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しおりを挟むあれからあっという間に一週間が経ち、私は今日から学園に通うことになった
あの時、怪我をしていたワンちゃんはシルバーと名前をつけて、私の部屋で飼うことになった
クリスお父様は中々飼うことを許可してくれなかった
理由は子犬だから落ち着きがなく、もしかしたら私や私の周りの人たちに噛みつくかもしれないこと、噛み付いたら子犬の時でもそれなりに大きいから、大怪我につながるかもしれないと反対された
駄目かもしれないと諦めかけた時に、ソフィーお母様が私の味方になってくれた
警備犬の躾担当の者にちゃんと躾けしてもらってから引き取ればいいと提案してくれた、それと今現在は後遺症の為あまり動き回れないけど、リハビリをしたらそれなりに動けるようになる可能性があること、そしたら私の護衛にちょうど良いって言ってくれた
ずっと大人の護衛が付きっ切りより、シルバーが護衛のほうが私にもストレスがないこと、不審者を追いかける事はできなくても、危険を鳴き声で知らせたり、相手に噛み付くぐらいは出来るようになるんじゃないかと言っていた
ソフィーお母様の言う通りで、私はずっと護衛やメイドが付きっ切りなのがちょっと苦手だった
絶対に嫌って訳ではないけど、ずっと人の視線があることが苦痛だったんだよね
例え嫌でも私の安全の為には仕方なかった
ソフィーお母様は私の気持ちを分かっていてくれたことがとても嬉しかったな
私は何も言ってないけど、理解してくれてたことがとても嬉しかった
シルバーは訓練中でいつ戻ってくるか分からない、シルバーが優秀で教えられたことをすぐに覚えられるなら1ヶ月以内に戻ってくると言われた、下手したら半年戻ってこない可能性もある
中々戻ってこなかったら、私から会いに行くことは出来るかな?
コンコンコンッ
「シルビア様、起きてますか?」
「起きてるよ~、ルナおはよう。それより見てみて!!制服に着替えたんだよ。可愛い?」
「とても可愛いです!!お一人で着替えたんですね。シルビア様は偉いですね」
もう!!
ルナはいつまで経っても子供扱いするんだから、私は9歳になったんだからそんなに子供じゃないわ
「ルナは私のことを何歳だと思ってるの?制服ぐらい一人で着替えられるわ。それにこの制服は一人で着替えられるように作られてるでしょ?」
学園の制服は基本的に手伝い無しで着られるように設計されている
学園では自分のことは自分でやれるようにすることを信念としている、学園は警備がちゃんとしてるから滅多に起きないけど、もしもの時に一人で行動できるように教育される
だから学園内では使用人を連れて歩くことも禁止されている
王族でもそれは変わらない
エリックお兄様が学園では2年生になると、学園が所有してる無人島で1週間サバイバル生活をする行事があると言っていた
私達が通う学園は貴族しか居ない学園なのに、貴族にサバイバル生活をさせるなんてビックリよね
入学して1年間は学園生活に慣れることと、自分のことは自分でやる習慣を身に付ける期間だと言われている
2年生になってからのサバイバル生活は、自分の身を自分自身で守るための重要さや、何かあった時に何が出来るか、どうすればいいか学ばせる授業の一環らしい
学園でこの行事を取り入れてから、誘拐された時の子供の生存率が増えたらしい
貴族の中には学園の方針が受け入れられないものも居るみたいだけど、そういう人たちは他の学園に子供を通わせればいいだけの話よね
これからの学園生活にワクワクしていると、目の前に居るルナがポロポロ涙を流し始めた
「ルナ!?何で泣くの?」
「お嬢様が立派に育ってルナは感激です!!きっとカトリーヌ様も天国で喜んでますよ」
「ルナは大袈裟すぎだよ。ジャンヌだって一人で着替えられるんだよ?お姉さんの私が出来なかったら恥ずかしいわ」
それにあの地獄みたいな家にいた時から、自分の事は自分でしていたからね
「ジャンヌ様もご立派ですが、私は小さい頃からシルビア様を見てきたので、シルビア様の成長が嬉しいのですよ」
ルナは私にとって母親のような姉のような存在………
ルナにとっても私は娘なのかな?
応援ありがとうございます!
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