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第1章

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「イリスちゃん、そろそろ家を出る準備した方がいいわよ」

「えっ!?もうそんな時間ですか?エミリーおば様ありがとうございます」

遅刻しないように慌てて汗を拭いてから服を着替えることにした

忘れ物が無いか鞄の中を確認した。

玄関に行くとアレンおじ様達がわざわざお見送りをしてくれるみたいだ

「イリスちゃんなら合格間違いなしよ。怪我をしないように気を付けるのよ」

「イリス慌てないで落ち着いて試験を受ければ、お前の実力なら何の問題もない」

「イリスちゃん行ってらっしゃい。ご馳走を用意して待ってるからね」

「イリス嬢悔いの残らないように全力で試験に挑むように」

「はい!!行ってきます。いい報告が出来るように頑張ってきます」

ロージャス家から学園まで徒歩10分の距離

学園に向かってると私と同い年ぐらいの子がちらほら見かける。

この中で私と同じ騎士科を受ける子はどれぐらい居るのだろうか?

騎士科の試験で使う剣は、学園で用意されるので持ち物に剣は含まれていない

だから見ただけではどの子が騎士科を目指してるか分からない

周りの子を観察しながら歩いてるとあっという間に学園に着いてしまった

「受験生の皆さん校門を入って下さい。普通科、家政科の方は左に進んで下さい、騎士科の方は右に進んで下さい」

試験会場が違うのね。

試験内容が全く違うから当たり前かしら?

普通科と家政科は筆記試験だけだけど、騎士科は実技試験と筆記試験両方ですものね。

騎士科の筆記試験は学力って言うよりも、マナーをどれぐらい知ってるかって確認みたいですし。

ライト様の話では筆記試験の結果で座学の免除が決まるって言ってたわね。

確かに貴族に今さら、貴族のマナーの座学を受けるのは時間の無駄ですからね

私が受けるとしたら他国のマナー講座ぐらいかしら?

もしも貴族なのに、貴族のマナー講座受ける人が居たら一族の恥になるわよね

元実家ではアリスがマナーの勉強出来ないのだから、私にも絶対勉強させないと、意味不明な理屈で邪魔されてきた。

シイナが両親の目を盗んで教えてくれたけど、シイナは貴族ではないので教えるのに限界もあった

お祖父様とお祖母様に引き取られてから、2人の恥に成らないように必死で勉強してきた。

アリスは今日の試験に来ているのだろうか?

全く勉強してこなかったアリスは大丈夫かしら?

この学園では普通科と家政科でも貴族のマナーの試験はある。

この学園を卒業したものは庶民でも良いところに就職が出来る。

普通科と家政科は入学自体は難しくない。

だけど卒業の資格を貰うのは難しい。

学園独自の卒業基準があるみたいで、それを満たしてないと留年をするか、自主退学をするか選ぶことになる。

厳しい学園と知られてるからここの卒業生は就職には困らない。

ここを卒業できたら庶民でも高収入の職場は保証される

やる気のある庶民には人気の学園だ。

有り難いことにこの学園では庶民や貧乏貴族には奨学金制度がある。

卒業して就職したら返す仕組みだ。

10年間は奨学金制度を頼ることが出来る。

勿論卒業できなくても返さないといけないから、学園に入って自信ないものは1年で断念するものも居る

王宮でも進んでここを卒業した庶民を採用している。

勿論、学園はここ以外にも沢山ある、勉強に自信が無いものは他の学園を選ぶこともある。

古い考えの貴族で女性には、学力は必要ないって考えの家は他の学園を選ばれることが多い

貴族家の次男、三男は進んでここに入る、ここを卒業したら婿養子先に困らないからだ。

騎士科の試験会場に着くと、予想はしてたけど女性はほぼ居ない。

全員集まって10ぐらい居たらいい方だろう。

合格するのは1人、2人ぐらいかな?

試験人数は男女合わせて500人で合格は多くて100人

1年後に残るのは約70人以下かな?
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