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お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね?
バレンタインデー
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受験生にお正月はない。そして、センター試験同日模試を控えた私にも、お正月はなかった。塾にカンヅメだ。
そして、迎えたセンター試験。
「お兄ちゃん、頑張ってね」
玄関で、お兄ちゃんをお見送りする。
「うん、行ってくるよ」
現在のお兄ちゃんのコンディションはばっちりだ。風邪ひとつひいてない。
お兄ちゃんを見送って、私もセンター試験同日模試に向けて、最後に単語を頭に叩き込んだ。
二日のセンター試験を終えて、志望校を決定する。お兄ちゃんは自己採点で見事前から志望していた大学の合格ライン以上の点をとることができた。私も二年の今の時点での合格ラインの点をとることができたので、嬉しい。
お兄ちゃんは二次試験にむけて、頑張っている。それを応援しつつ、私も副会長としての仕事に取りかかり始めていた。
「それにしても、本当に朱里が副会長になるなんてねぇ……っふっ」
「もう、彩月ちゃんまで笑わないでよ」
私が頬をふくらませると、彩月ちゃんは、ごめんね、と謝った。
「そういえば、今年のバレンタインデーはなにあげるの?」
そういえば、もう、そんな季節だ。
「去年は、フォンダンオショコラを作ったのよね?」
「うん」
今年は何にしようかな。
「お兄ちゃんは、チョコレートケーキが好きだから、チョコレートケーキにしようとは思ってるんだけどね」
「いいね」
去年は、学校で告白しようと思ってたから、持ち運びも考えなきゃいけなかったけど、今年は、家で渡してもいいから、色んな選択肢があるなぁ。
「彩月ちゃんは、小塚くんに何をあげるの?」
「私はガトーショコラにしようかなって、思ってる」
「ガトーショコラも美味しそうだね」
生徒会の仕事で忙しくしていると、あっという間に、バレンタインデー前日だ。
「うーん、どうしようかな」
チョコレートケーキっていっても、色々種類があるよね。とびきり甘いケーキもいいけど、ほろ苦いケーキもいいよね。
「よし」
今年はオペラにしよう。お兄ちゃんはコーヒーも好きだから、ちょうどいいよね。そう決めて、オペラを作った。
バレンタインデー当日。今日は休日なので、どきどきしながら、お兄ちゃんの部屋の扉をノックする。
「朱里?」
「バレンタインデーでだから、チョコレートの差し入れだよ」
そういって、オペラをのせたトレーを差し出す。
ひとカット味見で食べてみたけれど、それなりに美味しくできた、と思う。
「ありがとう」
お兄ちゃんが嬉しそうにトレーを受けとる。
「それだけ、だから。じゃあ、勉強頑張ってね」
お兄ちゃんの邪魔をしないように、部屋をでうとすると、お兄ちゃんがひき止めた。
「ちょうど、休憩しようと思ってたところだから、お話ししない?」
「うん、すごく美味しい。朱里はパティシエにもなれそうだよね」
「そ、それはさすがに誉めすぎだよ」
お兄ちゃんがめちゃくちゃ誉めてくれるので、ちょっと恥ずかしい。
「ごめんね、本当は付き合って一年記念のお祝いとかしたかったんだけど」
「えっ! そんなの全然大丈夫だよ! 今が大事な時期なんだし」
そっか。そういえば、去年のバレンタインデーに告白したから、もう、あれから一年がたつんだ。時が流れるのって早いなぁ。
「生徒会のほうはどう? うまくやれてる?」
「みんな、お兄ちゃんや冴木先輩たちのすごさを目の当たりにしてた。悪戦苦闘してる」
「そっか」
来年は生徒会補佐の子がいっぱい入ってくれるといいな、と思う。
その後もしばらくの間、お兄ちゃんと他愛ない話をして、過ごした。
そして、迎えたセンター試験。
「お兄ちゃん、頑張ってね」
玄関で、お兄ちゃんをお見送りする。
「うん、行ってくるよ」
現在のお兄ちゃんのコンディションはばっちりだ。風邪ひとつひいてない。
お兄ちゃんを見送って、私もセンター試験同日模試に向けて、最後に単語を頭に叩き込んだ。
二日のセンター試験を終えて、志望校を決定する。お兄ちゃんは自己採点で見事前から志望していた大学の合格ライン以上の点をとることができた。私も二年の今の時点での合格ラインの点をとることができたので、嬉しい。
お兄ちゃんは二次試験にむけて、頑張っている。それを応援しつつ、私も副会長としての仕事に取りかかり始めていた。
「それにしても、本当に朱里が副会長になるなんてねぇ……っふっ」
「もう、彩月ちゃんまで笑わないでよ」
私が頬をふくらませると、彩月ちゃんは、ごめんね、と謝った。
「そういえば、今年のバレンタインデーはなにあげるの?」
そういえば、もう、そんな季節だ。
「去年は、フォンダンオショコラを作ったのよね?」
「うん」
今年は何にしようかな。
「お兄ちゃんは、チョコレートケーキが好きだから、チョコレートケーキにしようとは思ってるんだけどね」
「いいね」
去年は、学校で告白しようと思ってたから、持ち運びも考えなきゃいけなかったけど、今年は、家で渡してもいいから、色んな選択肢があるなぁ。
「彩月ちゃんは、小塚くんに何をあげるの?」
「私はガトーショコラにしようかなって、思ってる」
「ガトーショコラも美味しそうだね」
生徒会の仕事で忙しくしていると、あっという間に、バレンタインデー前日だ。
「うーん、どうしようかな」
チョコレートケーキっていっても、色々種類があるよね。とびきり甘いケーキもいいけど、ほろ苦いケーキもいいよね。
「よし」
今年はオペラにしよう。お兄ちゃんはコーヒーも好きだから、ちょうどいいよね。そう決めて、オペラを作った。
バレンタインデー当日。今日は休日なので、どきどきしながら、お兄ちゃんの部屋の扉をノックする。
「朱里?」
「バレンタインデーでだから、チョコレートの差し入れだよ」
そういって、オペラをのせたトレーを差し出す。
ひとカット味見で食べてみたけれど、それなりに美味しくできた、と思う。
「ありがとう」
お兄ちゃんが嬉しそうにトレーを受けとる。
「それだけ、だから。じゃあ、勉強頑張ってね」
お兄ちゃんの邪魔をしないように、部屋をでうとすると、お兄ちゃんがひき止めた。
「ちょうど、休憩しようと思ってたところだから、お話ししない?」
「うん、すごく美味しい。朱里はパティシエにもなれそうだよね」
「そ、それはさすがに誉めすぎだよ」
お兄ちゃんがめちゃくちゃ誉めてくれるので、ちょっと恥ずかしい。
「ごめんね、本当は付き合って一年記念のお祝いとかしたかったんだけど」
「えっ! そんなの全然大丈夫だよ! 今が大事な時期なんだし」
そっか。そういえば、去年のバレンタインデーに告白したから、もう、あれから一年がたつんだ。時が流れるのって早いなぁ。
「生徒会のほうはどう? うまくやれてる?」
「みんな、お兄ちゃんや冴木先輩たちのすごさを目の当たりにしてた。悪戦苦闘してる」
「そっか」
来年は生徒会補佐の子がいっぱい入ってくれるといいな、と思う。
その後もしばらくの間、お兄ちゃんと他愛ない話をして、過ごした。
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