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しおりを挟む部屋の窓からお父様達が馬車で出発していく光景を黙って見ていた
分かってはいたけど、私が傷ついて部屋を出て行っても誰も気にしなかったな
お父様達が出発してから、使用人たちもぞろぞろと屋敷から出て行く
家族に愛されていないのに、何で私は生きてるんだろう?
あの時、私も病気になってもお母様と一緒に亡くなってたら、こんな辛い思いしなかったのかな?
お母様は私が感染したら駄目だと言って、患者さんがいる場所には連れて行ってくれなかった
お母様が病気になった時も自分が死ぬ直前まで、絶対に私を部屋には入れてくれなかったわね
そう言えば死ぬ直前にお母様から宝石箱を貰った。
もしも辛くて耐えられなくなったら、宝石箱の底を開けるように言われてたわね
死ぬ時のお母様の事を思い出すのは辛かったから忘れてた…………
エルザお母様とリディアに取られないように、ベットにある隠し空間に入れてた宝石箱を取り出す
宝石箱にはお母様が大切にしていた沢山のアクセサリーが入っていた。
アクセサリーをベットの上に出してから宝石箱の底を弄ると、小さい出っ張りがあって開けられるようになっていた
中には封筒があり、封筒を開けるとお母様からの手紙と指輪が入っていた
何でこの指輪だけ隠してあるんだろう?
それにこんな指輪お母様持ってたかしら?
お母様は無駄なものを持たない人だったから、持ってるアクセサリーとかは、順番に使う人だったから見たことないなんてことないと思うんだけど?
取り敢えずお母様の手紙を読もう
懐かしいお母様の綺麗な字
『シルビアへ
この手紙を読んでるってことは私は亡くなってしまったのですね。
これを読んでるシルビアは何歳でしょうか?
これを読んでるシルビアが大人になって、昔の事を思い出して懐かしんで読んでいるだけなら良いのですが、もしもまだ小さい貴女がこの手紙を見てるなら、私はシルビアに謝ります。
まだ小さい貴女を残したことで、貴女が辛い目にあってるなら私の責任です。シルビアが何について苦しんでるか私にはわかりません。
でももし父親のことで悩んでるなら、迷わず貴女の伯父であり、私の兄であるクリストファー兄様を頼ってください。
お城で封筒と一緒に入ってた指輪を見せて、クリストファー兄様に会いたいって言ったら、すぐに会わせてもらえるはずです。
クリストファー兄様なら絶対に貴女の味方になってくれます。
貴女は一人ではありません。
貴女がどんな風に育ったとしても、私は貴女を愛してます。
シルビア幸せになってください
カトリーヌ•メリル』
お母様………
手紙の上に私の涙がポツポツ落ちる
お母様に会いたい
お母様お母様お母様お母様……………
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