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お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね?
生徒会会長選挙
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十二月。それは、受験生にとって、最後の追い込みをかける時期である。と、同時に、生徒会にとっては、これもまた一大イベント。生徒会会長選挙がある。
現在の生徒会は、引き継ぎの資料作成に終われていた。私は、その手伝いをしている。私たちの学校の生徒会は、書記や会計などといった職は、定員に立候補した人数が収まれば、選挙はしなくてもよく、副会長は、会長が指名できる。
そして、会長は、一、二年生なら誰でも立候補できるのだ。そう、誰でも。
「私、中原愛梨、中原愛梨に、ぜひ、清き一票をよろしくお願いします!」
外では、愛梨ちゃんが高らかに、立候補者演説をしている。今現在生徒会補佐などの役職についている人でも、立候補できるのだ。愛梨ちゃんは、お兄ちゃんのあとを引き継ぐのは私しかいない! と立候補したのだ。ものすごいガッツだと思う。私も愛梨ちゃんを見習って立候補してみようかと思わないこともなかったけれど、会長は入学式などで代表として露出する機会が多く、私には務まりそうもなかったため、断念した。
愛梨ちゃんの他には、数人の男子生徒が立候補しているけれど、愛梨ちゃんの人気が圧倒的で、このままだと、愛梨ちゃんに決まるだろう。
「まさか、中原さんが会長になるなんてねぇ」
しみじみと冴木先輩は言った。
「電子機器類は絶対に触らせられないから副会長が大変になるわね」
冷静にそう分析したのは、高木先輩だ。愛梨ちゃんが関わったデータは、もれなく愛梨ちゃんのドジにより消えるという伝説があるので、確かに副会長に選ばれる人は大変そうだ。
私は、せめて、その人のお手伝いを頑張ろう、と心に決めた。
さて。生徒会会長選挙も行われ、あとは選挙管理委員会による結果発表を待つだけになった。その間に、行われるのが、期末テストだ。今回は、全科目九十点以上を目標にしている。前回、だめだった、物理にはとくに力をいれたし、いけるんじゃないかな、と思う。
「どうよ朱里、手応えは」
期末テストが終わったあと、彩月ちゃんがにやにやしながら尋ねてきた。
「結構自信あるよ」
「おっ、言うねえ。前は私より成績悪かったのに、今じゃあ朱里のほうが成績いいもんなー。本当に頑張ったよね、朱里」
「えへへ、ありがとう」
将来の夢が決まったことと、お兄ちゃんと同じ大学に行くっていう目標ができたことは、私の勉強に対する大きなモチベーションになった。
「ほんと、小鳥遊先輩のことになると強いよね」
「お兄ちゃんのこと好きだからね」
「うわっ、しれっとのろけられた!」
と、彩月ちゃんとそんな話をしていると何やら廊下が騒がしい。どうやら、開票結果がでたようだ。
結果は、当選者の名前だけが張り出されている。その当選者は、やはり、愛梨ちゃんだった。
「あっ、じゃあ、朱里、生徒会室にいかなきゃいけないんじゃない?」
「うん、いってくるね」
これで、会長が決まったことにより、新たな生徒会役員が副会長を除いて出揃った。
生徒会室で、引き継ぎをする手伝いをしなきゃ。そう思って、生徒会室にいくと、もう、みんな、集まっていた。
みんな、口々に愛梨ちゃんを祝福している。
「おめでとう、中原さん」
「ありがとうございます」
一通り、祝福が終わったあと、愛梨ちゃんは咳払いした。ついに、副会長の発表だ。
「私が副会長に任命するのは、あなたです」
愛梨ちゃんは私の後ろを指差した。誰だろう、と思って、後ろを振り向くと、誰もいなかった。あれ? そう思って、きょろきょろしていると、なぜか、みんな、私を見ていた。
「小鳥遊先輩のあとを引き継ぐのは、私たちしかいないと思うの。ねっ、朱里ちゃん」
「……え?」
えええええええええ。私!?
