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キラキラ

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地味に発展していくワタシの生活文明度合い。
正直、まだ「文化」と言えるほどのものはないのだが、それでも多分数千年、あるいは数万年の過程をすっ飛ばしてきていることだろう。
自分でも驚いた事に、前々世の義務教育や子供向けの催しなんかで、これは無駄だろ、と思っていたような事の断片が積み重なって、イマココで役にたっている。

……生まれ変わって、やっとかよ……。(※本音)

歴史年表の欄外こぼれ話としてキャプションされていたような、雑学レベルのあれやこれやが活きてきてはいるけれど、どうせなら、まずはそっちの人生で役立っておいてほしかった。

とりあえず、何となくだが石器時代の黎明期から数年足らずで縄文時代へ、同時進行で弥生時代に差し掛かっているワタシに立ち塞がる課題は、アレだ。
日本の歴史的には海外から伝播したらしき、金属の精錬という超難題である。

これがゲームや、その辺から派生した物語の世界だと、金属は魔物がドロップしたり、探検中に拾えたり、錬金スキルとかで抽出できたりするのが常だ。
だがこの世界では、今のところそういった事象は微塵も見られない。

さて、金属の歴史ってどんな感じだったっけ?

真っ先に思い浮かぶのは青銅器だ。
派生した文明によっては青銅器と鉄器が被ったりしてはいたが、最初は、融点の低い金属から始まったに違いない。
銅と、それよりも融点の低い錫、この2つを混ぜて作られたのが青銅だったはずだ。
その混合比率によって色や強度が変わる非常に便利な金属で、銀色に輝く刃から、赤銅、硬度は劣るが黄金色に輝く砲金まで、変幻自在で貴重な素材でありながら、やがて全てが等しく青緑色に錆びて行くという因果な金属、青銅。

そもそも銅は、土器を焼く過程でカマドの石組から熔け出し、灰の中に紛れていた事から発見されたのだったっけ?

簡単に熔ける錫は、前々世での幼少時代には庶民の金属として、鍋修理の鋳掛けに使われていたりした。

鉄に至っては最初は隕石からしか採れず、青銅精錬技術の向上に伴って炉の高温化が進んだ事で、精製が可能となったはず。

鉄を熔かすには1000度では足りないとはしばしば耳にしたものだが、銅って何度で熔けたっけ?
土器の焼成温度って、要は焚き火の温度以下のはず。
焚き火の着火には200度以上必要で、安定した炎は7~800度ほど。
それで熔け出すというのだから、本当にありがたい金属である。

そんなわけで、ワタシは鉱石っぽく見える石を見つけてはカマドに放り込んでおく事にしている。
頻繁に土器も焼いているので、ほぼずっと火を絶やしてはいないのだ。
おかげで、土器製作技術は結構な向上を遂げている。
粘土の質や砂の混合比率なんかも見極められるようになってきている。
素材の探索過程で、緑青らしき色の浮いた石はちょくちょく見かけたため、この金属抽出プロジェクト、勝算は結構アリと見ている。

毎日のように灰を掻き分け、キラキラしたいびつな塊がないかどうかを確認してみているが、金属たるもの、そう簡単に滲み出す物ではないだろうなあ……。

とりあえず、鋳型を作る練習をしておこう。
砂で作るとは聞いたことがあったけど、それだと、鍋みたいに窪みがあるものは作りにくい。
銅板なら叩いて形成できるはずだけど。
砂を多めに混ぜた粘土を乾かして削ってみるのも良いかもしれない。
時間だけはたっぷりあるので、思い付いた事は一通りやってみればいいんだし。



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