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しおりを挟む改めて考えると、ルナ達は屋敷を辞めてから苦労してきたんだろうな
セントって組織を作ったみたいだけど、皆の話を聞いてる感じ、悪を裁く組織とはいえ裏の仕事ではあるんだよね?
きっと危険なことも沢山あったよね?
「ルナ達は家を出てから怪我とかしなかった?ちゃんと生活は出来ていたの?」
「私達は基本的には情報を扱う組織だったので、危険はそこまでありませんよ。情報を手に入れたり、手に入れた情報の信憑性を調査するために、多少は危険な行動に移すこともありましたけど、基本的に私達のモットーは怪我をせず、無理をしないですから」
「俺たちが怪我とかしたらお嬢様に再会したときに、気にすることが分かってましたから日頃から気をつけてましたよ」
良かった
もしも私のせいで皆が大怪我とかしてたら、どう償えばいいのかわからないもの
「むぅ~、シルビアお姉様とこの人たちの間に強い絆があるみたいでイヤ!!私とシルビアお姉様はこれから姉妹になるのに!!私より仲良さそうで納得できない!!」
「ジャンヌはヤキモチ焼きさんだったのね。ルナさん達の方がシルビアと一緒に暮らしていた時期が長いんだから、ジャンヌより仲良くても仕方ないわよ。ジャンヌはこれからもっと仲良くなればいいでしょ?」
ジャンヌは何で私のことをこんなに好きなんだろう?
ジャンヌと出会って2ヶ月が経つけど、ジャンヌは初対面の時から私のことを大好きだと言ってくれる
ここまでジャンヌに好かれる要素がわからないのよね
「ジャンヌの我儘は今は置いといて、ルナにはシルビアの専属メイドになってもらうつもりだ。元々はシルビアのメイドだったみたいだから、シルビアもその方が安心だろ?」
「確かにルナが私のメイドになってくれるなら1番頼もしいかも」
「そしてジルとトムには専属護衛になってもらうつもりだよ。二人はセントに所属してただけあって、かなり腕が立つからシルビアとの信頼関係も考えたら護衛に相応しい。ルナも普通のメイドと比べたら戦えるみたいだからな」
これからは3人が一緒に居てくれるのは頼もしいけど、数年前の3人は戦闘とは無縁の生活をしてたから、今までどれだけ危険なことをしてたのか改めて実感するわね
「私は3人が一緒に居てくれるのは嬉しいけど、本当にそれで大丈夫なの?私は気にならないけど、3人の生まれや育った環境に文句を言う人も居るでしょ?私はこれ以上、私のせいで皆が傷つくのは嫌だな。それに他のみんなはどうなるの?」
「他の奴らはそのままセントとして活動していくみたいだな。陛下がセントの後ろ盾になってくれることも約束してくれたんです。俺はシルビアお嬢様を1番近くで守れるなら周りに何て言われようと構いません」
「私はシルビアお嬢様のお世話をするのが生きがいなので、周りからの批判は気にしません!!何か言ってくるものには実力を見せて黙らせます」
「僕も周りの反感を買うことになっても、お嬢様の近くで成長を見守れるなら満足です。それにセントで活動してきたから、自分の力に自信があるので自分の力でお嬢様を守りたいです!!」
ルナとジルは昔っから気が強いところがあったからそこまで驚きはないけど、トムは気が弱くて周りのフォローをするのが得意な人だったから、ここまで自分の力を自信持っていて、自分の気持ちを優先するのは珍しいかも
「3人が私の側に居てくれるのは正直に言うと嬉しいわ。だけど他のみんなはそのままセインで活動するつもりなの?みんなは悪い人を相手してたんでしょ?恨んでる人も沢山いるよね?危険じゃないの?私に何が出来るか分からないけど、伯父様に頼んだら他の職場を紹介してもらうことも出来ると思うわ」
伯父様をチラッと見ると、伯父様は優しい顔をしてこちらを見ていた
「シルビアの頼みなら他の職場を紹介するのは構わないよ。でもその提案は既にしてあるんだよ。セントにいる人たちはシルビアと妹が大切にしてた人だからね。わざわざ危険な場所にいる必要はないだろうしね」
「何度も申してますけど、私どもは安全な生活を望んでるわけではありません。大切な存在を守るためなら進んで危険な場所に行きます」
ルナは代表して言ってるけど、トムやジルも同じことを思ってるみたいで無言で頷いてる
離れてこちらの話を聞いてる他の皆も同じ意見みたいで頷いていた
何でそんなに生き急ぐような生活をするの………
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