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第一章
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しおりを挟むゲームでも私はリリヤと関わることはあまり無いように見えたけど、それはそれで無視してるとか孤立させようとしてるって、攻略対象から責められているのよね
「何かいいアイデアありませんか?」
「なら父上にお願いしてリリヤ嬢を全寮制の学園に通わせるようにしたら良いんじゃないか?」
「全寮制の学園ですか?でも近くにある全寮制の学園は規則が厳しいところしかありませんよね?リリヤが嫌がって入らないんじゃないですか?リリヤが泣いて嫌がったらお母様が庇う気がします」
全寮制の学園は問題児や厳しい親が子供を自立させるために入れる印象がある
一番有名な全寮制の学園は年に数回しか学園から出ることが許されない
学園自体が大きい壁で覆われていて、学園の中にお店とかがあると言われている
「それなら強制的に入れればいい。今のままでは難しいけど、入学まで数年はあるから、もしも我が家に迷惑をかけたり、決まりを守らなかったらその学園に入れるって言えばいい。それなら流石に母上も反対は出来ないだろ。悪いのはリリヤ嬢だからな」
「お兄様さすがですわ!!それならどちらに転んでも私達は得しかないですわね。リリヤが全寮制の学園を恐れて大人しくするなら、それはそれで私達は助かりますし、もしも問題行動するなら全寮制の学園に入れて、関わりを切ればいいだけのことですから」
「そういうことだな。もしも入学前に問題行動が多いならルドルフ学園に入れればいい。あそこは特殊な学園だから入学前から受け入れてくれるからな」
ルドルフ学園は全寮制の学園で一番有名な場所ですわね
子供に言うこと聞かすために、ルドルフ学園に入れるわよって脅し文句に使われるぐらい厳しいって有名ですわよね
「ルドルフ学園に入学するのは可哀想な気もしますけど、事前に言うのだから入ることになるのならリリヤの自業自得ですわよね。問題行動をしなければ入学しないで良いのですから」
「俺は絶対に問題を起こすと思うぞ?俺等の事を舐めてる感じがしたから、例え問題を起こしても懇願したら許してくれるって思ってそうだよな」
お兄様は感が鋭いわよね。
私の予想でしかないけど、リリヤは絶対に転生者だと思うのよね
しかも乙女ゲームをしてた人に違いないはず、だからこそこの世界を現実じゃないと思ってる可能性がある
ゲーム感覚な気がする
私達のことを同じ人間ではなく、ゲームの中のキャラクターって思っててもおかしくない
その証拠に自分のお願いを絶対に叶えてもらえるって思ってる節がある
そういう人は厄介なのよね
どんなにこちらが言っても考えを変えさすのは難しい
厨二病の人と似てるわよね
どんなにこちらがおかしいって説明しても、自分は神から選ばれた特別な存在だって信じて人の意見を聞こうとしない
数年の内にリリヤが問題を起こしてルドルフ学園に入ることになるだろうけど、もしも私と同じ学園に入学することになったらどうしよう?
学園で関わりを持ったら面倒臭いことになりそうよね
王太子様もよく考えたら面倒臭そうなのよね
ちょっとしか関わってないけど、俺様で自惚れな性格な気がするのよね
王太子様の婚約者候補は今まで数人だけど辞退した人たちが居る、その度に王太子様の機嫌が悪くなるのよね
1度でも婚約者候補になった人は今でも自分を好きだと勘違いしている
そんなわけないのに痛い人よね
前の私は王太子様の事を好きだったけど、私以外の婚約者候補の人たちは私と同じで好きな人も居たけど、家の為にも婚約者候補になった人も結構な数がいた
今は婚約者候補から外れてる令嬢の半数以上が王太子様に恋愛感情はない、王太子様に好意がない令嬢の親は、お互いに情がないのなら結婚したとしても不幸になるだけだからと、早い段階で辞退していく親が多い
貴族は政略結婚が当たり前だけど、どちらかに情がないと上手くはいかないわよね
恋愛感情は持てなくても、友人や家族として愛情を持てるのなら不幸になることはない
たまにお互いに不倫を認めてる夫婦も居るけど、国の代表がそれではいけないのよね
今の国王様と王妃様もお互いに恋愛感情はないけど、小さい頃から兄妹のように仲が良かったと有名なのよね
「リリヤのことはお父様にも相談して、今後のことはお父様に任せたいと思います。お父様なら悪いようにはしないはずですわ」
「そうだな。父上には俺の方で話しておくよ。イリーナは倒れたばかりなんだからゆっくり休みなさい」
「はい。よろしくお願いします」
お兄様は私の頭を一撫でしてから出て行った
もう!!
お兄様は何時までも子供扱いしすぎたと思う
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