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しおりを挟むおじ様とおば様は、ずっと私がレオンのお嫁さんになれば良いのにと言ってくれる。
だけど今の私達ではそれは難しい。
レオンはマクミラン侯爵家の跡取りで、私はシルフォード子爵家の跡取りだから、現実的に私達が結婚するのは難しいのよね。
「本来ならメアリーちゃんの妹が跡取りでも問題ないはずなのに、メアリーちゃんの親はそれを絶対に認めないんだよね?」
「そうですわね。エミリーは地頭が良いタイプではないですし、本人も勉強する気が一切ないので、当主には難しいと思いますわ。エミリーは当主になりたいって言ってますけど、どこまで本気か判断が難しいです」
当主になりたいって言ってるのも、私の物を奪いたいだけに見えるのよね。
私から奪ったら興味がなくなるんじゃないかしら?
いつもそうですから。
「私の方から縁談話を持っていったらどうなるだろうか?普通なら飛びつく話だと思うんだが?メアリーちゃんの話を聞く感じでは、お金に困ってるみたいだから、大金をチラつかせたら、メアリーちゃんを嫁に出さないかな?子爵家は妹さんが優秀な婿を取ったら問題ないだろ?」
お金に困ってるだけの家ならそうするでしょうね。
だけど私の親が私を侯爵家の嫁にするとは思えない、私がエミリーより上の立場になるのを、簡単に認めるとは思えないのよね。
あの人達は、頭だけは私のほうがエミリーより優れてると認めるけど、それ以外はエミリーのほうが全て優れてると思っている。
だから私がエミリーより上の立場になることを、絶対に認めるとは思えない。
でもおじ様のお陰で良い計画を思い付いたわ!!
これならあの両親も飛びつくでしょうし、私の計画が上手くいく自信がある。
おじ様達に協力して貰う必要があるけど、おじ様とおば様なら協力してくれるはず。
どう切り出せば良いかしら?
「おじ様の提案は嬉しいですけど、私の親がその話に賛成するとは思えません。その話を持ちかけたら、あの人達ならエミリーを推薦してくると思いますわ」
間違いなく私の想像通りなる自信がある。
16年間あの親に育てられてきたから、嫌でもあの人達の性格は把握してるわ。
「どうしたら良いのかしら?こんな事を願ってはいけないんだけど、メアリーちゃんの親が虐待していたら、法律をたてに貴女を助けることが出来るのに」
私自身もそうだったら良いのにって思ったことは何度もある。
だけどあの人達は小心者だから、犯罪行為は絶対にしない。
ギリギリなことはしてますけどね。
「おじ様とおば様にお願いがあります。お2人には迷惑をかけてしまうかもしれませんけど、手伝って欲しいです」
「何かしら?メアリーちゃんのお願いなら何でも聞くわよ。貴女は私の可愛い娘ですからね」
「私も娘の為なら何でもするよ。君は息子の最愛の人だからね」
レオンの両親は愛情あふれる人達ね。
レオンが私に優しいのは、この2人から愛情たっぷり育ったからよね。
私もレオンとお2人みたいな夫婦になりたい。
「父上と母上に何をさせるつもりだ?俺にも何か手伝える事はあるか?」
「レオンに直接何かをしてもらいたいことはないけど、ちょっと長い間我慢して貰う必要があるかな?」
「我慢?」
「うん。今まで以上に外でも接触を避けてもらう必要があるの。そして一時期とはいえ、私はミカエル•エルガーの婚約者になるわ」
私の発言にレオンは勿論だけど、おじ様とおば様もビックリする。
さっきまでこの婚約をとても嫌がってたから、3人がビックリするのは当たり前よね。
「どういうつもりだ?俺を捨てるのか?あの男に乗り換えるつもりか?あいつは見た目だけは良いからな」
レオンが嫉妬するなんて初めてね。
レオンに出会うまでは、嫉妬されるのは面倒くさいって思ってたけど、愛する人が相手なら全然嫌ではないわね。
「勘違いしないで、あんな軽い男は全く私の好みじゃないわ。あの男と婚約するのは、エミリーに奪ってもらうためよ。そのためにあの男に惹かれてるふりをするけど、演技だから心配しないでね」
「そんなの危険だ!!あの男は結婚前とか気にせずに手を出してくる。もしも何か間違いがあっても、俺はメアリーを捨てたり絶対にしないが、メアリーが傷付くことに変わりはないだろ」
…………私は最高の男を恋人にしたわね。
世の中にこんなに愛してくれる人は、どのぐらい居るのかしら?
レオンだけは絶対にエミリーに渡さないわ。
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