70 / 143
第三章
7
しおりを挟む早速、面倒臭い相手に絡まれたわね。
初めて彼女からお姉様って呼ばれたような?
そういえばリリヤは同い年しのよね?
同じ年の子にお姉様って呼ばれるのは変な気がしますし、実際にどっちが歳上なのか私は知らないのよね。
同じ家に住んでた時に誕生日とか聞いてなかったはず?
周りに勘違いされる前に、姉妹じゃないって否定しないといけないわね。
もしもお父様が不倫して出来た子供だって勘違いされたら、色々とややこしくなってしまうもの。
「私には妹は居ないわ。変なことを言わないでちょうだい」
「酷い!!確かに私達は従姉妹だから姉妹ではないけど、一緒に住んでいたんだから姉妹のようなものでしょ?それに今の私は正式にオリガお母様の娘だから、オリガお母様の子供であるイリーナお姉様は私のお姉様よ」
庶民だったらそれで許されるかもしれない。
でも貴族は一般常識とちょっと違うのは、リリヤだって貴族の娘として育って来たなら分かるはずなのに、都合が悪いところは知らないフリをするの?
それとも本当に何も知らない無知な子なのかしら?
もしそうならかなり恥をかくことになるけどどっちなのかしらね?
「元サフィナ公爵夫人はもう私の母親ではありませんわ。お父様とオリガ様が離婚されてから、あの方は私達の母親という肩書を剥奪されました。ですから貴女があの方の養子になったみたいですが、貴女と私は赤の他人です」
「何でそんな酷いことを言うの?親が離婚しても、イリーナお姉様がオリガお母様の娘に違いはないでしょ?」
「庶民だったらそうでしょうけど、貴族はそうはいきませんわ。貴女だって貴族なのだから分かるでしょ?貴族として身分があるのですから、例え血の繋がりがあったとしても、身分という高い壁が私達の間にはありますわ」
私は公爵の娘で母親だった人は今は伯爵夫人なのだから、親子とはいえ馴れ合うことは許されない。
貴族が離婚するのはそういう事を考えないといけない。
中には曖昧にしてしまう人達も居るけど、我が家は公爵という身分で王族と大公の次に高い身分だからこそ、曖昧に済ませることは出来ない。
「そんなのこじつけでしょ?オリガお母様が私を優先したから、イリーナお姉様は拗ねてるだけよ。私が気に入らないだけでしょ」
「貴女のことは何とも思ってないわ。1つ言わせてもらうとしたら、私は貴女の姉ではないから、お姉様と呼ばないでちょうだい」
「何でそんなに冷たいことを言うの!!そんなに私のことが嫌いなの?」
だから何とも思ってないって言ってるじゃない。
関わりたくないだけよ。
何で絡んでくるのかしら?
「あの~、そのへんでやめといたほうが良いんじゃないですか?お2人の間に何があったか知らないですけど、イリーナは貴女と関わりたくないみたいですし、嫌がってる相手に無理強いするのは良くないと思います」
「関係ない人は黙ってて!!私が話してるのはイリーナお姉様よ。庶民が私達の話に割り込んで来るなんて、身の程知らずね!!」
…………リリヤはヒロインなのよね?
中身は転生者なんだろうけど、ヒロインなのに庶民だからって見下すのはどうなのかしら?
この世界が舞台になってる乙女ゲームの内容をあまり覚えてないけど、大抵のヒロインって身分とか関係なく皆に平等なんじゃないの?
後でレイチェルに確認しとこうかしら?
今はエリーを助けないといけないわね。
「私の友人に酷いことを言うのはやめてくれる?私と関係ないのは貴女の方よ。約1か月だけ別棟に居候させてあげただけで、身内扱いされるのは不快だわ」
改めて考えるとリリヤって図々しいわよね。
12歳になるまで一切関わりがなくて、1か月だけ別棟に居候させてあげただけで、ここまで図々しく絡んでくるなんて非常識よね。
一緒に住んでた時に親しくなってたなら分かるけど、私と関わろうとしてなかったのに何を考えてるのかしら?
