家族の一員では無いみたいなので、伯父さんに助けを求めたら王女になりました

みちこ

文字の大きさ
58 / 59

54

しおりを挟む

 リディアは今まで私が反撃しなかったから、私になら何をしてもいいって思ってるのよね。

 前は私には味方が居なかったから、反論しても意味がないって思ってた、だけど今の私には沢山の味方がいる

 前の私とは違って分らせないといけないのよね

「貴女は残酷なことを言うのね」

「私は間違ったことを言ってないわ。間違ってるのは今のお姉様よ」

「貴女は自分が言ってることが貴女の兄を苦しめてるって気が付かないの?この人にだって何処かに本当の父親がいるのよ。戸籍ではジョルズ•メリルの息子になってるけど、本来は甥と伯父の関係だから、私とクリスお父様と同じ立場よ」

 リディアはハッとしてようにブルーノを見ると、慌てて色々と言い訳をしている

「シルビアお姉様は父親が分かってるけど、ブルーノお兄様は父親が分かってないから良いのよ」

 随分と都合がいい話ね

 この子には何を言っても無駄な気がする

「あら?調べれば簡単にブルーノ•メリルの父親なんて見つかるわよ。庶民と違って貴族の行動は目立つから、調べればロアナ•メリルが当時、仲良くしていた人を調べられるはずよ。最近は血の繋がりを証明する研究が進んでるから、親子だって証明も出来るはずよ」

 アンリお姉様がそう言うとブルーノはビックリしたように、アンリお姉様をジッと見る

 もしかしたらブルーノはずっと本当の父親を知りたかったのかもしれない

 ロアナ叔母様の気持ちを優先して探さなかったけど、実際に調べたら恐らく簡単に見つかるはず

 ロアナ叔母様がブルーノの父親の正体を絶対に話さなかったことを考えると、庶民か妻子持ちだったんだろうって言われている

「調べるのは簡単だろうけど、相手の家庭やブルーノ•メリルの今の生活が壊れる可能性があるけどな。命を狙われる可能性だってある」

 エリックお兄様が現実を突きつけると、ふたりの顔色がどんどん悪くなる

 貴族として生活してきたなら言われなくても分かると思うけど、二人は全くそんなことを考えてこなかったのね

「その様子だと全く想像してなかったみたいだな。ブルーノ•メリルが生まれて12年が経ってるのだから、男に妻や子供が居てもおかしくない。妻や子供にとってブルーノ•メリルは邪魔な存在でしかないだろ」

「でも家族なら仲良くすればいいじゃない。私なら家族が増えたら嬉しいわ」

 家族が増えたら嬉しいなんてよく言えるよね。

 私のことを邪魔扱いして、親子で私のことを邪険に扱っていたくせに

「本当にそう言えるか?もしもジョルズ•メリルの子供だって名乗る男が急に現れたとして、その子供を家族として歓迎できるのか?」

「勿論よ!!弟か兄が増えるなんて良いことでしょ?ブルーノお兄様だってそう思うでしょ?」

「そうだな。男兄弟が出来るなら嬉しいな」

 はぁ~、ウィリアムお兄様が言いたいことを全く理解してないわね

 リディアはまだ仕方ないかもって思うけど、ブルーノは何故わからないのかしら?

 ここは貴族が通う学園なのだから、そういう話を聞く機会は沢山あるはず

「その子供がブルーノ•メリルより年上で、そこ子供にもメリル家を継ぐ資格があるって言われても同じことが言えるの?跡取りとして大変な思いをしてきたのに、自分より年上だから次期当主になる可能性が、自分より高いって知っても家族として歓迎できますか?」

 黙ってようと思ってたけど、一時期は家族として一緒に暮らしてた2人が、私が想像してたより情けなさ過ぎて黙っていられなかった

 リディアは自分にはあまり影響がないせいで、あまり実感が無いみたいだけど、ブルーノはやっと理解したみたいね

「これ以上話してても無駄だな。シルビアがお前達の所に戻ることはない。今のシルビアの家族はお前たちではなく俺たちだ。シルビアを傷付けていたお前達が、シルビアに話しかけることを俺は許さない」

「私はシルビアお姉様を傷付けてるつもりはなかったわ。今度からは気を付けるから戻って来て!!」

 諦めが悪いわね

 これ以上ここで騒いで無駄に目立つのは嫌なんだけど

「傷つける気持ちが有ったかどうかなんてどうでもいいのよ。シルビアが傷付いてたことに違いはないわ。傷付けたって気が付いたなら、普通はそこで謝るのが常識でしょ?貴女達は一度もシルビアに謝ってないのは反省してないってことじゃないの?」

「それは………」

 リディアは図星をつかれたみたいで、何を言い返すことが出来ずにいる

「はぁ~、ここまで言われても謝罪が出来ないんだな。シルビアの幸せの為にもう二度と関わらないでくれ、君達と会うとシルビアが傷付くだけだ。もしもこれ以上シルビアを利用するつもりならもう容赦はしない」

 エリックお兄様は言い終わると同時に、私達の背中を押してここから離れることにした

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

幼馴染の生徒会長にポンコツ扱いされてフラれたので生徒会活動を手伝うのをやめたら全てがうまくいかなくなり幼馴染も病んだ

猫カレーฅ^•ω•^ฅ
恋愛
ずっと付き合っていると思っていた、幼馴染にある日別れを告げられた。 そこで気づいた主人公の幼馴染への依存ぶり。 たった一つボタンを掛け違えてしまったために、 最終的に学校を巻き込む大事件に発展していく。 主人公は幼馴染を取り戻すことが出来るのか!?

