なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ

文字の大きさ
上 下
71 / 147
5章.遭遇編

65話.新たな力

しおりを挟む
 カイリが再度展開させた死霊軍団を今度こそ撃破するために、クロムは仲間たちに指示を出した。

 まずはゴランをリーダーとするフォーマンセルを指示する。
ゴラン・ソーマの鬼ペアは特攻隊として先陣を切ること。
ソイソはその二人を追尾して、遊撃隊として二人を補佐すること。
そして後方にビネガが待機して、遠距離攻撃をすること。
 そして残りの4人であるカルロ、ソイソ、アキナ、クロムもフォーマンセルで行動し、カルロ、ソイソを前衛・アキナを中衛・クロムを後衛とした。

 クロムはこのように仲間たちを2組に分けて一気に死霊軍団の殲滅を目指すこととしたのである。
そしてビネガからの質問を契機に作戦が決定していくのであった。

「主、死霊を殲滅させることには同意なのですが……
 あの娘が召喚を続ける限りキリがないのではありませんか?」

「あぁ、その通りだな。
 だから、ゴランたちは1匹でも多くの死霊を消し去ることに集中してくれ。
 俺たちはカイリの元に向かって、あいつを倒す」

 クロムたちの作戦が決まりかけた頃、カイリより声がかかった。

「クロムくん、そろそろ作戦は決まったかな??
 あたし待ちくたびれちゃったよ……」

「そりゃ悪かったな!
 みんなさっきの作戦でいくぞ!!!!」

 クロムの号令によって、まずはゴランたちが飛び出した。
死霊たちは前衛に騎士死霊、中衛に弓死霊、後衛に魔術師死霊という構成である。

 ゴランとソーマが騎士死霊たちと接触するタイミングで二人を弓矢が襲うことになったが、先ほどと完全に同じ展開であるためにこの展開を読み切っていたクロムの風魔術にて弓矢は四散された。
そして、逆にカウンターとしてビネガの炎の嵐が弓死霊たちを襲うこととなる。

 ゴランとソーマが得意の格闘術にて次々と騎士死霊たちをなぎ倒してゆき、その際に生まれる死角をソイソが埋めるという見事な連携にて騎士死霊たちの数を徐々に減らしていった。
そしてその騎士死霊の背後で魔力を溜め込んでいた魔術師死霊は貯めた魔力を放つことなく氷像へと姿を変えていた。
クロムが頃合いを見計らい、火球を放たれる前に氷漬けにしたのである。

 順調にすすんでゆく死霊討伐。
しかしカイリの召喚速度が速すぎるため、死霊の総数が中々減らず、互いに決め手に欠ける膠着状態に入っていた。

そんな中……

 突如、カイリの背後にクロムが姿を現したのである。
突然の出来事に驚いているカイリは、驚いた表情の氷像へとその姿を変貌させることとなった。
そして、魔力供給の絶たれた死霊たちは消滅した。

「え!?
 クロム????
 どういうこと???」

 基本的に近くで行動していたはずのクロムの姿が見えなくなったと思った途端に起きたこの展開にアキナは困惑していた。
そして、疑問に感じたことをクロムに尋ねてみることにしたのだった。

「つい数分前にナビが急に教えてくれたんだけどさ、新しい空間術が使えるようになったらしいんだわ。
 戦闘の真っ最中に受けた説明の上に、結構厳しめの制約がある空間術だったけど、無事に成功してよかったよ」

 呆気にとられた表情を浮かべる仲間たちをよそに、クロムは新しい空間術についての説明を始めるのであった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。

克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります! 辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

処理中です...