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しおりを挟む自分の置かれてる状況を忘れて、知り合ったばかりの子達と楽しく話してると、私達を助けてくれてた男の子達が近付いてきた
「いつの間にそんなに仲良くなったんだ?」
「シン兄!!もう終わったの?」
「俺たちが睨んだらすぐに逃げていったぞ」
「えっと………、助けてくれて有難うございます」
「気にしないで大丈夫だぞ。相手は弱っちい相手だったからな。それよりあの男に何もされてなかったか?」
見た目怖そうなのに面倒見が良さそうなお兄さんだな。
「お兄さん達がすぐに助けてくれたから大丈夫でした」
お兄さんはホッとした様子で、私の頭を撫でてくれた
お兄さんの頭を撫でる手が温かくて、お母様がよく私のことを撫でてくれたのを思い出して、私は泣きそうな気持ちになった
お母様が亡くなってから初めて誰かに撫でられたきがする
「シン兄!!シルビア様はカトリーヌ様の娘なんだよ」
「えっ……、確かにカトリーヌ様より幼いけど似てるな。そっか………、俺たちはカトリーヌ様に恩返しが出来たのかな?天国から俺たちのことを褒めてくれてるかな?」
この中で1番大きいお兄さんが懐かしそうに呟く
やっぱりこの人たちはお母様の知り合い?
お母様とどんな関係だったのかしら?
「皆さんはお母様とどうやって知り合ったんですか?」
「俺たちは孤児院で生活してるんだよ。カトリーヌ様は俺たちが居る孤児院によく顔を出してくれてたんだ。カトリーヌ様は俺たちに沢山の食材や雑貨をくれたり、俺たちが将来困らないように勉強とかを教えてくれてたんだ」
この人たちはお母様が援助していた孤児院の人たちだったんだ。
お母様がお世話してた孤児院は1つだけだったから、我が家で雇っていた使用人の後輩………、この人たちに聞いたら、エルザお母様とお父様に無理やり辞めさせられた人たちの行方がわかるかな?
伯父様に探してもらおうとしてたけど、1から探すより見つかる可能性が高いよね?
「あの1つ聞きたいことがあるんだけど、数年前にあなた達のところにトムかジルかルナが来たりしなかった?3人の行方を知ってたら教えてほしいの」
7人の使用人が辞めさせられたけど、3人はリーダーみたいな役割をしてたから、3人の誰かの居場所がわかったら他の人たちの行方もわかるはず
皆は最後にエルザお母様に逆らってたから、エルザお母様が簡単に許すとは思えない
最後は逃げるように我が家を辞めて出ていた
エルザお母様に見つかったら、どうなるかわからないから皆で目立つ行動はしないはずたから、3人が代表して色々行動するはず
そう言えばルナは家をでて行くときに約束事をしてたけど、私はルナの約束を破っちゃったな
ルナは私に『絶対に私を助けるから、自分たちが来るまで両親に逆らわずに大人しく待っててほしい』って言われたんだよね
何年かかるか分からないけど、絶対に助けるって言ってくれた
ルナたちが家を出たのが私が5歳の時だから2年が経ったんだよね?
何の連絡もなかったけど、エルザお母様に睨まれたら皆が無事か心配だわ
「う~ん、その人達ってカトリーヌ様のお家で雇われてた人たちだったよな?カトリーヌ様が生きてる頃はよく顔を見せてくれてたけど、亡くなってからは一度も顔を出してないな」
まさか皆も亡くなってしまったの…………
皆が追い出されたのはとても寒い冬だった
「シルビア様そんな心配そうな顔をしなくても大丈夫だよ。孤児院には来てないけど、今も元気に生きてるはずだよ」
「何でそんなことが言い切れるの?」
「ルナさん達はカトリーヌ様の屋敷で働いていた時に、毎月一定額を僕たちのために送ってくれてたんだよ。半年間ぐらいは止まってたけど、半年後ぐらいから匿名で毎月お金が送られるようになったんだ。それも7人分あるから孤児院では、ルナさん達が送ってくれてるんじゃないかって話になったんだ。同じ日に同時に来るから間違いないと思うよ」
皆が生きている………、
確証はないけど、7人分が匿名で同時に来るなんて滅多にないよね
お金を送れるってことはみんな元気なのは間違いない
お金を送るのは自分たちは元気だって証でもあるのかな?
応援ありがとうございます!
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