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第1章 救出篇
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しおりを挟むお母様は泣いてる私を見て、慌てて抱き締めてくれた
「ごめんなさい!!言葉が足りなかったわ。私がエレーナをニコラス兄様の養女に頼んだのは貴女を守りたいからなの。もしかしたらロバートの両親がエレーナを奪いに来るんじゃないかと思って。血縁と言うことを盾に無理やり奪われたら・・・」
「それは心配しすぎではないか?あちらにはロバートと愛人の間に娘がいるんだ。わざわざエレーナを奪いになんて来ないだろ」
お母様はなんであの男の両親が私を奪いに来ると思ったのかしら?
公爵家を敵に回すような事するとは思えないけど
「お義父様とお義母様はロバートと愛人の間に生まれた娘を孫とは認めないと思うわ。お2人は血筋に重きを置いてる人だから、陛下からの命令じゃないなら庶民である愛人とロバートの結婚も認めないと思うわ。だから庶民の血が流れてる愛人の娘を跡取りとして認めないはず、だから男爵家の血が流れてるエレーナをいずれ無理やり奪いに来そうで怖いのよ」
私はまたあの男爵家の者に幸せを邪魔されるってこと?
「男爵家にしては珍しい貴族至上主義者か。公爵家に喧嘩を売るなんて馬鹿なことはしないと思いたいが、相手はあの男の親だからな」
男爵家の者が公爵家から無理やり奪うことなんて出来るのかしら?
血筋で認めないと言ってるだけであの家にはアンナが居るのだから、無理やり奪うなんて認められるわけが無い
それに保護者がお母様から伯父様に代わっただけでそんなに変わるもの?
確かに伯父様は公爵家の当主だけど、お母様は公爵家の娘で現当主の妹なのにそんなに心配することかしら?
「本当にそれでいいのか?もしもエレーナ嬢がニコラスの養女になったら、レベッカが再婚することになったら連れて行くのは難しくなる。そんなに男爵家の存在で不安になるなら俺と再婚するっててもあるぞ。俺はレベッカが俺と再婚してくれるなら、エレーナ嬢を娘として何がなんでも守ってやる。俺には最強の兄上もいるからな」
えっ!?
理事長がいきなりお母様にプロポーズし始めた。
理事長ってお母様が好きだったんだ
理事長と伯父様は親友だったみたいだから、お母様とも仲良かったのかしら?
もしかして理事長がずっと独身だったのはお母様をずっと好きだったから?
「ジェイソン様・・・・・・、お言葉は嬉しいのですが私はもう再婚をするつもりはありません。今まで娘を可愛がることが出来なかった分、これからは娘の為に時間を割きたいのです」
「好きになって欲しいなんて言わない、俺を優先して欲しいとも言わない。俺がレベッカとエレーナを守る権利が欲しいんだ。2人に何かあった時に今のままじゃ俺には2人を守る為に口出す権利もない。もう後悔はしたくない。俺にお前たちを守らせてくれ」
お母様は気持ちが揺れ動いてるのは見ててわかるけど、それが理事長に惹かれて気持ちが揺れ動いてるのか、私をどうな相手から守ってくれそうだから気持ちが揺れ動いてるかは流石にわからない
だけど迷う必要なんて何処にあるのだろうか?
助けてくれるという人に頼ればいいのに
相手が昔っから知ってる相手なら尚更信頼できるのだから
「お母様、私の事ばかり考えなくていいんだよ。お母様は理事長の事、嫌いなの?嫌いなら無理にとは言わないけど、少しでも好きな気持ちがあるなら再婚したみてもいいと思う。それに私もちゃんとしたお父様が欲しいな。私のお父様があんな最低な人のままで終わるなんて嫌。それにいずれ私が結婚する日が来る前に本当の家族ってものを知っときたいな」
「離縁してすぐで気が進まないとは思うが、俺はジェイソンとの結婚に大賛成だ。ジェイソンは一途で本当にお前の事を愛してる、お前が結婚してからも誰とも付き合わず、体だけの関係の奴もいない。こんなに一途な奴は滅多にいないぞ」
伯父様が理事長の応援をし始めた
長い間、親友として理事長を見てきたからかなりの信用と、このまま振られるのは憐れに思ったのかもしれない
「レベッカ、お前は公爵家の娘だから一生独身は難しいぞ。どうせ再婚するならエレーナの事も娘として守ると言ってくれた彼と再婚した方が、お前もエレーナも幸せになれる」
お祖父様も理事長の味方になりはじめた
お母様は周りからの意見にどうしたらいいか分からないみたいね
「エレーナは本当にジェイソン様が父親になっても構わないのね?」
「うん」
「1つ約束して欲しいことがあります。それを守ってくれるなら結婚します」
「なんだい?」
「もしも、私とエレーナが同時に危険な目にあったら、私よりもエレーナを優先してくれますか?私を見捨てることになってもエレーナを守ってくれますか?もしも私がその事で亡くなっても、決してエレーナを責めないでくれますか?」
「君がそれを望むならそうするよ。だけどもしも2人が危険な目に遭ったら俺は2人を守るってみせるよ。レベッカ、俺と結婚してください」
「よろしくお願い致します」
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