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翌朝、学園に着くと早速隣の席の子に挨拶をする。
「おはよう」
けれど、その子は目をあわせてくれない。なんでだろう。昨日は、笑顔を見せてくれたのに。
聞こえなかったのかな。もう一度、挨拶をする。
「おはよう」
すると、その子は気まずそうに私を見たあと、小さな声で囁いた。
「ごめん、私に話しかけないで」
「……? わかった」
もしかしたら、何か彼女に嫌われるようなことをしてしまったのだろうか。それか、今日は機嫌が悪い?
疑問に思いながらもひとまず席に座り、授業を受けた。
昼休み。その後も様々な子に話しかけたのだけれども、女の子はみんなそろって、気まずそうな顔をしてもう、話しかけないでほしいと言われるだけだった。
いい子は、きっと友達がたくさんいるに違いないのに。このままじゃ、いい子になれないよ。私が途方にくれていると、一人の男子生徒が私にこっそりと声をかけた。
「八条さん、ちょっときて」
「……? うん、わかった」
男子生徒についていかれたのは、とある空き教室だった。
「このメール、見てほしいんだ」
「メール?」
人の携帯を覗くのは少し気が引けるけれど、何かこの状況を打破するきっかけになるかもしれないと、見せてもらう。
どうやら、何人かに一斉送信されたメールのようだ。
『可愛い僕のお姫様たちへ! 頼みごとがあるんだ』
頼みごと? 何だろう。というか、これは、お姫様って誰が誰に送ったメールなのだろう。
疑問に思いながらも、読み進める。
『八条真白さんって子とあんまり仲良くしないでくれたら、嬉しいな。あっ、もちろんこれはお願いだから、嫌ならこのメールは無視してね!』
「おはよう」
けれど、その子は目をあわせてくれない。なんでだろう。昨日は、笑顔を見せてくれたのに。
聞こえなかったのかな。もう一度、挨拶をする。
「おはよう」
すると、その子は気まずそうに私を見たあと、小さな声で囁いた。
「ごめん、私に話しかけないで」
「……? わかった」
もしかしたら、何か彼女に嫌われるようなことをしてしまったのだろうか。それか、今日は機嫌が悪い?
疑問に思いながらもひとまず席に座り、授業を受けた。
昼休み。その後も様々な子に話しかけたのだけれども、女の子はみんなそろって、気まずそうな顔をしてもう、話しかけないでほしいと言われるだけだった。
いい子は、きっと友達がたくさんいるに違いないのに。このままじゃ、いい子になれないよ。私が途方にくれていると、一人の男子生徒が私にこっそりと声をかけた。
「八条さん、ちょっときて」
「……? うん、わかった」
男子生徒についていかれたのは、とある空き教室だった。
「このメール、見てほしいんだ」
「メール?」
人の携帯を覗くのは少し気が引けるけれど、何かこの状況を打破するきっかけになるかもしれないと、見せてもらう。
どうやら、何人かに一斉送信されたメールのようだ。
『可愛い僕のお姫様たちへ! 頼みごとがあるんだ』
頼みごと? 何だろう。というか、これは、お姫様って誰が誰に送ったメールなのだろう。
疑問に思いながらも、読み進める。
『八条真白さんって子とあんまり仲良くしないでくれたら、嬉しいな。あっ、もちろんこれはお願いだから、嫌ならこのメールは無視してね!』
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