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第八章 極限のサバイバル 食材争奪戦!

第八章のプロローグ 子猫(コニャン)先生の課外授業 特別編

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 光宮冷菓が入学して、オレ達の班に入る。

何となくゆたかと仲が悪い感じがするが、今日はオレと冷菓とゆたかの三人で、コンビニの仕事を手伝う。
所謂、課外授業という物だ。

最近は、社会に適用できるように、こうしたアルバイトの仕事を授業に取り入れている高校も多い。
給料ももらえるそうだし、将来的にも悪くはないだろう。

しかし、今回は店長が病気の為に、代わりの先生が来るという。
光子先生は、代わりの先生を連れて来てくれた。
そして、簡単に紹介してくれる。

「はーい、注目! 
こちらが、伝説の週刊少年ニャンプを売り切ったという伝説の猫『シャ―ケット・ネコーズ』先生です。

ネコーズ先生は、週刊少年ニャンプが発売された日には、十二時間もコンビニに居続けるつわものです。

その人々の行動を観察し、不可能とまで言われたニャンプ売り切れを達成された猫様なのです。

別次元から、わざわざタイムワ―プをして来てくださいました。
では、後はネコーズ先生にお任せします」

「ウム、ビニコン(コンビニをちょっとカッコ良くした言い方)のバイトとは、ちょっと低く見られがちな商売だが、実際には経済にとってとても重要となる。

考えても見るニャン! 
どこの国にもビニコンは存在し、様々な商品を扱っている。
言わば、経済の中心地と言っても過言ではない。

それを上手く売るのが経済を潤すのだ! 
しかし、人間どもは愚かなので、それを全く理解せず、短期バイトに頼っている。
だから商品は売れず、寿司やおにぎりが売れ残るのだ! 

見た目は子猫、頭脳は世界大統領レベル。
その名は、名店長の子猫(コニャン)! 
というわけで、子猫(コニャン)店長と呼ぶニャン!」

「どうでも良いけど、週刊少年ニャンプって、結構売れ筋商品だよね。
運が良かっただけなんじゃ……」

ゆたかは、愚かにも子猫(コニャン)先生に文句を言い始めた。

「黙れ、小娘! 
できの悪いビニコンは、週刊少年ニャンプを十冊以上売れ残すニャン!
さらに、高校生の多い地域でも、僕以外は良くて三冊、悪ければ六冊は売れ残すニャン!

このわずかな差が、全国にどれだけ影響すると思っているんだ! 
ト―シロ―(素人をカッコ良く言った言い方)は、黙ってろ!」

子猫(コニャン)店長の説明に、さすがのゆたかも黙る。
果たして、ニャンプをどのようにして売り切れにしたというのだろうか? 
オレも気になり始めていた。

もしも、全国のコンビニの週刊少年ニャンプが良く売れる様になれば、漫画界の経済さえも操れる大事業なのだ。
金の欲しいオレ(作者も)としても、放っておくわけにはいかない。

 子猫(コニャン)店長は、接客の訓練をし始める。

「まずは、このコスチュームに着替えるニャン! 
男子は、清潔で地味な服。女子は、アイドルが宣伝した服を着るニャン。

本来なら、メイド服やコスプレ衣装など批判の対象になるが、宣伝でアイドルが着る事によって、あー、あの制服可愛い♡ 着てみたい、働きたいとブランド志向になるニャン。

女子高生などが学校を選ぶ場合、学校の制服が可愛いということも重要なポイントになって来る。
もちろん、それ以外も重要だが、可愛い衣装は男性も女性も虜にするニャン。

そして、スーパーやビニコンの即戦力は、中年女性にある。
さすがに、中年女性と女子高生を全く同じ制服にする事は出来ない。
そこで、中年女性には、ある程度の工夫が必要になる。

それが、教師系のコスプレやスチュワーデス風のコスプレだニャン! 
ちょっと年齢は、いっているけど、セクシーさと大人の色気を醸し出す事によって、女子高生バイトに対抗するニャン。

これも、美月ありさとか、黒木瞳などの美女を宣伝する事により、中年女性の魅力を引き出すんだニャン。
これで、ビニコンの経済効果は、十倍以上に跳ね上がる計算ニャン。

まあ、毎日そういう制服もめんどいから、普通の制服も月によって支給するニャン。
すると、普通の格好萌えも現れ、効果は持続するニャン! 
というわけで、女の子はこのコスプレ衣装を着るニャン!」

子猫(コニャン)店長は、バトルナイツの着ていたコンビニ用の制服を準備する。
ゆたかには、青色をベースにしたコンビニの制服に、青色と薄緑のミニスカートを支給する。

良く動くごとにチラリズムが発生し、ちょっと活発な印象を受ける。
冷菓には、コンビニの制服はそのままに、水色と青色のミニスカートを支給する。
もちろん、靴にもこだわりを見せ、有名メーカに発注したスニーカーを穿かせる。

「ふにゃははは、これはラベリングと言って、アイドルの着ていた制服を丸々着せる事により、接客と仕事の能率がアップするという必殺技だニャン! 
おっと、これを使いたいビニコンは、この名店長の子猫(コニャン)の許可を取ってね! 

著作権法により、僕か作者にお金を払わなきゃ使っちゃ駄目だからね。
ネコーズからのお願いだよ♡」

子猫(コニャン)店長のビニコン楽園化計画は続く。

 子猫(コニャン)店長は、次におにぎりや弁当のコーナーへ足を運ぶ。
そこでアドバイスを始めた。

「うむ。ここのビニコンは、基本が出来ているね。
賞味期限の早い物は前に、晩い物は後ろに、が基本だからね。
仕事効率を上げるために、この配列を怠ると、売り上げにも影響してくるニャン。

さすがの僕でも、タナの配列を並び替えるのはきついけど、真面目にやれば大体信頼されるニャン。
そういうバイト君は、正社員にするようにお勧めします。

やっぱりビニコン経験がないと、大した売上げアップも見込めないからね。
おっと、この辺は君達にはまだ早いかニャ?」

子猫(コニャン)店長は、コンビニ弁当を並べ始めた。

「この配置が重要ニャン! 
弁当が三つあったら、上は一つ、下は二つのピラミッドにするニャン。
人間、同じ物が三つあっても、頂点の物を取ろうとする習慣があるニャン。

その動物的習性を利用した配置なんだ。
アイドルでも、容姿はほぼ同じ子が三人並んでいた場合、大体が真ん中の子を好きになるニャン。

これをセントラルの法則という(こんな法則は、適当に付けた法則です。
実験結果があったら、教えてくださいね)」

子猫(コニャン)店長は、弁当を並べ替えて行く。
衛生的に気にしたら、あなたの負けですよ♡ 

 子猫(コニャン)店長は、悲しい事実を述べ始めた。
それは、全人類に関係がある話だ。

「実は、こんな美味しそうなお寿司も、美味しそうなシャケのおにぎりも、ある時間になると捨てられるニャン。
眼の前に、食える寿司があるのに捨てられる悲しさ。

これは、ビニコンだけでなく、パン屋もスーパーも経験する話ニャン。
愚かな人間共は、動物を殺して、食物に変えているのに、六百万キロは捨てているニャン。偽善ぶって施設なんかにも送っているらしいけど、送料が高くなるとか言っているニャン。

そこで、僕が新しいビジネスを考えたニャン! 
ビニコンと同じように二十四時間やっている店で、そういう売れ残りでも満足して食べてもらえるシステムだニャン。

それは、漫画喫茶とカラオケだニャン。
どうかね? 売れ残った寿司やおにぎりとはいえ、賞味期限はまだ来ていない。
大体ビニコンで捨てられる商品は、賞味期限よりちょっと早い段階で捨てられる。

つまり、半日ほどのロスタイムがあるのだよ。
数社のビニコンやスーパーと契約し、時間管理をしっかりした上でそうした売れ残り商品を回収するニャン。

その後、どこで売っていた物かをオープンにした状態で、カラオケ店の食品コーナーに陳列するニャン。
そうすれば、カラオケ店も潤う事間違い無し! 

確かに、お目当ての食品が来るかは分からないが、好きなだけ食えるようになるニャン。一番重要なのは、日付管理だからラベルはそのままでも良い。
賞味期限が過ぎたら捨てれば良い。

あのビニコンのお寿司やおにぎりやケーキが食べ放題! 
これはヒットする予感がするニャン。

もちろん、このアイデアを採用したいなら、この子猫(コニャン)店長に相談してね♡ 
アイデアの盗用は重罪だよ!」

子猫(コニャン)店長は、ついに雑誌コーナーに足を運んだ。
伝説とまで言われた週刊少年ニャンプのからくりが明らかにされる!

「あっ、もう休憩の時間ニャン! 続きは後半だよ! 
もうネタもないけど、何とかアイデアをひねり出すニャン!」

 子猫(コニャン)店長は、休憩を終え、再び雑誌コーナーに立ち寄った。

「まあ、基本的に、雑誌が入って来る時間は深夜だし、全員休憩しても問題ないレベルニャン。
実際にはしないけど……」

今日は、週刊少年ニャンプの発売日。
ついに、店長の秘技が見られるのだ。

「ビニコンの雑誌は、基本的に売れない。
人が多く手に取っているし、漫画とかは好く売れ残るニャン。
そして、雑誌業界もエロエログラビア表紙で買える様に工夫しているニャン。

しかし、ニャンプは別!
ブランドだけでも売れる。
これが、僕が開発した雑誌の売り方だ!

まず、週刊誌の発売日は、基本的に忘れられている為、目立つようにする工夫が必要。
雑誌が入って来た時は、古い雑誌を後ろに回し、新しい雑誌を見える様にする。
そして、ニャンプやマガネコなんかは、タナの半分くらいに目立つように配置する。

残った雑誌も、目立つ位置に配置。
こうする事で、読者が発売日を思い出すニャン。
実際、ニャンプ等の少年誌の発売日なんて、漫画家以外は気にせずに生きているニャン。

だから、分かるように配置しなければいけない。
一日でも過ぎると、今週は立ち読みで良いか、という考え方に陥るからね。
最新だからこそ、買う気になるニャン。

売れ筋の悪い雑誌は、売れる願いを込めて、できるだけタナの前面におくしかないニャン。それで売れないなら、どう努力しても売れないニャン。

後は、破れたり折れた雑誌は、早めに交換する事が大切ニャン。
そういう粗悪品が店に出ていると、他の商品も買わなくなって来る。
そして、期限が過ぎた雑誌は、すぐにタナから回収する。

後は、どの雑誌が売れるかをチェックして、売れない雑誌は置かないようにするのが良いニャ。
そうする事で、売れる商品をアピールする事が出来るからね!」

子猫(コニャン)店長は、経験とテクニックを活かし、素早く本を並べ替えた。
漫画コーナーの雑誌のタナには、タナの半分ほどを売れ筋のニャンプがぎっしりと置かれている。

そして、古い雑誌を回収していた。
残ったニャンプは、コミックコーナーの下に山積みにする。

「全てをタナの上に乗せても良いけど、誰かが手に持った可能性があるからね。
数本は、ああして山積みにしておくと、そこから買って行く奴が出てくるニャン。
まあ、折れ曲がる危険も少ないし、タナの上には破れる危険もあるわけだからね。

タナの上で、二ャンプが発売日である事を知らせ、山積みの雑誌から買わせるのが良い手ニャン。

雑誌の下のスペースは、基本置けない雑誌か、売れないけどまだ期限が過ぎてない雑誌ニャ。
これらの点を注意するなら、僕の様にニャンプを売り切ることも可能ニャン!」

こうして、雑誌コーナーの説明を終えた。

 子猫(コニャン)店長は、更にアドバイスをする。
どこまでコンビニの事を知っているのか知らないが、いろいろ提案して見る。
その一つでも採用されるなら、お金が転がり込む事もあり得るからね。

「高校が近いビニコンでは関係ないが、給食を出している小学校や中学校では、事前の弁当事情が死活問題を分けることがあるニャン。

遠足や運動会、弁当が必要な日を事前に知ることができれば、売上げアップと主婦を助ける事が出来るニャン。

例えば、学校の先生に連絡し、親からビニコンでお弁当が売り切れていたとクレームを受けた。
なので、学校で弁当が必要な時を教えて欲しいと言えるニャン。

モンスターペアレントは、学校側も処理に困っているからね。
同じ目標なら、事情が分かっている分、すんなり教えてくれるニャン。

そして、その日に合わせて栄養満点の手作り弁当なんかを用意すれば、バカ売れ間違い無しニャン。

実際に、僕の近くのビニコンは、おにぎりとちょっとのおかずが売れ筋なわけだし。
日付が分かっていれば、いろいろ工夫ができるニャン。
もうネタも尽きたけど……」

 こうして、オレ達の研修は開始された。
特に、何事もなく順調に進んでいたのだが、事件は突然に発生した。

「金を出せ!」

店に、覆面をかぶった強盗が来たのだ。
店長を刃物で脅す。

「はい、二百万円です!」

子猫(コニャン)店長は、一秒とかからずにお金を出した。
明らかに、二十万円しかなさそうだったが……。
強盗はそれを奪い、逃走する。

「まあ、ビニコンには、こういう時の為の保険に入っているニャン。
だから、無駄に抵抗せず、保険金を請求した方が良いニャン。
バイトで命を懸けるなんて、馬鹿げているからね。じゃあ、被害金額は二百万円と……」

子猫(コニャン)店長は、明らかに水増しした被害報告を書く。
そして、警察に電話をした。

みんなは正しい請求書を出してね。
詐欺罪で訴えられる可能性も出て来るからね。
子猫(コニャン)店長は、全部犯人が使ったという事にしたけど……。

「最近じゃあ、ストーカーの被害とかも出ているからね。
でも、ぶっちゃけビニコンに来ても、監視カメラがあるだけで、全く安全じゃないけどね。警察立ち寄り所って書いてあるけど、警察が来るまで一時間くらいはかかるからね。

まあ、痴漢に襲われた程度ならビニコンでも守ってあげられるんだろうけど。
ビニコンは、そういうマニュアルも作ってあげた方がいいのかもね。
だんだん物騒な世の中になって来たし……。

漫画では、高校生探偵とか、小学生探偵が犯人を追い掛けるけど、実際に返り討ちに遭う危険の方が高いからね。
バイトで命かける価値はないし、どうやって危険に合わないようにするかのほうが重要だよ!」

「そうですね!」

こうして、オレ達の研修は終わった。
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