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第五章
12
しおりを挟むこれだ!!
やっと欲しかった内容が見つかった。
まさか13冊目で見つかるとは思わなかったわね。
他の本もそれなりに役立ったけど、内容がちょっとズレていたり、確証がない内容だったから信頼は出来なかったのよね。
1番期待していた『魅了魔法についての考察』は語尾にだろうとか、恐らくとか、そう考えるとか、信頼できる要素がなかったのよね。
だけどこの本は間違いない。
実体験や使った時の感想などが詳しく書かれている。
本って言うより日記や記録表って考えたほうが正しいかしら?
魔法を使った時の効果とかが書いていて、作者は魔法を教えてた人物みたいなのよね。
魔法を色んな人に教える立場だったからか、色んな種類の魔法について詳しく書いてある。
評判が悪い魔法などの使い道を熱心に考えていたみたいで、黒魔術などの使い道も悩んでいたのが分かる。
魅了魔法は黒魔術の一種みたいね。
黒魔術は精神に影響を与えたり、呪いなどがあるみたいだけど、もしもテイラー伯爵令嬢が魔導具ではなく、黒魔術が使える人物ならとても危険だわ。
この本が正しいなら、魅了魔法はとても危険だわ。
魅了魔法を長期間使われていると、操られている人物は狂ってしまったり、寝たっきりになってしまうらしい。
魅了魔法を使っているものにも影響があるみたいね。
魅了魔法って言うより、黒魔術全般が影響があるみたいね。
自分の魔力だけで使っている場合は魂が汚れていき、最終的に存在そのものが消滅してしまうらしい。
だけどそれを回避する方法があり、生き物を生贄に使うことで消滅しないで済むみたいね。
生贄には清らかな魂が効果的だと書いてある。
清らかな魂か…………、
多分だけど生まれたばかりの生物ってことよね?
とんでもない内容ね。
これは魔導具でも同じことなのかしら?
魔法だけ犠牲が必要?
魅了をかかってる人には共通点があることが分かった。
左胸に前世ではダビデの星って言われていたマークが現れるらしい。
小指の爪サイズだから、ちゃんと見ないと分からないと書かれている。
問題はどうやって操られてる人を解放するかよね。
本には魅了に掛かってる者を解放する魔法が書いてあるけど、今の時代に魔法が使える人なんて居ない。
分かった事だけでも報告する必要があるわね。
それと本棚に隠されていた、王家の歴史について書かれてる本を読む許可を取らないといけないわね。
何か新しい事がわかるかもしれない。
陛下が何で今も無事なのか判明してない。
王家の歴史が載ってる本を両手で抱えるように持ちながら、私は走り出したい気持ちを抑えながら、お父様とユーリ様が仕事をしてる部屋に急ぐ。
部屋の前に着くと、ノックをしようと片手を上げるけど、ここでちょっと考え込んでしまう。
仕事中なのに邪魔をして良いのかしら?
でも遊びに来てるわけじゃないですし、何か分かったらすぐに教えてくれって言われてるから、大丈夫ですわよね?
覚悟を決めてノックをしようとすると、急に扉が開いた。
「きゃっ!?」
「うわぁ!?ビックリした~、イリーナか。こんな所でどうしたんだ?」
タイミングよく部屋から出てきたのはお兄様だった。
今日もお手伝いに来ていたのね。
「ユーリ様に報告があって来たんです」
お兄様は何か察した顔をして、ユーリ様の方を見る。
ユーリ様とお父様はこちらを見ていて、ユーリ様は無言で隣の休憩室を指差し、そっちに移動するように指示を出す。
この部屋には関係ない人も居るから、休憩室で話を聞くってことみたいね。
私は頷いてから休憩室に移動をする。
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