73 / 85
お兄ちゃんは、彼氏様!!……だよね?
水着
しおりを挟む
今年も体育祭が無事終わり、生徒会のお仕事は一段落といったところ。でも、勉強の方は、模試があったり、期末テストが近づいてきたりと、全然一段落ついていない。相変わらず、スマホとにらめっこしたり、塾の先生と面談したりと、忙しい。でも、ちょっとずつだけど私の成績が上がっていることは、確かだった。まあ、模試のお兄ちゃんと同じ大学の判定はDだったんだけどね! Eじゃないだけ、ましだと思おう。これから、これから。何事も前向きに。
と、期末テストに向けて勉強していると、彩月ちゃんから、メールが来た。
『今週末、出掛けない?』
テストは再来週だ。だから、今週くらい遊んでもいいよね。彩月ちゃんには、もちろん、と可愛いスタンプと共に、メールを送る。
彩月ちゃんとお出かけするの久々だ。楽しみだなぁ。
「朱里ー」
「彩月ちゃん」
駅で待ち合わせをした場所にいくと、もう、彩月ちゃんは到着していた。
「あれ、朱里、なんかいい指輪つけるね」
彩月ちゃんは私の手を見るなり、にやにやしながらそう言った。
「うん、お兄ちゃんにもらって……」
お兄ちゃんからもらった指輪は、平日はお守り袋にいれて持ち歩いて、休日は、身につけて。常にどこにいくのも一緒だ。
「彩月ちゃんもいい指輪つけてるね」
仕返しとばかりに彩月ちゃんの指輪も指摘すると、彩月ちゃんは笑った。
「いいでしょ。まぁ、お互い素敵な彼氏がいて良かったよね」
「うん」
「じゃあ、行こうか」
電車に乗って、ショッピングセンターに行く。もう、夏だからか、水着がたくさん飾られていた。
「夏だね」
「うん、夏ね。というわけで、水着を買おう」
びしっと、彩月ちゃんが水着を指差した。
「えっ、でも、彩月ちゃんは去年着た水着があるんじゃ……」
私も去年着た水着があるから、買う必要はないよね? そういうと、彩月ちゃんは甘いわ、と言った。
「水着は毎年変えるものだよ」
えっそうなの? サイズが合わなくなったとかならともかく、そうじゃなきゃ、新しく買わないものかと思っていた。
「だって、小鳥遊先輩をどきどきさせたいでしょう?」
「う、うん。それはもちろん」
「そんな夏にピッタリのアイテムが水着なのよ」
そ、そうなんだ。でも、お兄ちゃんは受験生だし、夏はあまりお出かけできないんじゃないかな。
「そうね、受験生にとっても夏は大事だよ。でも、今年の夏は一度しかないのよ! 今、楽しまなきゃ。それとも、朱里は小鳥遊先輩とプール行きたくない?」
「……行きたい、です」
じゃあ、買おう。と、颯爽と彩月ちゃんは水着売り場を歩いていく。
「彩月ちゃーん」
「どうしたの? 朱里」
「なんていうか、ここは、私たちにはちょっと大人すぎかなぁーって」
彩月ちゃんが立ち止まったのは、なんとビキニのコーナーだった。さすがにビキニは、まだ早い。早いよね?
