家族の一員では無いみたいなので、伯父さんに助けを求めたら王女になりました

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「お父様、私も隣国の王族との婚約を聞いたのは初めてなんですけど………」

「まだアンリにも話してなかったな。隣国の第２王子が婚約者を決めるために、来年この国の学園に留学してくることになってるから、話すつもりではあったけど話忘れていた」

伯父様って意外とうっかり者なのかしら？

こんな大切な話を忘れるなんて

「お父様の馬鹿！！婚約者を決めるような大切なことを忘れるなんて信じられない」

「そんなに怒らないでくれ。確かに来年から第２王子は来るけど、すぐに婚約者を決めないとイケないようなことではないんだよ。前回のことを考慮して、今回の婚約者を決めるのは強制ではないし、長期的に考えてるんだよ。第２王子は今は８歳だから１６歳までに決めるつもりなんだ。こちらに拒否権もある。誰を婚約者にするか決まるまで、お互いに他の婚約者を作るのは禁止になってるだけだよ」

「でもアンリお姉様には婚約者がいるよね？」

「アンリが覚えてるか分からないが、アンリが３歳のときに隣国の王子と顔合わせしてるんだよ。その時に二人はかなり相性が悪くてな。だから二人が婚約するのは無理だろうって話になったんだよ」

そんなに相性が悪かったんだ。

少しの間だけど一緒に居てわかったけど、アンリお姉様は人の好き嫌いはっきりしてるんだよね

使用人相手でも嫌いな相手には一切近づけさせない

手が空いてるのが嫌いな人しかいないなら、お世話しなくていいって言うほどの徹底ぶり

そんなアンリお姉様を傲慢だって言って不満を漏らしてる人もいるけど、殆どの人がアンリお姉様の行動に納得している

アンリお姉様が嫌ってる人は何かしら問題がある人が多い、出世欲が強くてアンリお姉様の使用人になったことを不満に思ってたり、部下や新人を虐めてるものも居たらしい

出世したい人からしたら、エリックお兄様やウィリアムお兄様の担当になりたいのかもしれないけど、だからって仕事を適当にやられたら不満に思うのが普通よね

そんなアンリお姉様が隣国の王子を嫌うなんて、その王子は性格に問題があるのかな？

「アンリと隣国の王子が相性悪いとはいえ、絶対に将来結婚しないとは言い切れないから、アンリとシャルル君の婚約は仮なんだよ。隣国にも許可は取ってるから問題もない。簡単に言えばアンリと隣国の王子が婚約しなかったらシャルル君が正式に婚約者になるって話だよ」

「なら今のところはジャンヌが隣国の王子の婚約者に有力候補ってことですか？でも王子とアンリお姉様は同い年だから、学園でも同じクラスになるからアンリお姉様が選ばれる可能性があるんじゃないですか？そしたらアンリお姉様とシャルル様が可哀想です」

お二人はとても仲良くて、シャルル様がアンリお姉様を好きなのは、まだ少ししか一緒に居ないけど見ていて良くわかるわ

「隣国の王子にはアンリとジャンヌ、それからシルビアの３人の中から選んでもらうつもりだよ。勿論、誰も選ばないって事も出来る。お前たちにも拒否権はあるから安心しなさい。強制ではないからな」

それってわざわざ婚約者候補にする必要あるのかな？

隣国との絆を深めるために王族同士の結婚が必要なんだよね？

それなのに嫌だったら拒否していいなんて、隣国に対して失礼にならないの？

隣国も同じ条件だから問題にならないのかな？

「それとシルビアは知らないみたいだけど、シルビアが学園に入学したら、シルビアも隣国の王子と同じクラスになるぞ」

「えっ？隣国の王子はアンリお姉様と同じ年齢なんですよね？なのに私と同じクラスになるんですか？」

「シルビアはアンリとウィリアムとも同じクラスだな。それとジャンヌが学園入学したらジャンヌとも同じクラスになる」

伯父様の言ってる意味がわからない………

なんで年齢が違うのに同じクラスになれるの？

「シルビアは知らなかったのね。私達が通う学園は貴族と王族だけが通う学園ってことは知ってるわよね？」

「うん。昔は平民も通ってたみたいだけど、数年前からは貴族と王族だけになったんだよね？」

「婚約者を捨てて平民と駆け落ちするものが多かったみたいでそうなったみたいね。通うのが貴族と王族だけなら、本当なら１６歳から１８歳の３年だけでも良いのよ。別に小さい頃から学園に通わなくても、家庭教師を雇うことも出来るからね。専門的な内容は３年間ぐらい学園で学べばいいからね」

「そうなんだ。なら何で私達は９歳から１８歳まで学園に通うの？」

「えっと………、それは何でかな？」

アンリお姉様もその理由は知らないみたいで、助けを求めるように、エリックお兄様をチラチラ見て助けを求める