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しおりを挟む良かった…………
皆は大人だから何とか生活していけるとは思ってたけど、貴族に睨まれたら者が生活していくには大人でも辛いはず
親切な人が雇ってもらえなかったら、ろくな職場にはありつけないはず
我が家は侯爵だから余計に周りが避けるわよね
「チビはこんな時間に何で一人で外に居るんだ?貴族令嬢なら普通はお付きの者が居るもんだろ?」
「チビじゃない、私にはシルビアって名前があります。私はお父様に嫌われてるからお付きは居ないです。多分、私が居なくなったことも気付いていないと思うわ。あの家で私を気にかける人はいないから」
言い終わってから俯くと、お兄さんは私の頭を乱暴に撫でてきた
「シルビアはカトリーヌ様が亡くなってから辛い思いをしてたんだな。周りに味方が居ないのは辛いよな。俺は親から虐待されて孤児院に来たから、親に愛されない辛さはよくわかる。その怪我は父親にやられたのか?」
「これは違うわ。お父様の再婚相手の連れ子にやられたの。今までは暴言を吐かれるだけだったから気にならなかったけど、今日初めて暴力を振るわれたの」
暴言を吐かれたり、無視されても痛いことはなかったから気にならなかった。
だけどリディアは初めて私を直接攻撃してきた
想像でしかないけど、1度行動に移したら箍が外れて、今後は何度も攻撃してくる気がする
だからお父様達が居ない今のうちに、何が何でも逃げないといけないと思った
お父様達が私を家族と思ってないことも再確認出来ましたし
「お姉ちゃん自分の気持ちに嘘ついたらダメだよ。言葉の暴力だって辛いって思っていいんだよ?身内からの暴言なら辛くて当たり前だよ。言葉の暴力で傷付いた心は中々治らないんだよ。自分の心を誤魔化してたら余計になんだから」
私より小さい子に手を握られて説教されている、だけど嫌だって思う気持ちも恥ずかしいって気持ちもわかない
それは多分この子が私のことを本当に心配してくれてるからだ
「シルビアはこれから何処に行くつもりだったんだ?家に帰るようには見えないけど」
「王宮に行こうと思ったの。だけどお母様が亡くなってから一度も外に出たことがなかったから、王宮にどうやって行けばいいのか分からない。道に迷ってたらさっきの男の人に声をかけられたの」
「はぁ!?カトリーヌ様が亡くなってから3年は経つんだぞ!!それなのに外に一度も出たことないなんてことがあるのか?」
「正確に言うと庭には出ていたから外には出ていたわ。だけど家の外に出ることを家族に禁止されていました」
庭に出るのも外から見える位置は禁止されていた
お母様が生きてるときも、私はまだ小さいから外に行くと簡単に連れ去られる可能性が高いってことで、外に出る機会が少なかったけど月に数回はお出かけする日があった
「それは貴族特有の習慣なのか?」
「他の家との交流がないから断言は出来ないけど多分違うと思います。お父様の再婚相手の子供は私と同い年だけどよく外に行ってるし、お兄様も学校があるから外に出ています」
何でお父様は私が外を出るのをあんなに嫌がるんだろう?
別に私に暴力を振るったり、ご飯を与えなかったりしてるわけではないんだから、私が外に出ても問題ないと思うけど?
私が外で家での様子を話したりするのを警戒してたとか?
虐待はしてないけど、家族全員で無視してるから侯爵家として、評判が悪くなるのを警戒したのかな?
「そんな家なら家出してもおかしくないな。俺たちが王宮の前まで案内してやる。放置したらまた変な奴が湧くかもしれないからな」
ん?
何で変な人がまた湧くの?
私の顔を見てからお兄さんは私の頭を撫でてきた
「何ですか?」
「いや………、そのまま純粋なまま育てよ」
???
どういうこと?
応援ありがとうございます!
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