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番外編の最終章 最悪なるアンドロイドの誕生!

第六十二話 地球の存続をかけた戦い?

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オレは、宮殿の中を散策し、あっという間に二時間が過ぎる。
突然、エリスに呼ばれたかと思うと、元の大広間に戻って来ていた。
どうやら、ワープ能力を応用した移動システムらしい。
宮殿の中ならば、どこに逃げても呼び戻されてしまうらしい。

 「くっ、ここは、元の大広間か?
こうやって逃さない様にしていたんだな。
だから単独行動も簡単に許したのか、恐るべき奴だ!」

お風呂に入り、着替えを済ませたエリスは、ゆっくりとオレに近付いてきた。
色仕掛けのつもりなのか、胸の大きく開いた服を着て、スカートは動き易いものにして来ていた。
真槍ちゃんのオッパイに見慣れている以上、オレにそんな汚い手は通用しない。

「ふっ、実力では勝てないからと、薄着で動き易いドレスにして着たようだが、その様な色仕掛けはオレには通用しないぞ!
その綺麗な服を、このレイピアでビリビリに脱がしてやる。
泣いて許しをこうが良い!」

そう言うオレの鼻からは血が出ていた。
いくら鍛えても鼻の粘膜だけは強くならない。
そこを攻撃して来るとは、恐ろしい奴だ。
エリスも気が付いたのか、ティッシュを貸し出して来た。

「ふふ、やはりこの姿に興奮しますか?
中々に良い体でしょう、妾が欲しくなったのも分かるというもの。
しかし、勝負前に貧血で倒れられても困りますね。
根性のない男に抱かれるなど妾もお断りです。

これを見なさい、ブラックホールはこの体に組み込まれた次元能力です。
つまり、妾も自由に操作できるという事です。
お前が、いえ、夫婦になるのならば、あなたが適切ですかね。
あなたが不甲斐ない男ならば、失望して地球に落としてしまうかもしれないですね。

十回、妾に敗北したとしても立ち上がって来たら地球を滅ぼすのをやめましょう。
もちろん、それで妾との結婚する権利を勝ち取ったという事です。
後は、あなたがその結婚を素直に認めるだけです。
妾に一回でも勝てれば、あなたのご希望通りの結果に致しましょう。
これは、フェアな戦いですよ!」

こう言うエリスだったが、これには恐るべき心理戦術が組み込まれていた。
すでにエリスはオレの情報を読み取り、攻撃パターンや行動パターンを分析し尽くしていた。
生身の体でエリスに勝てる者など、存在し得ないのだ。

(ふふ、妾は史上最強の戦闘力を誇っています。
アンドロイドの筋力と次元能力、人間の脳を使った究極の頭脳、パソコンが人間に勝てない世界はすでに終了しているのですよ。
今は、アンドロイドの方がはるかに強くなっているのです。

地球を守るという大役を果たせば、妾に勝てなくても仕方ないと納得するでしょう。
さすれば、自分で勝手に完結し始め、光宮冷菓の体を妾に差し出すだろう。
別に、冷菓が死ぬわけではないし、エリスに勝つのは不可能だ。
これが、最善の選択なんだと言い訳してね。

まあ、実際にそれしか方法が存在しませんからね。
嫌々でも納得してもらうしかありません。
妾が光宮冷菓を乗っ取り、行く行くはこの体に近い容姿と頭脳を持つ娘を乗っ取るまでの計画です。

黒沢勝昭の実験により、冷菓の体に宿る子供は特別な生命体となる。
美しく異形な体を得て、この世界を牛耳るのも一興というもの。
その為には、父親である光宮マモルを納得させるのが第一段階です。
もしも、不甲斐ないダメ男だったなら、疲れたところをブラックホールで消滅させて、新たな男性を探すだけですからね。

光宮マモルを失った冷菓など、妾の敵ですらない。
まあ、光宮マモルに説得されて、嫌々従う冷菓を操るのも強姦しているような気分を味わえて気分が良いですけどね。
ふふ、いずれにしても楽しみは待っているというものです)

「さて、準備はよろしいですか?
手加減は一切無用ですよ!
殺す気で来てくださって結構です。
まあ、可愛いこの体では、本気が出せないかな♡」

「ふん、その邪魔なドレスを剥ぎ取り、セクシーな体を露わにしてやるぜ!
多少傷付くかもしれないが、悪く思うなよ。
ゆたかの様に、脱がす技は苦手だからな!」

オレとエリスの激しい戦いが始まった。
最初は剣を合わせたが、次第にエリスの動きが早くなり、オレが翻弄し始めていた。
使い慣れない武器の為に、オレは徐々に傷付いて行く。
トンと音がすると、エリスの剣がオレの胸に刺さっていた。

「ふふ、弱過ぎるわ。
さようなら、マモル」
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