偽聖女として私を処刑したこの世界を救おうと思うはずがなくて

奏千歌
恋愛
【とある大陸の話①:月と星の大陸】 ※ヒロインがアンハッピーエンドです。  痛めつけられた足がもつれて、前には進まない。  爪を剥がされた足に、力など入るはずもなく、その足取りは重い。  執行官は、苛立たしげに私の首に繋がれた縄を引いた。  だから前のめりに倒れても、後ろ手に拘束されているから、手で庇うこともできずに、処刑台の床板に顔を打ち付けるだけだ。  ドッと、群衆が笑い声を上げ、それが地鳴りのように響いていた。  広場を埋め尽くす、人。  ギラギラとした視線をこちらに向けて、惨たらしく殺される私を待ち望んでいる。  この中には、誰も、私の死を嘆く者はいない。  そして、高みの見物を決め込むかのような、貴族達。  わずかに視線を上に向けると、城のテラスから私を見下ろす王太子。  国王夫妻もいるけど、王太子の隣には、王太子妃となったあの人はいない。  今日は、二人の婚姻の日だったはず。  婚姻の禍を祓う為に、私の処刑が今日になったと聞かされた。  王太子と彼女の最も幸せな日が、私が死ぬ日であり、この大陸に破滅が決定づけられる日だ。 『ごめんなさい』  歓声をあげたはずの群衆の声が掻き消え、誰かの声が聞こえた気がした。  無機質で無感情な斧が無慈悲に振り下ろされ、私の首が落とされた時、大きく地面が揺れた。

【完結】物置小屋の魔法使いの娘~父の再婚相手と義妹に家を追い出され、婚約者には捨てられた。でも、私は……

buchi
恋愛
大公爵家の父が再婚して新しくやって来たのは、義母と義妹。当たり前のようにダーナの部屋を取り上げ、義妹のマチルダのものに。そして社交界への出入りを禁止し、館の隣の物置小屋に移動するよう命じた。ダーナは亡くなった母の血を受け継いで魔法が使えた。これまでは使う必要がなかった。だけど、汚い小屋に閉じ込められた時は、使用人がいるので自粛していた魔法力を存分に使った。魔法力のことは、母と母と同じ国から嫁いできた王妃様だけが知る秘密だった。 みすぼらしい物置小屋はパラダイスに。だけど、ある晩、王太子殿下のフィルがダーナを心配になってやって来て……

妹が公爵夫人になりたいようなので、譲ることにします。

夢草 蝶
恋愛
 シスターナが帰宅すると、婚約者と妹のキスシーンに遭遇した。  どうやら、妹はシスターナが公爵夫人になることが気に入らないらしい。  すると、シスターナは快く妹に婚約者の座を譲ると言って──  本編とおまけの二話構成の予定です。

義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。

石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。 実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。 そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。 血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。 この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。 扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。

【完結】不倫をしていると勘違いして離婚を要求されたので従いました〜慰謝料をアテにして生活しようとしているようですが、慰謝料請求しますよ〜

よどら文鳥
恋愛
※当作品は全話執筆済み&予約投稿完了しています。  夫婦円満でもない生活が続いていた中、旦那のレントがいきなり離婚しろと告げてきた。  不倫行為が原因だと言ってくるが、私(シャーリー)には覚えもない。  どうやら騎士団長との会話で勘違いをしているようだ。  だが、不倫を理由に多額の金が目当てなようだし、私のことは全く愛してくれていないようなので、離婚はしてもいいと思っていた。  離婚だけして慰謝料はなしという方向に持って行こうかと思ったが、レントは金にうるさく慰謝料を請求しようとしてきている。  当然、慰謝料を払うつもりはない。  あまりにもうるさいので、むしろ、今までの暴言に関して慰謝料請求してしまいますよ?

ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!

沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。 それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。 失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。 アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。 帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。 そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。 再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。 なんと、皇子は三つ子だった! アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。 しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。 アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。 一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。

【長編版】この戦いが終わったら一緒になろうと約束していた勇者は、私の目の前で皇女様との結婚を選んだ

・めぐめぐ・
恋愛
神官アウラは、勇者で幼馴染であるダグと将来を誓い合った仲だったが、彼は魔王討伐の褒美としてイリス皇女との結婚を打診され、それをアウラの目の前で快諾する。 アウラと交わした結婚の約束は、神聖魔法の使い手である彼女を魔王討伐パーティーに引き入れるためにダグがついた嘘だったのだ。 『お前みたいな、ヤれば魔法を使えなくなる女となんて、誰が結婚するんだよ。神聖魔法を使うことしか取り柄のない役立たずのくせに』 そう書かれた手紙によって捨てらたアウラ。 傷心する彼女に、同じパーティー仲間の盾役マーヴィが、自分の故郷にやってこないかと声をかける。 アウラは心の傷を癒すため、マーヴィとともに彼の故郷へと向かうのだった。 捨てられた主人公がパーティー仲間の盾役と幸せになる、ちょいざまぁありの恋愛ファンタジー長編版。 --注意-- こちらは、以前アップした同タイトル短編作品の長編版です。 一部設定が変更になっていますが、短編版の文章を流用してる部分が多分にあります。 二人の関わりを短編版よりも増しましたので(当社比)、ご興味あれば是非♪ ※色々とガバガバです。頭空っぽにしてお読みください。 ※力があれば平民が皇帝になれるような世界観です。

処理中です...