別棟に居候してた時にリリヤが接触してたのは、オリガ伯爵夫人とお父様とお兄様だけだったのよね。
私のことは眼中にないのが丸わかりだった。
358
お気に入りに追加
5,491
あなたにおすすめの小説
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
【完結】断罪された悪役令嬢は、全てを捨てる事にした
miniko
恋愛
悪役令嬢に生まれ変わったのだと気付いた時、私は既に王太子の婚約者になった後だった。
婚約回避は手遅れだったが、思いの外、彼と円満な関係を築く。
(ゲーム通りになるとは限らないのかも)
・・・とか思ってたら、学園入学後に状況は激変。
周囲に疎まれる様になり、まんまと卒業パーティーで断罪&婚約破棄のテンプレ展開。
馬鹿馬鹿しい。こんな国、こっちから捨ててやろう。
冤罪を晴らして、意気揚々と単身で出国しようとするのだが、ある人物に捕まって・・・。
強制力と言う名の運命に翻弄される私は、幸せになれるのか!?
※感想欄はネタバレあり/なし の振り分けをしていません。本編より先にお読みになる場合はご注意ください。
使えないと言われ続けた悪役令嬢のその後
有木珠乃
恋愛
アベリア・ハイドフェルド公爵令嬢は「使えない」悪役令嬢である。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生したのに、最低限の義務である、王子の婚約者にすらなれなったほどの。
だから簡単に、ヒロインは王子の婚約者の座を得る。
それを見た父、ハイドフェルド公爵は怒り心頭でアベリアを修道院へ行くように命じる。
王子の婚約者にもなれず、断罪やざまぁもされていないのに、修道院!?
けれど、そこには……。
※この作品は小説家になろう、カクヨム、エブリスタにも投稿しています。
【完結160万pt】王太子妃に決定している公爵令嬢の婚約者はまだ決まっておりません。王位継承権放棄を狙う王子はついでに側近を叩き直したい
宇水涼麻
恋愛
ピンク髪ピンク瞳の少女が王城の食堂で叫んだ。
「エーティル様っ! ラオルド様の自由にしてあげてくださいっ!」
呼び止められたエーティルは未来の王太子妃に決定している公爵令嬢である。
王太子と王太子妃となる令嬢の婚約は簡単に解消できるとは思えないが、エーティルはラオルドと婚姻しないことを軽く了承する。
その意味することとは?
慌てて現れたラオルド第一王子との関係は?
なぜこのような状況になったのだろうか?
ご指摘いただき一部変更いたしました。
みなさまのご指摘、誤字脱字修正で読みやすい小説になっていっております。
今後ともよろしくお願いします。
たくさんのお気に入り嬉しいです!
大変励みになります。
ありがとうございます。
おかげさまで160万pt達成!
↓これよりネタバレあらすじ
第一王子の婚約解消を高らかに願い出たピンクさんはムーガの部下であった。
親類から王太子になることを強要され辟易しているが非情になれないラオルドにエーティルとムーガが手を差し伸べて王太子権放棄をするために仕組んだのだ。
ただの作戦だと思っていたムーガであったがいつの間にかラオルドとピンクさんは心を通わせていた。
【完結】私ですか?ただの令嬢です。
凛 伊緒
恋愛
死んで転生したら、大好きな乙女ゲーの世界の悪役令嬢だった!?
バッドエンドだらけの悪役令嬢。
しかし、
「悪さをしなければ、最悪な結末は回避出来るのでは!?」
そう考え、ただの令嬢として生きていくことを決意する。
運命を変えたい主人公の、バッドエンド回避の物語!
※完結済です。
※作者がシステムに不慣れな時に書いたものなので、温かく見守っていだければ幸いです……(。_。///)
ここは乙女ゲームの世界でわたくしは悪役令嬢。卒業式で断罪される予定だけど……何故わたくしがヒロインを待たなきゃいけないの?
ラララキヲ
恋愛
乙女ゲームを始めたヒロイン。その悪役令嬢の立場のわたくし。
学園に入学してからの3年間、ヒロインとわたくしの婚約者の第一王子は愛を育んで卒業式の日にわたくしを断罪する。
でも、ねぇ……?
何故それをわたくしが待たなきゃいけないの?
※細かい描写は一切無いけど一応『R15』指定に。
◇テンプレ乙女ゲームモノ。
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾もあるかも。
◇なろうにも上げてます。
【完結】【35万pt感謝】転生したらお飾りにもならない王妃のようなので自由にやらせていただきます
宇水涼麻
恋愛
王妃レイジーナは出産を期に入れ替わった。現世の知識と前世の記憶を持ったレイジーナは王子を産む道具である現状の脱却に奮闘する。
さらには息子に殺される運命から逃れられるのか。
中世ヨーロッパ風異世界転生。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる