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3章.激動の予感編
45話.ルインへの帰還
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「なんとなくはわかったよ……」
「まぁ今はそれでいいさ、徐々に理解していくだろうしね」
「そうだね! 私がまさにそうだったからね」
受け入れがたい内容を受け入れるために必死に自分を納得させている竜人族に対して、クロムとアキナはあまりにもあっけらかんとしていた。
そして、それを見た竜人族たちは苦笑しながら深く考えることをやめてゆくのであった。
「んで兄貴、これからの予定は?」
「兄貴!??」
「クロムさんっていうのもなんか俺のガラじゃないし、でもさすがに主を呼び捨てにはできないし……
で、兄貴がちょうどいいかなってね」
「……まぁカルロらしいってことにして納得しておく……
今後については……」
クロムは竜人族の隠れ里そのものをルーム内に移動させることを提案した。
竜人族たちは隠れ里そのものがそんなに住みやすい環境であるとは思っていないが、里への愛着はあるためにその案には難色を示した。
そこでクロムが自分の能力を使えば環境そのものも含めて再現した里を作れることを説明したことで竜人族の了解を得ることに成功した。
そして、クロムは実際にルーム内に隠れ里を再現させてみんなを案内することになった。
竜人族たちはあまりの再現度に驚いていたが、みんなが安心した顔をしていてクロムは暖かい気持ちになった。
さらに里に隣接する形でクロムとアキナの家とゴブ太たちの家を建て直した。
これによりチーム<蒼天の猫>の新アジトが完成することになった。
「これで拠点としてはOKだな
出入りする際には注意が必要なんだけど……
さて、全員を外に連れて歩くわけには行かないよなぁ」
「さすがに50人前後の集団で歩いていたら不審者扱いされるわね……」
「だよなぁ……」
「なら、俺たち試練を行った4人のみが兄貴に同行して、他のものたちはこの新しい里で住んでてもらって必要なときにはでてきてもらう…… でいいんじゃないか?」
「やっぱりそれが現実的かもなぁ。
んじゃ悪いけど、4人以外はそれで頼む。
4人は今から俺たちと一緒にルインまで来てくれ。
そこで冒険者登録とチーム加入の登録をしてもらうよ」
居残り組となった竜人族たちは頷き、同行組となった4人は元気に返事をした。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
カルロたちを連れたクロムたちはルインの冒険者ギルドへと帰ってきていた。
「スズさん、ただいま!」
「クロムさん! アキナ!
ここ数日いらっしゃらなかったみたいですけど……」
後ろの方々は新しいお仲間さんですか?」
「お嬢さんはじめまして、カルロと申します、お見知りおきを」
「この者たちの冒険者登録とチーム入りの申請をしたいんですが……
あと他の話もあるのでギルドマスターと話がしたいんですけどいますか?」
「ギルドマスターは先ほどお戻りになられたところなのでいますよ。
声をかけてきますので、少しお待ちくださいね」
スズはギルドマスターに声を掛けるために奥へと移動していった。
クロムたちはスズが戻るまで待つことになったのだが、ギルド内の活気が以前よりないことが気になっていた。
「アキナ、ここってこんなに活気がなかったっけ?」
「やっぱりクロムもそう思う?
この数日で何かあったのかな……」
そのアキナの疑問に答えたのは奥より歩いてきたダンであった。
「やっと帰ってきおったか……
お前らの予想通り昨日ちょっとしたことがあってじゃな……
とりあえずワシの部屋までくるがよい」
クロムたちはダンに連れられてダンの部屋まで行く。
そしてクロムはとりあえずカルロたちの冒険者登録するための試験とチーム加入の手配を頼むことにした。
「お前が強い仲間として連れてきた連中に試験はいらないじゃろ……
身元保証はクロム、お前がするということでギルドマスター特権でCランクの冒険者とする。
チームへの加入申請と合わせて、スズに指示しておくわい」
「ありがとな、それは手間が省けて助かるよ。
で、さっき昨日何かあったって話だったけど、何があったんだ?」
「まぁ今はそれでいいさ、徐々に理解していくだろうしね」
「そうだね! 私がまさにそうだったからね」
受け入れがたい内容を受け入れるために必死に自分を納得させている竜人族に対して、クロムとアキナはあまりにもあっけらかんとしていた。
そして、それを見た竜人族たちは苦笑しながら深く考えることをやめてゆくのであった。
「んで兄貴、これからの予定は?」
「兄貴!??」
「クロムさんっていうのもなんか俺のガラじゃないし、でもさすがに主を呼び捨てにはできないし……
で、兄貴がちょうどいいかなってね」
「……まぁカルロらしいってことにして納得しておく……
今後については……」
クロムは竜人族の隠れ里そのものをルーム内に移動させることを提案した。
竜人族たちは隠れ里そのものがそんなに住みやすい環境であるとは思っていないが、里への愛着はあるためにその案には難色を示した。
そこでクロムが自分の能力を使えば環境そのものも含めて再現した里を作れることを説明したことで竜人族の了解を得ることに成功した。
そして、クロムは実際にルーム内に隠れ里を再現させてみんなを案内することになった。
竜人族たちはあまりの再現度に驚いていたが、みんなが安心した顔をしていてクロムは暖かい気持ちになった。
さらに里に隣接する形でクロムとアキナの家とゴブ太たちの家を建て直した。
これによりチーム<蒼天の猫>の新アジトが完成することになった。
「これで拠点としてはOKだな
出入りする際には注意が必要なんだけど……
さて、全員を外に連れて歩くわけには行かないよなぁ」
「さすがに50人前後の集団で歩いていたら不審者扱いされるわね……」
「だよなぁ……」
「なら、俺たち試練を行った4人のみが兄貴に同行して、他のものたちはこの新しい里で住んでてもらって必要なときにはでてきてもらう…… でいいんじゃないか?」
「やっぱりそれが現実的かもなぁ。
んじゃ悪いけど、4人以外はそれで頼む。
4人は今から俺たちと一緒にルインまで来てくれ。
そこで冒険者登録とチーム加入の登録をしてもらうよ」
居残り組となった竜人族たちは頷き、同行組となった4人は元気に返事をした。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
カルロたちを連れたクロムたちはルインの冒険者ギルドへと帰ってきていた。
「スズさん、ただいま!」
「クロムさん! アキナ!
ここ数日いらっしゃらなかったみたいですけど……」
後ろの方々は新しいお仲間さんですか?」
「お嬢さんはじめまして、カルロと申します、お見知りおきを」
「この者たちの冒険者登録とチーム入りの申請をしたいんですが……
あと他の話もあるのでギルドマスターと話がしたいんですけどいますか?」
「ギルドマスターは先ほどお戻りになられたところなのでいますよ。
声をかけてきますので、少しお待ちくださいね」
スズはギルドマスターに声を掛けるために奥へと移動していった。
クロムたちはスズが戻るまで待つことになったのだが、ギルド内の活気が以前よりないことが気になっていた。
「アキナ、ここってこんなに活気がなかったっけ?」
「やっぱりクロムもそう思う?
この数日で何かあったのかな……」
そのアキナの疑問に答えたのは奥より歩いてきたダンであった。
「やっと帰ってきおったか……
お前らの予想通り昨日ちょっとしたことがあってじゃな……
とりあえずワシの部屋までくるがよい」
クロムたちはダンに連れられてダンの部屋まで行く。
そしてクロムはとりあえずカルロたちの冒険者登録するための試験とチーム加入の手配を頼むことにした。
「お前が強い仲間として連れてきた連中に試験はいらないじゃろ……
身元保証はクロム、お前がするということでギルドマスター特権でCランクの冒険者とする。
チームへの加入申請と合わせて、スズに指示しておくわい」
「ありがとな、それは手間が省けて助かるよ。
で、さっき昨日何かあったって話だったけど、何があったんだ?」
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