「私たちだって、女子高生なんだし、ビキニくらい普通だよ」
そういって、彩月ちゃんは私に白いフリルの水着を差し出した。
「これとか、朱里に似合うんじゃないかな?」
「ぬ、布面積がちょっと……」
その後もあれじゃない、これじゃない、と二人で、水着とにらめっこし、新たな水着を購入した。
ショッピングセンターから電車に乗って駅に戻り、彩月ちゃんと別れる。すると、ちょうどお兄ちゃんが迎えに来てくれた。
「お帰り、朱里」
「ただいま、お兄ちゃん」
お兄ちゃんが買い物袋に目を止めた。
「何買ったの?」
「……水着。だからね、もし、期末テストで、全部七十点以上とれたら、一緒にプールに行ってくれないかな?」
どきどきしながら、お兄ちゃんの返答を待つ。お兄ちゃんは、頷いた。
「もちろん、いいよ」
「本当?」
お兄ちゃんは、夏だし勉強で忙しいって断られるかと思ってた。私がそういうと、お兄ちゃんは笑った。
「受験生でも息抜きは必要だし、朱里の水着、見たいしね」
現状の私の体型は標準なので、そこまで期待のこもった目をされるような代物ではない。
「ダイエット、頑張るね……」
「ダイエットなんてしなくても、朱里は可愛いよ?」
「私が、気にするの!」
期末テストに向けて勉強と、プールに向けてダイエット。両方、頑張ろう。
と、期末テストに向けて勉強していると、彩月ちゃんから、メールが来た。
『今週末、出掛けない?』
テストは再来週だ。だから、今週くらい遊んでもいいよね。彩月ちゃんには、もちろん、と可愛いスタンプと共に、メールを送る。
彩月ちゃんとお出かけするの久々だ。楽しみだなぁ。
「朱里ー」
「彩月ちゃん」
駅で待ち合わせをした場所にいくと、もう、彩月ちゃんは到着していた。
「あれ、朱里、なんかいい指輪つけるね」
彩月ちゃんは私の手を見るなり、にやにやしながらそう言った。
「うん、お兄ちゃんにもらって……」
お兄ちゃんからもらった指輪は、平日はお守り袋にいれて持ち歩いて、休日は、身につけて。常にどこにいくのも一緒だ。
「彩月ちゃんもいい指輪つけてるね」
仕返しとばかりに彩月ちゃんの指輪も指摘すると、彩月ちゃんは笑った。
「いいでしょ。まぁ、お互い素敵な彼氏がいて良かったよね」
「うん」
「じゃあ、行こうか」
電車に乗って、ショッピングセンターに行く。もう、夏だからか、水着がたくさん飾られていた。
「夏だね」
「うん、夏ね。というわけで、水着を買おう」
びしっと、彩月ちゃんが水着を指差した。
「えっ、でも、彩月ちゃんは去年着た水着があるんじゃ……」
私も去年着た水着があるから、買う必要はないよね? そういうと、彩月ちゃんは甘いわ、と言った。
「水着は毎年変えるものだよ」
えっそうなの? サイズが合わなくなったとかならともかく、そうじゃなきゃ、新しく買わないものかと思っていた。
「だって、小鳥遊先輩をどきどきさせたいでしょう?」
「う、うん。それはもちろん」
「そんな夏にピッタリのアイテムが水着なのよ」
そ、そうなんだ。でも、お兄ちゃんは受験生だし、夏はあまりお出かけできないんじゃないかな。
「そうね、受験生にとっても夏は大事だよ。でも、今年の夏は一度しかないのよ! 今、楽しまなきゃ。それとも、朱里は小鳥遊先輩とプール行きたくない?」
「……行きたい、です」
じゃあ、買おう。と、颯爽と彩月ちゃんは水着売り場を歩いていく。
「彩月ちゃーん」
「どうしたの? 朱里」
「なんていうか、ここは、私たちにはちょっと大人すぎかなぁーって」
彩月ちゃんが立ち止まったのは、なんとビキニのコーナーだった。さすがにビキニは、まだ早い。早いよね?
「私たちだって、女子高生なんだし、ビキニくらい普通だよ」
そういって、彩月ちゃんは私に白いフリルの水着を差し出した。
「これとか、朱里に似合うんじゃないかな?」
「ぬ、布面積がちょっと……」
その後もあれじゃない、これじゃない、と二人で、水着とにらめっこし、新たな水着を購入した。
ショッピングセンターから電車に乗って駅に戻り、彩月ちゃんと別れる。すると、ちょうどお兄ちゃんが迎えに来てくれた。
「お帰り、朱里」
「ただいま、お兄ちゃん」
お兄ちゃんが買い物袋に目を止めた。
「何買ったの?」
「……水着。だからね、もし、期末テストで、全部七十点以上とれたら、一緒にプールに行ってくれないかな?」
どきどきしながら、お兄ちゃんの返答を待つ。お兄ちゃんは、頷いた。
「もちろん、いいよ」
「本当?」
お兄ちゃんは、夏だし勉強で忙しいって断られるかと思ってた。私がそういうと、お兄ちゃんは笑った。
「受験生でも息抜きは必要だし、朱里の水着、見たいしね」
現状の私の体型は標準なので、そこまで期待のこもった目をされるような代物ではない。
「ダイエット、頑張るね……」
「ダイエットなんてしなくても、朱里は可愛いよ?」
「私が、気にするの!」
期末テストに向けて勉強と、プールに向けてダイエット。両方、頑張ろう。
0
お気に入りに追加
3,465
あなたにおすすめの小説
JC💋フェラ
山葵あいす
恋愛
森野 稚菜(もりの わかな)は、中学2年生になる14歳の女の子だ。家では姉夫婦が一緒に暮らしており、稚菜に甘い義兄の真雄(まさお)は、いつも彼女におねだりされるままお小遣いを渡していたのだが……
【短編】転生悪役令嬢は、負けヒーローを勝たせたい!
夕立悠理
恋愛
シアノ・メルシャン公爵令嬢には、前世の記憶がある。前世の記憶によると、この世界はロマンス小説の世界で、シアノは悪役令嬢だった。
そんなシアノは、婚約者兼、最推しの負けヒーローであるイグニス殿下を勝ちヒーローにするべく、奮闘するが……。
※心の声がうるさい転生悪役令嬢×彼女に恋した王子様
※小説家になろう様にも掲載しています
軽いノリでチョコレートを渡したら、溺愛されまして
夕立悠理
恋愛
──俺だってずっと、君をみてた。
高倉理沙(たかくらりさ)には好きな人がいる。一つ年上で会長をしている東藤隆(とうどうりゅう)だ。軽い気持ちで、東藤にバレンタインの友チョコレートをあげたら、なぜか東藤に好意がばれて、溺愛され──!?
さらには、ここが、少女漫画の世界で、理沙は悪役だということを思い出して──。
ヤンデレ腹黒先輩×顔がきつめの後輩
美人すぎる姉ばかりの姉妹のモブ末っ子ですが、イケメン公爵令息は、私がお気に入りのようで。
天災
恋愛
美人な姉ばかりの姉妹の末っ子である私、イラノは、モブな性格である。
とある日、公爵令息の誕生日パーティーにて、私はとある事件に遭う!?
猛禽令嬢は王太子の溺愛を知らない
高遠すばる
恋愛
幼い頃、婚約者を庇って負った怪我のせいで目つきの悪い猛禽令嬢こと侯爵令嬢アリアナ・カレンデュラは、ある日、この世界は前世の自分がプレイしていた乙女ゲーム「マジカル・愛ラブユー」の世界で、自分はそのゲームの悪役令嬢だと気が付いた。
王太子であり婚約者でもあるフリードリヒ・ヴァン・アレンドロを心から愛しているアリアナは、それが破滅を呼ぶと分かっていてもヒロインをいじめることをやめられなかった。
最近ではフリードリヒとの仲もギクシャクして、目すら合わせてもらえない。
あとは断罪を待つばかりのアリアナに、フリードリヒが告げた言葉とはーー……!
積み重なった誤解が織りなす、溺愛・激重感情ラブコメディ!
※王太子の愛が重いです。
おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます
ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。
そして前世の私は…
ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。
サロン勤めで拘束時間は長く、休みもなかなか取れずに働きに働いた結果。
貯金残高はビックリするほど貯まってたけど、使う時間もないまま転生してた。
そして通勤の電車の中で暇つぶしに、ちょろーっとだけ遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したっぽい?
あんまり内容覚えてないけど…
悪役令嬢がムチムチしてたのだけは許せなかった!
さぁ、お嬢様。
私のゴットハンドを堪能してくださいませ?
********************
初投稿です。
転生侍女シリーズ第一弾。
短編全4話で、投稿予約済みです。
[完結:1話 1分読書]幼馴染を勇者に寝取られた不遇職の躍進
無責任
ファンタジー
<毎日更新 1分読書> 愛する幼馴染を失った不遇職の少年の物語
ユキムラは神託により不遇職となってしまう。
愛するエリスは、聖女となり、勇者のもとに行く事に・・・。
引き裂かれた関係をもがき苦しむ少年、少女の物語である。
アルファポリス版は、各ページに人物紹介などはありません。
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
この物語の世界は、15歳が成年となる世界観の為、現実の日本社会とは異なる部分もあります。
逃げて、追われて、捕まって (元悪役令嬢編)
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で貴族令嬢として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
*****ご報告****
「逃げて、追われて、捕まって」連載版については、2020年 1月28日 レジーナブックス 様より書籍化しております。
****************
サクサクと読める、5000字程度の短編を書いてみました!
なろうでも同じ話を投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる