88 / 143
第三章
25
しおりを挟む何処から否定すればいいかしら?
「私が彼女に嫌がらせをする理由はなんですか?嫉妬してたからって言ってましたけど、私が何で彼女に嫉妬をする必要があるんです?嫉妬する必要性も感じません」
「それは彼女が綺麗で周りから愛されていたから」
綺麗?
何処が?
ミハイル殿下って趣味が悪いのかしら?
確かに昔の彼女なら性格に難はあるけど、可愛い見た目はしてたけど今はね~
周りも私と同じことを思ってたみたいで、コソコソ何かを言ってる人が居る。
「好みは人それぞれなので何も言うことはありませんが、私は彼女に負けてる部分があるとは思ってないので、彼女に嫉妬する必要性を感じませんわ。私には素敵な婚約者もいますから」
「なら何故リリヤを虐める!!」
「その人の勘違いでは?私と彼女は親が離婚してからこの学園に入学するまで、1度も会ってませんから虐める機会なんてありませんでしたわ」
絡んで来ないなら彼女に興味がないから、虐める理由もないのよね。
今のリリヤなら私が負けてるところなんてないわよね?
見た目は私のほうが良いだろうし、成績だって私のほうが上で、地位だって私のほうがずっと上なんだから、この子に嫉妬する要素ってある?
「そんなの嘘だよ!!私がお母様に愛されてるから嫉妬したんでしょ?私が公爵令嬢になったら、私に全て奪われると思って、イワンお父様に頼んで私を追い出したんでしょ?怒らないから真実を話して」
何を言ってるの?
夢物語にも程があるでしょ。
リリヤが公爵令嬢になる?
この国の法律では無理だから
「妄想は止めてくれる?貴女が公爵令嬢になるなんて不可能よ。貴女にはサフィナ家の血は流れてないんだから、公爵令嬢には絶対になれないでしょ?」
リリヤは本気でそんな事を思ってたの?
冗談だよね?
「そんなのおかしいわ。イリーナが公爵令嬢なのに、従姉妹の私が何で公爵令嬢になれないのよ。嘘を言わないで!!」
「この国の決まりから勉強したほうが良いんじゃないかしら?」
ミハイル様もリリヤが公爵令嬢になっていたって言ってたわよね?
この国の貴族としての法律を知らないのかしら?
でもあれって最初の方に教えられる内容よね?
リリヤだって勉強をしてるなら、絶対に知ってるはずだけど?
一部の国以外は同じ法律だから普通は知ってるわよね?
うーん、でもリリヤが子供の頃に居た国ではどうだったかしら?
確かあの国では独自の宗教を崇めてるから、独特の決まりも何個かあったはずだけど、相続権や爵位に対しても独特の決まりなの?
2人がこの国のルールをちゃんと理解してるのか確認したくなってきた。
知らないなんてことはないと思うけど、もしも知らなかったら話が噛み合わないわよね。
「貴女は何で自分が公爵令嬢になれると思ったのかしら?絶対に無理なのは貴族なら小さい子供でもわかりますわよ?」
「イリーナが公爵令嬢なんだから、従姉妹の私が公爵令嬢になってもおかしくないでしょ!!イリーナが邪魔をして、私とお母様を追い出さなければ、私は公爵令嬢として生活してたはずよ」
頭が痛い。
本気で知らないの?
嘘だよね?
ミハイル殿下も何の反応もしてないけど、リリヤが言ってることがおかしいって気が付いてないの?
リリヤが私をイリーナって呼び捨てしてるのも問題なんだけど、今はそこは放置でいいかな?
本当は放置していい内容ではないけど、それよりもリリヤが公爵令嬢になれたかもしれないって勘違いのほうが問題よね。
「えっと…………、ミハイル殿下も同じ考えなんですか?」
「当たり前だろ。何がおかしい」
おかしい所しかないわよ!!
ミハイル殿下の判断が難しいわね。
リリヤを気に入ってるから、間違ってることを言っててもリリヤの味方をしてるのか、本当にそう思ってるのか判断ができない。
「テイラー伯爵令嬢にはサフィナ公爵家の血は流れてませんわ。貴族はその家系の血が流れていない者は、例えどんな身分だとしても、その家の者だと名乗ることは禁止されています。その家の血が入ってなくても名乗れるのは、その家に嫁いだものだけです。こんな事は一般常識なので知ってるとは思いますが」
理不尽な言い掛かりをされたので、軽く嫌味を言うぐらいは許されるわよね。
はぁ~、ミハイル殿下はリリヤの何処が良いのかしら?
今の会話だけでも賢くないのはわかりますし、見た目だって周りと比べたら太ってるわよね。
貴族令嬢は太ることはあまり良く思われない。
体質とかあるから仕方ない部分はあるのかもしれないけど、自己管理が出来ないと馬鹿にされてしまう。
貴族はどんな時も綺麗で在るべきと考えられている、綺麗な人とそうじゃない人では周りの印象も変わるから仕方ないのよね。
貴族は庶民に支持される必要がある。
そのための手段として、容姿が良い者は好印象を持たれやすいってことで、結婚相手などに容姿が良い者が好まれる。
産まれてくる子供に影響がありますからね。
448
お気に入りに追加
5,625
あなたにおすすめの小説
離縁してくださいと言ったら、大騒ぎになったのですが?
ネコ
恋愛
子爵令嬢レイラは北の領主グレアムと政略結婚をするも、彼が愛しているのは幼い頃から世話してきた従姉妹らしい。夫婦生活らしい交流すらなく、仕事と家事を押し付けられるばかり。ある日、従姉妹とグレアムの微妙な関係を目撃し、全てを諦める。
オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
毒を盛られて生死を彷徨い前世の記憶を取り戻しました。小説の悪役令嬢などやってられません。
克全
ファンタジー
公爵令嬢エマは、アバコーン王国の王太子チャーリーの婚約者だった。だがステュワート教団の孤児院で性技を仕込まれたイザベラに籠絡されていた。王太子達に無実の罪をなすりつけられエマは、修道院に送られた。王太子達は執拗で、本来なら侯爵一族とは認められない妾腹の叔父を操り、父親と母嫌を殺させ公爵家を乗っ取ってしまった。母の父親であるブラウン侯爵が最後まで護ろうとしてくれるも、王国とステュワート教団が協力し、イザベラが直接新種の空気感染する毒薬まで使った事で、毒殺されそうになった。だがこれをきっかけに、異世界で暴漢に腹を刺された女性、美咲の魂が憑依同居する事になった。その女性の話しでは、自分の住んでいる世界の話が、異世界では小説になって多くの人が知っているという。エマと美咲は協力して王国と教団に復讐する事にした。
少し冷めた村人少年の冒険記
mizuno sei
ファンタジー
辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。
トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。
優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
願いの代償
らがまふぃん
恋愛
誰も彼もが軽視する。婚約者に家族までも。
公爵家に生まれ、王太子の婚約者となっても、誰からも認められることのないメルナーゼ・カーマイン。
唐突に思う。
どうして頑張っているのか。
どうして生きていたいのか。
もう、いいのではないだろうか。
メルナーゼが生を諦めたとき、世界の運命が決まった。
*ご都合主義です。わかりづらいなどありましたらすみません。笑って読んでくださいませ。本編15話で完結です。番外編を数話、気まぐれに投稿します。よろしくお願いいたします。
悪役令嬢でも素材はいいんだから楽しく生きなきゃ損だよね!
ペトラ
恋愛
ぼんやりとした意識を覚醒させながら、自分の置かれた状況を考えます。ここは、この世界は、途中まで攻略した乙女ゲームの世界だと思います。たぶん。
戦乙女≪ヴァルキュリア≫を育成する学園での、勉強あり、恋あり、戦いありの恋愛シミュレーションゲーム「ヴァルキュリア デスティニー~恋の最前線~」通称バル恋。戦乙女を育成しているのに、なぜか共学で、男子生徒が目指すのは・・・なんでしたっけ。忘れてしまいました。とにかく、前世の自分が死ぬ直前まではまっていたゲームの世界のようです。
前世は彼氏いない歴イコール年齢の、ややぽっちゃり(自己診断)享年28歳歯科衛生士でした。
悪役令嬢でもナイスバディの美少女に生まれ変わったのだから、人生楽しもう!というお話。
他サイトに連載中の話の改訂版になります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる