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「遅いな」
伯父さんがボソッともらした
「あれから30分経つけどメアリー達は何してるんだ。まさか俺達を待たせて続きをやってるなんて事無いよな?」
「さすがにそんな馬鹿ではないでしょ。気まずくて来れないんじゃないですか?それか話し合ってどう誤魔化すか考えてるとか」
どんなに言い訳されても婚約破棄は変わらないけどね
婚約して5年経つけど王太子様の事、結局好きになれなかったし。
婚約破棄出来るチャンスなんだから絶対に婚約破棄してみせるわ。
結局メアリー達よりも先にお父様とお母様が帰ってきた。お父様は途中でお茶会に参加していたお母様を迎えに行ったみたいで一緒に帰ってきた。
「兄貴急に呼び出して何なんだ?下らない内容じゃないよな。仕事を途中でぬけだして来たんだぞ」
「まあちょっと待て、誰かメアリーと王太子様を連れてこい。話し合いの主役が居ないとどうにもならん」
メイドが2人を呼びに部屋を出て行った
暫くして来た2人は服は一応着ているけど髪型は崩れていて見苦しかった。
「はぁ~、あんなに時間があったのに身だしなみを整えていなかったのか。一体、長時間何をしていたんだ」
伯父さんが2人に嫌味を言うと王太子様は悔しそうに顔を歪めていた。
お父様は髪が乱れた2人を見てビックリしている
「これを見たらお前も予想できるだろうが、王太子様とメアリーが男女の関係だった。勿論勘違いなんかじゃないぞ。エリックとイリナと私の3人で現場をみた」
「お父様、残念ですが私と王太子様の婚約を破棄するしかありませんわ。メアリーと王太子様は両思いみたいですし2人が婚約すればどうですか?」
「でもメアリーでは王妃になるのは無理だ」
「無理とか無理じゃないとかの話ではありませんわ。そうするしかありません。我が家から私とメアリーが同時に嫁ぐことはできません。それぐらいお父様も理解してますよね?メアリーと王太子様は最後まで行為をしていたんです。未遂ではないのでこのまま私と王太子様の婚約を続けたら、メアリーは修道院に入るか老人の後妻にしかなれませんわ」
お父様もそれは理解していたのか苦虫を噛み潰したような顔をした
当たり前の結果だ。
貴族女性は結婚するまで貞操を守るのが当たり前の世界だ
どんなに美人で人気者の女性でも軽い女性は軽蔑されて結婚相手が居なくなる
メアリーは自分がいけないことをした自覚がないのか、私の発言に噛みついてきた。
「お姉様酷いですわ。メアリーに老人と結婚しろと言うの!?修道院に入るのだって嫌よ。ジョージ様の心を奪ったメアリーが憎くてそんな酷いことするのね」
「はぁ~、貴女は今まで何を聞いてきたの?私は婚約破棄をして貴女と王太子様の婚約をさせるようにお父様にお願いしてたはずだけど?それに反対してたのは私ではなくお父様よ。それに王太子様と結婚出来なかったらそんな未来しかないのはメアリーの自業自得でしょ。結婚する前にそんなことしたらそうなるのは分かっていたことでしょ?貴女だって12歳なんだからお母様から教えられてたでしょ!!」
「知ってるけどジョージ様がメアリーの純潔を奪ったら結婚してくれると思ったんだもん。ジョージ様!!メアリーと結婚してくれるでしょ」
メアリーは王太子様に詰め寄った。
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