現在の生徒会は、引き継ぎの資料作成に終われていた。私は、その手伝いをしている。私たちの学校の生徒会は、書記や会計などといった職は、定員に立候補した人数が収まれば、選挙はしなくてもよく、副会長は、会長が指名できる。
そして、会長は、一、二年生なら誰でも立候補できるのだ。そう、誰でも。
「私、中原愛梨、中原愛梨に、ぜひ、清き一票をよろしくお願いします!」
外では、愛梨ちゃんが高らかに、立候補者演説をしている。今現在生徒会補佐などの役職についている人でも、立候補できるのだ。愛梨ちゃんは、お兄ちゃんのあとを引き継ぐのは私しかいない! と立候補したのだ。ものすごいガッツだと思う。私も愛梨ちゃんを見習って立候補してみようかと思わないこともなかったけれど、会長は入学式などで代表として露出する機会が多く、私には務まりそうもなかったため、断念した。
愛梨ちゃんの他には、数人の男子生徒が立候補しているけれど、愛梨ちゃんの人気が圧倒的で、このままだと、愛梨ちゃんに決まるだろう。
「まさか、中原さんが会長になるなんてねぇ」
しみじみと冴木先輩は言った。
「電子機器類は絶対に触らせられないから副会長が大変になるわね」
冷静にそう分析したのは、高木先輩だ。愛梨ちゃんが関わったデータは、もれなく愛梨ちゃんのドジにより消えるという伝説があるので、確かに副会長に選ばれる人は大変そうだ。
私は、せめて、その人のお手伝いを頑張ろう、と心に決めた。
さて。生徒会会長選挙も行われ、あとは選挙管理委員会による結果発表を待つだけになった。その間に、行われるのが、期末テストだ。今回は、全科目九十点以上を目標にしている。前回、だめだった、物理にはとくに力をいれたし、いけるんじゃないかな、と思う。
「どうよ朱里、手応えは」
期末テストが終わったあと、彩月ちゃんがにやにやしながら尋ねてきた。
「結構自信あるよ」
「おっ、言うねえ。前は私より成績悪かったのに、今じゃあ朱里のほうが成績いいもんなー。本当に頑張ったよね、朱里」
「えへへ、ありがとう」
将来の夢が決まったことと、お兄ちゃんと同じ大学に行くっていう目標ができたことは、私の勉強に対する大きなモチベーションになった。
「ほんと、小鳥遊先輩のことになると強いよね」
「お兄ちゃんのこと好きだからね」
「うわっ、しれっとのろけられた!」
と、彩月ちゃんとそんな話をしていると何やら廊下が騒がしい。どうやら、開票結果がでたようだ。
結果は、当選者の名前だけが張り出されている。その当選者は、やはり、愛梨ちゃんだった。
「あっ、じゃあ、朱里、生徒会室にいかなきゃいけないんじゃない?」
「うん、いってくるね」
これで、会長が決まったことにより、新たな生徒会役員が副会長を除いて出揃った。
生徒会室で、引き継ぎをする手伝いをしなきゃ。そう思って、生徒会室にいくと、もう、みんな、集まっていた。
みんな、口々に愛梨ちゃんを祝福している。
「おめでとう、中原さん」
「ありがとうございます」
一通り、祝福が終わったあと、愛梨ちゃんは咳払いした。ついに、副会長の発表だ。
「私が副会長に任命するのは、あなたです」
愛梨ちゃんは私の後ろを指差した。誰だろう、と思って、後ろを振り向くと、誰もいなかった。あれ? そう思って、きょろきょろしていると、なぜか、みんな、私を見ていた。
「小鳥遊先輩のあとを引き継ぐのは、私たちしかいないと思うの。ねっ、朱里ちゃん」
「……え?」
えええええええええ。私!?
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