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第三章

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 何処から否定すればいいかしら?

「私が彼女に嫌がらせをする理由はなんですか?嫉妬してたからって言ってましたけど、私が何で彼女に嫉妬をする必要があるんです?嫉妬する必要性も感じません」

「それは彼女が綺麗で周りから愛されていたから」

 綺麗?

 何処が?

 ミハイル殿下って趣味が悪いのかしら?

 確かに昔の彼女なら性格に難はあるけど、可愛い見た目はしてたけど今はね~

 周りも私と同じことを思ってたみたいで、コソコソ何かを言ってる人が居る。

「好みは人それぞれなので何も言うことはありませんが、私は彼女に負けてる部分があるとは思ってないので、彼女に嫉妬する必要性を感じませんわ。私には素敵な婚約者もいますから」

「なら何故リリヤを虐める!!」

「その人の勘違いでは?私と彼女は親が離婚してからこの学園に入学するまで、1度も会ってませんから虐める機会なんてありませんでしたわ」

 絡んで来ないなら彼女に興味がないから、虐める理由もないのよね。

 今のリリヤなら私が負けてるところなんてないわよね?

 見た目は私のほうが良いだろうし、成績だって私のほうが上で、地位だって私のほうがずっと上なんだから、この子に嫉妬する要素ってある?

「そんなの嘘だよ!!私がお母様に愛されてるから嫉妬したんでしょ?私が公爵令嬢になったら、私に全て奪われると思って、イワンお父様に頼んで私を追い出したんでしょ?怒らないから真実を話して」

 何を言ってるの?

 夢物語にも程があるでしょ。

 リリヤが公爵令嬢になる?

 この国の法律では無理だから

「妄想は止めてくれる?貴女が公爵令嬢になるなんて不可能よ。貴女にはサフィナ家の血は流れてないんだから、公爵令嬢には絶対になれないでしょ?」

 リリヤは本気でそんな事を思ってたの?

 冗談だよね?

「そんなのおかしいわ。イリーナが公爵令嬢なのに、従姉妹の私が何で公爵令嬢になれないのよ。嘘を言わないで!!」

「この国の決まりから勉強したほうが良いんじゃないかしら?」

 ミハイル様もリリヤが公爵令嬢になっていたって言ってたわよね?

 この国の貴族としての法律を知らないのかしら?

 でもあれって最初の方に教えられる内容よね?

 リリヤだって勉強をしてるなら、絶対に知ってるはずだけど?

 一部の国以外は同じ法律だから普通は知ってるわよね?

 うーん、でもリリヤが子供の頃に居た国ではどうだったかしら?

 確かあの国では独自の宗教を崇めてるから、独特の決まりも何個かあったはずだけど、相続権や爵位に対しても独特の決まりなの?

 2人がこの国のルールをちゃんと理解してるのか確認したくなってきた。

 知らないなんてことはないと思うけど、もしも知らなかったら話が噛み合わないわよね。

「貴女は何で自分が公爵令嬢になれると思ったのかしら?絶対に無理なのは貴族なら小さい子供でもわかりますわよ?」

「イリーナが公爵令嬢なんだから、従姉妹の私が公爵令嬢になってもおかしくないでしょ!!イリーナが邪魔をして、私とお母様を追い出さなければ、私は公爵令嬢として生活してたはずよ」

 頭が痛い。

 本気で知らないの?

 嘘だよね?

 ミハイル殿下も何の反応もしてないけど、リリヤが言ってることがおかしいって気が付いてないの?

 リリヤが私をイリーナって呼び捨てしてるのも問題なんだけど、今はそこは放置でいいかな?

 本当は放置していい内容ではないけど、それよりもリリヤが公爵令嬢になれたかもしれないって勘違いのほうが問題よね。

「えっと…………、ミハイル殿下も同じ考えなんですか?」

「当たり前だろ。何がおかしい」

 おかしい所しかないわよ!!

 ミハイル殿下の判断が難しいわね。

 リリヤを気に入ってるから、間違ってることを言っててもリリヤの味方をしてるのか、本当にそう思ってるのか判断ができない。

「テイラー伯爵令嬢にはサフィナ公爵家の血は流れてませんわ。貴族はその家系の血が流れていない者は、例えどんな身分だとしても、その家の者だと名乗ることは禁止されています。その家の血が入ってなくても名乗れるのは、その家に嫁いだものだけです。こんな事は一般常識なので知ってるとは思いますが」

 理不尽な言い掛かりをされたので、軽く嫌味を言うぐらいは許されるわよね。

 はぁ~、ミハイル殿下はリリヤの何処が良いのかしら?

 今の会話だけでも賢くないのはわかりますし、見た目だって周りと比べたら太ってるわよね。

 貴族令嬢は太ることはあまり良く思われない。

 体質とかあるから仕方ない部分はあるのかもしれないけど、自己管理が出来ないと馬鹿にされてしまう。

 貴族はどんな時も綺麗で在るべきと考えられている、綺麗な人とそうじゃない人では周りの印象も変わるから仕方ないのよね。

 貴族は庶民に支持される必要がある。

 そのための手段として、容姿が良い者は好印象を持たれやすいってことで、結婚相手などに容姿が良い者が好まれる。

 産まれてくる子供に影響がありますからね。

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