家族の一員では無いみたいなので、伯父さんに助けを求めたら王女になりました

２

今日は珍しく食事の席に呼ばれた、いつもは自分のお部屋で一人寂しく食べてるのに何でだろ？

もしかしてやっと私も家族の一員として認めてもらえたのかな？

ダイニングルームに入ると、リディアとエルザお母様しかまだ居なかった。

二人とはあまり話したことがないから気まずい

「あれ？お母様～、何でこの子がここに居るの？家族での大切な時間にこんな子が居たら台無しだよ～」

「ちょっとの間だけ我慢してちょうだい。ジョルズが全員に大切な話があるみたいなのよ。一応、これも家族ではあるから呼ばれたのよ」

「お父様が呼んだなら仕方ないね～、はぁ～、折角の楽しい時間が台無しだよね～、それよりお姉様は可哀想だよね～、この家で唯一、お父様の本当の子供なのに一番お父様に愛されていないなんて～、私なら死にたくなるな～」

ニヤニヤしながら、リディアは私を弄ってくる

リディアは会うたびに、私がお父様に愛されていないことを面白そうに話す

リディアは物心つく頃から母親と二人暮らしだったみたいで、父親に愛されてもいない私が、ずっと裕福な暮らしをしていたことが気に入らないらしい

もしもお父様とエルザお母様が昔から恋仲でリディアが二人の間の娘とかで、二人の仲を私のお母様が邪魔してたとかならリディアの嫉妬は多少理解できるけど、事実はそんな事は全くない

リディアの本当の父親は、仕事もしない酒飲みの暴力男だったらしい

真冬に酔っ払って薄着のまま外で寝ていたみたいで、発見された頃には凍死していたらしい

これはリディアが３歳の頃の話みたいで、父親の記憶がないから何とも思ってないみたいだけど、母親と二人暮らしでは貧しい暮ししか出来なかったみたいで、リディアと家族になってすぐにリディアに

『私の方が可愛いのに、何でお前が貴族の娘で、私が平民の娘なのよ！！神様は不公平だわ。お前からすべて奪ってやる！！お前はお父様に愛されてないから簡単よね』

リディアは憎しみが籠もった目で、当時そう言っていた。

リディアがここまで私に憎しみを感じることが理解できない、新しく家族になった相手が生まれつき貴族だったことが気に入らないなんて、理不尽にも程がある

一番理解できないのは、その憎しみが私だけに向くのが何故か分からない

我が家にはブルーノ兄様もいるけど、リディアはブルーノ兄様には懐いていて、嫌ってる様子は一切ない

ブルーノ兄様がお父様の息子になったのは、叔母様が亡くなってからだけど、亡くなる前からこの家で私と同じ暮らしをしていたのにな

「何、無視してるのよ！！私が話しかけて上げてるのに生意気なのよ！！」

「別に無視してるわけではないわ。どうでもいい内容だから、どう返していいか分からなかっただけ」

お父様に愛されてないのなんて生まれてからずっとだから、今更どう言われても何とも思わないわ

「そんなんだからお父様に愛されないのよ！！あんたの母親もあんなに似て最悪な奴だったんでしょ」

「リディアちゃん会ったことない人を悪く言ってはいけないわ。親子揃ってジョルズに愛されなかった可哀想な親子なんだから。生まれつき貴族だと、愛のない結婚をしないといけないから可哀想よね～、死ぬまでずっと夫に愛されなかったなんて、同じ女として同情するわ」

確かにお母様はお父様に愛されてなかったかもしれない、だけどお母様がお父様を愛していたかと問われると、違ったような気がするからお互い様だと思う

メリル侯爵家は他の公爵家や侯爵家と比べて王家との繫がりが何代もなかったから、貴族の力関係のバランスを取るために、お母様とお父様の婚姻が結ばられた

王女だったお母様にとって、結婚は国の為にするものだと考えていたみたいだから、後悔は一切していないと思う

エルザお母様は直接会ったことないのに、私のお母様に敵対心があるのよね。

エルザお母様は何でそんな私のお母様を嫌うのかしら？

私はお母様に瓜二つでお父様と全く似てないから、私の見た目が気に入らないってよく言われてきた。

あまり会わないようにしてるけど、会うたびに私が少しでもお父様に似ていたら、可愛がれるのにってよく言っている

本当に私がお父様に似てたら可愛がっていてくれたのかしら？

ブルーノ兄様の事は可愛がってるけど、ブルーノ兄様がお父様に似てるってわけではないのよね。

もしかしてメイド達が話していた事が何か関係あるのかな？

メイド達はエルザお母様は、将来この家を継ぐブルーノ兄様に媚を売ってるってよく話してるのよね。

女の私ではこの家を継げないから、お父様の甥であるブルーノ兄様がこの家を継ぐ事は決まってるのよね。

それと話してる内容の中に、リディアをブルーノ兄様の妻にさせようとしてるんじゃないかって言ってたような？

リディアがブルーノ兄様のお嫁さんになったら、もしもお父様が亡くなったとしても、妻の親として、この家を追い出される心配は無くなるからって言ってたわよね？

でもエルザお母様はお父様と再婚したから、ブルーノ兄様の母親でもあるのに、何であんなこと言ってたのかしら？

お父様が亡くなったからと言って、エルザお母様を追い出したりしないでしょうに？