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第一章
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しおりを挟む私とリリヤが言い合ってる間、お母様は気まずそうに顔を俯かせていた
言い訳もしないんですね
「君がどんなに嫌がってもこの決定を覆すつもりはない。我々に迷惑をかけなければいいだけの話だ。出来るなら娘には近づかないで欲しい。今の君を見てると娘に何をするかわからないからな」
今のお父様を見て、私は正直な気持ちして嬉しいと感じた
お父様の事を信じていたけど実際に行動してくれて、お父様はリリヤより私の事を優先してくれるってわかって安心した
この世界はゲームの世界だから、もしかしたら全員がリリヤに甘くなるんじゃないかって危惧をしていた
だけどそうじゃないみたいでホッとした
リリヤを見ると顔を両手で覆ってグズグズ泣き出した、だけど両手の隙間から顔がちょっと見えたけど全く涙が出てなかった
「反省をしていないみたいだな。これ以上ここに居ても時間の無駄だ。帰るぞ」
私とお兄様はすんなりとお父様の後ろについていく
お母様はリリヤとお父様を交互に見てから
「私はもう少しリリヤと話してから帰ります。イリーナも残らない?お互いに誤解しあってるのよ。話し合えば分かり合えるわ」
「お断りします。私の事を一方的に嫌ってる相手とわざわざ仲良くしたいとは思いません」
「勝手にしなさい。でも自分が誰の母親なのか自覚しなさい。あまりに度が過ぎるならこちらにも考えがある。お前はイリーナとセミュンの母親なんだ、本来は誰を優先するべきなのか考えなさい。今は親を亡くしたばかりの彼女に免じて大目に見よう」
お父様はジーッとお母様を見てから、私とお兄様の背中を優しく押す
私達3人は黙ったまま別棟から出て行く
「2人共ごめんな。あいつは今はちょっと可笑しいんだ。もう少ししたらいつもの様子に戻ると信じよう」
「「はい」」
お父様はそう言ってるけど、心の底では無理だと思ってるのが表情でわかる
お父様とお母様は最終的に離縁してしまうのかな?
リリヤの我儘を叶えようとしてしまうお母様の様子は異様過ぎる。
今は屋敷の中だけだからまだ良いけど、もしも外でも同じようなことをするなら、公爵夫人として相応しくないって、お父様から三行半を突きつけられてもおかしくない
そうなる前にいつものお母様に戻ればいいのに
「いい機会だからお父様に大事な話があるの。時間は大丈夫?」
「大丈夫だ。お前たちと色々と話し合いたいと思って休みにしてもらったから、私の部屋で話そう」
お父様の職場って寛大ですわよね
宰相補佐なのだから忙しいはずなのにお父様の為に休みをくれるなんて
お兄様が近づいてきて、小さい声で話しかけてきた
『何の話をするんだ?』
『王太子様の話をするつもりよ。本当はお母様にも聞いてほしかったけど、いつ戻ってくるか分からないですし、いつものお父様は忙しいから時間を作るのも難しいから』
泊まり込みで仕事をすることも多いお父様は家に居ないことが多い。
だから話すなら今がチャンスなのよね
あの話をしたらお父様はどんな反応をするのかな?
安心する?
それとも心配?
私が王太子様の婚約者候補になったのは、身分に釣り合ってるのと、私が王太子様に好意があったからだから、私が辞退したいって言っても反対はされないわよね
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