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しおりを挟む正式に伯父様の娘になってから1年半が経った、1週間後にずっと心待ちにしていた学園に通える
ソフィーお母様が数ヶ月に1回、王宮で私と同じ年代の子供がいる親子を招いてお茶会を開催してくれてるお陰で、学園に入学する前から顔見知りを作ることができた
今まで人とあまり関わることが無かったせいで、全く気付いていなかったけど私は人見知りする方だとわかった
相手から話しかけてくれたら会話は出来るけど、自分から声をかけることは難しかった
ソフィーお母様が招いてる人達は良い人ばかりで、私が仲間に入れず気まずそうにしていたら、すぐに気が付いてくれて私に話しかけてくれた
話しかけてもらっても、ソフィーお母様やアンリお姉様みたいに話を広げるのは難しいから、私と話してくれてる人に少しでも私が会話を楽しんでると、分かってもらえるように笑顔を作って相槌をしたり、少しでも気になったら質問するようにはしている
これはアンリお姉様が教えてくれたこと、最初は質問するのも相手に悪いと思って躊躇してたけど、アンリお姉様が質問されて嫌な気分になる人は居ないと教えてくれた。
質問することは興味がありますって、わかりやすく態度で表してることになると教えてくれた
最初はそんなことでって思ったけど分からないことを素直に質問すると、馬鹿にすることなく皆が嬉しそうに丁寧に教えてくれた
最初は何も知らない自分が恥ずかしいって思ってたけど、皆と仲良くなるきっかけになるのが嬉しいって気持ちと、知らなかったことを知ることが楽しくて仕方なかった
この1年半は遅れていた勉強をして、沢山の人達と交流をしたりすることで忙しかった
だけどとても満足している
毎日退屈だったあの頃に比べたら、忙しい毎日が嬉しくて仕方ない
1年半で変わったことが他にもある
1年半前は私より少し背が低かったジャンヌに、3ヶ月前にとうとう私の身長を抜かれてしまった
なんで?
私とジャンヌは同じ物を食べて食べてる量もそんなに変わらないのに、ジャンヌはどんどん背が高くなるのに私は全く変わらない
体重は前より重くなったかもしれないけど、ソフィーお母様は前が細過ぎだったと言われてしまった
ご飯はちゃんと出てたけど、一人で食べるご飯は味気なくてあまり食欲が湧かなかったのよね
はぁ~、
私のほうがお姉ちゃんだからジャンヌより大きくなりたいのにな
どうしたら大きくなれるのかな?
周りからしたらどうでもいい事を本気で悩みながら、庭園の中を散歩してると犬の鳴き声が聞こえてきた
鳴き声の方に歩いていくと、大きい犬が罠に引っ掛かって痛そうにしている
「酷い………、誰がこんなことしたの。ワンちゃん痛いよね。すぐに助けてあげるから」
『くぅ~ん』
ワンちゃんは凄く痛いはずなのに、私が近付くと悲しそうに鳴いてから大人しくなった
「ごめんね。ちょっと痛いかもしれないけど見せてね。うーん、これどうなってるの?外し方が分からない。はぁ~、侍女たちを撒いてきたのは失敗だったわ」
いつもは誰かしら側にいるんだけど偶に一人になりたくなる時があり、そんな時は侍女達を撒いて庭園に来ることがある
ソフィーお母様とクリストファーお父様は私が一人になりたい時は、庭園に居ると知ってるから怒られることはないのよね
流石に他の場所に勝手に行ったら危ないと怒られるかもしれないけど
誰か大人を呼びに行く?
でもワンちゃんのそばを離れるのは心配
誰がこんな事をしたのか知らないけど、罠を仕掛けた人が来て、ワンちゃんに危害を加えるかもしれない
「シルビア姫?こんな所に一人で何してるんだ?例えここが王宮内とはいえ、一人で行動するなんて危ないだろ」
「セドリック様!?何故ここに?今は学園に時間では?」
隣国の王子が突然現れて私は心臓が止まりそうなぐらいビックリしている
セドリック様は今年から学園に留学していて、王宮で寝泊まりしているけど私はあまり会わないようにしているから気不味くてしかたない
セドリック様は口煩くて苦手なのよね
心配してくれてるのは分かるけど、歳の近い子に注意ばっかりされるのはなんか嫌
それにたまにイジワルしてくるのも嫌
アンリお姉様とウィリアムお兄様と話してると何故か邪魔してくるのよね
その度にアンリお姉様が怒って、二人が口喧嘩してるのを見ることになるけど
クリストファーお父様が言ってたように、セドリック様とアンリお姉様が気が合わないのが良くわかるわ
アンリお姉様も婚約者候補になってるけど、絶対に二人が婚約者になることはなさそう
応援ありがとうございます!
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