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5章.遭遇編
71話.方針決定
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アキナたちをルームに押し込んでしばらくたった頃、クロムたちもルームの中に移動していた。
「アキナ、そろそろ説明と勧誘は…… 終わってそうだな」
赤面してルーナの胸元に抱きしめられているアキナを見て、クロムはそう判断した。
そしてクロムはアキナが伝えれてないであろうことを伝えることにした。
仲間になるには自分に従属してもらうことが必須であるということを。
必須である理由を従属するまで話せない、というのは無茶苦茶な話なのであるが、胸元にうずくまっているアキナが大丈夫だからと必死に説得するのであった。
そしてその結果、アキナの熱量に根負けする形で従属することに同意したルーナであった。
「私に仲間になってほしい目的は美味しい料理を作ってほしいから。
私がもらえる見返りは、この街に住めなくなったアキナといっぱい会えるようになる。
さらに、ルインでの知り合いにもすぐに会えるという環境をもらえるってところかしらね?」
「大枠ではあってるけど、実はお願いしたい役目がもう一つあるんだ」
他にも思惑があることを知らされていない一行は驚きの表情を浮かべたが、カルロだけはなんとなく察している様子であった。
ルーナにお願いしたいもう一つの役目はダンおよびサラカとの橋渡しである。
クロムやアキナでは、ルインへの出入りの規制を受けて連絡をとることさえままならないと判断したからだった。
「その程度なら問題ないわよ。
それにその役目をやることでルインでの知り合いにもすぐに会えるっていうわけよね?」
ルーナからの同意を得れたことによりルーナを従属し、みんな一緒にルーム内からお店に戻るのであった。
「あ、そうだ!
あとナビってのがいるんだけど……
まぁそれはいつも通りでいいか。
ナビ! 自己紹介よろしくな!!!」
そんな扱いを受けることにすっかり慣れてしまったナビは、特に不満をもらすこともなく、ルーナに挨拶をしていつも通りのやり取りを繰り返すのであった。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ルーナを勧誘した翌日、クロムたちはルーム内に集結して今後の方針について話し合いを行っていた。
クロムたちの欠点の一つとしてこの大陸に存在する3つの国家に対しての知識があまりにも少ないということがあった。
さらにカイリが言っていたこの大陸の外に関する情報に至っては皆無である。
(こちらに関してはこの大陸内すべての生物が何も知らないなのだが、この時のクロムたちはそうであることすら知り得ていなかった)
個々の戦力増強と同じレベルの優先度で情報収集が急務であるという認識を共有したクロムたちは、武者修行を兼ねてダイン獣王国と聖セイクリッド神国を探索することを今後の行動方針とした。
そして、ダンたちとの連携が発生することも見越して当面の活動拠点を迷い森とそこに入り口を設置したルームとすることを決め、ギン・ゴラン・トーマの3名に迷いの森の完全制圧および森周辺地区に住んでいるであろう様々の種族を配下に収めることを指示するのであった。
「アキナ、そろそろ説明と勧誘は…… 終わってそうだな」
赤面してルーナの胸元に抱きしめられているアキナを見て、クロムはそう判断した。
そしてクロムはアキナが伝えれてないであろうことを伝えることにした。
仲間になるには自分に従属してもらうことが必須であるということを。
必須である理由を従属するまで話せない、というのは無茶苦茶な話なのであるが、胸元にうずくまっているアキナが大丈夫だからと必死に説得するのであった。
そしてその結果、アキナの熱量に根負けする形で従属することに同意したルーナであった。
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私がもらえる見返りは、この街に住めなくなったアキナといっぱい会えるようになる。
さらに、ルインでの知り合いにもすぐに会えるという環境をもらえるってところかしらね?」
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それにその役目をやることでルインでの知り合いにもすぐに会えるっていうわけよね?」
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「あ、そうだ!
あとナビってのがいるんだけど……
まぁそれはいつも通りでいいか。
ナビ! 自己紹介よろしくな!!!」
そんな扱いを受けることにすっかり慣れてしまったナビは、特に不満をもらすこともなく、ルーナに挨拶をしていつも通りのやり取りを繰り返すのであった。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ルーナを勧誘した翌日、クロムたちはルーム内に集結して今後の方針について話し合いを行っていた。
クロムたちの欠点の一つとしてこの大陸に存在する3つの国家に対しての知識があまりにも少ないということがあった。
さらにカイリが言っていたこの大陸の外に関する情報に至っては皆無である。
(こちらに関してはこの大陸内すべての生物が何も知らないなのだが、この時のクロムたちはそうであることすら知り得ていなかった)
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そして、ダンたちとの連携が発生することも見越して当面の活動拠点を迷い森とそこに入り口を設置したルームとすることを決め、ギン・ゴラン・トーマの3名に迷いの森の完全制圧および森周辺地区に住んでいるであろう様々の種族を配下に収めることを指示するのであった。
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