16 / 85
相談事
しおりを挟む
今日からまた、学校だ。一日頑張るぞ。登校は……うん。別々にすることは、半ば諦めている。でも、下校はほぼ別々だから、よしとしよう。
放課後、生徒会室に行く途中で、冴木先輩と出会った。冴木先輩も生徒会室に行く途中らしい。ついでに、お礼もいっておこう。
「冴木先輩、水族館のチケットありがとうございました」
私がそういうと、冴木先輩は首をかしげた。
「チケット?」
「え? だって、お兄ちゃんが冴木先輩からもらったって──」
「あ、ああー、うん、そう、そう、そういえば、優にチケットあげたわ!」
なぜか、冴木先輩は目をそらしながら、そう言った。
「どうだった?」
「とても楽しかったです!」
水族館の思い出を話していると、あっという間に生徒会室についた。
仕事は前と同じ、生徒総会の書類の作成だ。愛梨ちゃんは、できるだけ、パソコンなどの機器から離れた場所で書類の整理を任されていた。
今日も何度か危うい場面もあったけれど、大きな問題に発展することなく一日が終わった。
じゃあ、そろそろ帰ろうかな。
帰りの支度を整えていると、愛梨ちゃんに話しかけられた。
「今日は、お話できる?」
相変わらず、笑顔が眩しい。特に断る理由もなかったので頷くと、この前彩月ちゃんといった喫茶店に行くことになった。
喫茶店でそれぞれ注文すると、愛梨ちゃんはきらきらした瞳で話し出した。
「早速だけど、小鳥遊先輩って、家ではどんな感じなの?」
やっぱり、用件はお兄ちゃんのことか。だって、夢中なんだもんね。当然か。
「学校にいるときと、そんなに変わらないよ」
優しくて、笑顔が素敵な良いお兄ちゃんだ。そういうと、愛梨ちゃんは羨ましそうな顔をした。
「いいなぁ、小鳥遊先輩がお兄ちゃんだったら、絶対毎日が楽しいよね」
「うん」
ちょっと過保護だけど。あれだけいったのに、未だなんだかんだ言って、登校は一緒だし。
「小鳥遊先輩の好きな食べ物ってなに?」
「うーん」
お兄ちゃん基本的に、好き嫌いないからなぁ。でも、強いて言うなら。
「甘いもの、かな」
はっきりと甘いものを好きだといったことはないけれど、甘いものを食べているときはいつもより表情が柔らかい気がする。
「えっ、先輩甘いもの好きなの? 可愛い! 今度クッキーつくって持っていこうかな」
確か、愛梨ちゃんって、本人には自覚がないけれど、料理が下手な設定があった気がするけど、大丈夫だろうか。
その後も、愛梨ちゃんから質問を受け、それに淡々と答えるという時間が続き──
「?」
どうしたんだろう。急に愛梨ちゃんがもじもじとし始めた。お手洗いだろうか。そんなことをぼんやりと考えていると、愛梨ちゃんは意を決したように、ぎゅっと手を握りしめた。
「あのっ! もう、薄々気づいてるかもしれないけど、私、小鳥遊先輩のことが好きなの。……だから、協力してもらえないかな?」
放課後、生徒会室に行く途中で、冴木先輩と出会った。冴木先輩も生徒会室に行く途中らしい。ついでに、お礼もいっておこう。
「冴木先輩、水族館のチケットありがとうございました」
私がそういうと、冴木先輩は首をかしげた。
「チケット?」
「え? だって、お兄ちゃんが冴木先輩からもらったって──」
「あ、ああー、うん、そう、そう、そういえば、優にチケットあげたわ!」
なぜか、冴木先輩は目をそらしながら、そう言った。
「どうだった?」
「とても楽しかったです!」
水族館の思い出を話していると、あっという間に生徒会室についた。
仕事は前と同じ、生徒総会の書類の作成だ。愛梨ちゃんは、できるだけ、パソコンなどの機器から離れた場所で書類の整理を任されていた。
今日も何度か危うい場面もあったけれど、大きな問題に発展することなく一日が終わった。
じゃあ、そろそろ帰ろうかな。
帰りの支度を整えていると、愛梨ちゃんに話しかけられた。
「今日は、お話できる?」
相変わらず、笑顔が眩しい。特に断る理由もなかったので頷くと、この前彩月ちゃんといった喫茶店に行くことになった。
喫茶店でそれぞれ注文すると、愛梨ちゃんはきらきらした瞳で話し出した。
「早速だけど、小鳥遊先輩って、家ではどんな感じなの?」
やっぱり、用件はお兄ちゃんのことか。だって、夢中なんだもんね。当然か。
「学校にいるときと、そんなに変わらないよ」
優しくて、笑顔が素敵な良いお兄ちゃんだ。そういうと、愛梨ちゃんは羨ましそうな顔をした。
「いいなぁ、小鳥遊先輩がお兄ちゃんだったら、絶対毎日が楽しいよね」
「うん」
ちょっと過保護だけど。あれだけいったのに、未だなんだかんだ言って、登校は一緒だし。
「小鳥遊先輩の好きな食べ物ってなに?」
「うーん」
お兄ちゃん基本的に、好き嫌いないからなぁ。でも、強いて言うなら。
「甘いもの、かな」
はっきりと甘いものを好きだといったことはないけれど、甘いものを食べているときはいつもより表情が柔らかい気がする。
「えっ、先輩甘いもの好きなの? 可愛い! 今度クッキーつくって持っていこうかな」
確か、愛梨ちゃんって、本人には自覚がないけれど、料理が下手な設定があった気がするけど、大丈夫だろうか。
その後も、愛梨ちゃんから質問を受け、それに淡々と答えるという時間が続き──
「?」
どうしたんだろう。急に愛梨ちゃんがもじもじとし始めた。お手洗いだろうか。そんなことをぼんやりと考えていると、愛梨ちゃんは意を決したように、ぎゅっと手を握りしめた。
「あのっ! もう、薄々気づいてるかもしれないけど、私、小鳥遊先輩のことが好きなの。……だから、協力してもらえないかな?」
応援ありがとうございます!
1
お気に入りに追加
3,459
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる