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第3章 王女篇
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しおりを挟むあれから3時間ぐらいしてから赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた。
すぐに会いに行きたかったけど、流石に今行くのはシャーロットお姉様に迷惑になるだろうから、デビット兄様に呼ばれるまで隣の部屋で我慢することにした
「やっと産まれたみたいだな。赤ん坊は元気みたいだが、シャーロット様は大丈夫か気になるな」
「使用人が静かだから大丈夫じゃないか?俺は義姉さんより、デビット兄さんが心配だよ。デビット兄さんは自分の事では何があっても動じないけど、義姉さんのことになるとかなり動揺するからな」
「へぇ~、全く想像出来ない。いつも堂々としていて、すごく頼りになる姿しか見たことない、まぁ、シャーロットお姉様には逆らえないみたいだけど」
いつも優しくて面倒見がいい頼りになるお兄さんって感じよね。
そんなデビット兄様でも、大好きなシャーロットお姉様の事になると別人のようになるのね
それってシャーロットお姉様にとってとても嬉しい事よね。
自分の旦那がとても自分を愛してくれてるってことだものね
貴族は冷めてる夫婦が多いから余計に幸せだと思えるわよね
「動揺するデビット兄様なんて全く想像出来ないわ。それにいつまでも仲良しなデビット兄様とシャーロットお姉様は理想の夫婦よね。2人みたいな関係は憧れるわよね。2人みたいな結婚生活したいけど、貴族にとって難しいわよね。」
「デビット兄さんはエレーナの前ではかっこつけてるからな~、エレーナの事を本当の妹みたいに思ってるから、兄として妹にかっこ悪い姿は見せられないと思ってるみたいだな」
「デビット兄様のかっこいい姿?仕事をしてる時はかっこいいかもしれないけど、シャーロットお姉様に対して犬みたいに尻尾振ってるようにしか見えないけど?」
隣で私とティモシー兄様が話してるのを静かに聞いていた、ラッセル様が急にブハッ!!って笑い始めた
ツボにハマったみたいでなかなか笑いが止まらない
「ラッセル様?」
「いや……すまん……、はぁ~~~」
「ラッセルがそんなに笑うなんて珍しいな」
「エレーナ嬢といるといつも笑わせられるよ。さっきの発言が的を得ていたから面白かった。確かにシャーロット様と一緒にいるあいつは犬みたいだな。喜んでシャーロット様の周りを走り回ってる想像をしてしまった」
うん……、すごく想像出来る。
喜んで駆け回って、シャーロットお姉様に近づく男性を絶対に威嚇するわよね
「ラッセルやめてくれ…………、俺まで笑いそうになる。」
ここにデビット兄様が居たらどんな反応するのかしら?
嫌な顔をする?
それとも満更でもない顔をする?
「入るわよ~」
ラッセル様とティモシー兄様が笑ってるとお母様が入ってきた
「そんなに笑ってるどうしたの?」
「みんなでデビット兄様がシャーロットお姉様の前では、犬みたいに見えるって話をしてたの」
「ダメじゃない。人を犬に例えるなんていけない事よ」
「はーい、ごめんなさい」
「あなた達もいい加減に笑うのやめなさい。シャーロットさんの準備も整ったから、3人も赤ちゃんに会いに行っても良いわよ」
「本当?シャーロットお姉様は無事なのね?」
「母子ともに健康よ」
お母様に案内されて私たちは隣の部屋に移動を始めた
「家族でもない俺も一緒に行っていいんだろうか?」
ラッセル様はデビット兄様とは乳兄弟だけど、血縁関係はないから遠慮があるみたいね
「シャーロットお姉様とデビット兄様が嫌がってないから大丈夫じゃないかしら?デビット兄様にとって、ラッセル様は血が繋がってなくても兄弟みたいなものだもの」
「そうだよ。気にする必要ないよ。兄さんとラッセルは仲良い兄弟のようなものだろ?俺と兄さんより仲良いんじゃないか?」
「デビット兄様とティモシー兄様は趣味が合わないから話が続かないものね」
「好きなものが全然違ったからな。仲が悪いわけではなかったけど、話は合わないよな~」
「デビットは昔から外で遊ぶのが好きで好奇心旺盛だったものね。ティモシーは家で本が読むのが好きで、知りたいことがあったらとことん調べるタイプだったわね」
「兄さんは今でも家で仕事するより、外で仕事する方が好きだよな。外に視察に行った日は機嫌が凄くいいからすぐに分かる」
「デビットは今はそんなことないけど、昔は書類仕事から逃げ回って、俺に押し付けてたからな」
へぇ~、意外ね
昔っから真面目に仕事してたのかと思った
「ラッセル様、デビット兄様が真面目に仕事するようになった切っ掛けはなんですか?」
「シャーロット様と結婚したのが切っ掛けだな。それまでは婚約者だったから家族を養うって意識がなかったけど、結婚してからは家族を守るって責任が出てきたらしい。それが切っ掛けで領民も自分が守る存在だって意識したみたいだな。だから嫌な書類仕事から逃げることが無くなった」
「シャーロットお姉様のおかげなのね」
デビット兄様を変えたシャーロットお姉様は凄いわね
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