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2章.冒険者編
24話.自分の力
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『あんた、自分の<魔眼>についてどれくらい理解してる?』
「…… 不思議な力を発揮できる眼で、今のところ<強奪眼>と<従属眼>が使えて、強奪眼が倒した相手の技能やステータスの一部を奪える。
従属眼が屈服させた奴を自分の奴隷にできる…… だったかな」
『大枠ではあってるわね、でも従属眼についてはそれだけでは不十分よ……
僕はクロムと一体化しているからクロムの技能の詳細を調べることができたんだけど……
従属眼とは正しくは、<その眼で見た相手の意識に自分に従属するかどうかを語りかけ、相手が受け入れた瞬間に従属させる>がメインの効果よ。
そして従属された相手の生殺与奪の権利は主であるあんたが持つ、あんたが本気で死ねと思えば声に出さなくてもそれだけで死ぬことになるほどの強制力を持っているわ。
さらに副効果として、自分と従属した相手の間でありとあらゆるものを共有や移譲できる効果があるの。
何を共有や移譲するかは主であるあんたのみに決定権がある』
「…… なんだそれ」
『そしてあんたはさっき全魔力をアキナに注ぎ込んだ時に無意識に従属眼を発動させていたの。
アキナを光が包んだ時がその時よ』
「はぁ??」
『光が収まるのは従属契約を受け入れたもしくは、拒否したことを意味するの。
ただ、あのタイミングで完全回復するパターンは一つしかない……
アキナが従属を受け入れて、あんたが毒の中和を強く願ったことによりあんたが持っている毒への完全耐性の技能がアキナにも共有されて毒が中和される…… というパターンのみよ。
そして今は体力が尽きて眠っているみたいね』
「……
…… 俺はアキナを従属してしまった……
のか…… ?」
『そうなるわね、ただし……
それを受け入れたのはあの子自身の意思よ。
当然思うところが色々あるとは思うけど、これはこれで好都合と解釈するべきかもよ』
「は!??
好都合なわけないだろ!!!!!!!!」
ナビの言葉に逆上したクロムであったが、ナビはクロムを諭すように説明を始めた。
クロムはアキナと今後行動を共にすることを決めたが、自分の正体などを秘密にし嘘をつくことに罪悪感を抱いていた。
しかし従属したアキナはクロムが秘密にしろと言ったことに背くことは不可能になったのだ。
ゆえに全てを打ち明けて共有することができ、それに伴い発生するデメリットもない。
つまりは、クロムが今後この世界で楽しんで生きていくための好都合な条件が揃ったともいえるはずだと……
「ナビの言うこともわかるけど……」
『あの子は自分の意思であんたに従属したのよ、その気持ちは受け止めてあげなきゃいけないんじゃない?』
「……」
『とりあえずここではいつ魔物が現れるかわかんないし、一旦ルームの中に新しい部屋でも作ってそこでアキナが起きるのを待ったら?
ルームももう隠さなきゃいけないことじゃなくなるわけだしね』
クロムは納得できないままではあったが、ナビの言う通りにルーム内に新しい部屋を作成してそこでアキナが目覚めるのを待つことにした。
そして、小一時間が経過後にアキナが目を覚ました。
「んん……
あ、クロム?
あれ?? 私は攫われていたんじゃなかったっけ……」
目覚めたばかりだからであろうか、アキナは状況を把握できておらず混乱していた。
そんなアキナにクロムは1個づつゆっくりと説明を始めた。
「おはよう、アキナ。
混乱するのもしょうがないわな、一個づつ説明していくから聞いてくれ」
「うん……」
「まずアキナはルーナの店に買い出しに出かけてくれた、そして宿の外に出たときに何者かに攫われた……
ここまでは覚えてるか?」
「うん……」
「部屋で待っていた俺はとある理由で、一人で行かせたことが危ないと感じ迎えに行こうとした。
すると、宿の外でアキナの誘拐を示唆する伝言を持った男に出会い、洞くつに救出にきた。
そして、待ち構える連中を倒したのだが、その最中不覚にもアキナが毒ナイフに襲われるのを防げなかった……」
「……」
「そこで解毒を試みたんだが中々うまくいかなかった……
必死になっているうちに俺のある技能が無意識に発動していた。
…… 俺に従属するかどうかを意識の中で問われなかったか?」
「問われたわね、即答で<する>と答えたけどね」
「なぜ……
なぜ、そんなことに即答できたんだ…… ?」
「今回でさ2回目になるよね、クロムに命を救ってもらうの。
その恩を返すためには、全てを捧げるしかないなと思ったのが一つ……」
「そんなことのために!!!!!!」
「聞いて! もちろんそれだけではないわ。
短い時間だけどクロムと一緒にいてすごく楽しかった、絶対に失いたくないって思うほどにね。
そうやってクロムのことを見ているうちに一つ感じることがあったの。
誰にも言えない秘密を抱えていること……
それを私に素直に言えないこと……
そういう罪悪感みたいなものを抱えながら一緒にいてくれてる、そんな気がしていたの」
「……」
「でもさ、クロムに従属したら……
クロムへの絶対服従を証明できるようになったら……
全部を話してくれる、全てを共有してくれるような、そんな気がしたから……
これが従属を受け入れた一番の理由だよ」
アキナの飾らない素直な想いを聞いたクロムは、申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちが入り混じった複雑な感情に包まれることになった。
「…… 不思議な力を発揮できる眼で、今のところ<強奪眼>と<従属眼>が使えて、強奪眼が倒した相手の技能やステータスの一部を奪える。
従属眼が屈服させた奴を自分の奴隷にできる…… だったかな」
『大枠ではあってるわね、でも従属眼についてはそれだけでは不十分よ……
僕はクロムと一体化しているからクロムの技能の詳細を調べることができたんだけど……
従属眼とは正しくは、<その眼で見た相手の意識に自分に従属するかどうかを語りかけ、相手が受け入れた瞬間に従属させる>がメインの効果よ。
そして従属された相手の生殺与奪の権利は主であるあんたが持つ、あんたが本気で死ねと思えば声に出さなくてもそれだけで死ぬことになるほどの強制力を持っているわ。
さらに副効果として、自分と従属した相手の間でありとあらゆるものを共有や移譲できる効果があるの。
何を共有や移譲するかは主であるあんたのみに決定権がある』
「…… なんだそれ」
『そしてあんたはさっき全魔力をアキナに注ぎ込んだ時に無意識に従属眼を発動させていたの。
アキナを光が包んだ時がその時よ』
「はぁ??」
『光が収まるのは従属契約を受け入れたもしくは、拒否したことを意味するの。
ただ、あのタイミングで完全回復するパターンは一つしかない……
アキナが従属を受け入れて、あんたが毒の中和を強く願ったことによりあんたが持っている毒への完全耐性の技能がアキナにも共有されて毒が中和される…… というパターンのみよ。
そして今は体力が尽きて眠っているみたいね』
「……
…… 俺はアキナを従属してしまった……
のか…… ?」
『そうなるわね、ただし……
それを受け入れたのはあの子自身の意思よ。
当然思うところが色々あるとは思うけど、これはこれで好都合と解釈するべきかもよ』
「は!??
好都合なわけないだろ!!!!!!!!」
ナビの言葉に逆上したクロムであったが、ナビはクロムを諭すように説明を始めた。
クロムはアキナと今後行動を共にすることを決めたが、自分の正体などを秘密にし嘘をつくことに罪悪感を抱いていた。
しかし従属したアキナはクロムが秘密にしろと言ったことに背くことは不可能になったのだ。
ゆえに全てを打ち明けて共有することができ、それに伴い発生するデメリットもない。
つまりは、クロムが今後この世界で楽しんで生きていくための好都合な条件が揃ったともいえるはずだと……
「ナビの言うこともわかるけど……」
『あの子は自分の意思であんたに従属したのよ、その気持ちは受け止めてあげなきゃいけないんじゃない?』
「……」
『とりあえずここではいつ魔物が現れるかわかんないし、一旦ルームの中に新しい部屋でも作ってそこでアキナが起きるのを待ったら?
ルームももう隠さなきゃいけないことじゃなくなるわけだしね』
クロムは納得できないままではあったが、ナビの言う通りにルーム内に新しい部屋を作成してそこでアキナが目覚めるのを待つことにした。
そして、小一時間が経過後にアキナが目を覚ました。
「んん……
あ、クロム?
あれ?? 私は攫われていたんじゃなかったっけ……」
目覚めたばかりだからであろうか、アキナは状況を把握できておらず混乱していた。
そんなアキナにクロムは1個づつゆっくりと説明を始めた。
「おはよう、アキナ。
混乱するのもしょうがないわな、一個づつ説明していくから聞いてくれ」
「うん……」
「まずアキナはルーナの店に買い出しに出かけてくれた、そして宿の外に出たときに何者かに攫われた……
ここまでは覚えてるか?」
「うん……」
「部屋で待っていた俺はとある理由で、一人で行かせたことが危ないと感じ迎えに行こうとした。
すると、宿の外でアキナの誘拐を示唆する伝言を持った男に出会い、洞くつに救出にきた。
そして、待ち構える連中を倒したのだが、その最中不覚にもアキナが毒ナイフに襲われるのを防げなかった……」
「……」
「そこで解毒を試みたんだが中々うまくいかなかった……
必死になっているうちに俺のある技能が無意識に発動していた。
…… 俺に従属するかどうかを意識の中で問われなかったか?」
「問われたわね、即答で<する>と答えたけどね」
「なぜ……
なぜ、そんなことに即答できたんだ…… ?」
「今回でさ2回目になるよね、クロムに命を救ってもらうの。
その恩を返すためには、全てを捧げるしかないなと思ったのが一つ……」
「そんなことのために!!!!!!」
「聞いて! もちろんそれだけではないわ。
短い時間だけどクロムと一緒にいてすごく楽しかった、絶対に失いたくないって思うほどにね。
そうやってクロムのことを見ているうちに一つ感じることがあったの。
誰にも言えない秘密を抱えていること……
それを私に素直に言えないこと……
そういう罪悪感みたいなものを抱えながら一緒にいてくれてる、そんな気がしていたの」
「……」
「でもさ、クロムに従属したら……
クロムへの絶対服従を証明できるようになったら……
全部を話してくれる、全てを共有してくれるような、そんな気がしたから……
これが従属を受け入れた一番の理由だよ」
アキナの飾らない素直な想いを聞いたクロムは、申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちが入り混じった複雑な感情に包まれることになった。
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