30 / 147
2章.冒険者編
27話.冒険者活動再開
しおりを挟む
少しゆっくり目の時間にギルドに到着した二人であったが、二人がギルドに入るとギルドの中にいた人たちがザワつき始めた。
予想通りの反応ではあったが、昨日のような奴が奇襲をしてくる可能性を考慮したクロムは警戒を強めるのだった。
そんな様子をカウンターの中から見ていたスズは苦笑しつつ二人をカウンターまで呼んだのであった。
「二人とも、おはようございます。
クロムさん……
警戒するのはわかりますけど…… 殺気は抑えてくださいね……」
「あははは、おはようございますスズさん。
抑えてたつもりだったんですけど、すいません……」
「ほどほどでお願いしますね?
で、今日は依頼探しですか?」
「はい、チームのデビュー用の依頼を探しにきました」
本来なら冒険者自身が依頼書を選んでカウンターに持ってくるものなのだが、今回だけは特別よとスズは二人の前に2枚の依頼書を並べた。
Dランク依頼のオークの集落の探索、Dランク依頼の洞くつにて銀鉱石の採掘 の2種類であった。
「できればどっちかをやってもらえると嬉しいかなぁ…… と」
「銀鉱石のほうは私にリベンジをしておいでってことかな?
もう一つは……」
先日オークに殺されかけたアキナとしてはオークにトラウマがあり苦手のようだった。
「その通りですよ、アキナ。
オークの探索のほうは…… オーク関係の依頼で比較的に危険性の低いものでトラウマの解消してもらいたいな…… とね。
クロムさんが一緒なら万が一にも危険はないでしょうし……」
「スズさん、オークの集落は洞くつからは遠いんですか?」
「いえ、むしろ洞くつ内ですよ。
あの洞くつがオークの巣穴化してるのではないか? という噂がありましてその調査が依頼の内容になります」
(ボスの熊を俺が倒した影響もあるのかもしれないな……)
「ならば、両方受注ってできますか?」
「クロム??
両方って本気なの??」
「同じ場所でできるならそのほうが効率いいじゃん?」
「あははは、クロムさんはやはり大胆なお方のようですね。
むしろ、同時受注はありがたいですよ。
銀鉱石の採掘を受けたがる冒険者さんはオーク群れの相手をできない方である可能性が高いですしね……」
スズとクロムの利害が一致したことにより、クロムたちは2つの依頼を同時受注することになった。
クロムは不安そうにしているアキナの頭を撫でて安心させると、そのままの足で洞くつに向かうことにしたのだった。
洞くつに向かう途中でクロムとアキナは互いの役割分担について話し合う。
オーク探索については洞くつ内を一周してみるしかないので警戒だけして後回しにして、銀鉱石の採掘を先にすること。
採掘作業そのものはクロムの魔術を使えば容易にできるため、鉱脈を砕くのはクロムが行い、アキナは砕かれた鉱石を回収してストレージに入れていくこと。
昨日ナビを共有化したときに合わせてストレージも共有させておいたためにできる分担であった。
「なんか…… クロムにばかり働かせるみたいで心苦しいんだけど……」
「そんなことないって! 俺からしたらむしろ鉱石を回収することのほうが面倒で大変だぞ……」
「そ、そっかぁ~…… これも適材適所って言えるものなのかもね」
二人は役割分担をしつつ楽しく話をしているうちに目的の洞くつの前に到着した。
「そういえば…… 私ってこの洞くつの中で2回も死にそうになってるのよね……」
「確かに…… この洞くつに苦手意識持つなっていうのが無茶なのはわかるけど……
必ずアキナは俺が守るから安心してほしい!」
「クスクス、確かに苦手意識はあるけど、クロムがいるから安心してるよ。
クロムのこと信頼してるからね!」
クロムはアキナの信頼がすごく嬉しく、改めてアキナを守り抜くことを心に誓い、洞くつの中に歩を進めたのであった。
予想通りの反応ではあったが、昨日のような奴が奇襲をしてくる可能性を考慮したクロムは警戒を強めるのだった。
そんな様子をカウンターの中から見ていたスズは苦笑しつつ二人をカウンターまで呼んだのであった。
「二人とも、おはようございます。
クロムさん……
警戒するのはわかりますけど…… 殺気は抑えてくださいね……」
「あははは、おはようございますスズさん。
抑えてたつもりだったんですけど、すいません……」
「ほどほどでお願いしますね?
で、今日は依頼探しですか?」
「はい、チームのデビュー用の依頼を探しにきました」
本来なら冒険者自身が依頼書を選んでカウンターに持ってくるものなのだが、今回だけは特別よとスズは二人の前に2枚の依頼書を並べた。
Dランク依頼のオークの集落の探索、Dランク依頼の洞くつにて銀鉱石の採掘 の2種類であった。
「できればどっちかをやってもらえると嬉しいかなぁ…… と」
「銀鉱石のほうは私にリベンジをしておいでってことかな?
もう一つは……」
先日オークに殺されかけたアキナとしてはオークにトラウマがあり苦手のようだった。
「その通りですよ、アキナ。
オークの探索のほうは…… オーク関係の依頼で比較的に危険性の低いものでトラウマの解消してもらいたいな…… とね。
クロムさんが一緒なら万が一にも危険はないでしょうし……」
「スズさん、オークの集落は洞くつからは遠いんですか?」
「いえ、むしろ洞くつ内ですよ。
あの洞くつがオークの巣穴化してるのではないか? という噂がありましてその調査が依頼の内容になります」
(ボスの熊を俺が倒した影響もあるのかもしれないな……)
「ならば、両方受注ってできますか?」
「クロム??
