉のままだよ、精霊神オリジンという存在そのものがあらゆる次元から消え去った。
空間術を使える君なら理解してるよね? この次元とは別の次元の世界、平行世界が無数に存在していることはさ』
「あぁ、それを理解できてからは空間術を使えないやつに負けることはないと思うようになったな」
『ある意味では正解だね、そして神はそのすべての平行世界に同時に存在しているんだ。
…… 逆に言えば同時に存在できるのは神のみ、だから同時に存在すると存在が神格化されることにもなるんだ』
「なんかとんでもないことを聞いてる気がするが……
これは<不利益>ではないんだな……」
『知ってるだけでは何も意味がない情報だからかもね。
…… そしてこれが10年前に起こった<5柱の盟約>違反だよ。
ちなみにこれが初であり、唯一でもある違反だよ』
「守護神である精霊神を失った精霊族はどうなったんだ?」
『深い悲しみと激しい自戒の念により力の制御を失った精霊王マクスウェルが暴走した。
そして、全ての精霊族を吸収した。
今残っている精霊族は精霊王マクスウェルのみだよ』
「え……」
『全精霊を犠牲にすることによって力の制御を取り戻したマクスウェルは、聖王と完全に同化して乗っ取ることに成功したようだよ』
「聖王である魔導王は、精霊王マクスウェルそのものってことか?」
『肉体そのものは聖王のものだよ、精霊王マクスウェルが聖王に受肉することでこの世界に顕現した存在ということになるかな。
そして、この大陸の生物すべてが精霊神オリジンの仇であると認識しているみたいだね、完全な逆恨みではあるんだけどね』
「そりゃゴランたちじゃどうにもならないわけだな」
『君でも同じだよ。
精霊は自分のコアを別の次元に存在させて、その分身体をこの次元に存在させていた種族なんだ。
その分身体がこの世界の肉体に受肉し、肉体を支配することで複数の次元に同時に存在することになった。
この瞬間、魔導王は<半神半人>となったのさ』
「半神でも神には間違いないから、神ではない俺には傷をつけることすらできない?」
『もっとタチが悪いかな、基本は傷つけれないが完全な神ではないので君ほどの強者であれば傷はつけれてしまうんだ。
しかしその瞬間に君は<5柱の盟約>を破ったことになる、傷つけることができない存在を傷つけたということでね。
そうなったら、君自身と君を転生させた責任者として僕が存在を失うことになるだろうね』
「なんだその滅茶苦茶な理論は……」
『そういうものだと思ってもらうしかないかな、--------。
その上で彼と対等に対決できる方法がある…… と言ったら聞きたいかい?』
カオスは酷く思い詰めた表情で、クロムに問いかけるのであった。
この世界のだれもが知らない、知る術すらない、そんな話の連続であったのだから当然といえば当然のことではあった。
さらに、カオスが最後に漏らした言葉がそこに追い打ちをかけていた。
<所詮は不利益に当たらない秘密の入り口>
『さてと、ここからが話の本番になるけど聞く覚悟はできたかな?』
「あぁ、頼む」
『創造神と先ほどの4柱の神。
主従はないけど、この世界への干渉する優先順位は決まっているんだ。
そしてその結果、5柱の神々の間でいくつかのルールが生まれた。
・最初のいくつかのルールは創造神が作ること
・神のルールは互いの存在をかけて絶対順守すること
・他の神が作ったルールに干渉しない限り、5柱とも如何なるルールでも作れること
これが<5柱の盟約>と呼ばれる、この世界の根幹に存在する絶対のルールだよ』
「……」
『そして、創造神が最初に作ったルールが……
・この世界に存在する如何なるものも神を傷つけることができない
・悪魔族、魔族、精霊族、天使族はお互いに干渉してはならない、ロンダルディア大陸には干渉可能だが創造神が許可するまでは禁止である』
「ロンダルディア大陸が狩場……、そしてその狩場は獲物が美味しく育つまでは創造神が庇護する…… ということか。
胸糞悪い話だ……」
『----』
「それを認めるのは<不都合>なのかよ……、基準がマジでわからんな。
そういえば、精霊族の王が精霊王なんだよな?」
『そうだね』
「精霊王が聖王に使役されるのって、精霊族がロンダルディア大陸が干渉した…… とはならないのか?」
『ホントに勘のいい子だね、まさかそこに気づくとは思わなかったよ。
<5柱の盟約>は、互いの存在をかけて絶対順守するものと話したのを覚えてるかな?』
「あぁ、言ってたな。
まさか……」
『精霊王マクスウェルが聖王との使役契約を受諾した瞬間に精霊神オリジンの存在は消え去った、精霊族の違反を守護神が肩代わりする形でね』
「存在が消える? この世界に干渉する権限がなくなったということか?」
『言葉のままだよ、精霊神オリジンという存在そのものがあらゆる次元から消え去った。
空間術を使える君なら理解してるよね? この次元とは別の次元の世界、平行世界が無数に存在していることはさ』
「あぁ、それを理解できてからは空間術を使えないやつに負けることはないと思うようになったな」
『ある意味では正解だね、そして神はそのすべての平行世界に同時に存在しているんだ。
…… 逆に言えば同時に存在できるのは神のみ、だから同時に存在すると存在が神格化されることにもなるんだ』
「なんかとんでもないことを聞いてる気がするが……
これは<不利益>ではないんだな……」
『知ってるだけでは何も意味がない情報だからかもね。
…… そしてこれが10年前に起こった<5柱の盟約>違反だよ。
ちなみにこれが初であり、唯一でもある違反だよ』
「守護神である精霊神を失った精霊族はどうなったんだ?」
『深い悲しみと激しい自戒の念により力の制御を失った精霊王マクスウェルが暴走した。
そして、全ての精霊族を吸収した。
今残っている精霊族は精霊王マクスウェルのみだよ』
「え……」
『全精霊を犠牲にすることによって力の制御を取り戻したマクスウェルは、聖王と完全に同化して乗っ取ることに成功したようだよ』
「聖王である魔導王は、精霊王マクスウェルそのものってことか?」
『肉体そのものは聖王のものだよ、精霊王マクスウェルが聖王に受肉することでこの世界に顕現した存在ということになるかな。
そして、この大陸の生物すべてが精霊神オリジンの仇であると認識しているみたいだね、完全な逆恨みではあるんだけどね』
「そりゃゴランたちじゃどうにもならないわけだな」
『君でも同じだよ。
精霊は自分のコアを別の次元に存在させて、その分身体をこの次元に存在させていた種族なんだ。
その分身体がこの世界の肉体に受肉し、肉体を支配することで複数の次元に同時に存在することになった。
この瞬間、魔導王は<半神半人>となったのさ』
「半神でも神には間違いないから、神ではない俺には傷をつけることすらできない?」
『もっとタチが悪いかな、基本は傷つけれないが完全な神ではないので君ほどの強者であれば傷はつけれてしまうんだ。
しかしその瞬間に君は<5柱の盟約>を破ったことになる、傷つけることができない存在を傷つけたということでね。
そうなったら、君自身と君を転生させた責任者として僕が存在を失うことになるだろうね』
「なんだその滅茶苦茶な理論は……」
『そういうものだと思ってもらうしかないかな、--------。
その上で彼と対等に対決できる方法がある…… と言ったら聞きたいかい?』
カオスは酷く思い詰めた表情で、クロムに問いかけるのであった。
0
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる