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3章.激動の予感編
48話.それぞれの想い
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クロムが目を覚ますと、そこは自室のベットであった。
周囲には心配そうにアキナたちが待っており、目覚めたクロムを見て歓喜した。
クロムはギンに名付けを行ったあと、15分ほど気絶していたようだった。
「みんな心配をかけてすまなかった、やはり強者への名づけは持っていかれる魔力が相当多いな。
でもこれでうちのチームもかなりの戦力になったはずだ」
「そうだけど……
一緒にいる私は心配なんだからね!!!」
「アキナにはいつもすまないと思ってはいるけど……
これからも必要な無理はするから、大目にみてほしい」
「もぉ……
……そういえばクロムはダンさんに討伐の報告誤魔化してするっていう話してたわよね?」
「ん? あぁそのつもりだけど??」
「ギルドの登録証見られたら一発でバレるわよ……?」
「あ…… 忘れてたわ……」
アキナの指摘にクロムは苦笑するしかなかった。
そしてみんなで悩んだ結果、戦闘のすえに深手を負わせることには成功したが、逃亡されてしまった ということにするのが最良ではないかということで意見がまとまった。
そして、当初の目的である氷狼王の排除には成功したことを報告するためにルインへ帰還することにした。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ルインに戻ったクロムたちは早速ダンへの報告に向かった。
スズの案内によりダンの部屋についたクロムたちはダンに先ほど考えた内容の報告をする。
さすがにその報告をそのまま鵜呑みにはできないダンはクロムたちの登録証を確認し、報告内容がおそらく真実であろうと信じることにした。
「……まさか本当に単独チームで排除してしまうとはな。
討伐できなかったことは残念じゃが、優先すべきは聖竜騎士団との合流じゃ。
クロムよ、よくやってくれた。
報酬はスズより貰うが良い」
「わかった」
「聖竜騎士団のいる街までのルートの確保はギルドのほうでやっておくので、クロムたちは数日休息しておいてくれ。
聖竜騎士団との話しあいには同席してもらうから、そのつもりでな」
クロムは面倒だなぁと思いつつも受け入れるしかないと諦めてダンの依頼を受け入れることとした。
しばらくは宿屋を拠点に休息しておくということをダンに告げたクロムたちは冒険者ギルドを後にし、ルーム内の拠点に移動した。
「兄貴、ちと状況がよくわからんだが……」
クロムはカルロたち竜人族に状況の説明をしていないことを思い出し、カロライン王国の王都陥落から始まる一連の出来事やルインという街の特殊性を説明した。
「隠れ里にずっと籠ってた俺たちが言えることじゃないのかもだけどよ……
王都陥落なんてことが起こったのに、一致団結とならない人族の世界って色々と末期な感じがするな……」
「それは俺も同意だな、異世界人の俺はもっと言える立場じゃないかもだけどな」
「2人ともそんなこと気にしなくていいと思うよ?
ルインにずっと住んでる私も同じこと感じてるから……」
「……主が世界を統一して変える というのも手ではあるかもしれませんね」
ビネガの発言にみんなが驚く中、クロムは冷静に返答した。
「一案ではあるが、さすがにそれをできるほどの力と器が俺にあるとは思ってないよ。
それにやっぱり俺は所詮は異世界人だよ、この世界を導くのはこの世界の本来の住人であるべきだと思うよ」
「クロム……」
「ただ、俺もこの世界に愛着を感じ始めてるから、少しでも良くなるように3大国に働きかけることぐらいはしたいと思ってるよ。
そのためにもSランク冒険者ぐらいにはならないといけないかなと考えてるよ」
「兄貴は大胆なのか慎重なのか本当にわからない人だな。
今後カロライン王国の王都奪還に関わっていくんだろうし、そこをきっかけになにかができるかもだな」
現状についての情報共有を行い、それぞれがそれぞれの立場で今後のことにも想いをはせつつ、今は今後のための休息をとることにした。
周囲には心配そうにアキナたちが待っており、目覚めたクロムを見て歓喜した。
クロムはギンに名付けを行ったあと、15分ほど気絶していたようだった。
「みんな心配をかけてすまなかった、やはり強者への名づけは持っていかれる魔力が相当多いな。
でもこれでうちのチームもかなりの戦力になったはずだ」
「そうだけど……
一緒にいる私は心配なんだからね!!!」
「アキナにはいつもすまないと思ってはいるけど……
これからも必要な無理はするから、大目にみてほしい」
「もぉ……
……そういえばクロムはダンさんに討伐の報告誤魔化してするっていう話してたわよね?」
「ん? あぁそのつもりだけど??」
「ギルドの登録証見られたら一発でバレるわよ……?」
「あ…… 忘れてたわ……」
アキナの指摘にクロムは苦笑するしかなかった。
そしてみんなで悩んだ結果、戦闘のすえに深手を負わせることには成功したが、逃亡されてしまった ということにするのが最良ではないかということで意見がまとまった。
そして、当初の目的である氷狼王の排除には成功したことを報告するためにルインへ帰還することにした。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
ルインに戻ったクロムたちは早速ダンへの報告に向かった。
スズの案内によりダンの部屋についたクロムたちはダンに先ほど考えた内容の報告をする。
さすがにその報告をそのまま鵜呑みにはできないダンはクロムたちの登録証を確認し、報告内容がおそらく真実であろうと信じることにした。
「……まさか本当に単独チームで排除してしまうとはな。
討伐できなかったことは残念じゃが、優先すべきは聖竜騎士団との合流じゃ。
クロムよ、よくやってくれた。
報酬はスズより貰うが良い」
「わかった」
「聖竜騎士団のいる街までのルートの確保はギルドのほうでやっておくので、クロムたちは数日休息しておいてくれ。
聖竜騎士団との話しあいには同席してもらうから、そのつもりでな」
クロムは面倒だなぁと思いつつも受け入れるしかないと諦めてダンの依頼を受け入れることとした。
しばらくは宿屋を拠点に休息しておくということをダンに告げたクロムたちは冒険者ギルドを後にし、ルーム内の拠点に移動した。
「兄貴、ちと状況がよくわからんだが……」
クロムはカルロたち竜人族に状況の説明をしていないことを思い出し、カロライン王国の王都陥落から始まる一連の出来事やルインという街の特殊性を説明した。
「隠れ里にずっと籠ってた俺たちが言えることじゃないのかもだけどよ……
王都陥落なんてことが起こったのに、一致団結とならない人族の世界って色々と末期な感じがするな……」
「それは俺も同意だな、異世界人の俺はもっと言える立場じゃないかもだけどな」
「2人ともそんなこと気にしなくていいと思うよ?
ルインにずっと住んでる私も同じこと感じてるから……」
「……主が世界を統一して変える というのも手ではあるかもしれませんね」
ビネガの発言にみんなが驚く中、クロムは冷静に返答した。
「一案ではあるが、さすがにそれをできるほどの力と器が俺にあるとは思ってないよ。
それにやっぱり俺は所詮は異世界人だよ、この世界を導くのはこの世界の本来の住人であるべきだと思うよ」
「クロム……」
「ただ、俺もこの世界に愛着を感じ始めてるから、少しでも良くなるように3大国に働きかけることぐらいはしたいと思ってるよ。
そのためにもSランク冒険者ぐらいにはならないといけないかなと考えてるよ」
「兄貴は大胆なのか慎重なのか本当にわからない人だな。
今後カロライン王国の王都奪還に関わっていくんだろうし、そこをきっかけになにかができるかもだな」
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