両方って本気なの??」
「同じ場所でできるならそのほうが効率いいじゃん?」
「あははは、クロムさんはやはり大胆なお方のようですね。
むしろ、同時受注はありがたいですよ。
銀鉱石の採掘を受けたがる冒険者さんはオーク群れの相手をできない方である可能性が高いですしね……」
スズとクロムの利害が一致したことにより、クロムたちは2つの依頼を同時受注することになった。
クロムは不安そうにしているアキナの頭を撫でて安心させると、そのままの足で洞くつに向かうことにしたのだった。
洞くつに向かう途中でクロムとアキナは互いの役割分担について話し合う。
オーク探索については洞くつ内を一周してみるしかないので警戒だけして後回しにして、銀鉱石の採掘を先にすること。
採掘作業そのものはクロムの魔術を使えば容易にできるため、鉱脈を砕くのはクロムが行い、アキナは砕かれた鉱石を回収してストレージに入れていくこと。
昨日ナビを共有化したときに合わせてストレージも共有させておいたためにできる分担であった。
「なんか…… クロムにばかり働かせるみたいで心苦しいんだけど……」
「そんなことないって! 俺からしたらむしろ鉱石を回収することのほうが面倒で大変だぞ……」
「そ、そっかぁ~…… これも適材適所って言えるものなのかもね」
二人は役割分担をしつつ楽しく話をしているうちに目的の洞くつの前に到着した。
「そういえば…… 私ってこの洞くつの中で2回も死にそうになってるのよね……」
「確かに…… この洞くつに苦手意識持つなっていうのが無茶なのはわかるけど……
必ずアキナは俺が守るから安心してほしい!」
「クスクス、確かに苦手意識はあるけど、クロムがいるから安心してるよ。
クロムのこと信頼してるからね!」
クロムはアキナの信頼がすごく嬉しく、改めてアキナを守り抜くことを心に誓い、洞くつの中に歩を進めたのであった。
1
お気に入りに追加
165
あなたにおすすめの小説

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
30代社畜の私が1ヶ月後に異世界転生するらしい。
ひさまま
ファンタジー
前世で搾取されまくりだった私。
魂の休養のため、地球に転生したが、地球でも今世も搾取されまくりのため魂の消滅の危機らしい。
とある理由から元の世界に戻るように言われ、マジックバックを自称神様から頂いたよ。
これで地球で買ったものを持ち込めるとのこと。やっぱり夢ではないらしい。
取り敢えず、明日は退職届けを出そう。
目指せ、快適異世界生活。
ぽちぽち更新します。
作者、うっかりなのでこれも買わないと!というのがあれば教えて下さい。
脳内の空想を、つらつら書いているのでお目汚しな際はごめんなさい。
うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました
akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」
帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。
謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。
しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。
勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!?
転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。
※9月16日
タイトル変更致しました。
前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。
仲間を強くして無双していく話です。
『小説家になろう』様でも公開しています。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
【完結】神様と呼ばれた医師の異世界転生物語 ~胸を張って彼女と再会するために自分磨きの旅へ!~
川原源明
ファンタジー
秋津直人、85歳。
50年前に彼女の進藤茜を亡くして以来ずっと独身を貫いてきた。彼の傍らには彼女がなくなった日に出会った白い小さな子犬?の、ちび助がいた。
嘗ては、救命救急センターや外科で医師として活動し、多くの命を救って来た直人、人々に神様と呼ばれるようになっていたが、定年を迎えると同時に山を買いプライベートキャンプ場をつくり余生はほとんどここで過ごしていた。
彼女がなくなって50年目の命日の夜ちび助とキャンプを楽しんでいると意識が遠のき、気づけば辺りが真っ白な空間にいた。
白い空間では、創造神を名乗るネアという女性と、今までずっとそばに居たちび助が人の子の姿で土下座していた。ちび助の不注意で茜君が命を落とし、謝罪の意味を込めて、創造神ネアの創る世界に、茜君がすでに転移していることを教えてくれた。そして自分もその世界に転生させてもらえることになった。
胸を張って彼女と再会できるようにと、彼女が降り立つより30年前に転生するように創造神ネアに願った。
そして転生した直人は、新しい家庭でナットという名前を与えられ、ネア様と、阿修羅様から貰った加護と学生時代からやっていた格闘技や、仕事にしていた医術、そして趣味の物作りやサバイバル技術を活かし冒険者兼医師として旅にでるのであった。
まずは最強の称号を得よう!
地球では神様と呼ばれた医師の異世界転生物語
※元ヤンナース異世界生活 ヒロイン茜ちゃんの彼氏編
※医療現場の恋物語 馴れ初め編

うっかり『野良犬』を手懐けてしまった底辺男の逆転人生
野良 乃人
ファンタジー
辺境の田舎街に住むエリオは落ちこぼれの底辺冒険者。
普段から無能だの底辺だのと馬鹿にされ、薬草拾いと揶揄されている。
そんなエリオだが、ふとした事がきっかけで『野良犬』を手懐けてしまう。
そこから始まる底辺落ちこぼれエリオの成り上がりストーリー。
そしてこの世界に存在する宝玉がエリオに力を与えてくれる。
うっかり野良犬を手懐けた底辺男。冒険者という枠を超え乱世での逆転人生が始まります。
いずれは王となるのも夢ではないかも!?
◇世界観的に命の価値は軽いです◇
カクヨムでも同タイトルで掲載しています。
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる