19 / 101
五人の共通点
しおりを挟む
「あまり重く見てやるな。子供のしたことだよ。……そうだな。少々残酷だが、外国に売られてしまったんじゃないか」
「そうでしょうか。人を何人も船や車に乗せるのは、とても目立ちます。誘拐事件が起こってからは人目も厳しくなりましたし、普通の船なら必ず分かるでしょう」
「ほう。ならば、君の見解はどうだい」
「犯人とされたハーフエルフの顔は、見た人間によって全く造形が違います。これは、事件ごとに異なる者が子供をさらっているとみるべきでしょう。いくら個々の犯人を追っていても無駄なことです」
卿はそれを聞き、軽く顎に手を当てた。
「しかしそれなら、最低でも犯人は五人いることになるね。悪いが、そんな偶然があるとは思えない」
「黒幕がいると考えればどうでしょう。個々の犯人は名前も顔も知らないが、彼らを何らかの理由をつけて集め──全員を操っている黒幕がいるとしたら」
少女の考えていることが分かって、愛生は絶句した。
「君の考えは面白いが、最初の事件があったのは一年も前だ。それほどの長期に及んで、犯人をかばい通すなんてことはできるのかな」
「普通の人なら無理でしょうね……莫大な収入があり、味方がたくさんいて、これくらいの敷地をお持ちなら、話は別ですが。案外、卿なら犯人をご存じなのではないですか?」
娘は嫌味を言った。目にありありと侮蔑の感情が出ていて、明らかに頭に血が昇っている様子だ。
卿は驚きの表情を浮かべ、妻は一瞬不快そうに顔をしかめる。しかし二人とも、すぐに表情を戻した。
「面白い冗談だね。残念ながら、私は大半の子供には興味が無くてね。知的な会話ができない相手は、ここにいたとしても、すぐに帰っていただくだろう。それが一番、手間がかからない」
低い声で笑う卿を、少女はまだにらみつけている。周囲は困惑していて、諭す者もなかった。
「でも……」
「知っているだろう? 私は弁護士。厄介ごとは際限なく向こうからやってくる。わざわざ、自分で生み出すなんてごめんだな。これで答えになったかい?」
そう言って皮肉な顔になった後、卿はつけ加えて言った。
「犯人がいつ凶暴になるかわからない。この前さらわれた子はじめ、皆が無事に発見されるよう、祈っているよ」
卿はこれ以上相手をする気はないようで、少女に完全に背を向けた。何を言われても、頑なにこちらを向こうとはしない。
少女は音をたてて走り去った。周囲の大人たちは目を見開き、口々に囁き合う。
「無茶苦茶なことするな。子供といえど許されん」
「あんな躾の悪い娘、どうして野放しにしておきますの?」
「……どこか、大きな家のコネがあるのか?」
訝しみ、無駄な推測が流れる中、愛生はそろそろと会場から遠ざかり始めた。ソフィアは苦い顔でそれを見ていたが、制止しようとはしなかった。
「何て勝手なことをしてくれた……」
愛生は大急ぎで少女を追いかけた。よりにもよって卿が犯人と、本人に直接言うなんて。もし本当にそうだったら、どうするつもりなのだ。
相手がいかになりふり構わず走ろうとも、大人と子供の脚力はまるで違う。必ず追いつけるはずだった。
広間の北側にあるポーチから屋敷を出て、庭の隅へ走り出る。外と屋敷を隔てる塀まではかなり距離があって、芝生の中に道がついている。
その道を辿った先、庭男が使う納屋の横に、少女はうずくまっていた。夜の闇の中、背中を丸めると、小さい体がいっそう縮んで見える。
「ここは泥で汚い。綺麗なドレスが汚れるぞ」
息を整えた愛生が言うと、少女はかぶりを振った。放って置いてくれ、というサインだ。しばらくして、龍も追いついてくる。
愛生たちがしつこく横に座っていると、少女がようやく顔を上げた。
「……なんだ、探偵のあんたか。普通の人間じゃなさそうだったけど、結局みんなと一緒ね。卿に媚びを売って、気に入られるためにこんなところまで来て」
「勝手に判断するな。俺だって思うところがあってここに来てる」
少女は、どうだか、と言いたげに首をかしげた。
「妙な行動をすると思ったら……あいつを疑ってるのか?」
愛生が言うと、少女は抗議の視線を向けてきた。
「疑っているんじゃないわ、犯人よ。あいつは人殺しなのよ」
これはまた蛇蝎のごとく嫌っているものだ。愛生はじっと少女を見ながら続きの言葉を待つ。
「適当に罪をきせようとしてるんじゃないって言うなら、証拠を見せてみろ」
「……あるけど、私が持ってないもの。あいつ、ずーっと手袋してるでしょう?」
「それは身だしなみとして当然じゃないのか」
「普通の人ならね。あいつは右手全体に、火傷の痕があるのよ」
それとこれとがどうつながるのか分からず、愛生は首をひねった。
「私は西側に住む友達から話を聞いたの」
「そもそも、なんで西側出身の子と知り合った? 接点がないだろう」
「ある夜、仕事が終わった後、みんなで東側に遊びに行こうってことになって」
「そう簡単に東側に入れるとは思えないが」
愛生は、自分が門で受けたチェックを思い出していた。基本的に通ろうとしている人間は全て声をかけられ、壁の内部の詰め所で持ち物や来歴を調べられる。子供が悪戯でどうにかできるとは思えなかった。
「門を通ろうとすればね。東側の外壁だって広いもの、ひと一人が抜けられるくらいの穴があったのよ」
「抜け穴だと?」
愛生が顔をしかめる。
「かなり前からあったみたいよ。もともと、私がその穴を使って西側に遊びに行ってたんだから」
少女はしれっととんでもないことを言う。
「習い事、行儀作法、将来の結婚相手……我慢させられることばっかりで、イヤになっちゃって。夜に屋敷を抜け出してうろうろしてたら、西側の子たちと仲良くなったの」
全く違う生活だったが、だからこそ互いが珍しかった。最初は照れもあったけれど、打ち解けてしまうと、子供たちは兄妹のように団子になって遊んでいた。
「遊ぶのはいつも西側だったけど、たまには東も見てみたいって言うから……私が抜け穴のことを教えたの」
子供たちは最初はびっくりしていたが、少女に手伝われ、何回か往復するにつれて大胆になっていった。徐々に東側の街を探索していき、街外れにまで到達するようになった頃──事件が起こる。
「その日、私は親に見つかってしまって行けなかったんだけど。街外れに、大きな鏡があるって……誰かが見つけてきた」
その言葉は嘘ではなかった。試しに覗きに行ってみると、ハーフエルフたちが、必死の形相で大きな鏡を台にたてかけているところだった。そしてその鏡面に向かって、なにやらハーフエルフたちがつぶやくと──
「右手に火傷のある男が……鏡の中から現れた?」
わけがわからない。遊興だったとしても、そんな話は聞いたことがなかった。ファンタジー寄りの世界だから、そういう不思議な鏡があってもおかしくはないが。
「信じられないでしょ。でも、さらに続きがあるのよ。男の後からぞろぞろ、鍋を抱えた使用人みたいな連中もやって来て……それがみんな、下半身が蛇の怪物なの」
「見間違いじゃないのか」
「本当よ。その場にいた五人、みんなが見たんだから。怪物が持ってた壺からなんだか酸っぱい、変な臭いがしたとも言ってた。ずっといたら毒かもしれないって誰かが言い出して、あわてて帰ってきたみたいだけど……」
街の隅の森、そこで夜中に運ばれてきた不思議な鏡にかき回される壺、怪しげな怪物たち。実際出くわしたら恐怖で寿命が縮みそうだ。一体何が行われていたのだろう。何を企んでいたのだろう。
「その五人は今どうしてる? 元気なのか?」
「……五人とももういない。誘拐されたの」
「まさか……」
誘拐された子供たちにそんな共通点があったとは。
「みんな怯えてた。けど、誰にも言えなかった。言ったら、あの化け物が殺しに来るかもしれないから……忘れるって約束した。でも、それでも、さらわれた。もうきっと殺されてる。私のせいだ。私が抜け穴の存在なんか教えたから!」
「無茶苦茶言うな。悪いのは──」
険しい顔で言う少女をなだめようとした愛生だったが、それがさらに激しい感情を呼び起こした。
「じゃあ、あの子たちが悪いって? 何したっていうのよ。仕事が忙しくて、毎日は遊べなくて……やっと予定が合うのが夜しかなくて、たまたま遊びに出て怪しげなものを見た、それが殺される理由になるわけないじゃない!」
龍が首を横に振った。
「あなたも子供たちも誰も悪くない。悪いのは犯人。それ以外にありますか?」
龍が妹を諭すように言った。
少女は声を嗚咽に変えてしゃがみこむ。憎しみの重さに耐えかねて、今にも潰れてしまいそうに見えた。
きっと、後悔していた。友人の残した証言の手がかりを、ずっと探していて。ずっと疑念を胸の中でたぎらせて。だからやっと見つけた卿に対して、あんな見え見えの敵意を発してしまった。
しかし、その証拠を白日のもとに晒すのはかなり難しい。万が一火傷の痕を見せてくれたとしても、その男と同一であると証言できる者がいない。卿が獣のような男だとしたら、もう子供たちは殺されてしまっているだろうし。
「ちょっとその手で証明は難しいだろうなあ」
「私が嘘をついてるって言いたいの」
少女は気色ばんで拳を握る。愛生は哀れみの視線を向けた。
「それは嘘じゃないと思う。ただ、あれだけの有名人で、君より遥かに上手だ。面の皮も厚く、うっかり口を滑らせるなんてこともないだろう。すぐにどうこうしてくることはないだろうけど、これ以上やるなら攻め方は考えないとな」
「そうでしょうか。人を何人も船や車に乗せるのは、とても目立ちます。誘拐事件が起こってからは人目も厳しくなりましたし、普通の船なら必ず分かるでしょう」
「ほう。ならば、君の見解はどうだい」
「犯人とされたハーフエルフの顔は、見た人間によって全く造形が違います。これは、事件ごとに異なる者が子供をさらっているとみるべきでしょう。いくら個々の犯人を追っていても無駄なことです」
卿はそれを聞き、軽く顎に手を当てた。
「しかしそれなら、最低でも犯人は五人いることになるね。悪いが、そんな偶然があるとは思えない」
「黒幕がいると考えればどうでしょう。個々の犯人は名前も顔も知らないが、彼らを何らかの理由をつけて集め──全員を操っている黒幕がいるとしたら」
少女の考えていることが分かって、愛生は絶句した。
「君の考えは面白いが、最初の事件があったのは一年も前だ。それほどの長期に及んで、犯人をかばい通すなんてことはできるのかな」
「普通の人なら無理でしょうね……莫大な収入があり、味方がたくさんいて、これくらいの敷地をお持ちなら、話は別ですが。案外、卿なら犯人をご存じなのではないですか?」
娘は嫌味を言った。目にありありと侮蔑の感情が出ていて、明らかに頭に血が昇っている様子だ。
卿は驚きの表情を浮かべ、妻は一瞬不快そうに顔をしかめる。しかし二人とも、すぐに表情を戻した。
「面白い冗談だね。残念ながら、私は大半の子供には興味が無くてね。知的な会話ができない相手は、ここにいたとしても、すぐに帰っていただくだろう。それが一番、手間がかからない」
低い声で笑う卿を、少女はまだにらみつけている。周囲は困惑していて、諭す者もなかった。
「でも……」
「知っているだろう? 私は弁護士。厄介ごとは際限なく向こうからやってくる。わざわざ、自分で生み出すなんてごめんだな。これで答えになったかい?」
そう言って皮肉な顔になった後、卿はつけ加えて言った。
「犯人がいつ凶暴になるかわからない。この前さらわれた子はじめ、皆が無事に発見されるよう、祈っているよ」
卿はこれ以上相手をする気はないようで、少女に完全に背を向けた。何を言われても、頑なにこちらを向こうとはしない。
少女は音をたてて走り去った。周囲の大人たちは目を見開き、口々に囁き合う。
「無茶苦茶なことするな。子供といえど許されん」
「あんな躾の悪い娘、どうして野放しにしておきますの?」
「……どこか、大きな家のコネがあるのか?」
訝しみ、無駄な推測が流れる中、愛生はそろそろと会場から遠ざかり始めた。ソフィアは苦い顔でそれを見ていたが、制止しようとはしなかった。
「何て勝手なことをしてくれた……」
愛生は大急ぎで少女を追いかけた。よりにもよって卿が犯人と、本人に直接言うなんて。もし本当にそうだったら、どうするつもりなのだ。
相手がいかになりふり構わず走ろうとも、大人と子供の脚力はまるで違う。必ず追いつけるはずだった。
広間の北側にあるポーチから屋敷を出て、庭の隅へ走り出る。外と屋敷を隔てる塀まではかなり距離があって、芝生の中に道がついている。
その道を辿った先、庭男が使う納屋の横に、少女はうずくまっていた。夜の闇の中、背中を丸めると、小さい体がいっそう縮んで見える。
「ここは泥で汚い。綺麗なドレスが汚れるぞ」
息を整えた愛生が言うと、少女はかぶりを振った。放って置いてくれ、というサインだ。しばらくして、龍も追いついてくる。
愛生たちがしつこく横に座っていると、少女がようやく顔を上げた。
「……なんだ、探偵のあんたか。普通の人間じゃなさそうだったけど、結局みんなと一緒ね。卿に媚びを売って、気に入られるためにこんなところまで来て」
「勝手に判断するな。俺だって思うところがあってここに来てる」
少女は、どうだか、と言いたげに首をかしげた。
「妙な行動をすると思ったら……あいつを疑ってるのか?」
愛生が言うと、少女は抗議の視線を向けてきた。
「疑っているんじゃないわ、犯人よ。あいつは人殺しなのよ」
これはまた蛇蝎のごとく嫌っているものだ。愛生はじっと少女を見ながら続きの言葉を待つ。
「適当に罪をきせようとしてるんじゃないって言うなら、証拠を見せてみろ」
「……あるけど、私が持ってないもの。あいつ、ずーっと手袋してるでしょう?」
「それは身だしなみとして当然じゃないのか」
「普通の人ならね。あいつは右手全体に、火傷の痕があるのよ」
それとこれとがどうつながるのか分からず、愛生は首をひねった。
「私は西側に住む友達から話を聞いたの」
「そもそも、なんで西側出身の子と知り合った? 接点がないだろう」
「ある夜、仕事が終わった後、みんなで東側に遊びに行こうってことになって」
「そう簡単に東側に入れるとは思えないが」
愛生は、自分が門で受けたチェックを思い出していた。基本的に通ろうとしている人間は全て声をかけられ、壁の内部の詰め所で持ち物や来歴を調べられる。子供が悪戯でどうにかできるとは思えなかった。
「門を通ろうとすればね。東側の外壁だって広いもの、ひと一人が抜けられるくらいの穴があったのよ」
「抜け穴だと?」
愛生が顔をしかめる。
「かなり前からあったみたいよ。もともと、私がその穴を使って西側に遊びに行ってたんだから」
少女はしれっととんでもないことを言う。
「習い事、行儀作法、将来の結婚相手……我慢させられることばっかりで、イヤになっちゃって。夜に屋敷を抜け出してうろうろしてたら、西側の子たちと仲良くなったの」
全く違う生活だったが、だからこそ互いが珍しかった。最初は照れもあったけれど、打ち解けてしまうと、子供たちは兄妹のように団子になって遊んでいた。
「遊ぶのはいつも西側だったけど、たまには東も見てみたいって言うから……私が抜け穴のことを教えたの」
子供たちは最初はびっくりしていたが、少女に手伝われ、何回か往復するにつれて大胆になっていった。徐々に東側の街を探索していき、街外れにまで到達するようになった頃──事件が起こる。
「その日、私は親に見つかってしまって行けなかったんだけど。街外れに、大きな鏡があるって……誰かが見つけてきた」
その言葉は嘘ではなかった。試しに覗きに行ってみると、ハーフエルフたちが、必死の形相で大きな鏡を台にたてかけているところだった。そしてその鏡面に向かって、なにやらハーフエルフたちがつぶやくと──
「右手に火傷のある男が……鏡の中から現れた?」
わけがわからない。遊興だったとしても、そんな話は聞いたことがなかった。ファンタジー寄りの世界だから、そういう不思議な鏡があってもおかしくはないが。
「信じられないでしょ。でも、さらに続きがあるのよ。男の後からぞろぞろ、鍋を抱えた使用人みたいな連中もやって来て……それがみんな、下半身が蛇の怪物なの」
