【完結】私は公爵家の娘ですけど義妹は男爵家の娘ですわよ

みちこ

文字の大きさ
69 / 82
第3章 王女篇

12

しおりを挟む

「そう言えば、今の王族は婚約者が居ないものも多いけど、何か理由があるの?ブライアン様の弟と妹も婚約者居ませんでしたよね?」

ブライアン様には2人の妹と1人の弟が居たはずだけど、婚約者がいるのは1人だけだったはず

「貴族の間で親に許可も取らず、勝手に婚約破棄するものが増えたからでしょうね。王様の婚約破棄は元婚約者に問題があったから、婚約破棄しても問題なかったけど、毎回そうとは限らないから、今の王家は小さい頃に無理やり婚約者を決めたりしなくなったのよ。自分で物事の判断が出来るようになったら、王妃様が婚約者に相応しい令嬢を集めてお茶会を開いて、そこで王子と顔合わせして自分で選ばせるのよ。強制ではないから決まる時期はバラバラだけどね」

「なら王子様や王女様は自分の意思で相手を選べるようになるんですね。自分で選べるなら、年頃になって婚約破棄することもなくなりますね」

「そのリスクはなくなるけど、他のリスクや問題があるのよね。婚約者が決まる年齢が遅くなればなるほど、婚約者が決まった時に相手が苦労するわね。実際に私も苦労してるもの、昔なら小さい頃から少しずつ、王妃教育を受けるけど、婚約が決まってから王妃教育するってことは、時間に余裕が無いと毎日長時間の勉強になるわね」

「それって選ばれた相手だけが苦労しますよね?」

「苦労する面ではそうだろうけど、ブライアン様にもリスクはあるわよ。婚約者の王妃教育が上手くいかなかったら、王様になれなくなる可能性があるわ。王様が健康なうちは問題ないけど、王妃教育が終わってないうちに、王様に何かあった時に王太子様が王様にならないといけないけど、王妃も同時に代わらないといけないの、もしも教育が終わってなかったら、ブライアン様が1人で私の仕事を受け持つか、他の兄弟で婚約者が王妃教育を終わってたら、自動的にブライアン様は王位継承権を放棄して、他の兄弟が王様になることになるわ」

「私も小さい頃に婚約者候補のお茶会に参加したことがあったわね。あの時は私も両親も成るつもりはなかったから、目立たないようにして参加した覚えがあるわ。私は1回だけ参加したけど、レイチェルさんは何回か参加していたの?」

「私はほぼ毎回参加していたわね。王妃になりたいって訳ではなかったけど、公爵家の娘として参加しない訳にはいかなかったのよね。それにお茶会に参加する日だけはお母様が私の相手してくれたから、当時はまだお母様に構ってもらいたかったのよね」

レイチェルさんにとって、お茶会は母親と会える大事な機会だったのね。

「レイチェルさんはブライアン様と婚約するきっかけになったのは何だったんですか?」

「お父様とお母様が愛人と暮らしていて、私が家で一人でいるのは結構有名な話だったんだけど、参加者の1人が私みたいな家庭環境が良くないものが、王妃候補になるなんて間違ってるって言ってきたのよ」

普通そんなことを本人に言う?

レイチェルさんは何も悪くないのに、自分ではどうしようもないことで責めるなんて陰湿にも程があるわ。

「レイチェルさんにはどうしようもないじゃないですか。それにそんな家庭環境の人なんて沢山いるはずですわ」

「えぇ、ブライアン様もそう言って庇ってくれましたわ。それとその事を問題しするなら、自分もそんな家庭環境で育ってるって言ってましたわね。それが切っ掛けでブライアン様と関わることが増えて、今では婚約までしてますわ」

「確かに王族は生まれてすぐに親から離されますね。子供は乳母が育てて、母親と会うのは数日に1度だったはず。王様と会うのはもっと間隔が開きますからね」

「王妃が産んだ子供と側室が産んだ子供の環境が一緒になるようにそうしてますね。王妃は忙しくて子供に会えない事も多いですし、逆に側室は会おうと思えばいくらでも会えますけど、自分の子供を甘やかして、王族の義務を軽く考えるものに育つ可能性が出てきますからね。過去には母親に甘やかされて、国民より自分の事を優先しすぎて、王族の義務を全く果たさない者も居たらしいですから」

王族は自分を犠牲にして国民の為に働かないといけない時がある、それは貴族も同じだけど、王族の方がやっぱり責任が重い

王妃や側室は元々王族ではないから、王族としての考えに共感出来ない事も確実に出てくる

王族の考え方は小さい頃からの刷り込みみたいなものだから当たり前なんだろうけど、王族として教育するのに母親が近くにいたのでは、邪魔になる可能性があるから引き離すのよね

たまに側室で絶対に我が子を離さないものも居るけど、その子が王族として正しい行動が出来るなら問題ないけど、もしも王族として問題があったら、病弱扱いされて一切外に出して貰えなくなる。

そう言う者が外に出るには側室の実家の養子になって、王族として名乗るのを禁止されるのよね

間違った考えの者を王族のままにするのは、危険な行為になるから仕方ないわよね。

王族は沢山の者を助けるために、少数を犠牲にしないといけない時がある。

正義感を出して後から沢山の犠牲者が出ることになるのに、その場にいる少数を助けてしまうなんて事はあってはならない

王族は人を犠牲にする覚悟を持たないといけないけど、ちゃんと教育を受けてない者は全てのものを助けるのが、王族として当たり前だという者が現れる

そう言う者が王族だと絶対に周りを巻き込む、王族に逆らえるのは王族だけだから、危険な行動をする可能性のある者は、問題を起こす前に突き放さないといけない

王族と言う権力をその者から取り上げるのが、不幸な未来を作らない為に必要な行動なのよね
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

【完結】不誠実な旦那様、目が覚めたのでさよならです。

完菜
恋愛
 王都の端にある森の中に、ひっそりと誰かから隠れるようにしてログハウスが建っていた。 そこには素朴な雰囲気を持つ女性リリーと、金髪で天使のように愛らしい子供、そして中年の女性の三人が暮らしている。この三人どうやら訳ありだ。  ある日リリーは、ケガをした男性を森で見つける。本当は困るのだが、見捨てることもできずに手当をするために自分の家に連れて行くことに……。  その日を境に、何も変わらない日常に少しの変化が生まれる。その森で暮らしていたリリーには、大好きな人から言われる「愛している」という言葉が全てだった。  しかし、あることがきっかけで一瞬にしてその言葉が恐ろしいものに変わってしまう。人を愛するって何なのか? 愛されるって何なのか? リリーが紆余曲折を経て辿り着く愛の形。(全50話)

【完結】旦那様は、妻の私よりも平民の愛人を大事にしたいようです

よどら文鳥
恋愛
 貴族のことを全く理解していない旦那様は、愛人を紹介してきました。  どうやら愛人を第二夫人に招き入れたいそうです。  ですが、この国では一夫多妻制があるとはいえ、それは十分に養っていける環境下にある上、貴族同士でしか認められません。  旦那様は貴族とはいえ現状無職ですし、愛人は平民のようです。  現状を整理すると、旦那様と愛人は不倫行為をしているというわけです。  貴族の人間が不倫行為などすれば、この国での処罰は極刑の可能性もあります。  それすら理解せずに堂々と……。  仕方がありません。  旦那様の気持ちはすでに愛人の方に夢中ですし、その願い叶えられるように私も協力致しましょう。  ただし、平和的に叶えられるかは別です。  政略結婚なので、周りのことも考えると離婚は簡単にできません。ならばこれくらいの抵抗は……させていただきますよ?  ですが、周囲からの協力がありまして、離婚に持っていくこともできそうですね。  折角ですので離婚する前に、愛人と旦那様が私たちの作戦に追い詰められているところもじっくりとこの目で見ておこうかと思います。

【完結】私を捨てて駆け落ちしたあなたには、こちらからさようならを言いましょう。

やまぐちこはる
恋愛
パルティア・エンダライン侯爵令嬢はある日珍しく婿入り予定の婚約者から届いた手紙を読んで、彼が駆け落ちしたことを知った。相手は同じく侯爵令嬢で、そちらにも王家の血筋の婿入りする婚約者がいたが、貴族派閥を保つ政略結婚だったためにどうやっても婚約を解消できず、愛の逃避行と洒落こんだらしい。 落ち込むパルティアは、しばらく社交から離れたい療養地としても有名な別荘地へ避暑に向かう。静かな湖畔で傷を癒やしたいと、高級ホテルでひっそり寛いでいると同じ頃から同じように、人目を避けてぼんやり湖を眺める美しい青年に気がついた。 毎日涼しい湖畔で本を読みながら、チラリチラリと彼を盗み見ることが日課となったパルティアだが。 様子がおかしい青年に気づく。 ふらりと湖に近づくと、ポチャっと小さな水音を立てて入水し始めたのだ。 ドレスの裾をたくしあげ、パルティアも湖に駆け込んで彼を引き留めた。 ∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞ 最終話まで予約投稿済です。 次はどんな話を書こうかなと思ったとき、駆け落ちした知人を思い出し、そんな話を書くことに致しました。 ある日突然、紙1枚で消えるのは本当にびっくりするのでやめてくださいという思いを込めて。 楽しんで頂けましたら、きっと彼らも喜ぶことと思います。

お姉さまが家を出て行き、婚約者を譲られました

さこの
恋愛
姉は優しく美しい。姉の名前はアリシア私の名前はフェリシア 姉の婚約者は第三王子 お茶会をすると一緒に来てと言われる アリシアは何かとフェリシアと第三王子を二人にしたがる ある日姉が父に言った。 アリシアでもフェリシアでも婚約者がクリスタル伯爵家の娘ならどちらでも良いですよね? バカな事を言うなと怒る父、次の日に姉が家を、出た

余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめる事にしました 〜once again〜

結城芙由奈@コミカライズ3巻7/30発売
恋愛
【アゼリア亡き後、残された人々のその後の物語】 白血病で僅か20歳でこの世を去った前作のヒロイン、アゼリア。彼女を大切に思っていた人々のその後の物語 ※他サイトでも投稿中

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完】愛人に王妃の座を奪い取られました。

112
恋愛
クインツ国の王妃アンは、王レイナルドの命を受け廃妃となった。 愛人であったリディア嬢が新しい王妃となり、アンはその日のうちに王宮を出ていく。 実家の伯爵家の屋敷へ帰るが、継母のダーナによって身を寄せることも敵わない。 アンは動じることなく、継母に一つの提案をする。 「私に娼館を紹介してください」 娼婦になると思った継母は喜んでアンを娼館へと送り出して──

処理中です...