なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ

文字の大きさ
上 下
49 / 147
3章.激動の予感編

45話.ルインへの帰還

しおりを挟む
「なんとなくはわかったよ……」

「まぁ今はそれでいいさ、徐々に理解していくだろうしね」

「そうだね! 私がまさにそうだったからね」

 受け入れがたい内容を受け入れるために必死に自分を納得させている竜人族に対して、クロムとアキナはあまりにもあっけらかんとしていた。
そして、それを見た竜人族たちは苦笑しながら深く考えることをやめてゆくのであった。

「んで兄貴、これからの予定は?」

「兄貴!??」

「クロムさんっていうのもなんか俺のガラじゃないし、でもさすがに主を呼び捨てにはできないし……
 で、兄貴がちょうどいいかなってね」

「……まぁカルロらしいってことにして納得しておく……
 今後については……」

 クロムは竜人族の隠れ里そのものをルーム内に移動させることを提案した。
竜人族たちは隠れ里そのものがそんなに住みやすい環境であるとは思っていないが、里への愛着はあるためにその案には難色を示した。
そこでクロムが自分の能力を使えば環境そのものも含めて再現した里を作れることを説明したことで竜人族の了解を得ることに成功した。

 そして、クロムは実際にルーム内に隠れ里を再現させてみんなを案内することになった。
竜人族たちはあまりの再現度に驚いていたが、みんなが安心した顔をしていてクロムは暖かい気持ちになった。
さらに里に隣接する形でクロムとアキナの家とゴブ太たちの家を建て直した。
これによりチーム<蒼天の猫>の新アジトが完成することになった。

「これで拠点としてはOKだな
 出入りする際には注意が必要なんだけど……
 さて、全員を外に連れて歩くわけには行かないよなぁ」

「さすがに50人前後の集団で歩いていたら不審者扱いされるわね……」

「だよなぁ……」

「なら、俺たち試練を行った4人のみが兄貴に同行して、他のものたちはこの新しい里で住んでてもらって必要なときにはでてきてもらう…… でいいんじゃないか?」

「やっぱりそれが現実的かもなぁ。
 んじゃ悪いけど、4人以外はそれで頼む。
 4人は今から俺たちと一緒にルインまで来てくれ。
 そこで冒険者登録とチーム加入の登録をしてもらうよ」

 居残り組となった竜人族たちは頷き、同行組となった4人は元気に返事をした。

※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ 

 カルロたちを連れたクロムたちはルインの冒険者ギルドへと帰ってきていた。

「スズさん、ただいま!」

「クロムさん! アキナ!
 ここ数日いらっしゃらなかったみたいですけど……」
 後ろの方々は新しいお仲間さんですか?」

「お嬢さんはじめまして、カルロと申します、お見知りおきを」

「この者たちの冒険者登録とチーム入りの申請をしたいんですが……
 あと他の話もあるのでギルドマスターと話がしたいんですけどいますか?」

「ギルドマスターは先ほどお戻りになられたところなのでいますよ。
 声をかけてきますので、少しお待ちくださいね」

 スズはギルドマスターに声を掛けるために奥へと移動していった。
クロムたちはスズが戻るまで待つことになったのだが、ギルド内の活気が以前よりないことが気になっていた。

「アキナ、ここってこんなに活気がなかったっけ?」

「やっぱりクロムもそう思う?
 この数日で何かあったのかな……」

 そのアキナの疑問に答えたのは奥より歩いてきたダンであった。

「やっと帰ってきおったか……
 お前らの予想通り昨日ちょっとしたことがあってじゃな……
 とりあえずワシの部屋までくるがよい」

 クロムたちはダンに連れられてダンの部屋まで行く。
そしてクロムはとりあえずカルロたちの冒険者登録するための試験とチーム加入の手配を頼むことにした。

「お前が強い仲間として連れてきた連中に試験はいらないじゃろ……
 身元保証はクロム、お前がするということでギルドマスター特権でCランクの冒険者とする。
 チームへの加入申請と合わせて、スズに指示しておくわい」

「ありがとな、それは手間が省けて助かるよ。
 で、さっき昨日何かあったって話だったけど、何があったんだ?」

しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

勇者様、旅のお供に平兵士などはいかがでしょうか?

黒井 へいほ
ファンタジー
 ミューステルム王国に仕える兵であるラックス=スタンダードは、世界を救うために召喚された勇者ミサキ=ニノミヤの仲間として共に旅立つ。  しかし、彼女は勇者ではあるが、その前に普通の少女である。何度も帰りたいと泣き言を言いながらも、彼女は成長していった。  そして、決断をする。  勇者になりたい、世界を救いたい、と。  己が身に魔王の魂を宿していたことを知ったラックスだが、彼もまた決断をした。  世界を救おうという勇者のために。  ずっと自分を救ってくれていた魔王のために。  二人を守るために、自分は生きようと。  そして、彼らは真の意味で旅立つ。  ――世界を救うために。

30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。

ひさまま
ファンタジー
 前世で搾取されまくりだった私。  魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。  とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。  これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。  取り敢えず、明日は退職届けを出そう。  目指せ、快適異世界生活。  ぽちぽち更新します。  作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。  脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡

サクラ近衛将監
ファンタジー
 女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。  シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。  シルヴィの将来や如何に?  毎週木曜日午後10時に投稿予定です。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~

川原源明
ファンタジー
 秋津直人、85歳。  50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。  嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。  彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。  白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。  胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。  そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。  まずは最強の称号を得よう!  地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編 ※医療現場の恋物語 馴れ初め編

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生

野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。 普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。 そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。 そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。 そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。 うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。 いずれは王となるのも夢ではないかも!? ◇世界観的に命の価値は軽いです◇ カクヨムでも同タイトルで掲載しています。

処理中です...