「見間違いじゃないのか」
「本当よ。その場にいた五人、みんなが見たんだから。怪物が持ってた壺からなんだか酸っぱい、変な臭いがしたとも言ってた。ずっといたら毒かもしれないって誰かが言い出して、あわてて帰ってきたみたいだけど……」
街の隅の森、そこで夜中に運ばれてきた不思議な鏡にかき回される壺、怪しげな怪物たち。実際出くわしたら恐怖で寿命が縮みそうだ。一体何が行われていたのだろう。何を企んでいたのだろう。
「その五人は今どうしてる? 元気なのか?」
「……五人とももういない。誘拐されたの」
「まさか……」
誘拐された子供たちにそんな共通点があったとは。
「みんな怯えてた。けど、誰にも言えなかった。言ったら、あの化け物が殺しに来るかもしれないから……忘れるって約束した。でも、それでも、さらわれた。もうきっと殺されてる。私のせいだ。私が抜け穴の存在なんか教えたから!」
「無茶苦茶言うな。悪いのは──」
険しい顔で言う少女をなだめようとした愛生だったが、それがさらに激しい感情を呼び起こした。
「じゃあ、あの子たちが悪いって? 何したっていうのよ。仕事が忙しくて、毎日は遊べなくて……やっと予定が合うのが夜しかなくて、たまたま遊びに出て怪しげなものを見た、それが殺される理由になるわけないじゃない!」
龍が首を横に振った。
「あなたも子供たちも誰も悪くない。悪いのは犯人。それ以外にありますか?」
龍が妹を諭すように言った。
少女は声を嗚咽に変えてしゃがみこむ。憎しみの重さに耐えかねて、今にも潰れてしまいそうに見えた。
きっと、後悔していた。友人の残した証言の手がかりを、ずっと探していて。ずっと疑念を胸の中でたぎらせて。だからやっと見つけた卿に対して、あんな見え見えの敵意を発してしまった。
しかし、その証拠を白日のもとに晒すのはかなり難しい。万が一火傷の痕を見せてくれたとしても、その男と同一であると証言できる者がいない。卿が獣のような男だとしたら、もう子供たちは殺されてしまっているだろうし。
「ちょっとその手で証明は難しいだろうなあ」
「私が嘘をついてるって言いたいの」
少女は気色ばんで拳を握る。愛生は哀れみの視線を向けた。
「それは嘘じゃないと思う。ただ、あれだけの有名人で、君より遥かに上手だ。面の皮も厚く、うっかり口を滑らせるなんてこともないだろう。すぐにどうこうしてくることはないだろうけど、これ以上やるなら攻め方は考えないとな」
0
お気に入りに追加
4
あなたにおすすめの小説
ARIA(アリア)
残念パパいのっち
ミステリー
山内亮(やまうちとおる)は内見に出かけたアパートでAR越しに不思議な少女、西園寺雫(さいおんじしずく)と出会う。彼女は自分がAIでこのアパートに閉じ込められていると言うが……

百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
ゆうべには白骨となる
戸村井 美夜
キャラ文芸
誰も知らない「お葬式の裏側」と「日常の謎」を題材とした推理小説の二本立て。
どちらからお読み頂いても大丈夫です。
【ゆうべには白骨となる】(長編)
宮田誠人が血相を変えて事務所に飛び込んできたのは、暖かい春の陽射しが眠気を誘う昼下がりの午後のことであった(本文より)――とある葬儀社の新入社員が霊安室で目撃した衝撃の光景とは?
【陽だまりを抱いて眠る】(短編)
ある日突然、私のもとに掛かってきた一本の電話――その「報せ」は、代わり映えのない私の日常を、一変させるものだった。
誰にでも起こりうるのに、それでいて、人生で何度と経験しない稀有な出来事。戸惑う私の胸中には、母への複雑な想いと、とある思惑が絶え間なく渦巻いていた――
ご感想などお聞かせ頂ければ幸いです。
どうぞお気軽にお声かけくださいませ。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる